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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
-スタシオンエスティバルクリュ編ー
43/1227

1-30 何気ない所作と、レシピブック。

宜しくお願いします。

***********************

【タイトル】 このKissは、嵐の予感。

【第1章】(仮)このKissは、真実の中。

 1-30 何気ない所作と、レシピブック。

***********************

――― アンカー男爵領マルアスピー

ロイクの実家 ロイクの自室

――― 6月4日 26:00


 マルアスピー様は、可愛いピンク色のリボンが付いたパールホワイト色のポシェットから、直系50cm高さ18cm程の丸い皿を取り出し、ベッドの上に置いた。


「陶器の皿ですか?」


「これはお皿ではありません。【現人(うつしおみ)水鏡(みずかがみ)】という水鉢(みずばち)の魔導具です」


「水鉢?・・・何に使う物なんですか?」


「魔力水を満たす事で、異なる場所を覗き見る事が出来ます」


「へぇ~・・・」


「便利な魔導具でしたが、ある日底に亀裂が入ってしまって・・・」


 マルアスピー様は、水鉢を持ち上げると、仮面を被る様に水鉢で顔を覆い、底を俺に見せた。


「あぁ本当だ。亀裂というか結構大きな穴がありますね」


 視線が水鉢越しに重なる。


「この亀裂が出来てから魔力水で満たされる事が無くなってしまったのよ」


「何かで塞いでもダメだったんですか?」


「えぇ~」


「壊れてる物が直る機能ではないので保証出来ませんよ」


「亀裂は壊れているって・・・やっぱりそうなるわよねぇ~」


「水を貯める事が出来ない水鉢って、それ鉢じゃないですからね。取り合えずタブレットに収納して様子をみましょう」


「お願いするわ。それと他に3つあるの」


 マルアスピー様は、ポシェットから良く分からない物を3つ取り出し、ベッドの上に置いた。


「それっていったい何ですか?」


「どれの事かしら?」


「どれと言いますか全部です・・・」


「この30面ダイスは...」


「それ、サイコロなんですか?6面じゃなくて30面?」


「...えぇ30面です。これは、【宿運(しゅくうん)掌理(しょうり)】という魔導具で、抗う事の出来ない未来を知る事が出来ました」


「未来が分かる魔導具ですか何か怖いですね」


「そんなことはありません。これで私は・・・」


「どうかしましたか?」


「いえ、何でもありません。・・・・・・これは、ハートマークの模様の所にとても綺麗な石が埋め込まれていたのですが、ある日無くなってしまい・・・」


「綺麗な石ですか?」


「えぇ~綺麗な石でした」


「パーツが欠けている物が元通りになるのか分かりませんが、取り合えずタブレットに収納して様子をみましょう」


「お願いするわ。そして、これは【什宝(じゅうほう)鍵盤(けんばん)】という魔導具で、白鍵が7本、黒鍵が5本。12本揃って1つの鍵なのだけれど、ある日黒鍵が1つ無くなっていたの・・・」


「楽器ですよね?」


「えぇ。ピアノの魔導具です」


「その鍵は何の鍵なんですか?」


「これは、精霊界に伝わる精霊漆器を管理する宝物殿の鍵です」


「精霊漆器?」


「ドラゴラルシム王国産の白磁漆器の【現人(うつしおみ)水鏡(みずかがみ)】も綺麗ですが、精霊漆器の美しさは次元が違います。非常に薄く水晶やガラスの様に透けています。とても軽く強度に優れ永久物と定評があります。大きな特徴は、美的感覚意識と共鳴し、見る者に合わせ認識させる色を変える事が出来るところでしょうか」


「複雑な漆器の様に聞こえます」


「複雑?」


「色が異なるんですよね・・・何かと不便だと思っただけです」


「人間種は本当に小さい事を気にする種族ですよね・・・鍵が修復され宝物殿の扉を開錠した際には色を言い合いましょうよ。品評の楽しさを教えてあげるわ」


「そうですね。見聞の為にも色々見ておきたいです。精霊磁器じゃなくて、鍵盤が話の主役でしたね」


「そうね。そして、最後は【陽光(ひひかり)律動(りつどう)】という魔導具です」


「光を反射させる板にしか見えません。それも全く想像がつかないですが、いったい何をする魔導具なんですか?」


「これは、キラキラと光り輝く面で陽の光を受ける事で、光の力を(ライ)という力に変換する事が出来る物です」


「らい?」


「えぇ、天より落ちる神罰(イナズマ)に似た(ライ)という力です。そして、この四角い箱が変換した(ライ)を集める事が出来る物で、ピカピカ光り輝く板と四角い箱2つセットの魔導具です」


「何らかの力を集めて使用するって事ですよね?」


「さぁ~」


「え?」


「ここに黒い線がありますよね」


「はい」


「この線が紫から赤。赤から黄色。黄色から黄緑。黄緑から緑に変化します」


「それだけですか?」


「実際何に使う物なのか全く分かっていません。母も知らないと言っていました」


「ミト様も知らないんですか?」


「えぇ~」


「う~ん・・・」



「考えていてもどうしようもないですね。タブレットに収納しちゃいます」


≪カシャッ


 魔導具【現人(うつしおみ)水鏡(みずかがみ)】【宿運(しゅくうん)掌理(しょうり)】【什宝(じゅうほう)鍵盤(けんばん)】【陽光(ひひかり)律動(りつどう)】がベッドの上から消える。


「さて、居間に戻りましょう」


「そうね」


 俺達は、居間へ移動した。



――― アンカー男爵領マルアスピー

ロイクの実家 居間

――― 6月4日 26:20


 居間では、母とパフさんと騎士(サー)マケインが、お茶を飲みながら未だに戻らぬ親父ことバイル・シャレットと、中央騎士団第3師団遊撃部隊隊長マリア・パマリさん。中央騎士団遊撃部隊見習いのアリス・パマリさんを待っていた。


 俺は、マルアスピー様と2階の俺の部屋から戻ると騎士(サー)マケインに話掛けた。


騎士(サー)マケイン。使役した魔獣達ですが、森に放置しておく訳にもいかないので、俺が預かってます。闇牙狼(ダークウルフ)3匹をどうする予定なんですか?」


「名誉団長殿。魔獣使いに関する王国法を御存じありませんか?」


「はい」


「王国軍、貴族領軍、民間で管理先が異なります。私は騎士団所属ですので、王国軍の中の騎士団事務所(オルドルロア)で手続きを済ませる事で、身分カードにも情報が反映されます。民間と異なり免税対象です」


「手続きの方法よりも、使役した魔獣達は何処で生活するのかなと」


騎士団事務所(オルドルロア)に登録されている魔獣は、騎士団事務所(オルドルロア)の魔獣専用ルームで、体調管理を含め獣医の資格を持つ兵士達によって、観察研究を目的とした飼育管理が行われます。戦いの時以外で外に出られるのは散歩の時位です。貴族領軍所属の魔獣使いは少ないと思いますが、騎士団事務所(オルドルロア)に似た感じだと思います。民間に魔獣使いはまず居ないと思いますが、王国法では、外壁の外に常設された輓獣小屋から500m以上離れた場所に安全を確保し見張を常時1人以上付ける事もしくは、生き物愛玩協会(シュシュギルド)が管理する施設に預ける事になっています」


「市街地戦闘や集落の中に入らないと施設に行けない時とかはどうするんですか?」


「ケースバイケースです。出入通行管理で手続きする際に、臨時手続きで夕方までに施設に預ける条件だったり、市街地に入ったら速やかに所定の手続きを済ませ預ける等状況に応じて何ともなります」


「なるほど」


「ねぇ、ロイク。私達の場合は、転位で騎士団事務所(オルドルロア)に直接移動する訳ですから、魔獣達との移動については気にする必要が無いと思います」


「それはそうなんですが、同行させるってなった時に、どうしたら良いのかなって思ったんですよ」


「名誉団長殿。高山闇爪大魔熊(オンソンルバルス)等討伐対象級の魔獣を使役している人を名誉団長殿以外で私は知りませんのでお役に立てる情報がありません。知りえる限り同行の許可が出るのかすら分かりません」


闇牙狼(ダークウルフ)は同行の許可が貰えるって事ですね?」


「中型魔獣なので、事前に出入通行管理に日程を提出しておけば、最長2日間は市街地でも一緒に動き回る事が可能です」


 魔獣達の事を考えても、家は人里離れた場所が妥当な訳か・・・


『あらぁ~そんな事を考えていたの』


 影の中に居るよりは良いかなって思いますからね。


『邪狼獣と同じ空間に居たのでは心休まらないでしょうしね』


 ・・・


騎士(サー)マケイン。登録の手続きは明日でも良いですよね?3人が帰って来たら、夕飯を食べてロイに移動しようと思っていたのですが、もう完全に夜です」


騎士団事務所(オルドルロア)は年中無休なので、戻り次第申請書類を提出し、借り登録だけは済ませてしまう予定です」


「それなら、騎士(サー)マケインと闇牙狼(ダークウルフ)3匹は、先にロイに戻りますか?」


「隊長殿より許可命令を出して貰い移動しようと考えていましたが、名誉団長殿からの指示に従わせていだたきたいと思います。明日から訓練を開始したいと考えておりましたので、お心遣いに感謝致します」


『玩具を買って貰った子供の様な物ね・・・人間種の分かり易い反応の1つってところかしら』


 嬉しいって気持ちもあるでしょうが、使役魔獣が出来た事で騎士団に貢献出来る。亡くなった仲間の分も民や国の為に頑張れるって考えると、少しでも早く訓練を始めて連携を確認したいんだと思います。


『他人や体制の為に生きる事が、まるで喜びみたいな言い草ね』


 喜びなんですよ。リック・マケインさんにとっては・・・


『分かり易い反応の内面には分かり難い感情が隠されているのね・・・』


 生きる為に生きている獣や魔獣達とはそれなりに違いますから。


『そうね』


「母さん。パフさん。マルアスピー。騎士(サー)マケインをロイの騎士団事務所(オルドルロア)まで送って来ます。直ぐ戻るけど、3人が戻ったら使役魔獣の手続きでロイに行ってるって伝えておいてください」


「分かったわ」


「ロイク様。行ってらっしゃいませ」


「今度その力でサーフィスまで連れって行って貰えないかしら?」


「うん?母さんをサーフィスに?」


「ずっと海を見ていないでしょう。簡単に行く事が出来るのなら、時間がある時にお願いするわね」


「それは構わないけど、予定を決めておいてくれた方が合わせやすいかな」


「分かったわ。アスピーちゃんと打ち合わせしておきます」


「了解!・・・騎士(サー)マケイン準備が出来たら言ってください。3匹の闇牙狼(ダークウルフ)使いとして登録しに戻りましょう」


「はぁっ!」


『新婚旅行って結局のところ何を目的に旅行する事なのかしら?』


 今更ですかぁっ!・・・どうしたんです?


『聖域に居た頃と比べ面白い事も楽しい事も美味しい物を沢山ありますが、何かが私の考えていた事と違う様な気がするのよ』


 世間一般的な人間種としての意見なので参考になるか分かりませんが、普通の新婚旅行って夫婦2人だけで楽しむ物なんだそうですよ。


『え?』



――― アンカー男爵領マルアスピー

ロイクの実家 居間

――― 6月5日 6:30


「母さん、パフさん、おはようございます」


「メアリーママさん、パフちゃん。おはよう」


「ロイク様、マルアスピー様。おはようございます」


「2人ともおはよう」


 朝、目覚めると俺は、生まれたままの姿で寄り添う様に眠っているマルアスピー様を起こし、身支度を整え1階の居間へ移動した。


 1階では既に、母は台所、居間の食卓テーブルではパフさんが朝食の準備を行っていた。そして、弓矢3人衆はまで帰宅していなかった。


「パフさん。急に家に泊る事になったけど、ゆっくり休めました?」


「はい。ここは始めて来た場所なのに、とても温かくて居心地が良くて、私自分の家よりもゆっくり休めたかもしれません!」


「不思議よね。この(うち)には、思い出は1つも無いのに、懐かしさと居心地の良さを感じてしまうのよね」


「はい。マルアスピー様」


「ロイク様は、この家で育ったのですよね?」


「赤ちゃんの時から、成人した今でも独立出来ずずっとこの家に居るかな・・・ハハハ」


 家かぁ~・・・


『神様との約束は守らないといけないのよ。フフフッ』


 当然です。破るつもりはありません。


「ロイク!アスピーちゃん!お茶でいいかしら?」


「ありがとう」


「はい」


「パフちゃんは、甘いホットココアで良いのよね?」


「御母様。すみません。ありがとうございます」


「良いのよ。昨日から沢山お手伝いしてくれてるもの」


「私は、ロイク様とマルアスピー様の契約奴隷ですので、御二人の御母様のお手伝いをするのは当然の事でして・・・」


「パフちゃんは、契約奴隷なの?」


「は、・・・はい」


「偉いわねぇ~まだ成人したての16歳なのに頑張ってるのねぇ!ご両親はどちらにお住まいなの?」


「はい。父は私が産まれる前に亡くなったと聞いています。母はコルトの町の中央病院に入院しています」


「お母様と2人で暮らしていたのね。コルトの中央病院って事は、もう心配はいらないのかしら?」


「原因不明の病で、コルトの衛星集落からコルトの町の中央病院に転院する事が出来ましたが・・・」


 ん?何か忘れている様な・・・


『朝食とかかしら?』


 今の話じゃないですよ。


『王都に行く事かしら』


 それは、旅の目的ですよね?


『そうね。サーフィスに住んで居るメアリーママさんの従姉妹に手紙を届ける事かしら』


 それ、忘れてるというか、今後の予定ですよ・・・


『そうね。思い当たる忘れている事と言えば、中空(スタシオン)の避(エスティ)暑地(バルクリュ)に家を建てる事でしょう?神獣で大白鳥のエテルネルスワンや妖精達と暮らす事でしょう?私に作ってくれるって言ってた宝石でしょう?メアリーママさん用に準備した宝石も渡して無いわね!パフちゃんのお母さんに渡す予定の健康祈願のお祝い?もまだよね・・・』


 あぁぁぁ~・・・それですよ。パフさんにかけられていた呪い。


『呪い?』


 呪い継承4分の2とかってなってたじゃないですか。


『上書きして消してしまった呪いの事でしょうか?』


 それです。


『それなら、今日はパフちゃんのお母さんのお見舞いに行きませんか?』


 俺達って一応旅の途中なんですよね・・・


『そうよ。忘れたの?新婚旅行中よ』


 そういう事にしておきます。



「パフさん。その事なんだけど、今日はパフさんのお母さんのお見舞いに行きませんか?」


「母のお見舞いにですか?」


「ロイで買った健康祈願回復祈願の石もありますし、入院してから一度も会ってないですよね?」


「はい」


「パフさんの状態異常にあった呪いの件も気になっていたんですよ」


『あらぁ~今思い出したはずよねぇ~・・・』


 気にはなっていたんです。


「ありがとうございます。病院へは今日のいつ頃向かわれますか?」


「朝食を済ませて、少しだけ3人を待って戻って来ない様なら、俺の転位で午前中の内にお見舞いに行きましょう」


「はい!」


「ロイク。そのパマリ家の2人とお父さんは大樹の森の中で狩りをしているのですよね?」


「大物を狩って来るって言ってたし、だと思うけど」


「お父さんが居るし大丈夫だとは思いますが、パマリ家の2人に何かあったら大変よ」


「騎士団の隊長と見習いだし、それに親父はトミーサスの英雄らしいし、狩人3人楽しく狩りを楽しんでいるんじゃないかな。ハハハ」


「そうだと良いのですが・・・」


「今日の夕方になっても帰って来ない様なら、俺のスキルで強制的に家に連れ戻すよ」


「そうね。そうして貰えるかしら。・・・少し早いけれど、朝食にしましょうか?」


「はい。メアリーママさん」


「はい、御母様」


 母とパフさんは台所へ移動した。



 【タブレット】起動 ≫


≪WELCOME (女の子の可愛い声)


≪You've Got Mail


***********************

 R4075年06月05日(風)時刻06:45


 差出人:KAMIsama

 宛先 :Roiku Charrette

 件名 :スキルの更新と修正の連絡


***********************


 神授スキルに何か変更があるみたいです。


『あら、何かしらね?』


 表示:神様からのメール ≫


≪・・・表示しました。


***********************

 R4075年06月05日(風)時刻06:46


 差出人:KAMIsama

 宛先 :Roiku Charrette

 件名 :スキルの更新と修正の連絡


 ≪精霊界とコルト下界の一部能力統合≫


 精霊界のレアスキル

 【現人(うつしおみ)水鏡(みずかがみ)

 ↓

 この世界においてのスキル名

 【千里眼】

 ※離れた場所の光景情景状況を五感で認識

 ※神眼・万物限定に関連付け完了


 精霊界のレアスキル

 【宿運(しゅくうん)掌理(しょうり)

 ↓

 この世界においてのスキル名

 【千年予知】

 ※未来を予知予見し認識

 ※運の暴走と幸運に関連付け完了

 ※オートスキル(OFF機能無し)


 精霊界の一般的な鍵

 【什宝(じゅうほう)鍵盤(けんばん)

 ↓

 この世界においてのスキル名

 【フリーパス】Ver.2

 ※タブレットとの関連付け強化

 ※マスターとの共鳴強化

 ※制限の一部解除

  ①コルト下界:制限区域無し

  ②精霊界:精霊王宮殿以外への制限解除

  ③神域:ドームココドリーロへの制限解除

  ④メールアドレス登録枠+3  

  1柱:運の女神『フォルティーナ』

  2柱:鰐神『クロコダイアン』

  3柱:食神『アランギー・フゥファニー』


 精霊界の自然保護アイテム

 【陽光(ひひかり)律動(りつどう)

 ↓

 この世界においてのスキル名

 【雷属性の心得】

  ※稲妻・雷・電気・他

 【神気雷属性天罰】

  ※雷属性による下界への干渉制限解除

 【神気雷属性無効】

  ※雷属性による身体への干渉無効

 【神気雷属性制限加護】

  ※雷属性の加護を1時間限定で与える

 【精霊光属性魔法耐性特化】

 ↓更新:レベルMAX

 【神気光属性天罰無効制限加護】

 【自然魔素(まりょく)液体管理】

  ※自然魔素(まりょく)を液体化し管理

 【自然魔素(まりょく)個体管理】

  ※自然魔素(まりょく)を個体化し管理

 【加工・自然魔素(まりょく)

  ※マテリアル・クリエイトと関連付け完了


 創造神授スキル(とてもレアなスキルです)

 【清澄魔力変換】

  ※神気・精霊気の清澄魔力運用


 スキルは以上です。


 【現人(うつしおみ)水鏡(みずかがみ)】【宿運(しゅくうん)掌理(しょうり)】は、

 数万年前に人気を博した精霊界のアイテムでした。

 中空(スタシオン)の避(エスティ)暑地(バルクリュ)に新築予定の家に

 飾れる様にメンテナンスしておきました。

 貴重な物です。大切に管理しましょう。


 【什宝(じゅうほう)鍵盤(けんばん)】は、ただの鍵です。

 新築予定の家の扉と精霊界にある宝物殿を

 空間接続しました。

 タブレットの道具内に保管中です。

 アイテム名【精霊界宝物殿への扉】です。


 【陽光(ひひかり)律動(りつどう)】は、

 この世界では不要なアイテムです。回収しました。

 マルアスピーに対し代わりを神授します。


 ①【レソンネ(共鳴)】Ver.2

  ※任意送受信強化徹底

  ※共鳴時の効果強化

 ②【SMP(精霊力)】活性

  ※最終計測値を2倍

 ③【Baiser】付与


 P.S. レベル認識の細分化と簡略化は

    次の通りです。


 神気1=魔法166=魔術18260


 測定した結果。神気1の力は、

 精霊力の166倍でした。

 人間種達の18260倍でした。


 ≪数値認識の改善≫


 ①心象優先による発動

 ②状況に応じた威力発動


***********************


 昨日の魔導具って、精霊界の道具だったんですね。


『そうみたいね』


 ドラゴラルシム王国の白磁漆器って、精霊界から下界に伝わった物だったのかもしれないですね。


『そうね・・・鍵と板と箱以外は新築の家用に神授していただいたって事で良いのかしら?』


 後で、取り出して確認する必要がありますね。


『そうね。それにスキルの確認もしておく必要があります』


 はい。今日はやる事が増えました。運の神様からいただいた物も確認してませんでした・・・


『胸の谷間に挟んで保管していた家を建てるなら役立つ物と言われていましたが、いったいどんな物なのでしょうね?』



「ほぉ~ら二人共、難しい顔をしてないで、朝食にするわよ」


 母とパフさんは、俺とマルアスピー様が神様からのメールを確認している短い時間で、あっという間に朝食の準備を済ませていた。


「いただきます」


「いただきます」


 母は、俺とマルアスピーの『いただきます』を確認すると、


「はい。いただきます」


 食事開始の合図『はい』という言葉を口にした。


「ロイク様。マルアスピー様。お母様。食事の度に『いただきます』と挨拶を交わしている様に見えるのですが、それは何かのおまじないですか?」


「そういえば何でだろう・・・家ではずっと『いただきます』って挨拶してから食べ物を食べてるよね?」


「これは、私の実家に古くから伝わっている習慣みたいな物ね」


「ロイク様のお母様の実家に伝わる習慣なんですね。どういう意味がある言葉なんですか?」


「『いただきます』は私達精霊にとって食事の前に行う作法の1つなのよ」


「そういえば、マルアスピーは『いただきます』って、家の食事前の挨拶を普通にやってましたね」


「私も違和感無く食事をしていて気付きませんでしたが、考えてみればこの家は精霊界の作法が随所に見受けられます」


「そうなんですか?」


「あらぁ~不思議な事もあるものね・・・アスピーちゃん」


「はい、メアリーママさん。『いただきます』は先程も話しましたが、精霊界では食事前の作法です。『御馳走様』は食事後の作法です。これは、神界でも言語こそ異なるそうですが同じ意味の言葉で行われるそうです。後は、ロイクが寝る前に必ず口にする『良い夢を』とか『良い夢が見れますように』も考えてみたら精霊界の就寝前の『おやすみなさい』とセットの言葉ね」


「母さん。『良い夢を』って、これも母さんが必ず寝る前に言ってなかったっけ?」


「そうね。『良い夢を』って言葉も、私の実家では寝る前の挨拶と一緒に使われていたわ」


「他にもあるのだけれど、今思うとあれ?って1番思う物は、『包丁』です」


「ほうちょう?マルアスピー様。ほうちょうって何ですか?」


「パフさん。包丁って料理用のナイフの事ですよ」


「ナイフの種類なんですか?」


「種類?・・・どうなんだろう・・・」


「精霊界や神界では、料理人が料理をする際に扱う刃物全般を総称して包丁と呼んでいます」


「そういえば、包丁って家でしか言わないし聞いた事がないような・・・」


「私は、実家で・・・父や伯父叔父(おじさんたち)伯母叔母(おばさんたち)から、ナイフとか包丁って言葉を教わった様な気がします」


「『菜箸』や『箸』も良く考えてみたら、どうして人間種の家にあるのか不思議だわ」


「はし?」


「パフちゃんは知らない様ね」


「えっ?箸って、マルアスピー村の人なら上手に使える人は少ないですが、たぶん皆知ってますよ」


「あら、そうなの」


「でも、料理をする際に扱う二本の棒を菜箸って呼ぶのは精霊界と竜人族位なものよ」


「あら、私の実家って精霊様や竜人さん達に知り合いがいたのかもしれないわね」


「もしかして、マルアスピーが家に居ても違和感無く落ち着けるのって、共通点が多いからじゃないですか?」


「そうかもしれないわ」


「料理もそうだけど、共通点や違いをまとめるのも、面白いかもしれませんよ」


「でも、どうして、この家だけ・・・メアリーママさんの実家の人間種達には、精霊界の作法や礼儀が所作で伝わっているのかしら。言葉まで同じなんて偶然にしては出来過ぎているわ」


「それも追い追い調べてみますか?面白いと思いますよ」


「そうね」


「それで、冷めってしまったけど、いただきましょうか?」


「ハハハ。マルアスピーはデザートの方が気になってるから、冷めてても平気ですよね?」


「言う様になったわね!」


「デザート好きですよね?」


「えぇ~そうね・・・」


「マルアスピー様。先日お聞きしたフワフワトロトロの料理やデザートが気になります」


「あら、アスピーちゃん。パフちゃんに教えたの?」


「はい」


「昼食前に、作り方を教えましょうか?」


「パフちゃんと2人で教わります」


「お母様、宜しくお願いします。レシピビックの1ページ目が正式に埋まりますね!」


「そうねパフちゃん」


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