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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-MS-35 これでも一応本気の脱神頼み③ だけど・・・

 大地の聖域があるのは、南大陸、大火山と一枚大岩の大陸ベリンノックのベトギプス王国だ。


 北大陸から南大陸まで行って何かを仕入れたなら仕入れた物は分からなくても仕入れの履歴位は残ってるはずだ。


 聖域は結界があって普通は入れないし近付くと何処にあるのか分からなくなる。聖域の近くまで行って周囲の資源を採掘したり採取したなら規模は大きかったはず、情報は直ぐに入手出来るだろう。


 まずは、現地での聞き込みと、貿易の履歴確認だな。


 履歴は、ガルネス神王国と神王国の商家から押収したベトギプス王国と王国の商家との取引に関する証拠物件を洗い直すとして……微妙だな。旧教だし国を通して無い可能性が高い。


 天井に開いた大穴を見上げ、地上の状況を思い返す。


 ガルネス神王国の旧教総本山(ここ)はこんな有様だ。証拠になりそうな物は地上部分には残されていなかったと報告を受けている。


 そうなると、首都(ガルネス)にある別の旧教関連施設から押収した証拠物件を洗い直す位しかできない。


 いっそのこと、ベトギプス王国に働きかけて、旧教関係者或いは関連施設を調べて貰うか。あれっ? ベトギプス王国の立ち位置ってどんなだったっけ?


・・・

・・


「旦那様よ。(わらわ)も良いか?」


 考えをまとめるのは後にしようと思考を切り替え、床へと視線を動かしてる途中でリュシルと目が合った。


 リュシル、貴女(あなた)もマルアスピーと同じで目配せ派ですか……。


「何か分かったんですね」

「地属性のことではない故話したものかと暫し思案したが、床に関わること故話すことにした。旦那様は妾達を集める際に言っておったな、同じ悪気(あっき)だけど出所が違う。と。どうやらそれは間違いのようじゃ」


 どういうことだ?

「間違いですか?」


「ここの床には間違いなく悪気を感じる。悪気は感じるのだが明確な違いを覚える」


 リュシルは何が言いたいんだ?

「明確な違いですか……」

「ここの悪気はメアの物ではない」

「え?」

「ここの悪気はメアの物ではない」


 ……どういうことだ? 悪気ってメア(亜)下界由来の物じゃないの?


「メアの物じゃないとすると何処の物で?」

「妾にも分からぬ故旦那様に助力を乞うことにした。ダメだったか?」

「ダメも何も皆で協力して解決しようって考えた結果の集合なんで、寧ろありです」


 ……ロザリークロード様は何をやってるんだ? 神々様方の新しい遊びか何かか?


 右手を高らかに挙げ数回飛び跳ね、高らかに挙げた右手を下げ左手を高らかに挙げ数回飛び跳ね、左手を下げ右手を上げ飛び跳ね、右手を下げ左手を挙げ飛び跳ねるロザリークロード様。


「えっとロザリークロード様は何をなされているのでしょうか?」

「お、遅いぞ我が眷属ロイクよ。訓示を乞うたのも挙手をせいと(ねご)うたのも主であろう」


 捉え方は人其々(・・・・・・)だし、まぁーこう言う時もあるのかもな。うん。……ここは丁寧な対応でいくとしよう。


「ありがとうございます。それで、何を教えていただけるのでしょうか?」


「うむ。料理の神は傍聴、遊びの神は場違。もう我しか居らぬと考えたまでのことよ。感謝するが良い」

「えっと、ありがとうございます」


「足元の悪気は、ここで生まれた物だ」

「ここで生まれた?」

「そうだ。コルトで生まれた物だ」


 ……ここって大贄儀礼の間じゃなくてコルト下界!?

「コルトでも悪気って」

「発生するね。当然だね。ロイク、君はランドリートで何を見たのかね?」


 フォルティーナが真面目な表情で話しをしてる。


「悪気はメア由来の物ではあるがだね。メアでなければ生まれないと言う程の物でもないね」


 フォルティーナが凛とした表情で話しを続けている。いったいどうしたんだ?


「遊びの神よ。我の話の邪魔をするでない」

「アタシはアタシの目の前で美味しいところだけ持って行かれる。それだけは赦せないね。足の小指をぶつけるのと同じくらい嫌いだね」

「あああぁぁぁ―――あれは痛いな。我もあれだけは赦せぬ」

「そうだね。あれは痛いね。脳天から記憶が飛び出す痛さだね」

「我、あれで一夏を無駄にしたことがある。あれは悔しかったぞ」


 こいつらホント自由だよな。過去話(かこばな)するんだったらどっか邪魔にならないところでお願いします……。


「おっといかんいかん。遊びの神よ。我は今眷属ロイクに話しがあるのだ」

「そうだったね。アタシもロイク、君に話があったね」


 ……小規模脱線で済んだのは奇跡だが、だが、……なんだろう今この二人(・・・)に関わってはいけない、そんな気がするのは何故だろう。

貴重な時間をありがとうございました。

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