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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
422/1227

6-46 再びメア(亜)下界へプリクエル① 保護②


 そして斥候のディッギングリーグさんの背に乗り土木造りの軟弱な城郭都市こと森組の集落へと移動した。


 森組を保護する際に熱烈な歓迎(激しい攻撃)を受けることはなかった。俺が近くまで来ていることをはっきりと感じ取っていたらしい竜王クロージャと老師ナディアの適切な対応主に竜王クロージャ指揮の下何事も無く合流することが出来た。


 斥候のディッギングリーグさんの背から降りた俺達(サザーランド陛下・吸魔公・人化した先代竜魔王こと前バハムート侯・人化した先代竜魔王の妹さん・賢弟伯ことトラヤヌスさん・chefアランギー様・バジリアさん・サンドラさん・トゥーシェ・リュシル・俺)と優に二千を超える同行者達を前に、緊張からだろう顔を強張らせる竜王クロージャと理由は不明だが興奮し顔を紅潮させる老師ナディア。


 鞍組山組とは全く異なる反応を見せた森組。



「へ、陛下ぁ~~~よ、よ、良くぞご無事でぇ―――!! あぁ~サザーランド陛下、サザーランド陛下、おいおいおいおいおい」


 小柄な女性が集団の中から飛び出し、二十メートル程手前で泣きながら平伏し始めた。


 三十代前半くらいだろうか? おっと年齢を邪推するのは止めておこう。人族(ユマン)に見えるけどサザーランド陛下のことを知ってるってことはメアの民ってことだよな。


 神眼を意識し確認する。


 文字化けしてるし確定だな。


「ん? 姿見は悪人族(ヴィスズ)のようだが、その悪気(あっき)……貴女(きじょ)艶魔族(ケリオロス)か?」

「おぉぉおぉおおお、お懐かしゅうございます。ご無事で何よりでございます。おいおいおいおいおいおい」


 会話が成立していない。いやいやいやそれ以前に驚きなんですけど。まさかガルネスに卿(中位の悪魔貴族)の立場にある存在が他にもいたなんて……。

 確か、孤狼族(ウェアウルフ)の上位種狼魔族(グレイキアス)影結魔族(カゲユイマ)の上位種影魔族(シャドー)より強かで目聡くて厄介な種族だったよな。(先日リュシルから聞いたばかり)


「お、お守りすることが、おおおお守りすることが…………剰え職務を放棄し姿を晦ましてしまったこと、お許しくださいませぇー、おいおいおいおいおいおい」

「はて、姿見が変わっておるからやもしれぬが、貴女はいったい何方(どなた)か」


「え? お、覚えておら、おら、おられ……私ですデリアストリットです。サザーランド陛下っ!!」

「デリアスリット?……はて何処かで聞いた覚えが………………ふ~む…………」

「旦那様、宜しいでしょうか?」

「なんじゃトラヤヌス、儂は今女のことで真剣に悩んでおるのだ。気安く話し掛けるでないわ」


「左様でございますか。ですが、紛う方なき軽薄な旦那様の戯言にこの私奴が従う。そのような非常識極まる道理が罷り通ってしまっては困りますので、僭越ながら続けさせていただきます。旦那様は二百二十二番目に迎えられた奥様の事を何処まで覚えておられますか?」

「騒がしいぞ。儂は今あっ!? ……二百二十二番目の妻かっ!! お、思い出したぞトラヤヌス」

「それはようございましたな」

「うむ。そうか……そうであったか。うむうむ。……姿見がどれ程変わろうとも儂は貴女を忘れたことなど一度もない。ベッドから突然姿を消してしまった日のことを今でも昨日のことのように覚えておるぞ。まさか古の世界に迷い込んでおったとはの。アデリナマティルデ。再びこうして」

「デリアスリットです」

「ア、デ?」

「誠にどうしようもなく薄情な旦那様。アデリナマティルデ様は二百五十六番目に迎えられた奥様のお名前ではございませんか」

「……再びこうしてデリアスリット貴女(アナタ)に会えたこと儂は嬉しく思うぞ」


 凄い。凄過ぎる。押し切れて無さそうだけど押し切っちゃったよ。


「へ、陛下ぁ~~~よ、よ、良くぞご無事でぇ―――!! あぁ~サザーランド陛下、サザーランド陛下、おいおいおいおいおい」


 え? また?


 小柄な女性が集団の中から飛び出し、二十メートル程手前で平伏しながらドン引きしている女性の横で涙を流しながら平伏し始めた。


「あー、貴女(きじょ)は」

「アデリナマティルデでございます。サザーランド陛下の二百五十六番目の妻アデリナマティルデでございます。この日を、この日を……お会いしとうございました」

「お、おう。どんなに姿見が変わろうとも...... ~」

 えっと、この茶番まだ続くの?


・・・

・・


「詳しい話は後日落ち着いたらします」と早々に話を切り上げ、神授スキル【転位召喚・極】で彼等をもといた場所(ガスネス市内)へと戻し、メア(亜)下界に存在してはいけない存在を目には見えないレベルの存在まで可能な限りコルト下界へ戻した。


 その後、周囲の被害者達を保護して回り、同じようにコルト下界へと戻し、挨拶軽め早々に切り上げ帰宅した。


***

 これは言い訳ではない。この時、ホノクレマ一世達の存在を忘れていた訳ではない。あくまでも保護を優先させたまでのこと。本当です。

***

貴重な時間をありがとうございました。

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