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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-MS-56 共通点は悪気⑥ そうだ、ムーコン親王をガルネスで拾おう②

 白光の夜の怪事件は、ガルネス大寺院の大贄儀礼の間の床に施されていた魔力陣が暴走して起こった。


 大贄儀礼の間の床に施されていた魔力陣は、先史文明時代に精霊界正式名称『プリフェスト』下界より齎された精霊地属性の魔法陣を基にし開発された地属性の魔力陣だ。


 精霊地属性『地属性の魔力』(コルトの自然の力の循環の自然魔素(まりょく)とは別物)を帯びた土砂を偶然床に用いたとは思えない。知識を持ち合わせていた者或いは知識を与えた者がいるはずだ。


 イヤイヤイヤ、こいつに聞いても時間の無駄だ。


 この件、全ての件で役に立ちそうにないホノクレマの顔と声が一瞬だったが脳裏に浮かび、物凄くやる気が奪われた。


 ホノクレマは使えない。ガルネス神王国の絶対君主『神王』で世界創造神創生教会の現人神『教王』だった男は、偉いだけで何も知らないただの馬鹿野郎だった。


 自身の欲望を叶え満たす為に他者は存在する。建国開教してからは自分自身の力で一切何も成し得ていない。四千年以上もこんな有様では馬鹿野郎を通り越して最早阿呆の領域だ。


 馬鹿は、馬鹿正直、体力馬鹿、筋力馬鹿、知識馬鹿、政治馬鹿、食通を気取った馬鹿舌。ある意味では何らかの道を極めつつある者が多い。


 だが、阿呆が極める道は愚か者のそれしかない。


 側近重臣古参の者達からもっと効率良く聞き出す方法はない物か。


 それに、メア(亜)下界で姿を晦ませた者達も気になる。……戻って来ていない者達か。奴隷のように扱われていたというジャスパットの民達は違うと思うけど、集落の住民達は意図的だよな、これって。


 集落の住民達の中には爾後の民もいたはずだ。彼等が一人も居なかったとしたら話は別だが、一人以上はいたと仮定した場合、子供ですら高次消費者な彼等が、俺が保護して回った時には手遅れだったとか……まず有り得ない。


 コルト下界では災害レベルS級以上の竜種(ドラゴン)がメア(亜)下界では食物連鎖の底辺に存在する蝶や鼠より弱い存在だとしてもだ。



 集団転移の範囲は、魔力陣を中心に半径六十Km(キロメートル)だった。長距離を移動した転移被害者もいるかもしれないからと、保護して回る範囲を直径プラス二十Kmにしたが、足りなかったってことになる。


「王よ。向こうで彼等がまだ生きている可能性はあるのかの?」


 範囲を広げて、もう一回保護しに行くべきだよな。


「我が国の民だけを助けてくれとは言わん。我が国の民を虐げていたであろう集落の民も一緒で構わん。お頼み申す。まだ間に合うのであれば彼等の命を救って……あ、……お、王よ、聞いておられ……王よ……」


 あれ? これって検索できるんじゃ……。


 メア(亜)下界に存在するコルトの存在を表示。


≪……………… ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・・・検索結果を表示しまいた。


 視界のド真ん中に四桁の数字がデカデカと表示された。


「七千六百五十四人っ!!!?」

「なぬっ、ど、どう、王よ如何なされたのだ」


「あ、えっとこの件、……待たせてるララコバイアの人達も呼んでからにしますね」

貴重な時間をありがとうございました。

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