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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-MS-83 コルトに16歳の神授を取り戻せ - 思う気持ちにドントニードアリーズン -

 夕食(ディナー)を楽しみ、食後のティータイムで情報の交換と神授復活の相談をし、スタシオンエスティバルクリュの塔(研究所)の屋上、俺の寝室へと移動した。


 俺の寝室には簡易の隔離ブースがある。ブース内は小規模だが亜空間になっていてデータ収集を何も気にせず行うことができる。


 就寝前に一時間程、自然の力の循環の拡張と収縮の実験をするのが最近密かなマイブームになっている。


『ねぇ、ロイク』

 ブース内でデータの再収集を行っていると、マルアスピーから神授スキル【レソンネ】(共鳴 "思念波通信に近い")が届いた。

『はいなんでしょう』


『アナタに会いに行こうとしたのだけれど撫子の外套が壊れてしまったみたいなの、見て貰えるかしら』



 久方ぶりの本来の自分の寝室の大きなベッドの上に創神具【大樹撫子の外套・思慕】を広げ、神眼を意識し不具合を探していると。


「ねぇロイク、そろそろ良い頃合いだと思うの」

「ふむ」


・・・

・・


『ロイクさん』

 不具合を探しながら何となく反応していると、アルさんから神授スキル【レソンネ】が届いた。

『どうかしましたか、アルさん』


『神具【邪光烏(ジャコウガラス)暗聖之扇(アンセイノオオギ)】が壊れてしまったようなのです。明日病院でモゴモゴモゴモゴ一度見ていただきたいのですが、これから伺っても宜しいでしょうか?』

『構いませんよ』



 久方ぶりの本来の自分の寝室の大きなベッドの上に創神具【大樹撫子の外套・思慕】とアルさんが持って来た神具【邪光烏(ジャコウガラス)暗聖之扇(アンセイノオオギ)】を並べ神眼を意識し不具合を探していると。


「ロイクさん、どうでしょうか?」

「外套の次に()るんでちょっと待っててください」

「何だかとても落ち着きますね」

「ふむ」

「ロイクさんがこの部屋にいるからでしょうかね」

「ふむ」


・・・

・・


『ロイク様お願いがあるのですが』

 不具合を探しながら、この分だと今日のマイブームはおあずけだなと何となく反応していると、サラさんから神授スキル【レソンネ】が届いた。

『お願いですか』


『はい、二、三日程前から創神具【ノブルサジェスの杖】の反応に違和感があるのです。魔導具のエキスパートでもあるロイク様に見ていただきたいのですが、今はどちらに?』

『宮殿(エルドラドブランシュ宮殿)の寝室にいます』

『あら、お戻りになられたのですね。ブツブツブツブツ、明日使う予定が入っておりますので...... ~ ......』



 久方ぶりの本来の自分の寝室の大きなベッドの上に創神具【大樹撫子の外套・思慕】と神具【邪光烏(ジャコウガラス)暗聖之扇(アンセイノオオギ)】と創神具【ノブルサジェスの杖】を並べ神眼を意識し不具合を探していると。


「ロイク様、申し訳ありませんが外套と扇子の後で杖の方も宜しくお願いします」

「はい」

「ありがとうございます。それにしても、ロイク様がいるからでしょうか」

「はぁー」

「主がいるといないでは受ける印象がこんなにも違うのですね」

「そうなんですかね」


・・・

・・


『ロイク、ちょっと良いかね』

 不具合を探しながら序にこの状況に違和感を覚えながら何となく反応していると、フォルティーナから神授スキル【レソンネ】が届いた。

『今忙しんで来年あた』

『今から行くね』


 大きなベッドの上に並べた創神具、神具の三十cm上にフォルティーナが姿を現した。


「来ちゃいましたか……」

「来たら悪いのかね」

「何しに来たんですか?」

「これを見るね」


 フォルティーナは、男の夢と希望浪漫の谷から一枚の羊皮紙を取り出し渡して来た。


 生温い羊皮紙には魔力陣が描かれていた。


「これって……」

「全ての下界が到達できる限界がそれだね」

「つまり?」

「ガルネス大寺院にあった地属性の精霊運用魔法の魔法陣を完成させてだね。確か五十ぅ―――、五十三ヵ所くらいだったかねそれくらい手を加えるとそれになるね」


 たぶんこっちが上だな。


 羊皮紙を持ち直し描かれている魔力陣を改めて確認する。


 縦三十cm横二十cmの羊皮紙の中央に直径九cmくらいの円が描かれている。円の内側には上下左右中央に小さな円が一つずつ計五つの円が描かれている。


 内側の円は術式か。其々が独立して四大属性を制御してるのか?


 読めないな。模様にも文字にも見えるけど、これっていったい……。

「フォルティーナ、これって何処の言葉なんですか?」

「プリフェストが創造されたばかりの頃に地の精霊達が好んで使っていた御遊戯文字(オユウギトーン)だね」


 オユーギトーン?


「あら残念ね聞いたことがないわ」

「何処かで聞いたことがあるような……」


 横から覗き込んでいたマルアスピーとアルさんが耳傍で囁いた。アルさんは小首を傾げ必死に思い出そうとしているようだ。


「ロイク様、この模様って前に、ブオミル家とパマリ家の、私アリスを呼んで来ますっ!!」


 正面から覗き込んでいたサラさんは、アリスさんの名前を口にすると勢い良く寝室を飛び出して行った。


「騒がしい()ね、サラは」

「アスピーの言う通りだね」


「思い出しました。この文字【三毛猫探偵事務所ワイズニャン】の主人公ニャンロックに毎回届く挑戦状と同じ文字です」

「うん? ワイズニャン?」

「はい、土曜日の夜八時……コルトですと闇の日の夕食後ですね。神界神域で大人気だった幼少向けのアニ……活動絵画です」

「正解。アルにはアタシからこれをあげるね」


 フォルティーナは浪漫の谷から、白い羽を取り出しアルさんに渡した。


「これって、私の羽ですね……」

「さっき拾ったね」

貴重な時間をありがとうございました。

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