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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-7 白光の夜の真相を求めて④【大黒柱】の記憶の前に+

 世界創造神創生教教王書院だった場所に一本だけ無傷で残った大黒柱は、前バハムートが開けた大穴の手間に立っている。

 ガルネス大寺院だった場所の最下階大贄儀礼の間まで行けるのは現時点においてこの大穴のみ。


 大穴の面積は約四万七千四百七十七平方メートルで、東西長約二百四十一メートル南北長約百九十七メートルもある。

 深さはきっかり二百五十メートルで、底へ向かう程広くなっている。


 ※因みに、大贄儀礼の間の延床面積は約三万六千七百五十二平方メートル。床に施されていた魔力陣は直径百四十三メートルもる巨大なものだった。※

 ※もう一つ因みに、最下階の延床面積は崩落が酷く把握しきれていない。※


 旧教のほぼ全壊した総本山の怪しい物尽くしの中で一際怪しい場所を発見したのは、上空から神都(王都)ガルネスに総攻撃をかけた竜騎士隊だった。

 大穴の第一調査権を手に入れたドラゴラルシム竜王国は竜王が直々に指揮を執り一瞬で匙を投げた。


 竜王は、

「我がドラゴラルシムが責任を持って大穴と大穴の周囲を警備する。その代わりと言ってはなんだが、アシュランス王国の旅団に同行している学者達にガルネス大寺院の最下階にあった巨大な魔力陣の調査を依頼したい。虫の良い話になってしまうが、調査の結果は我がドラゴラルシムにも渡してくれないだろうか?」


 俺は、

「構いませんよ」


「感謝する」

「いえいえ、お互い様って言うじゃないですか」



 竜王からの依頼を受け、現地にいるサンドラさんと旅団の団長リア大尉と参謀アヤ少尉に命令を出した。


 サンドラさんへはレソンネで、

「旅団に同行させた調査団の指揮を執って、最下階に施されているらしい魔力陣とその周囲を調査してください。報告は、一日一回日が変わる前に必ずしてください。方法は任せます」


 リア大尉へは念話で、

「サンドラさんに調査団と輜重兵と数人の衛生兵の指揮権を一時的に委譲してください。時間が無いので正式な手続きは事後処理にします。衛生兵の振り分けも適当で構いません」

「はっ」

「それと話が終わったらちょっと急いで(アシュランス王国として)差押て貰いたい物があります」

「はっ。必ずや差」

「神王一族と教貴族(メア(亜)下界出身の者)達の宮殿、屋敷、関係機関、出来れば王宮殿もお願いします」

「……お、多いですね。誠に申し上げ難いのですが、王宮殿は機動力に長けた竜騎兵隊に既に占領されていると思われます」

「応戦されなかったからスルーし上空から敵兵を探していたら怪しい大穴を見つけ、全軍を持って急行したと話していたので、たぶん大丈夫だと思うんですよ。様子見とか言って後方支援に回っていた他国もそろそろ兵士(解放軍)を突入させるとか言ってるしって時間が無いんだった。と言う訳なんで、野営用に渡した結界の魔導具の王都での使用を許可します。差押物件にじゃんじゃん使っちゃってください」

「はっ」

「それと、兵士に荒らされそうな時は一度だけ事情を説明し、友好的なら協力を要請し、脳みそまで筋肉の阿呆だったら武力で黙らせて構いません。責任はこっちでとります。事後報告待ってます」

「はっ、畏まりました」


 アヤ少尉へは念話で、

「ドラゴラルシム竜王国軍と共同で調査することになりました。竜王が直々に警備を担当してくれるらしいんで、どちらかと言えば安全だと思いますが、念の為に家でも警備することにしました。サンドラさんから輜重兵を借りて大穴の周囲を警戒してください」

「はっ! ……ん? へ、陛下。誠に申し訳ございません。その大穴はいったい何方にあるのでしょうか?」


「あ。ガルネス大寺院の...... ~ ......詳しい事は、サンドラさんにでも聞いてください。以上です」

「……はっ、畏まりました」



―――白夜の夜の怪事件の経緯。

 詳細な時系列はタブレットが編集したから。


 日時:9日(闇)ー 29:55:04

 記憶:ガルネス大寺院大黒柱


 真っ黒なロングコートのフードを深々と被った怪しい四人組。暗闇にその身を隠し顔を確認することは出来ない。


 怪しい四人組に向かって近付く足音が二つ。

 見回りの兵士の足音だ。


 兵士二人の会話が聞こえて来る。


「向こうから話し声が聞こえなかった?」

「あ―――、空耳じゃなかったのか」


「ってことは誰かいるってこじゃないのか?」

「あ―――、やっぱりそうなっちまうのか」


「だが冷静になって考えてみたんだが、おかしいとは思わないか?」

「おかしいだと?」


「こんな大穴と柱しかない深夜の廃墟に、爺さんと婆さんがいったい何の」

「だっ!誰が婆だっ!! わ、若造そ、そそこに」

「あ―――、確かに婆さんの声が聞こ、婆さんで間違いないな」


「「「ば、バカ野郎、みつ……」」」


「曲者だ。怪しい爺さん三人と老婆が一人だ」

「であえ、であえ」


「クッ、見つかってしまったものはしょうがない。こちらにおわす御方いったいどなと心得る。世界創造神創生教枢機卿クレメンス・オデスカル猊下にあらせられるぞよ」

「ば、バカ。今、正体を……」

「猊下。御安心ください。敵は猊下がまだ大司教猊下だとは夢にも思って」

「そ、そんなことを言っているのではない。あぁ~もうどうでも良いわ。いったん引くぞ」

「「はっ」」


「ろ、ろ、老婆、老婆、うるさぁ~い、キィー! そ、その臭い口を今直ぐ」

「であえ、であえ、旧教の枢機卿一人と怪しい爺さん二人と口の悪い老婆が一人だ」

「場所は、大穴の柱の傍です」


「ジュスティンヌ。オデスカル猊下は引かれました。我々も一度引きますぞ」

「急げジュスティンヌ。贄が到着する前に我等が捕まってしまっては笑い話にもならいですからな」

「わ、若造。お、お前の顔お、覚えたからな、覚えてなっ!」


「であえ、であえ」

「であえ、であえ」


「旧教の枢機卿を名乗る怪しい爺さん一人と怪しい爺さん二人とうせぇー婆が一人だ」

「特徴は、全身黒一色!!」

貴重なお時間をありがとうございました。

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