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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
492/1227

6-MS-66 共通点は悪気⑨ そうだ、もう一つのジャスパットへ行こう②

 真相を説明しに来たはずなのだが……。


 何故か、ジャスパット東西朝王国の皇家に伝わる三種の神器の説明を長々と聞く羽目になってしまった。


***********************

【ジャスパット東西朝王国】


 国名、ジャスパット東西朝王国は、×(誤り)

 正式には、ジャスパット皇国が、〇(正しい)


 皇国に王が二人君臨する切欠は、

 1062年前の息吹の2月23日、R3013年2月23日に

 起こった不死の山の大噴火が原因だった。


 不死の山(フジノヤマ)は、本西島(ホンサイトウ)の中央にある

 本西島の屋根と呼ばれる本西山脈の中心に

 聳え立つ標高3895mの独峰らしい。


 ※1.山脈にあるのに独峰なのは何故?

    俺の質問は無視されてしまった為、

    その理由は不明だ。


 不死の山の大噴火が原因。

 これだけでは意味が分からない。


 ジャスパットでは不死の山の頂上は、

 初代皇帝エンチヨクリルが、

 『降り立った地』『建国を宣言した地』

 『神器を授かった地』即ち、聖地。


 聖地には、

 神帝社殿(初代皇帝を祀る地)があった。

 神帝社殿には、

 初代皇帝と共に三種の神器が祀られ、

 創造神様(世界創造神)以上の

 信仰を集めていた。


 大噴火に乗じ、聖地から三種の神器を

 持ち出した不届き者がいた。


 不届き者は、

 ジャスパット皇国西朝廷今上天皇こと天子の

 61代前の天子で、当時の皇帝の実弟だった。


 不届き者は、

「朕こそが真の天、朕は天なり」

「天は聖地持する本西島の頂なり」

「天は西の都コカベースを天都(ミヤコ)とする」

 と、宣言した。


 西朝廷初代天皇こと天子は、

 『偽皇帝討伐令』『本東島解放令』

 『廃帝戴天令(皇帝を廃止し天皇を採用)』

 等々、自身に都合の良い勅令を連発した。


 西朝廷の偽皇帝討伐令こそ、

 ジャスパット皇国『血の800年』

 長々と続く内戦(戦国)時代の始まり、

 だとされている。


 ※2.初めて聞きました。

    そうなると今も内戦中ってことに?


回答)ムーコン親王の場合。

「リーファ三千八百八十八年八月八日光の日に交わされた、【天下三年の心得不戦の誓約】によって八百七十五年半もの長い長い内戦が収束し、三年おきに王が入れ替わる東西朝時代が始まったのじゃ」

「今の体制になってから二百年位ってことですか」

「現実にはちと違うのぉ」

「違う?」

「王の身分こそ三年おきに東朝廷に返上してはいるが、王権そのものは天子が握ったままなのだよ。それにだ、聖地より持ち出された三種の神器は西朝廷の天都コカベースの大社殿に祀られたままだ」

「創造神様から神授されたと言われている神器に物凄く執着してるみたいですけど、そんなに良い物なんですか?」

「良し悪しではないの。三種の神器を持する西朝廷の天子は三種の神器を持さぬ東朝廷の帝より高みに存在するということ、つまり三種の神器を持する天子は王の上に立つ王より偉い神にも近い存在ということじゃよ」

「うわぁー、ガルネスのホノクレマみたいな臭いがぁ~……」

「あのような物と一緒にされては困るのぉ、世界創造神様の名を騙り生き神を自称した愚か者と、御崩御されし後神の下へと旅立たれ神々の末席にその身を置くこととなられた畏れ多くも神帝陛下を同じように言われては困る。この場では良いが、市中でそのような言葉決して口にされぬよう進言しておくかの」


    内戦の話を聞いてたはずが、

    話題が入れ替わってしまい。

    俺にとっては、

    どうでもいい地域信仰話に……。


回答)帝の場合。

「今年の四月に即位したのですが、政は全て西(サイ)が執り行っているのが実情、……西は本西島のみ島一つだけの島国、ですが三種の神器と神帝陛下を人質にされては従うしかないのも実情なのです」

「人質って、物と過去の人物ですよね?」

「ジャスパットの心の拠所です」

「あーはい……」


 そうなんだろうけど、何かモヤモヤする。今を生きてる人の心っていうか声が全く聞こえてこないんだよなぁ~。


 あっ!! これ良いかも。相談してみるか。


「家にいる神々様方に相談して、一度、三種の神器を預かって貰うってのはどうですかね?」

「え?……世界創造神様より神授されし神聖不可侵なる三種の神器を神々様方にお返しする?」

「返すって言うか、一度預けて、もう一回神授して貰うんです」


 神授? 神託? まっ、何でも良いや。


「も、もしまた西に……」

「それは仕方ないんじゃないですか? だって、ジャスパットは人の意思より神の何か、過去の言い伝えの方が大事な国なんですから、東西共に神々様方に丸投げしちゃった方が絶対早いです。直ぐに解決しちゃうかもしれませんよ」

「そ、そうかもしれませんが……」


 因みに、東朝廷の天都は、

 本東島の都アズマアガツマ。


 西朝廷本西島の人口は、約130万人。

 東朝廷の人口は、約341万人。


 経済力軍事力文化力は、

 東朝廷の方が5倍近く高い。


***********************


 ジャスパットのあらましを概ね理解した俺は、白光の夜の怪事件と集団転移事件の真相を説明し、献上品を渡した。


 献上品と言うかプレゼントは、回復水五本と、帝が勝手に命名した【焔水晶玉ホムラスイショウギョク】と、【モントレアプレ・贈答用】機能を、世界が滅ぶその日までコルトの理で、年月日時を刻み続ける『永久タイマー&カウント』、【MP】を一切必要としないコルト下界においては使い放題の『念話機能』、消費【MP】5で【HP】が100回復する『聖属性下級魔術【天子の輪】☆1☆1☆1』、『状態異常耐性☆3』、収納可能重量300Kgの『収納管理(簡易のファルダガパオ)』、『リュニックファタリテ(装備者指定武具)』と、控えめにした地味な一品だ。


「それでは、次の国に行って来ます。三種の神器の件は神々様方に相談しておきますね」

「あ、はい……お願いします。お気を付けてロイク陛下」

「あ、アシュランス王よ、八百年も争って来たんじゃ、急いでおらんで、気が向いた時で構わんからの」

「はい。任せてください」


 ジャスパット東西朝王国の都、天都アズマアガツマを後にし、次に俺が向かうことにしたのは、ターンビット王国。


 大息吹の大陸ネコトミサールの覇者、超大国ターンビットのことは書籍や会話でしか知らない。


 知らないことばかりの国の人の前にいきなり姿を現すのは問題だと考えた俺は、風の大精霊が宿る風穴の聖域息吹の谷へと神授スキル【フリーパス】で移動することにした。


「ではっ!!」

 何となく軽やかな気分だ。ジャスパット東西朝王国を最初にして良かったのかもな。

貴重な時間をありがとうございました。

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