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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-MS-86 コルトに16歳の神授を取り戻せ - 賢い者は金でジャストバイイングタイム -

 ソールパッツァ商会の本店に入るのを躊躇していた俺達は、武装した九人の男達の強引な案内で店内へと足を踏み入れることに成功した。


 男達に取り囲まれたまま店の奥へと進み大番頭と書かれたドアの前で立ち止まる。


「大番頭さんよっ、今日来るって話だったよな。店の前に居たんで連れて来てやったぞ」

「用心棒代とは別料銀(ベツリョウギン)なんでぇー、二人で四十(ギン)バブエなんでぇー、そこんとこヨロシコ―――!!」


『主殿、この者達は阿呆なのでしょうか、言語中枢に異常は見受けられないのですが』

『あー、こういう人も中にはいるってことで納得しておいてください』

『畏まりました』


 ドンドンドンドンドドンドンドンドンド~ン。


 大声で金銭を要求しながらドアをガンガンと叩き付け蹴り付ける男達。


「騒がしいですよ。何度言ったら分かるのですか、ドアは蹴ったり殴ったりする物ではありません。大旦那様からお預かりしている大切なドアですので傷の分は用心棒代から差し引かせて貰いますよ。それと、ギニーブゥーレ、別料銀(ベツリョウギン)ではなく別料金です」


 ガチャ。


 ドアを開け廊下に出て来た男はドア越しに聞こえていた渋い声からは想像もできない美少年だった。


 少年は俺達を足の爪先(靴)から頭の天辺(帽子の飾り)まで気取られぬようコソコソ観察すると、フーンと小さく鼻を鳴らし上着のポケットから金を取り出し男達に向かって投げた。


 男達は慣れているのだろう。

「一、二、こっちは十六銀バブエだ」

「こっちは、百銀バブエあるぜっ!!」

「三十二銀バブエ」

「嘘つけよ、俺見てたぞ五枚だ五枚。テメェー何ちょろまかそうとしてんだよっ」

「チッ、見られてたのかよ、はいはい四十銀バブエでございますぅーっと」

「うんっとつまり幾らあんだよ、リーダー教えてくれよ」


「あぁぁぁぁいっぺぇーだ。オーエ三杯くれぇーだっ!!」


 俺達に最初に声を掛けて来た男がこいつらのリーダーだったようだ。


「相変わらずお馬鹿ですね。全部で百五十六銀バブエですよ。ただ、私は三百五十六銀バブエを貴方達に放ったはずなのですがね」

「なっ、誰だ隠してやがんのはっ!! おめぇー等全員部屋に来いっ、身体検査してやっかろよ」


 リーダーを後ろに男達はゾロゾロト奥に見える階段を下りて行った。


「ホントお馬鹿な連中です。さて、貴方達は何者ですか、ここでは店の者にも聞こえ都合が悪いでしょうから、どうぞ私の部屋へ」


 案内され入った部屋の中はとてもこざっぱりしていた。仕事用の長い机と椅子と七段の書棚。何処となくマルアスピー村の俺の部屋に似ていて親近感すら覚える。そんな感じの部屋だった。



 俺達は、仕事用の机を挟み立ったまま話を続けている。


「もう一度聞きます。貴方達はいったい何者ですか?」


『主殿、如何致しますか?』

『そうぉ―――ですねぇ―――』


「本日の来店予定は女性の二人組だと、大旦那様は仰られていたのですが」


『誰かと勘違いされているのでしょうか?』

『女性の二人組だって言ってるし、寧ろ普通に怪しまれてるだけだと思います』


「もしかしてですが、最近偽者が出没し依頼料をネコババするという事件が頻発していると聞きます。見目麗しい女性の二人組という情報そのものが偽物で、貴方達こそが本物……」


「ふむ」

『エリウス、この状況もう少し様子を見ましょう』

『畏まりました』


「私の【イヴァリュエイション・ステータス】の対策をして来た理由も今ので頷けました」


 勝手に話が進んくれるのは有難いが終着点が見えないってのは心臓に悪いな。

貴重な時間をありがとうございました。

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