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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-MS-54 共通点は悪気⑤ そうだ、先ずはララコバイアへ行こう②

「お断りします。十五時(正午)までに全部済ませて戻ろうと思ってるんで、遊んでる暇ないんですよ」

「遊びだと。ふざけるなっ!! 名誉をかけた決闘を汚すとは貴様それでも男かっ!!!! 使徒だ英雄だ竜殺しだとご大層な二つ名で呼ばれてるようだが所詮は王族の箔付けなんだろっ、大国ゼルフォーラともなるとお大変(オタイヘン)なことでございますね。心中お察し致しましょうか? ハッハッハッハっハッハッハッハ」



 青の従者の高笑いだけが響く静まり返った謁見の間。


 俺、あの人に何かしたか? あっ、謁見中に割り込んじゃってるわ……でも、誹謗中傷される程のことじゃないよな?


「議長殿、何とか言ったらどうなんですかっ!!」


・・・

・・


 静まり返った謁見の間で、青の従者を無視して話を進めるのもどうかと思い、青の従者の大きな独り言の邪魔にならないように、念話で話を進めることにした。


『ヴィルヘルム殿』


『ロイク君、申し訳ない』

『いえいえ、謝るのは俺の方です。来る前に念話で先に確認するべきでした』


『あの者は神授の夜の後にでも生まれたのか? 神授の夜を体験して、あれ、なのか?』

『赤ちゃんには見えないですね』

『赤子の方が遥かにましだ。あの者には可愛気がないからな』

『俺より年上の赤ちゃん……』

『お頭の方は生後数日でも通じそうだがの』

『プッ』


『どれ、このまま放置するのも一興だが、昼食までにスカーレットに戻るのであろう』

『その予定です』

『ふむ。……そうだな、ここはイニャスとルーカスに任せ、私とルーヘンと老師はロイク君に同行するとしよう。次はどの国かな?』


『……えっと、次はジャスパットのどっちかを』

『ジャスパットか……』

『どうかしましたか?』

『いや何でもない。何でもないのだが、あの国には良い思い入れが無くてな』

『思い入れですか』

『ふむ』

『あぁ―――、ぶっちゃけちゃっても良いのか。俺なんか思い入れどころか解放戦争が始まるまで名前すら知りませんでしたよ』

『それなのに、王に会いに行く気なのか?』

『手っ取り早く済ませられるなら何でもありかなって感じですかね』

『おっと、話し込んでしまうところだったわ。どれ行くかの』

『本当について来る気ですか?』

『だって、ここに残ってたら、あれだよ。あれっ!!』



「イニャス」

「はい、国王陛下」

「ルーカス」

「はい、国王陛下」


「今から私は、アシュランス王に同行し各国の王に会って来る。白光の夜の怪事件と集団失踪事件の件と聞いては何をおいても優先するべきだ。老師」

「任された。……陛下が謁見の間に私を呼ぶ何て海水から溶岩だなと思ってたけど、こういう事だったんだね」

「近衛魔術剣士隊の老師は謁見の間の玉座の三歩後ろが定位置だったはずなのだが……まぁ今は良いか。同行を許可する」

「許可されなくてもついて行くつもりです」


 ここにも、自由な人が一人いたよ……。


「それと、ルーヘンも同行させる。この場にはいないが問題なかろう。それでは行って来る。イニャス、ルーカス、後は任せたぞ。アシュランス王よ(まい)、お願いします」


 お願いします。って、どうしよう。……東西どっちからってまだ決めてないだけど。


 ……取り合えずここから動くとして、……ルーヘン王弟君の所に行ってから考えよ。


 【タブレット】でルーヘン王弟君の場所を確認し、【フリーパス】で移動した。


 突然姿を現した俺に驚き怒っているのか、ルーヘン王弟君は尻もちを付きながら少しだけ鋭い視線で俺を睨んでいる。


 挨拶は、全員揃ってからで良いかな。


 【転位召喚・極】でヴィルヘルム殿と老師ナディアを目の前に召喚した。


「あっ兄上っ↑」

「ルーヘン、ついて参れ」

「はっ、畏まりました。って、いったい何処に行かれるおつもりですか?」

「ジャスパット」

「そうでしたかジャスパットでしたかっていったいあいつ等の所に何をしに行くのですか?」

「色々とあるだろうが仲良くな」

「無理です」

「少しくらい考えてくれても良いだろう」

「……考えましたが無理です。寧ろ、海の漢の名にかけてあいつ等には目にものを見せてやるとここに宣言します」

「そんな宣言要らないからさ、今日だけで良いからさ、仲良くしろとかもう言わないからさ、静かに黙ってロイク君の話を聞いてるだけで良いからさ」


 相談できる雰囲気じゃない。さてどうしたものか。………………そうだっ!! ムーコン親王がいる方から回ろう。


 【タブレット】でムーコン親王の場所を確認する。


 ……何故に神都ガルネス??


「西朝の王様(天皇)に会う前に、ムーコン親王を拾いにガルネスに行きます。……老師どうかしましたか?」


 老師ナディアがおかしい。


 面白くもないヴィルヘルム殿とルーヘン王弟君のやり取りを黙って見てる何ておかしい。


「お兄ちゃんお兄ちゃん」


 頭を下げて耳を貸せのジェスチャー? 何故?


「何ですか?」

「ヒソヒソヒソヒソ、陛下とルーヘン殿下って似てるなって思ってさ」

「兄弟ですからね」

「ヒソヒソヒソヒソ...... ~ ......ヒソヒソヒソヒソ」

「そう言うこともあるかもしれませんが……」

「ヒソヒソヒソヒソ...... ~ ......ヒソヒソヒソヒソ」

「どうなんですかね?」

「ヒソヒソヒソヒソ...... ~ ......ヒソヒソヒソヒソ」


・・・

・・

貴重な時間をありがとうございました。

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