6-MS-38 これでも一応本気の脱神頼み⑤ レソンネで会議中②
「サンドラさんが納得したところで、使節団の動きとメンバーをもう一度確認します。団長はバルタザール殿で、王位継承権を放棄し第五王子から天爵に封じられたこと、デェイビュー公爵領の南隣バルタザール王子領を王位継承権が第六位から第五位へと繰り上げになった長男のジャマル王子に譲ったこと、連合国家フィリーの議長国アシュランス王国の将帥に就任したこと、フィリー連合軍の最高顧問に就任したこと、創造神様より神格を神授され神の末席に名を連ねることになったこと、最後にもう一つ俺の眷属神本当は眷属亜神だけど眷属神として話しを進め神の一柱としてコルト下界の下界管理者の補佐も任されているみたいな感じが最終的に理解される伝わるようにする。ただし、あくまでも体は、ベトギプスとアシュランス二国間の繁栄と平和で、フィリー加盟を後押しするものではない」
「ここまで来るとゼルフォーラの王族であることはさして重要に思えないが私の立ち位置としては、ゼルフォーラ聖王国の王位継承権を放棄した王族の土地なし天爵。アシュランス王国の将帥。連合軍の最高顧問。神々様方の末席に名を連ね管理者様守護者様聖神様を支える補佐役。亜神としてではなく、最高顧問としてでもなく、天爵としてでもなく、将帥、アシュランス王国の外戚王族として使節団の団長を任された、で良いのかな?」
亜神の格位って神格位に次ぐってだけで正確には神格ではないんだけど、神様っちゃぁー神様な訳だし、ここは神界じゃないけどここは神界の理優先ってことで問題ないよな。
「問題ないと思います。団長以下は名前だけを確認します。詳細についてはチーム内で煮詰めてください。それと、家の親父は同行させませんので安心してください。……メンバーを確認します。副団長のマクドナルド卿、相談役のオスカー殿、第一班班長のバルサさん、第一班班長臨時補佐の天使アラキバ、第二班班長のサンドラさん、第二班班長の補佐バジリアさん、同じく第二班班長補佐のカトリーヌさん、同行書記監査官のパフさん、同行書記監査官警護役えっと警護神のユーコ様、ユーコ様の本当の姿は神様で本当は行幸だけど、念の為身分を隠し正義の凄腕調査官とし使節団に同行、調査官としての身分も念の為に隠し、あくまでも書記監査官のパフさんの警護、神ユーコとして参加する善意と少しお節介が過ぎる悪戯好きの狐の神様ってことで問題ありませんね」
「問題ないぞ。神だってばれたらまずいから語尾はぞ、で統一したぞ。どうだ、これで神だとばれる心配は微塵もなくなったぞ。おっ!!おぅわぁっ!!」
レソンネで繋がる皆の頭の中にユーコ様の絶叫にも似た大声が突然響き渡った。
何事? 頭がグラグラする。
「な、な、急にどうしたんですかっ!?」
「本気で遊楽しないと面白くないぞ。真剣に心を込めて悪戯するから面白いんだぞ」
やられた側は只々迷惑なだけなんですけどね。
「そ、そうなんでしょうね」
「今のでは足りないって面白レーダーがビンビンで」
「何が足りないんですか?」
このグダグダ設定足りないことばかりで正直もうどうでも良いやって思ってるんですけど……。
「だってそうだろう凄腕調査官としてばれたら負けなんだぞ。なのに分っていたのに正体を隠す工夫を怠っていたんだぞ。これでは始まる前から負けてしまっているではないか、こんなのもう面白そうな美味しそうな絵に騙されて買ってしまった、買わされてしまった……あ、あ、ああの店のガキィー見つけ出して焚刑にしてやるんだぞ。強大な失意の中折れた心が絵でちょっとホッコリしちゃったんだぞ……あぁー……あぁぁ―――、あああぁぁぁ―――――っ、ぬおぅ~~~」
いったい何があったんだ?
頭皮を掻き毟るユーコ様の形相がちょっと怖い。
「『旦那様よ。狐の神じゃが茶の席で絵に騙され玩具菓子を大人買いしてしまったと申しておったぞ、見てくれこの板紙に描かれた端正な顔立ちの狐達をとも申しておった。その話ではないのか?』」
「『菓子の味は気に要らなかったけど絵は気に要ってるって感じですかね?』」
「『狐の神も複雑な心をしておったのだな。少しばかり柔らかく接しようと思う』」
「『……それで良いんじゃないんですかね』」
神様が相手なんで、知らんけど。
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一先ず、ユーコ様と皆のレソンネを保留にし、ユーコ様が落ち着くのを待つことにした。
因みに、ユーコ様と俺のレソンネはボリュームを物凄い絞り繋げたままにした。落ち着いたと同時に話し合いを再開出来るようにしておく必要があったからだ。
貴重な時間をありがとうございました。




