表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
520/1227

6-MS-94 コルトに16歳の神授を取り戻せ - 人は生まれながらにプレイアパーソン -

「ジュンジェムに話があってな、この部屋で待たせて貰っていた」

「待たせて貰っていたと仰いましたが、この部屋には人払いの結界が張られています。入室には、大旦那様か私に招かれる必要があるはずなのですが、いったいどうやって……」


 神授スキル【フリーパス】でって言える訳ないし。ここはさっきと同じ感じで押し通してしまおう。


「教王神王陛下の一族に伝わる秘術、詮索は不要とだけ言っておこう」

「何とっ!! 神王家には強力な結界をも無効化してしまう秘術が、あっ!! も、もしかしてですが、宝物や機密図書のあの技術はこの秘術を参考にし開発されたのですか?」

「詮索は不要」

「はっ、今の一言だけで十分でございます。殿下、心より感謝致します」


 あの技術って何だ? それに何でこの流れで感謝されたんだ? シュヴァンツことダグマーさんの考えてることが全く理解できないんですけど……。


「殿下? ……シュヴァンツさんでしたよね?」

「はい、シュヴァンツです」

「無礼を承知でお聞きします。アドミン殿は殿下なのですか?」

「そうです」


・・・

・・


 返事返すの早っ。


 シュヴァンツことダグマーさんは、渋い声の少年擬きからの質問に悩むことなく瞬時にスラスラと応えていた。


「シュッペさんでしたよね?」

「……そ、そうだ。シュッペで間違いありません」

「重々承知しておりまが、ですが、恐縮ですが、同じ質問をすることをお許しください」

「君からはまだ何も質問されてないはずなのだが、違ったか?」

「……それでは質問させていただきます」


 あっ、少年擬き、無視して進めることにしたな。


「アドミン殿は何処の国の殿下なのでしょうか? 短慮な私に今一度教えてはいただけないでしょうか?」

「殿下と聞いて真っ先に思い浮かぶ国といえば私達の教国ガルネス神王国ではないのか?」


・・・

・・


 シュッペことインガさんは、俺と同じで変なキャラを作り会話をしている。慣れ親しんでもいない設定の浅いキャラで対応するには、渋い声の少年擬きは強敵だった。


 ただ、その逆もまた然り。


 少年擬きにとっても会話が微妙に成立しない設定の浅いキャラを通すシュッペことインガさんは強敵だった。


 質問が質問で返され不発した質問が一答置いて一投され不発する。質問のキャッチボールは傍から見ていて、気持ち悪いくらい異様な状況だった。


「……ふぅー…………殿下も御人が悪い。殿下自らお忍びでズィスパールまで足を御運びになられるとは、まさか思いもしませんでした」

「ふむ、(シュヴァルツ)の協力とだけ言っておこう」


「神王教王陛下が体調を崩され伏しているとかいないとか。冗談で吹くような風とも思えません。当商会は経典の他にも教印の回復水(神聖ポーション)教園の処方薬(神聖ドラッグ)も取り扱っております。もし宜しければ...... ~ ......」


 渋い声の少年擬きちゃんめ。暖簾なシュッペことインガさんとの会話を諦め、風が吹けば簡単に倒れてしまいそうな俺に直接攻撃を仕掛けることにしたようだ。


「それにはおよばん、気持ちだけで結構」

「左様でございますか」

「あぁ、何せ先の大戦で陛下は敵の手に落ちているのだからな。これ以上の詮索は不要とだけ言っておこう」


「……ボソボソボソどうやら本物のようですねボソボソボソボソ」


「ん、何か言ったか?」

「いえ、大旦那様の予定を頭の中で確認していたところついつい口に出してしまっただけにございます」

「そうか」


 全部、バッチリ聞こえていたけどね。


「「!?っあ”~~~!!!?陛下が敵の手に落ちたとはどういうことですかっ!!!!」」

貴重な時間をありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ