6-MS-49 共通点は悪気④ おさらいの時間ですよ①
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「今のところ、私からは何の報告もありません。ですので、報告が終わったのであれば、会議に戻りたいと思います。転移をお願い致します」
サラさんマリアさんバルサさんカトリーヌさんからの報告が終わり、最後に残ったバジリアさんからの報告を待っていると会議に戻るから転移をと頼まれた。
どうやらバジリアさんは、四人のお目付け役としてここに残っただけで、何か報告があった訳ではないようだ。
「了解しました。会議中に呼び出しちゃってホントに申し訳なかったです。ルードヴィーグ卿とテレーズさんとアリスさんにも改めて謝ってたと伝えて貰えると助かります。それと、バジリアさん。四人に付き合ってくれてありがとうございました」
「そ、そういう訳ではないのですが……」
「それでは、移動させます」
五人を【転位召喚・極】でカレントリップズの間の扉の前へと移動させた。
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chefアランギー様の説明が続く。
「それでは、本日のおさらいと参りましょうぉー、はい」
「「「お「はい!!」う任せたっ!!」」」
ユーコ様ロザリークロード様フォルティーナの三柱を除いた俺の実験室に残っている皆がchefアランギー様に向かって返事をした。そんな中、親父だけが元気いっぱいだ。
「私が命名した負の感情石は百パーセント悪気超々高純度の悪気の塊です。製造方法はこの上なく簡単で均一の圧力を全方位から加え続けることで結晶化し紫色の光を……はい、バイル君」
「お、俺っ!? あーなんだあれだあれっ……出し続けちまう、みたいな、感じ? みたいな」
「正解ですぞぉー、はい、皆さん私の手元に注目してください。……こんな感じで負の感情石は簡単に作ることが出来ます。ですが、作る際にはパトロン殿なり私達神に許可を取ってからにしてくだされ。良いですかなぁー、はい」
「「「お「はい」う」」」
「悪理水晶は水晶とは名ばかりで厳密には水です。ただし水と言っても悪気を飽和させた超悪水に分類される為、……はい、オスカー君」
「飲料水には向かない。その為、料理に使ってはならない。何故ならば、弱者には毒でしかないから。この場合の弱者とは内包する悪気が百以下の者をさし、目安としては現バハムート殿の伯母前バハムート殿の末弟バハムート殿でギリギリ危険。何が危険かと言うと、九十九から百弱のギリギリ弱者寄りの末弟バハムート殿が超悪水を誤って飲んでしまった場合千回に九百九十九回は即死すると断言できるから。超悪水とは魔界(メア亜下界)の者にとっても命を脅かす程に劇物である。正しい知識を身に付け適切に扱うことで薬にも成り得る優れた劇物でもある」
「補足することが何もありませんですぞぉー。実にすんばらしぃー……はい皆さんオスカー君に拍手」
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「月属性の一つ盈属性、コルトで作る場合は地属性で構いませんですぞぉー。ですが、今は分かり易く盈属性と言葉を統一します。盈属性に満たされた空間と大地を上下縦横四Kmから十三Kmで規模に合わせ準備し超悪水を準備した空間の中心に垂らします。作りたい悪理水晶の数に合わせ垂らす超悪水の量を調整する必要はありますが一度に大量に作ってしまった方が効率的、折角ですので準備した超悪水は全部垂らしてしまうことをお奨めしますですぞぉー、はい。ですが、準備した空間では処理しきれない量を垂らしてしまうと失敗し悪理水晶には、……はいトゥーシェ君」
「あっ!? !? !? おっ!! ならないのじゃぁ~」
「はい、その通り。欲を出し垂らす量を間違えると悪理水晶は手に入りません。欲をかくと碌な目にあわないという教訓は、……はいバイル君」
「……はっ!? また俺かよっ!! あーなんだっ!! どぉーせ、どっかの偉い奴が適当ぶっこいたんだろっ、適当、チッ、いい迷惑だぜまったくよぉー」
貴重な時間をありがとうございました。
本日も本当にありがとうございました。