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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-MS-19 教貴族達と、その背景③

「ガルネス大寺院の最下階大贄儀礼の間には巨大な魔力陣があり、その巨大な魔力陣は旧文明の遺跡で見つけた地属性のものと思われる魔術陣を応用したもの。相違ありませんか?」

「「「「相違ございません」」」」


「凡そ表向きは、なんでしょうが、寄付だ献金だ寄進だとか上納だ祈祷だ贖宥だとか言い没収したり略奪した金銭物品は、教王庁の枢機卿院の財務大評議会の御奉献御奉仕局が管理している。相違ありませんか?」

「「「「相違ございません」」」」


「これも表向きは、なんでしょうが、遺跡とか各地で集めた文化的に歴史的に価値の高い物は、教王庁の枢機卿院の文化大評議会の御教示御教導局が管理している。相違ありませんか?」

「「「「相違ございません」」」」


「なんたら大評議会、御なんたら局は、枢機卿院直の機関で十九人から二十三人の枢機卿のみで運営されている。これらに教王や副教王が参加することは絶対にないと言い切れる。相違ありませんか?」

「「「「相違ございません」」」」


「なんたら評議会、なんたら局は、神官院直の機関で教王庁内のことなら聖職にある大司教と司教が運営し、教王庁外のことなら聖職にある大司祭と司祭が運営している。これらに教王や副教王が口を出すことは絶対にないと言い切れる。相違ありませんか?」

「「「「相違ございません」」」」


「枢機卿は神官院が管理する評議会や局を指導する立場にあり、評議会や局が決定した案件を、内赦大評議会或いは二人以上の撥無権の行使により無効にできる。相違ありませんか?」

「「「「相違ございません」」」」


「世界創造神創生教会は枢機卿院によって管理運営されていると言って過言ではない。相違ありませんか?」

「「「「相違ございません」」」」


「教王は唯一無二の尊い生神(いきがみ)様だから、教王が国王のガルネス神王国では国王を神王と呼称する。でもって、枢機卿達は奉献内赦の使徒様だから、教王で生神様の代行を努めるは至極当然のこと。要は、生神とか使徒とかは真っ赤な嘘で、建国の際に人心掌握に都合が良いから開教した世界創造神創生教とか世界創造神創生教会を現行の様にでっち上げたのはその為。相違ありませんか?」

「「「「相違ございません」」」」


「世界創造神創生教会は、ヴァルオリティア帝国の帝国旗や軍旗の印、ガルネス神王国の神国旗や軍僧旗や教導旗の印、(ジュー)堕ち、...... ~ ......巫女(メディウ)の呪い、継承の呪い等の研究を行っていた。相違ありませんか?」

「「「「相違ございません」」」」


「ここのいる皆さんは、大贄儀礼の間で滅茶苦茶大きな(ドラゴン)を拘束していたのを知っている。相違ありませんか?」

「「「「相違ございません」」」」


「大贄儀礼の間に施されていた魔力陣の機能や性能は知らない。相違ありませんか?」

「「「「相違ございません」」」」


「少しだけ話を戻しますが、呪いの研究に関わったことはない。また、研究施設に足を踏み入れたことはない。相違ありませんか?」

「「「「相違ございません」」」」


・・・・・

・・・・

・・・

・・


 まとめただけだし、返答が変わる訳ないか。


 建国と開教の際に少しだけ携わっただけで、以降は一切関与していない。旧教の悪行のほぼ全てが枢機卿院によるもの。


 さてさて、どうしたものか。


 改良したばかりの新作魔導具を使う時が来てしまったのではないか?


 真偽判定の魔導具【白黒ハット】は皆に結果が見えてしまい使い勝手が悪い。何とかならないかと相談された俺は、頑張っちゃいました。そして完成させたのが。


 自然魔素(まりょく)の測定をする額飾り型の魔導具と瓜二つの真偽判定の魔導具その名も【真偽の額飾り】。


 MRアイズもしくは専用の眼鏡を通して【真偽の首飾り】を見ると、真実ならそのまま、無言による虚偽なら赤色で点滅、虚偽なら赤色で発光。序に虚偽の際に頭部を締め付ける強さを二十段階で調節出来るON/OFF機能を搭載。


 レベル二十を自分に試してみたが、フォルティーナの脳天チョップより痛くなかったので、お遊び程度の機能だ。


 ということで。


 視界内に展開させたタブレットの画面を視線で操作し、タブレットからなんとなく貴重品ぽい体を演出しながら【真偽の首飾り】を一つだけ取り出す。


「これで本当の最後です。この額飾りは工房ロイスピーが開発した最新式の自然魔素(まりょく)測定器です。実はこれ皆さんの故郷メア(亜)下界の悪気(あっき)も測定できちゃうんです。皆さんの自然魔素(まりょく)と悪気を記録させてください」


 数値を聞かれたら()て答えれば良いだけだし何とかなるな。


「皆さんを疑っている訳ではないんですが、悪気で悪さとかされると魔術と違って痕跡から割り出すのが難しいんで是非協力してください」


 本当は簡単に分かるけど、それは俺だからであって、普通はそうじゃないみたいだから嘘ではないな。


「ぶっちゃけ、地位の高い皆さんが率先して協力してくれると話が早いってだけなんですよね。爾後の民の皆さんの協力を得るのが楽になるってだけで、皆さんにメリットはありません。帰界の際に若干の便宜とか定期便の便宜とかこっちでの身分への便宜とかそれくらいなんで、断ってくれても構いません。断っても帰界はできます」

貴重な時間をありがとうございました。

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