6-16 白光の夜の真相を求めて⑥ 神様集合、そして神頼み②
「ウガァー、ガウガウ」
神竜神獣種神竜類赤神竜種(通称:焔神竜)の幼竜ルージュ。ルージュの神格位は俺が数日前に授与した下級神九級。下級神見習いではない。
「キュー、キィキュー」
神海豚神獣種神海豚類黄金神海豚種(初めはピンク色だったが最近では黄金色に輝き結構眩しい。鯨ではないかという説もあるらしい)(通称:聖神イルカ)の幼海豚ドル。ドルの神格位は俺が数日前に授与した下級神九級。下級神見習いではない。
「午前中は、ナーシングホームでお話をして、リハビリセンターでヒーラー育成法無料研修体験会を見学して、水の神殿で『水属性の自然魔素を運用した初期治療の重要性と、いざという時に間違わない為に覚えておくべき七つの手順』の講義が催されるので、何もなければ出席しようかなと思っていただけですので」
アルさんは、神獣神鳥大白鳥種(正式には、神鳥神獣種神鳥類神鳥大白鳥種)、神格位は俺が昨日説得の末に授与した中級神特級で、以前までの神格位神五級は俺が預かっている。
八つも神格位が上がることに難色を示され、説得するのに一週間(十日)を費やした。
というか、相変わらず忙しいようで……何よりです。
「ロイク様。地属性の魔力陣なのですよね? ミュー様やマルアスピー様の御父上ロロノクック様には相談されたのですか?」
マリレナさんは、高位樹人族だったが、あれよあれよという間に神格を有し、俺が預かった時には下級神七級だった。因みに、預かったのは昨日。授与した神格位は神三級。
あぁなるほど忘れてた。餅は餅屋か……。
「亜神の儂等は必要か?」
大賢者マクドナルド・ガリバー。亜神なので大賢者とか賢者とか呼ばれるのはおかしな話なのだが、世界的に広く定着してしまっているらしく、今のまま正式な神格を有してしまうと、賢者を司りし神とか意味不明な状態に陥ってしまとか。なので、マクドナルド・ガリバーを知る者がいなくなるまでは亜神のまま存在し続けることになるとか。
「ロイク君。私もガリバー卿と同じ気持ちだよ。私達はこの場に必要かね?」
剣聖者バルタザール・ルーリン。ゼルフォーラ(聖)王国の王族で、世界に名を馳せた剣聖の一人で、サンドラさんの兄で、サラさんの父だ。マクドラルド・ガリバーと同じく亜神なので剣聖者とか剣聖とか呼ばれるのはおかしな話なのだが、これもまた世界的に広く定着してしまっているらしく、暫くの間は亜神のまま存在し続けることになるらしい。
「来た」
邪鱓獣から亜神鱓神獣となったミィール。ユマンの姿に化現していることが多くなったなと思っていたら、なんと鱓の姿に戻る方法が分からなくなって困っていたらしい。ユマンの時の姿が殊の外美しかったので視界に入る度にさり気無く二度見三度見を繰り返していたら、フォルティーナがニヤニヤしながら下品な笑顔でミュールに後ろから近付き「ここを見てたのかね? ロイク、君はもっとオープンなスケベになるべきだと常々アタシは思っているね」とミィールの大きな双丘を後ろから鷲掴みし持ち上げ言い放った。
夕食の後のティータイムの席から主だった女性陣の姿が消え、母さんと親父とトゥーシェとフォルティーナと俺は静かに夕食の余韻を紅茶の香りを楽しんだ。勿論、エリウスは俺の後ろに立っていた。
「地下都市の研究チームから上がる報告に目を通してばかりで飽きとったしちょうどよかったわい。と、……言いたいところではあるがこの席に新参神は必要なかろう?」
前老師オスカー・フォン・フォルヘルル。ララコバイア(海洋)王国の近衛魔術剣士隊(通称、魔剣隊)の前老師。呪いを解く為に目覚めさせたら亜神になってしまった。
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「...... ~ ......という訳で、これは俺に話しても大丈夫ってことがあったら何でも良いんで教えてください。お願いします」
貴重な時間をありがとうございました。