6-MS-03 追われる者と時空牢獄3
悪気の影響を受け本来の能力を発揮できない飛竜。
コルトでは竜種以上に優れた飛行能力もメアではサンダーバード並みの情けない状況。
※雷鳥系は、コルト三大食用鳥の代名詞で、森の雉子(雉)系、原の軍鶏(鶏)系、丘の雷鳥系と呼ばれ集落の近くにだいたい何れかが生息している。※
柱の記憶を回収していたことで名前と姿見を把握していた旧教の関係者オデスカルとマダーガスとカーネギアンとジュスティンヌ。竜王クロージャの記憶を回収したことで検索と拘束が可能になったホノクレマ。
※ホノクレマは家族側近にも姿を見せることはなく謎に文字通り薄く透き通った布に包まれた存在だった。※
※ベールに包まれた存在だったらしいが、よくよく考えてみたら奥さん達や建国開宗当時からの者の記憶からなら回収出来たよねぇ~ハハハ※
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タブレットの地図機能が完全に機能していないようだ。表示が風景ではなく簡単な図と点になっている。
ホノクレマの周囲の生命反応を図に表示 ≫
≪表示します。……表示完了。
あれ? 何か多くないか? 良く分からないけど全部拘束しちゃえ。
表示された点全てを時空牢獄で拘束する。
えっと何人拘束したか分かる? ≫
≪十五。
あ、え? えっと十五人? いやいやいやいやどう見てもこれって三百以上じゃ……あっ、そっか!!
拘束した生命反応の数を教えて ≫
≪三百二十二。
三百二十二か。飛竜もこの中にいるんだよな。……皆で考えた方が早いな。タブレットの画面を表示っと。
宙に図が浮かび上がる。
「えっと。ホノクレマと周囲にいた生命反応を全部拘束したのは良いんですが、何か予想していたよりも大所帯みたいなんですよね」
「アシュランス王よ。ホノクレマは我が貸し与えた飛竜十匹を伴い姿を晦ませた。飛竜はああ見えて非力でな体重の五分の一程の重さしか一度に運べぬのだ」
へぇ~、そうなんだ。
「因みにですが、それってだいたいどれくらいなんですか?」
「我を三人といったところだ」
う~ん、それって……、竜王、貴方の体重が分からないんですけどぉっ!
「そうですか」
見た感じだと、竜王一人で俺四人か五人分ってところかな?
「何を難しく考えておるのだ。行けば分かることではないか。フッ、奴等の驚く顔が目に浮かぶようだわ。さぁーロイ……アシュランス王よ邪教の親玉ホノクレマの目の前だっ!! 今直ぐ目の前まで頼んだ」
「……そうですね」
行けば分かる。か。確かに。
「旦那様よ。猫は魑魅魍魎の類或いは獣の群れにでも襲われておったのではないのか。故に全てを拘束しその場に留めてしまったのは宜しくないと妾は考える」
「可能性はありますね」
うん? 拘束したらまずかったのか?
「猫に身の安全を約束し何とする。あれに相応しいのは恐怖と苦痛のみ。旦那様もそうは思わぬか?」
ああぁぁ……こういう人だったの忘れてたよ。
「甘いのじゃぁ~、皆でお菓子を食べてるに決まってるのじゃぁ~。人間のおと、お……おいロイク。私もお菓子の食べ放題に参加するのじゃぁ~。ワクワクしてきたなぁ~爺っ♪」
「はい、トゥーシェお嬢様。爺ももうワクワクが止まりません」
「うんうん爺は話の分かる爺なのじゃぁ~、ギャッハッハッハッハッハッハ」
……どうしてこいつらに協力を要請したんだ?
考えるだけ無駄だろうから、サクッと解決しちゃえ。
「創造神様? が、協力を要請した人と俺でちょっと行って来ます。他の皆さんはここで待っててください」
フリーパスで全員は無理だから、ここは神授スキル【転位召喚・極】で...... ~ ...... 発動 ≫
貴重な時間をありがとうございました。