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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-MS-85 コルトに16歳の神授を取り戻せ - 限りなく灰色を白だとディサロウー-

 どうしてティータイムの時に羊皮紙を見せてくれなかったのか。


 どうして相談した時に言ってくれなかったのか。


 そんなこと、フォルティーナに言ったところで時間の無駄遣い。究極の無駄でしかない。


 ということで、明日は国交のある国の前にソールパッツァ商会を調査することにした。



―――アシュランス王国・王都スカーレット

 グランディール城・国王執務室の窓際

R4075年11月10日(闇)10:03――― 


 朝食(プチデジュネ)とティータイムと午前の書類仕事を終え、執務室の大きな大きな窓から穏やかな海を眺めている。


 あの辺りに邪神竜様(ロザリークロード様)がいたんだよなと思い出しながら海を眺めている。


「ロイク様、書類箱(ボックス)に資料が届きました」


 執務机の横に置かれた背の低い収納棚(チェスト)の上に置かれた天板の無い書類の入れ物。何時の頃からか天板が無いのにボックスと呼ばれるようになった書類の入れ物は俺が創造した魔導具【カミカムゴー】だ。


「やっと来ましたか。それで、ソールパッツァ商会はん何て?」

「我が国にソールパッツァ商会の支店はありません。経済産業通商協議部を通し聖王国聖都(旧王都)のソールパッツァ商会支店にオファーを行いました」


 パフさんは魔導具【カミカムゴー】から真っ白な紙を一枚手に取り読み上げた。


「うん?」

「ソールパッツァ商会の支店が存在しない為、関係者と接触することができなかったのだと思います」

「あぁなるほど。面倒だし、ズィルパールの本店に突撃しちゃいますか」

「ハァ~……そうなるんじゃないかとは思っていましたが、ハァ~~~」



 ということで、ズィルパール王国にあるソールパッツァ商会の本店の裏手にある川の桟橋の上に建てられた木造の小屋の横物陰へと神授スキル【フリーパス】で移動した。


 今日は、エリウスも一緒だ。


「うわっ、()ったねぇー」

「見たところ、ヒュームの吐瀉物のようです。毒アルコールの痕跡はありません。御安心ください。この吐瀉物は安全です」


 吐瀉物に安心とか安全とか、要らないかな。


「誰もいないみたいだったんでここにしたんですが失敗でしたね」


・・


 ソールパッツァ商会の本店の正面へと移動した。細長い倉庫が並んでいて大きく迂回する必要があり、劣悪な環境の小道を長々と歩かされてしまった。


 船乗りや人足達が使う程度の私設の小道桟橋だったのかもしれない。……知らんけど。


「うわぁ~~~ド派手な店ですねぇ~」

 下品で正直好きになれない感じだ。

「これはまた面妖、あー玄妙な建物ですね。主殿、この建物に入るのですか?」

 顔を見なくても分かる。エリウスも入りたくないんだと。


 地上二階地下一階の本店の状況を神眼で()回す。


『エリウス、地下に道があるのが見えますか?』

『はい』

『怪しいと思いませんか?』

『怪しさしかありません』

『ですよね』

『先に何があるのか調べますか?』

『そうですね。タブレットで調べてみます』


 神授スキル【タブレット】の画面をエリウスにも見えるよう宙に展開しする。


『大聖堂、しかも旧教の聖騎士団が機能してるようです』

『本店と本店裏の倉庫と大聖堂と聖騎士団の詰め所が地下で繋がってる理由って何だと思いますか?』

『分かりません』


 エリウス、少しは考えようよ。


『主殿は如何お考えなのですか?』

『お、……そうですねぇ~』


 俺もエリウスのこと言えないや。


『エンブレムの話からも分かるように、ソールパッツァ商会は旧教と密接な関係にあります。ありました。経典の販売を止め関係を切ったと表向きはアピールしているようですが裏では、地下ではこうしてまだ繋がっていた。繋がっているって感じですかね』

『倉庫と桟橋。水運規模で……主殿、経典はこの程度の重さしかありません』


 宙から旧教の経典を取り出し俺へと差し出すエリウス。


「エ、エリウスな、何やってるんですかっ、早くしまってください。見られたら面倒なこ、あぁー」


「馬鹿野郎店の前じゃねぇーよ、店の中でって言われなかったのかよ」

「しまえ、この馬鹿ちんがぁ~」

「この阿呆、もし貴族達に見られてたら大旦那様に迷惑をかけるところだったんだぞっ」


 俺達は、ソールパッツァ商会の本店から飛び出して来た武装した男達に囲まれている。


 男達の人数は九人。


 行き交う人達に見られないように、俺達を囲んだようだが……こいつらはいったい? ……頭が若干弱そうなのは間違いないようだが。


『面倒なことになっちゃいましたね、これ』

『も、申し訳ございません』

貴重な時間をありがとうございました。

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