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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
496/1227

6-MS-70 共通点は悪気⑪ そうだ、ドラゴラルシムへ行こう②

・・・

・・


「...... ~ ......本人達から聞いた話とchefアランギー様から聞いた話に矛盾が無かったんでたぶんそうなんだと思います」


「前時代末期二万九千年前にマダヴェルード王国という国があったことも初耳だ」

「前時代の資料って殆ど残ってないじゃないですか。あれって意図的に破棄したから殆ど残ってないらしんですよ」

「培った技術や歴史、営みを意図的に手放し何の意味があるというのだ」

「それがですね。フィンベーラ大陸は【マダヴェルード王国】が今よりも遥かに進んだ魔導具と錬金術で大陸を支配していました。ネコトミサール大陸は【モンテザルヴァ魔導王国】が最先端の魔導技術で大陸を支配していました。ベリンノック大陸はベトギプス王国とベリンノック共和国辺り大陸西方地域を支配していた【ルテリバレオギプス帝国】と、アイゼンタール王国とズィルパール王国辺りを支配していた当時コルト下界最大の人口を誇っていたらしい【G()十七MP(エムピー)五十五連邦共和(タール)】通称ジンプタールと、フェルゼンラール王国辺り大陸中央地域を支配していた【レオゾンエルダタール王国】と、ベリンノック王国辺り大陸南方地域を支配していた【ヴェディンタールヴィルノッグ帝国】通称炎の帝国ディルグ。そして大樹の森が全域に広がっていた為国っぽい物が一つも無かったというゼルフォーラ大陸。二つの超大国マダヴェルード王国とモンテザルヴァ魔導王国が均衡を保っていたらしいのですが、今と余り変わらない感じの当時のベリンノック大陸の四ヵ国の一つルテリバレオギプス帝国がここマノス諸島の領有権を主張し侵攻しました。結果は超大国二国を前に一方的な敗戦。主力軍は壊滅、戦力の半分を失った帝国にレオゾンエルダタール王国と炎の帝国ディルグが宣戦布告し二国の連合軍が進軍を開始した。希少の激しいベリンノック大陸にあってルテリバレオギプス帝国は超大国二国にとって海を隔てた国境の緩衝地帯だったようで、レオゾンエルダタール王国と炎の帝国ディルグの連合軍の侵略を非難し戦闘停止を要求したそうです。どっちも二国なんで分かり難いと思うんで、ベリンノック大陸の二国連合を南連合、超大国の二国連合を大連合って言い分けます」

「ふむ、分かり易くなったかは微妙なところであるが、……続けてくれ」


「戦闘を止めない南連合に大連合は介入を宣言しルテリバレオギプス帝国に軍を派遣しました」

「そうなるであろうな。悲しいことに秩序とは言葉や誠意理想だけでは維持出来ぬ。安全は力を持って平和は武力を持って保たれて来た。我が知る見て来た歴史は常にそうであった」

「今回は、って大昔の話でしたね。その時は秩序も安全も平和もそんなこと言ってる場合ではなかったようです。南連合と大連合がルテリバレオギプス帝国の地で衝突しました。メアに街を築いた彼等はこれを【第一次大魔導錬金大戦】って語り継ぎ歴史として記していました」

「第一次か」

「はい、その後は相手を変え第七次まで大戦があったそうです。第一次から第七次この期間に魔導具と錬金術は更なる大躍進を遂げ、魔導技師は【大魔導具時代】、錬金術士は【金の夜明け】とこの時代のことを称したようです。ですが、ここからが前時代崩壊の時代です」

「ふむ」


「便利で安価な魔導具の消費時代。極まりつつあった錬金術、自然魔素(マリョク)の運用効率の改善と偶然重なってしまったコルト下界の成長自然の力の循環が数倍に膨れ上がったことで精霊様や聖邪獣様との契約が必須で尚且つ扱い難い魔法が廃れ、錬金術から派生した今の魔術が重宝される時代。今とは比べ物にならないくらい便利で暮らしやすかったそうなんですが、自然破壊、自然魔素(マリョク)枯渇、資源戦争、技術戦争、良いJOBやスキルを神授された人を奪い合う抱え込み、失敗した側による暗殺、独裁が進む国、愚民政治によって帝政王政時代よりも力の支配が進んだ国、大魔導士大魔術師大錬金術士が乱立し猛威を振るい、それに対抗するべく大量生産された魔導具や略式化された錬金術。ゼルフォーラ大陸以外の地では争いが絶えないそんな時代だったようです」

「騒乱の時代だったのだろう。技術を手放すなど考えられぬのだが……」


「彼等は苦渋の決断をします。多くの高位人間種族(ハイヒューマン)が繁栄を極め崩壊へと進むコルト下界を見限り、メア亜下界の悪魔域メア側と魍魎域、プリフェスト下界、KANBE(カンベ)下界、冥界へと魔力陣を使い転移して行きました。祖国を捨てる際に彼等は技術と歴史全てを破壊ロストさせた、滅びゆくコルトを見守る大役を任された者達は魔力陣をロストさせ姿を隠した。世界各地で起こった高位人間種族(ハイヒューマン)の失踪と重要施設の破壊と技術書の紛失で前時代はモンテザルヴァ魔導王国の消滅を持って終焉します。で、二万六千七十五年前アヴォンハイリーファ歴元年新時代が始まり、手付かずで無傷だったゼルフォーラ大陸を中心に低位人間種族(ヒューマン)の時代が再スタートした」


「一つ良いか」

「はい」

「前時代と新時代を繋ぐ史跡や資料が殆ど見つかっていないことのその理由は分かった。前時代が滅んだ理由も納得しよう。高位(ハイ)共は力も知恵も手段をも持ち合わせていながらこの世界を見捨てたように思えるのだが違うか?」


 おっと、その考えには至らなかった。


 竜王の表情から真意を読み解こうとしたが、無表情に近い作りの顔からは、何も読み解くことが出来なかった。


 俺が言い訳することじゃないんだけど、一応伝えておくか。


「転移した高位人間種族(ハイヒューマン)の九割以上は転移先で一日と持たずに命を落としています。chefアランギー様の話では、宙に含まれる成分が違うことと、存在が基準を満たさず崩壊したことと、純粋に力で負けたこと、該当する界は世界創造神様によって創造され微妙なバランスを保ちながら維持されていたところへの大移動挙句の果てには非創造の界への流出、非創造の界では手続きを取り正規のルートで行くか理の干渉に巻き込まれ強制的に移動するかでないと、世界創造神様の神授御意向御意思は届かない仕様で命を落とした最後の理由はなかなかシビアな感じですね」


「神授は、人族(ユマン)小人族(ドワーフ)巨人族(ギガント)(ユマン)種のみに授けられる力だ。樹人族(エルフ)種、妖精族(フェアリー)種、獣人族(セリアン)種、竜人族(ドラコ)種にとってはシビアでも何でもない。だからこそ、メアへ行った者達は生き永らえこうしてコルトに戻って来たのだろう。……腹立たしくもあるが、生き証人でもある。竜人族(ドラコ)のことは竜人族(ドラコ)に任せてくれるよな?」


「……予想通りというか何と言うか。高位竜人族(ハイドラコ)の二人が言ってたんですよ。竜人族(ドラコ)竜人族(ドラコ)竜人族(ドラコ)竜人族(ドラコ)へって、その時は抵抗はしないから竜人族(ドラコ)が興し竜人族ドラコが統治する興味深い国へ案内してしてくれ。おとなしく牢に入ってるつもりはないが目立たず静かに観光を楽しむつもりでいるから、そのつもりで頼むって」


「お、己の都合ばかりを……。だが、悔しいかな、悔しいまでに我等竜人族(ドラコ)そのものでもある。御伽噺神話に登場する我等が高位(ハイ)がぁ―――――っ!!」


「それと、ちょっとだけ話を戻しますが、前時代に大量に流出したことで理が保存を容認し干渉が起こる度に干渉先から人を迎え入れ(強制転移)していたようなんです」


「……コルトを滅びの一歩手前まで傷付けたのが我等低位(ノーマル)の先祖だったとしてだ。高位(ハイ)は多くの界を巻き込み混沌と混乱を今に残しただけではないか」


「変な宗教で混乱したコルトと、生きてるのに行って仕事を増やし一時的に業務を麻痺させられた冥界。あとはそれほどでもなかったみたいですよ」

「いや、我が言いたいのはそう意味ではなくてだな。我等も高位(ハイ)も大概だ。と……」

貴重な時間をありがとうございました。

前時代が終わった理由を会話形式にしたのは

間違いだったのだろうか。

ロイクの台詞が長くて申し訳ありません。

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