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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
-スタシオンエスティバルクリュ編ー
46/1227

1-33 属性の実験と、美肌と若返り。

宜しくお願いします。

――― アンカー男爵領マルアスピー

ロイクの実家 居間

――― 6月5日 19:00


 パフ・レイジィーとその母リディア・レイジィーさんを、パマリ侯爵領コルトの衛星集落にある自宅まで神授スキル【フリーパス】で送った俺は、マルアスピー様と2人で実家へ帰宅した。


 居間では、母が魔術師(マジシャン)の装備をテーブルに広げ武具のメンテナンスをしていた。


「それって、魔術師(マージ)の杖(ワンド)だよね?」


「母さんは、水と風の属性を補助無しで扱えるから、地と火の魔晶石で強化したこの魔術師(マージ)の杖(ワンド)が必需品なのよ」


「属性を1つだけ所持している魔術士は、4大属性全部を扱える様に他の3つの属性で強化した杖を装備してるって事?」


「劣位属性と同位属性の2属性だけで、長時間戦闘を続けるのは、かなりのリスクを伴いますからね」


「見た感じだけど、その杖って、所持している属性の魔術の威力を微妙に拡散させているみたいだけど・・・」


「そうなの?」


「ちょっと貸して」


「良いわよ」


 母は、俺に魔術師(マージ)の杖(ワンド)を手渡した。


「どうやら......


***神眼で分析中***


 【魔術師(マージ)の杖(ワンド)

 ※ゼルフォーラ王国魔術士魔導士(マージ)の館本店製

 ※宮廷魔術師(パレスマージ)魔導具研究所練成

 【効果】

 ※地属性小魔晶石による

  地属性魔術レベル1の発動

 ※火属性中魔晶石による

  火属性魔術レベル1・2・3の発動

 【ステータス補正】

 ※【MP(魔力量)】最大値に+50

 ※【INT】最大値に+50

 ※【MND】最大値に+10

 ≪問題点≫(通常は認識出来ない部分)

 ※装備時、水属性魔術発動時

  地属性小魔晶石の影響を受け、

  劣位相殺効果。威力10%減

 ※装備時、風属性魔術発動時

  火属性中魔晶石の影響を受け、

  劣位相殺効果。威力30%減


***おわり***


......風属性の魔術の時、30%も威力が落ちてたって事か」


「大きな魔術になればなるほど、杖を装備した状態で練習し発動しますから、3割威力が落ちた状態が自分の限界だと思い込んで、気付く事の方が稀だと思うわ」


「確かに杖を装備していない状態で、魔術を発動する時って、日常の生活魔術位だから10%や30%威力が戦闘時より上がっていてもこれも気付けないかぁ~・・・」


「ロイク。メアリーママさん。面白い事を思い付いたのだけれど、人間種には可能な芸当なのかしら?」


「どんな事ですか?」


「アスピーちゃん面白い事ってどんな事かしら?」


「メアリーママさんの水と風の魔術は、その魔導具を装備した状態で発動すると、地と火の魔晶石の影響を受けて相殺効果が生じている訳なのだから、相殺効果を受けない様にすれば良い訳よね!」


「そうですね」


「例えばですが、風が火の劣位作用によって相殺効果の影響を受けるのであれば、風の魔術を発動するのと同時に、火の魔術も発動してみてはどうかしら。風はメアリーママさんのスキルですが、火は魔導具によって発動している訳ですから、人間種の自然魔素(まりょく)の使い方でも2つ同時は可能ですよね?」


「2つの属性を同時に発動させるんですか?」


「えぇ。面白いと思いませんか?」


「でも、それって、こういう事ですよね?」


 俺は、右手の人差し指を立てると、指先に炎を灯す。


 【マテリアル・クリエイト】自然魔素・清澄火属性レベル1の2万分の1:状態・ロウソクの炎の様に弱い火 発動≫


 そして、左手の人差し指を立てると、指先に小さな風の渦を出現させる。


 【マテリアル・クリエイト】自然魔素・清澄風属性レベル1の2万分の1:状態・微弱な風の渦 発動≫


「この火と風は、まったく同じ強さです」


「あらあら、同時に2つの属性を発動するって出来る物なのね。それに、ロイクは火と風の魔術が使える様になっていたのね」


「一応、全属性を扱えるよ。それは後で説明するとして、ちょっと見てて」


 俺は、左右の人差し指の腹を重ねる。風の渦が火を纏い火の勢いが一瞬だけ強くなった様に感じられたが、直ぐに風の渦は消え火だけが燃え続けていた。


「予想通りでした」


「今のはどういう事かしら?」


「母さん今のは、マルアスピーが言っていた面白い事の実験の第一段階さ。次はちょっと違うから見てて」


 俺は右手の人差し指に火をレベル1の2万分の1で発動させ、左手の人差し指に風をレベル1の1万分の1。火の調度2倍の威力で発動させた。


「風の方が強い様ね」


「風は火の調度2倍にしてある。これで優劣が理論的には同位の状態な訳だけど、どうなると思いますか?」


「同位の状態ならどちらも存在し続けるでしょうね」


「マルアスピーはどう考えたんですか?」


「劣位属性の影響で相殺効果があるのなら、優位属性の火は相乗効果で威力が強くなると考えました」


「でも、優劣位属性の相関関係は、同位による差し引き0が自然魔素(まりょく)の属性活用の考え方の基本なんですよね?」


「そうよ」


「それだと、こうなりますよね?」


 俺は、左右の人差し指の腹を重ねる。風の威力が半分に減少し渦が炎を纏いながら燃え続けていた。


「相殺効果分は消滅しましたが、属性その物をぶつけた訳ではないので、結果的に同位の状態で属性同士が干渉し合い存在し続ける。俺の予想通りです」


「料理をする時に、魔導具で火に風を送っていました。火の勢いを風で調整出来ると考えたのですが・・・」


「調整しますが、狩りの時に、焚火で肉を焼く際、火を強くしようと風を強く送り過ぎて火が消えてしまうって事が良くありました。火に対して風は程い良い加減で送り続ける必要があるんです」


「料理の火と自然魔素(まりょく)の火は、違う物として考えた方が良さそうね・・・デザートを上手に作れる気がして来たわ」


「・・・そ、それは良かったですね」


「えぇ!」



「それで、これが最後の実験」


 俺は右手の人差し指にレベル1の2万分の1の火を灯す。


「この火に次は風を送り続けてみます」


 左手の人差し指からレベル1の1万分の1の風を発動させ、人差し指を炎に向けた。火は、赤い色から青い色へと変化し揺らめきが収まると、風下に向かい炎の先端が鋭く突き刺す様に燃え始めた。


 母は、俺の指先で青く燃える炎を指差しながら、


「ロイクそれって火なの?」


「予想とかなり違ったけど上手く行ったみたい・・・・・・それに、火って青くなるんだぁ!」


 俺が風を送るのを止めると、火は、ロウソクの火の様に、風を送ると鋭い青い炎へと変化する。


「間違い無く火の様ね」


「ですね。マルアスピー。これってどう思いますか?」


「2つの属性を上手く組み合わせる事で、上位属性に近い状態に変化しているのかもしれないわね」


「上位属性?ですか・・・」


「そっ!上位属性に近い存在」


「アスピーちゃんが思い付いた面白い事なんだけど、魔術の詠唱を1人で同時に2つ行う事は出来ないから、2人居ないと出来ない方法って事になるわね」


「あぁ~そうか・・・」


『詠唱の事を忘れていたわ』


 俺もです。


「火を発動させ続ける為には、詠唱の継続が必要でしょう。詠唱を続けながら風の魔術を詠唱して継続させる何て2つの魔術を同時に発動させるより難しいわ」


「母さん!魔導具で魔術を発動させる場合でも詠唱って必要?」


「そうね。魔晶石に自分の【MP】を一度集めて、魔晶石で【MP(魔力量)】を地や火の属性に変化させてから発動させている感じだから、詠唱とは少し違うけれど発動させている時に、魔術の詠唱をするのは難しいわ」


「なるほど」


『ねぇ~ロイクぅ~』


 な、何ですか・・・


『私、凄い事実に気付いてしまいました』


 次は、どんな事ですか?


『メアリーママさんが、あの魔導具を装備しなければ、魔術の威力が弱くなる事はありません』


 そりゃ~そうですが・・・


『装備しなければ良いのです』


 いや、それじゃぁ~地と火の魔術はどうするんですか?


『ロイクが、【地火属性の心得】【地火属性魔術】【地火属性耐性】【地火属性特化】を、オペレーションで付与するだけで、魔導具は不要になります』


 はぁ~・・・


『メアリーママさんの為です。さぁ~ロイク今です』


 今です。って、やるの決定ですか?


『臆する事はありません』


 いや、臆してはいませんよ。でも、四大属性【地水火風(ちすいかふう)】を扱える人が、人間に1人生まれる事になるんですよ。大丈夫ですかね?


『ロイクは全属性を扱える様になりましたが、誰にも迷惑をかけていません。神様も祝福してくれています。メアリーママさんが四大属性を扱える様になったからと言って、中傷される事は無いと思いますよ』


 中傷というか、噂になったり目立つ方が問題な気が・・・


『その時は、私達の新居で一緒に暮らすと良いのよ・・・良い事尽くめね。さぁ~』


 分かりました。何かあったらマルアスピーも力を貸してくださいね。


『えぇ。フフフッ』


「母さん。この杖無しで、地属性、水属性、火属性、風属性の魔術が使えるなら、この杖って装備しないよね?」


「魔導具無しで4つの属性を使えるのなら、違う杖を装備するでしょうね」


「それなら」


 【オペレーション】発動≫ 【パーフェクト・コピー】発動≫


***メアリー・シャレットのスキル***


≪LIFE・SKILL≫

【威力強化・魔術】レベル3


≪SENSE・SKILL≫(一部)

【水属性の心得】レベル3

【水属性魔術】レベル3

【水属性耐性】レベル3

【風属性の心得】レベル2

【風属性魔術】レベル2

【風属性耐性】レベル2


***おわり***


 母さんの【威力強化・魔術】レベル3をレベル3以上に成長する様に、LIFE・SKILLから、SENSE・SKILLに移した方が良いか・・・【schneiden(シュナイデン)】切り取って記憶っと。【geben(ゲーベン)】でSENSE・SKILLに付与。


 俺のスキルから、地と火の心得と魔術と耐性と特化を【Gedächtnis(ゲデヒトニス)】記憶。母さんのSENSE・SKILLに付与っと・・・どうせだから、水と風の特化も付与しておくか。レベル1~3で選べるのか!それなら、3で良いや。あれ?他のスキルも1~3で選べるのか・・・全部3に上げておこっと。


 ステータス値はっと!・・・・・・BONUSが34あるから、【MP】に全部振って・・・魔術師レベル(修練度)5のJOB補正値を100%でステータス値に転用っと。


 マルアスピーこんな感じでどうでしょう?


『そうねぇ~......


***メアリー・シャレット***


≪STATUS≫

【HP】99(89+10(JOB補正)

【MP】243

((98+34(BONUS補正)30(JOB補正))×1.5)

【STR】80(70+10(JOB補正)

【DEX】109(84+25(JOB補正)

【VIT】78(68+10(JOB補正)

【AGI】112(87+25(JOB補正)

【INT】172

((85+30(JOB補正))×1.5)

【MND】174

((86+30(JOB補正)×1.5)

【LUK】60


≪LIFE・SKILL≫

【N/A】


≪SENSE・SKILL≫

【杖の心得】レベル3

【衣の心得】レベル2→3

【法衣の心得】レベル3

Éva(イヴァ)luation(リュエイション)FIBER(ファイバ)】レベル3

【加工・FIBER(繊維)】レベル3

【強化・衣】レベル4

【強化・法衣】レベル2→3

NEW【地属性の心得】レベル3

NEW【地属性魔術】レベル3

NEW【地属性耐性】レベル3

NEW【地属性特化】レベル3

【水属性の心得】レベル3

【水属性魔術】レベル3

【水属性耐性】レベル3

NEW【火属性特化】レベル1 

NEW【火属性の心得】レベル3

NEW【火属性魔術】レベル3

NEW【火属性耐性】レベル3

NEW【火属性特化】レベル3

【風属性の心得】レベル2→3

【風属性魔術】レベル2→3

【風属性耐性】レベル2→3

NEW【風属性特化】レベル3

移行【威力強化・魔術】レベル5

※【MP】【INT】【MND】の最大値50%UP※


≪BIRTHDAY・SKILL≫

【範囲魔術単体固定】


***おわり***


......LIFE・SKILLから移した威力強化・魔術のレベルが5になっているみたいね。どうしてかしら』


 あっ!本当だ・・・まぁ~下がった訳じゃないし問題無いかな!


『そうね』


「母さんのスキルを少し変更してみた」


「私のスキルを?」


「LIFE・SKILLに【威力強化・魔術】レベル3を所持してたでしょう?」


「えぇ」


「それを、スキルが成長しないLIFE・SKILLから、SENSE・SKILLに移したんだけど、移したら何故かレベル5になったみたい」


「そうなの?」


「MPとINTとMNDの最大値が30%UPから50%UPになるみたい。ステータス値が高くなる分には問題ないよね?」


「お母さんが、魔術師魔導士(マージ)協会(ギルド)に正式登録していた頃の、【MP】の最大値は、127だったのね。今は幾つなのか分かるかしら?」


「母さんのステータス値は、【HP】99【MP】243【STR】80【DEX】109【VIT】76【AGI】112【INT】172【MND】174【LUK】60だよ。これは、何も装備していない状態。前より全体的に高くなったのは、魔術士5のJOB補正値と、ステータス値のおまけみたいな数値を、100%で反映する様にしたからだよ」


「そう、そんな事が出来るのね・・・」


「それで、他のスキルだけど、触ってたら3までは俺のスキルで上げる事が出来るみたいだったから、レベルが2のスキルはレベル3に上げたから後で確認しておくと良いよ」


「そ、そうね・・・」


「それと、レベル3で地属性と火属性の心得、魔術、耐性、特化と、水属性と風属性の特化を付与しておいたから、こっちも確認しておいた方が良いと思う」


「母さんは、四大属性を全て所持しているって事?」


「レベル3だけど、魔術耐性特化も含めて一応全部かな」


「4つ所持だなんて、宮廷魔術師(パレスマージ)の一員に加わったら最初から上位席ですよ。4つの属性持ちだなんて凄いわぁ~・・・」


「メアリーママさん。コルトの中央病院の人間種がinstinct(アンスタン)le()double(ドゥーブル)と自身の事を称賛していたましたが、魔術の属性を2つ以上所持している人間種の事なのですよね?3つでも4つでも同じなのですか?」


「属性の心得を2つ以上所持している人は意外に多いの。でも、魔術や特化をスキルで2つ以上所持している人は珍しい方なのよ。ただ、LIFE・SKILLに魔術や特化のスキルを2つ付与して、魔術や特化を発動する事は簡単に出来るのよ。だから、instinct(アンスタン)le()double(ドゥーブル)は、JOBが魔術師の人ならほとんど全員がそうね」


「所持している魔術属性の数で呼び方が変わる訳ではないのね?」


「母さん。LIFE・SKILLに魔術や特化のスキルを3つ付与したら・・・」


「3つ目の属性を付与する事は無理なのよ」


「そうなんだぁ~」



――― 大樹の森

マルアスピー村 北約10km地点

――― 6月5日 19:20


「バイル様ぁ~・・・アンカー男爵領まであとどの位の距離でしょうか?」


「そうーだなぁー・・・10Kmから11Kmってとこだなぁっ!」


「まだそんなにですか・・・」


「いやーアリスちゃんが一瞬で森熊を2匹も仕留めちまっただろうー。ファルダガパオがあっても無くてもこれじゃ一緒だったよなぁっ!ハッハッハッハッハ」


「バイル様・・・」


「いやー。マリアさんが居てくれて助かったよぉー。流石の俺でもぉー2匹運ぶのは無理ってもんだぁー・・・俺が仕留めた森熊1匹とぉーアリスちゃんが仕留めた2匹。放棄したら勿体ぇーしなぁっ!」


「えぇ・・・」


「しっかしぃー500Kg以上の森熊をー、矢1本で狩るってぇー良い腕してんぜぇーアリスちゃんはぁっ!」


「あ、ありがとうございます・・・」


「ん?どうしたぁー元気がねぇーみてぇーだけどよぉ!」


「何故、2匹も仕留めてしまったのかと・・・」


「良い腕だったなぁっ!」


「はぁ~・・・」


「アリス。ロイクさんに連絡を取る方法は無いの?」


「あったら、とっくにしています。御母様ぁ~・・・」



――― アンカー男爵領マルアスピー

ロイクの実家 居間

――― 6月5日 20:30


「母さんのステータスとスキルの調整はこれで良いかな?」


「ありがとう、ロイク」


「メアリーママさん。杖はどうするの?」


「魔術の威力強化か、属性の強化。【MP】の消費を抑える物かしらね」


「新しい杖が見つかるまで、料理のお礼に私の杖を使わせてあげるわ」


 マルアスピー様は、精霊樹のワンピースのポケットから、1本の杖を取り出した。


「そのポケットってファルダ―ガパオなんですか?」


「に、似た物ね」


「アスピーちゃん。その杖の素材は何かしら。見た事が無いわ」


 その杖、母さんに貸しても良いんですか?


『えぇ~。私には、ロイクから貰った愛を与えし者(アンブラッスマン)の杖(ワンド)があります。それに、この杖では何も出来ません』


 干渉規制ですね。


『メアリーママさんが持っていた方が何かと便利です』


 聖樹の枝(ロリエラモー)って認識してるんですが、杖なんですよね?


『聖樹の枝を杖として使うの。枝でも杖でもどちらも間違いではないわ』


「これは、聖樹の枝を杖にした物です」


「聖樹って、聞いた事が無いわ」


「聖属性の自然魔素(まりょく)を秘めた樹齢100万年以上の大樹の枝です。聖域の内側でしか育たない木なので、人間達がこの木を知らなくて当然だと思います」


「へぇ~そうなんだぁ~」


「そうなのねぇ~」


「大樹の森の樹木の多くが、樹齢4000年以上の大樹・巨樹として人間種達には認識されている様ですが、それは森の比較的浅い部分の樹木です。この杖は、大樹の森の聖域の聖樹つまり世界樹の枝で作った物なので、精霊樹の加護を受けた杖という事になります。メアリーママさん、持ってみてください」


「えぇ~」


 母は、杖を受け取ると、念入りに確認し始めた。


「・・・えっ?」


「フフフッ」


「・・・ええ?」


「どうかしたの?」


「アスピーちゃんの声が・・・」


「精霊樹の影響を受けた樹木草花に触れると、精霊の声が聞こえる様になります。精霊に話掛ける事も出来ます」


「それ、触れて無くても、出来てますよね?」


「それは、私が家族だからです。それに、話が出来るというのは声に出してという意味ではありません。ねぇ~メアリーママさん・・・」


「・・・」


「・・・ええ、そうね」


「・・・」


「まぁ~・・・」


「2人でコソコソ何の話をしてるんですか?」


「こんな感じで、レソンネ(共鳴)の様に会話する事が出来ます。勿論距離の制限はありません」


「この杖って、マルアスピーと会話出来る杖って事ですか?」


「私だけでは無いわ。精霊と会話出来る様になる杖よ。メアリーママさんが認識していない精霊とは繋がらないから、今は私だけかもしれませんが・・・」


「武器としての杖としては微妙ですね」


「そうかしら。その杖には精霊樹の力が宿っている訳ですから、若返りの効果・美肌の効果・浄化の効果等沢山の身体に嬉しい効果がありますよ」


「あら!とっても良い杖ねぇ~」


「ホラ!メアリーママさんも喜んでくれていますよ」


「えぇ~とっても嬉しいわ」


「杖じゃなくて、装飾品や衣類だったら凄いと思うんですが・・・」


「・・・確かにそうね。考えてみたら、その方が便利だわ」


「良いのよぉ~アスピーちゃん。新しい杖を見つけるまで、この杖を肌身離さず大切に使わせて貰うわ」


「はい!」


 母さん・・・


『フフフッ』


 マルアスピーって精霊樹の衣類や装備をいつも身に付けていますが、若返ったりしないんですか?


『えぇ~・・・ロイクは、今の私の見た目よりも若い方が好みなのかしらぁ~・・・パフちゃん位が良いのかしらぁ~』


 どうしてそんな話になるんですか!


「2人共見て見て、凄いわよ。杖を持ったばかりなのに、もうお肌の調子が良い感じに・・・凄いわこれ」



 親父とマリア・パマリさんとアリス・パマリさんが、森熊を背負って大樹の森を家へと歩いていた頃、俺達はステータスやスキル。母の若返りの話で盛り上がっていた。


 母のスキルを調整した事で、俺自身のスキルも増えていた。


***新たに所持したスキル***


【杖の心得】レベル10(最大値)

【法衣の心得】レベル10(最大値)

【強化・基礎】レベル10(最大値)

【強化・全】レベル10(最大値)

【上位強化・全】レベル10(最大値)

【威力強化・全】レベル10(最大値)


***おわり***

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