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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-MS-53 共通点は悪気⑤ そうだ、先ずはララコバイアへ行こう①

 朝食(プティデジュネ)を楽しみ、恒例のティータイムで情報交換他をし、午前の書類仕事(シツム)を終えた。



 お次の業務はっと……。


 タブレットで予定を確認する。


 各国の代表達に報告……か。どうしよっ。一堂に会すると面倒事のオンパレードで話し合いにならない。


 神々様方の自由気まま好き勝手な脱線とは違って、欲望丸出しのマウント取り皮肉合戦は見てるだけでも疲れるから嫌なんだよなぁ~。


 …………。


 ……。


 おっ!! 集めるからダメなんだよ。そうだよ。……そうだ、こっちから会いに行くことにしよう。まずは、…………ララコバイア海洋王国かな。


 控えめな国ってホント有難いよ。色々あったから出しゃばり難いだけかもしれないけど、寡黙なのは美徳だよね。


 【フリーパス】で、国王ヴィルヘルムの目の前に移動した。


「ぬわぉっ!!!?」

「おはようございます。ララコバイア王」


「ろ、ロイクく、アシュランス王よ。お、驚かさないでくれ、立ったまま息を引き取りそうになったぞ」

「またまたぁー、前に言ってたじゃないですか。成人して直ぐの頃占星で女性の腹の上で死ぬって言われたって」

「……我が国では占星士(ウラナイシ)の言葉は神の御言葉に次ぐとされている。まだまだ若いと思ってはいるが最近は特に健康に気を付けるようにしている」


 気にする所を間違えてるような気がしないでもないが、体を大事にしてるなら、それはそれで問題ないのかな?


「それで、謁見中に突然目の前に現れたということは、緊急の」

「謁見中?」


 振り返ると、玉座の正面つまり俺の眼下に、原色の数とモチーフにした図柄の数が多い派手で下品な衣装を身に纏った齢四十代後半から五十代前半の貴族風の男が立っていた。


「ララコバイア海洋王とズィルパール王国王家ケリマアール三大公王家が一つボノイズルパール・ル・ズィルパール・ア・リフレクト公王家当主バリフォスター・チューダマディソン・モイスチャー様の高貴なる場を汚した罪は万死。貴様が何者かは知らないが不心得者であることに変わりはない」

「最後に耳にすることを許された名が高貴を代表するボノイズルパール・ル・ズィルパール・ア・リフレクトであったことに感謝するのだな」


 派手で下品な衣装の男はズィルパール王国の貴族で。


 万死だとか貴様がなんたらとかって叫んでる青を基調とした繊維鎧を装備してる二十代後半から三十代前半の男は体つきから見て近接戦闘タイプの従者ってところか。


 高貴がどうのこうの感謝しながら死ねとか叫んでる赤を基調とした繊維鎧を装備してる十代後半から二十代後半の女も近接戦闘タイプの、イヤ違う内包する自然魔素(まりょく)が結構あるな。……この女の従者、男の従者より間違いなく強い。


「こここ、この馬鹿者共、不心得者はお前達の方だ。こちらは、フィリー連合王国の宗主議長国、アシュランス王国の国王ロイク・ルーリン・シャレット陛下だ。世界創造神様より神授をただき我等が住まうこの世界の管理と守護を任された聖(じん)様でもあらせられる」


「なっ……こんな若造があっ!!いえ、も、申し訳ございませんでした。一国の王の御前にまさか前触れなく連合国家フィリーの議長殿が現れるとは思いもしなかったものですからアハッハッハッハ、ハァ―ですが正式な手続きを経てララコバイア海洋王と謁見していたのは我等公王家です。無礼に無礼を返したということでここは相殺に致しませんか?」

「おい、アシュランス王に対し失礼ではないか。アシュランス王よ。こ、この者の処罰は国に戻り次第執り行う故この場は()の顔に免じ無血で済ませて欲しい。この通りだ」


 物凄く浅く、ほんの少しだけ頭を下げたズィルパール王国の貴族。


「公王様っ!!!?」

「おやめください。謝罪し乞うはパーシー殿です。」


「余の頭一つで済むのであればこれが最善と言えよう」


 イヤイヤイヤイヤイヤ、それ下げたうちに入りませんから。って言うか、三人して俺のこと馬鹿にしてますよね?


「パーシー殿。パーシー殿は公王様に頭を下げさせ、それで、それで良いのですかっ!!」

「い、…………良い訳が……良い訳がないだろう。連合国家フィリーの議長殿、こ、こ」


 この従者いったいなんなんだ? 怒鳴ったと思えばニヤニヤ笑い出し、笑い出したと思えばプルプル震えだすし……。気持ち悪いんですけど。


「この、この場で議長殿に、我は、我の名誉をかけ決闘を申し込む。我は、ボノイズルパール・ル・ズィルパール・ア・リフレクト公王家当主バリフォスター・チューダマディソン・モイスチャー様が懐刀ボノイズルパール・ル・ズィルパール・ア・リフレクト公王家が誇る精鋭騎士団が団長サイハイザー・パル・イリウスが長子パーシー・パル・イリウス。ララコバイア海洋王よ、立ち合いと決闘の場を急ぎ整えていただけますこと心より感謝致します」

「え?」


 え?って、ヴィルヘルム殿、それ俺が言いたいです。


 直ぐに終わると思ったから、ララコバイア海洋王国からにしたのに……。

貴重な時間をありがとうございました。

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