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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-MS-28 進展しないから、働き方を改革することにした。

 教貴族達とゲンベルジュン(自称ホノクレマ)に真偽の魔導具を使用した日から三日が経った。


 フォルティーナから親父が闇の迷宮内で白色の腕輪をロストしたと聞かされた日から三日が過ぎた。


 フォルティーナが(ドラゴン)の飼育に専念するようになって、まだ三日しか経っていない。



――アシュランス王国・エルドラドブランシュ宮殿

 北プライベートエリア3階・朝食(プティデジュネ)の間

R4075年10月28日(光)08:40―――


 chefアランギー様と妖精のおしごとが織り成す究極至極の朝食(プティデジュネ)を堪能した後は、我が家の食後の恒例ティータイムの時間だ。


 悩むだけ無駄。と、結論を出した俺は、【見つめ直そう己の時間】をスローガンに、全ての働き方を改革することにした。


 安価で利便性の高い時計を大量に生産してしまった俺が諸悪の根源黒幕だということに薄々気が付いてはいた。


 時間に管理され時間に追われる。時計が世界に普及してからまだそんなに経っていないにも関わらず世界中の様相が様変わりした。


 ……時間に支配される世界。


 そんな世界は嫌だし面白くない。黒幕として責任を取ることにした。そう、働き方を改革することで支配から共存へと大いなる一歩を踏み出すことにしたのだ。


 緊急時や非常時でもない限り一日の労働時間は最長でも十時間まで、四時間おきに三十ラフンの休憩を必ず取る。


 商家の経営者(オーナー)職人の親方棟梁(マスター)各協会の協会長(ギルドマスター)や警備防衛の兵士などには渋々一部例外を認めはしたが、原則として国王だろうが副王だろうが神だろうが労働時間のルールには従って貰うことにした。


 最長十時間。……最低の時間を決め忘れた俺は、一日の最低労働時間を決めるべくダラダラと時間を過ごし適切な時間を見定めることにした。


 一昨日、昨日、そして今日。かれこれ三日程ダラダラと過ごしキビキビと労働を熟す。そして今何かちょっとだけ見えて来たような気がしている。


「ロイク、ちょっと良いかね」


 気がしているところに間の悪いフォルティーナが声を掛けて来た。


 無視して見えて来たような気がする何かをちょっとだけ思考していると。


「聞いているのかね。アタシは一つのことに捉われてしまい視野の狭い窮屈な時間を刻むべきだとはないと。声を大にして言いたいね」


 五月蝿いくらい聞こえているが無視して思考する。


・・・

・・


 思った通りだ。ダラダラ過ごすようになってからの俺は度々気付けてしまっている。


 今もそうだ。


 国王には休みがない。なんてことだ。……だが、長時間ダラダラ過ごしても問題ない。


 要するに、国王は第一次産業。農家や酪農や猟師や漁師や職人や探検家や冒険家と同じってことだ。マーチャントやプリーストやシスターも近い気もするが今は気にしないことにしよう。


竜の牧場(ドラゴンランチ)は、ロイク、君に譲ることにしたね。権利はアタシが八でロイクが二、アタシとしての誠意だね。うんうん声も出ないくらい喜んで貰えるとアタシも嬉しいね」


 時間に支配されない為には、分業、適材適所、専業、働く人が沢山必要ってことが分かって来たぞ。ここ最近の俺は実に冴えている気がする。

貴重な時間をありがとうございました。

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