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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-MS-113 コルトに16歳の神授を取り戻せ - 意外に多い高い技術と経験はハイディングアウトオブサイト -

 確認の為走らせた店員(女性十代後半)さんが息を弾ませ戻って来た。


「モンパーチさんは...... ~ ......でした」

「そんなっ……」


 目の前にある装丁が立派な書籍二十五冊をリディアさんに売ったのはモンパーチという名のゼルフォーラ商人で隣の大都市サーフィスに拠点を持つスポポリテック商会の会頭(社長)だという話だったのが……。


 これには無理がある。モンパーチさんがリディアさんに書籍を売ることはどうやっても不可能だ。


 何故なら、...... ~

***********************

 開示者:本人

  用途:B


 ゲート ※転移移動ネットワークシステム※

【入】履歴無し

【出】履歴無し

 

 船舶

【入】国:ドラゴラルシム

   港:ドルガ・ルース第一埠頭・四

   日:R4075年11月08日・光

   時:11:04

   船:クリッパー・670t・大型

   名:ビジネスティー号(旗艦)


【出】国:ドラゴラルシム

   港:ドルガ・ルース第一埠頭・四

   日:R4075年11月10日・大樹

   時:09:55

   船:クリッパー・670t・大型

   名:ビジネスティー号(旗艦)


【入】国:アシュランス

   港:スカーレット・エリオット埠頭・一

   日:R4075年11月11日・無

   時:05:49

   船:クリッパー・670t・大型

   名:ビジネスティー号(旗艦)

***********************

 ~ ......。その時、モンパーチさんがスカーレットにいなかったという証拠がここにあるからだ。


 モンパーチさんのアシュランスカードから店員さんが自身のアシュランスカードに預かった開示情報を、リディアさんと確認したがおかしな点はなかった。


 アシュランスカードを偽装したり悪用できるのは、ぶっちゃけchefアランギー様と俺くらいだ。


 商業用の大型クリッパー船が最新鋭の物だとして最高速度は十三ノット(約二十四km)くらい。余裕を持って航海するとしてこれくらいが妥当だろう。何より、今回は速度は関係ない日程に無理がある。


 余談だが、アシュランスカードには個人情報の開示機能が備わっている。色々な機能が備わったとっても便利な一枚。それがアシュランスカードだ。


 因みに用途だが...... ~

***********************

 アシュランスカードの開示用途


 A:身分の証明を目的とする開示

  ※見せるだけの為、開示時間は一瞬※


 B:不在や行動の証明を目的する開示

  ※精査時間を考慮し、開示時間は1~4時間※


 C:その他の開示

  ※削除しない限り消えない※

  ※情報を受け取った側の責任は重大※

***********************

 ~ ......今回は二時間で削除されるようになっていた。


「原本が港湾管理局にあるとはいえ、今朝発行されたばかりの停船許可証の控え(実物)まで渡して来るとは思いませんでした」

「モンパーチさんらしいとは思います」

「らしいですか。どんな人なんですか?」

「そうですね。交易がメインの商人には珍しく実直な人だと思います」

「実直な交易商ですか、確かに珍しいです」


 非常に少ないのは確かだ。


「話をしていると、信用信頼なくして商い立たず、買い手も売り手も笑顔笑顔。と、……口癖なのだと思います」


 かなり珍しいタイプの商人みたいだ。家にも店があるなら一度覗いてみようっと。


「イエヴァさん、申し訳ありませんがもう一度モンパーチさんのところまで行って来てください」

「はい」


「ちょっと待ってください。協力して貰ったのに、お礼を言って許可証を返すだけってのも何なんで」


 タブレットから工房ロイスピー秋の新作スィーツを幾つか取り出し、工房ロイスピー製菓部門のロゴが描かれた長方形の白い箱(縦二十cm横三十cm)に詰めていく。


 本人へのお礼に、二十個はちょっと多いかもしれないが気にしない気にしない。


「これをお礼序に渡してください」

「え」

「ロイク様。この子にその量は無理があると思うのですが」


 箱四つくらい持てると思うが。リディアさんが無理って言うならそうなんだろう。それならそれでやり用はいくらでもある。


 神授スキル【マテリアルクリエイト】でピンク色のポーチ魔導具【ファルダガパオ・微】を創造する。


「これなら大丈夫ですね」

 箱と証明証をピンクのポーチに収納し、ピンクのポーチを店員さんへと渡した。


「え」

「あのそれはファルダガパオですよね?」

「少ししか入らない微タイプですが、お礼の品を入れるだけなんでこれで良いかなって」

「……ロイク様には後程説明致します。イエヴァさん」

「は、はひっ」


 挙動が不審というか何かに怯えてるようにも見えたが、急にどうしたんだろう。さっきの疲れが今出たとか? まっ良いや。


 店員さんが小走りで階段を下りていく音を確認し、時空牢獄に開けた穴を塞ぐ。


 俺の後方で角のある馬と羽のある馬と盾と読書動物愛好家が何やら騒がしいが、気にしない。


 さてと。


 リディアさんに向き直る。

「分っているのはタイトルと数冊だけですが著者だけです。出所まで不明になっちゃいましたが、これどうします?」

「まずは一冊試していただけないでしょうか?」

「構いませんが、失敗しても俺のせいにしないでくださいね」

「はい。ですが、万が一を考えて、読めなくなってしまったとしても問題の無さそうな【孫魔猿でも分かる節約レシピ800選】でお願いします」

「なるほどぉー、では早速試してみます」


 まずは施錠の呪印の解呪だな。神眼で呪印の状態、ん、文字っぽく見えるこれ、ちょっと拡大できないかな、出来たっ!! えっええぇぇぇぇこ、これって滅茶苦茶小さな魔力陣を滅茶苦茶大量に並べて文字っぽく見せてたのかよ、マジかよ。


 四、五冊手に取り確認した。


 残念なことに見間違いじゃないようだ。……これは俺への挑戦だ、実に面白いじゃないか。


 地、水、火、風、邪、闇。六つの属性の魔力陣に決まった配列配置はないようだ。ランダムに並べた魔力陣で呪詛を完成させ施錠の呪印を発動さる仕組みになっているようだが、そうなると、これって何属性の呪印になるんだ?

貴重な時間をありがとうございました。

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