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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーガルネス編ー(傍観)
340/1227

5-28-1 異世界転移は、嵐の予感しかしない。① + 登場人物簡易紹介

―――――回想3(フォルカー&スージー)


・登場人物簡易紹介

―――――――――――――――――――――――

 1.フォルカー(・テル・テュブール)

   ・主人公の一人

   ・姓を貰う前


 2.レオナ・ザド・ヴィレーゼ

   ・主人公の一人

   ・スージーの実姉

   ・このKiss本編では現在スージーを熱演中


 3.スージー・ザド・ヴィレーゼ

   ・レオナの実妹

   ・妊婦


 4.ミミリー(・テル・ヴィズノーブ)

   ・ヴィレーゼ家の長女レオナの侍女

   ・元はスージーの侍女

   ・姓を貰う前


 5.エーゴン(・ザド・モンドール)

   ・仕立て屋エーゴンの店主

   ・姓を貰う前


 6.ギード

   ・仕立て屋エーゴンの職人

   ・エーゴンの弟子の一人

   ・新婚だった


 7.バープ

   ・仕立て屋エーゴンの見習い職人

   ・エーゴンの弟子の一人


 8.ホノクレマ一世

   ・ガルネス(神)王国の初代神王

   ・世界創造神創生教の初代教王


 9.ペーターゲッディー・テル・バーゲィン

   ・ホノクレマ一世の警護責任者


10.ゴンギーガァン・テル・エズヴェーネ

   ・ホノクレマ一世の参謀


11.イーゴン

   ・スージーが生んだ三つ子の一人


12.フェルス

   ・スージーが生んだ三つ子の一人


13.カイ

   ・スージーが生んだ三つ子の一人


14.他

   ・名前や役職だけの者数名

―――――――――――――――――――――――


・補足(メア亜下界)

―――――――――――――――――――――――

 1.年=264ヶ月

     ・春=1月~66月

       ・1月=初春の月

       ・6月=花冷えの幻滅月

       ・33月=中春の月

       ・66月=終春の友引月

     ・夏=67月~132月

       ・67月=初夏の月

       ・99月=中夏の月

       ・132月=杪夏の月

     ・秋=133月~198月

       ・133月=初秋の月

       ・165月=中秋の月

       ・198月=終秋の月

     ・199月~264月=季節は冬

       ・199月=初冬の月

       ・232月=中冬の月

       ・264月=終冬の月


 2.月=66日

     ・01日=暗躍の日

     ・06日=虐殺の日

     ・29日=肉欲の日

     ・53日=外道の日

     ・64日=謀殺の日

     ・66日=大虐殺の日


 3.週=6日

     ・難の曜日

     ・疫の曜日

     ・獄の曜日

     ・災の曜日

     ・悩の曜日

     ・殺の曜日


 4.暦

***********************

    難  疫  獄  災  悩  殺

    1  2  3  4  5  6

    7  8  9 10 11 12

   13 14 15 16 17 18

   19 20 21 22 23 24

   25 26 27 28 29 30

   31 32 33 34 35 36

   37 38 39 40 41 42

   43 44 45 46 47 48

   49 50 51 52 53 54

   55 56 57 58 59 60

   61 62 63 64 65 66

***********************


 5.日=24時間

     ・午前=5時~17時

     ・午後=17時~5時


 6.同軌道上に六つの月が順に昇る

     ・東から昇り西に沈む

     ・距離=約40万Km(伝承)

   ①一の月の名は、アジアル

     ・17時に昇り19時に沈む

     ・直径=約8000Km

     ・輝度=約16cd/㎡

     ・世界は薄暗く青白い

     ・最も明るい月

   ②二の月の名は、ドゥマーグ

     ・19時に昇り21時に沈む

     ・直径=約6000Km

     ・輝度=約13cd/㎡

   ③三の月の名は、リーメヅ

     ・21時に昇り24時(0時)に沈む

     ・直径=約5000Km

     ・輝度=約11cd/㎡

   ④四の月の名は、ヂィンヅ

     ・0時(24時)に昇り3時に沈む

     ・直径=約3000Km

     ・輝度=約8cd/㎡

   ⑤五の月の名は、ビャヂガ

     ・3時に昇り5時に沈む

     ・直径=約2000Km

     ・輝度=約6cd/㎡

   ⑥六の月の名は、ズジラン

     ・5時に昇り17時に沈む

     ・直径=約800Km

     ・輝度=約2cd/㎡

     ・あ~あるな程度の明るさ


 7.最も明るい時間=18時前後


 8.最も暗い時間=17時少し前


 9.季節は、地域場所によって様々


10.通貨=DB(DinBle)(ディンブル)

   大 ①漆黒貨(1枚=1億NL相当の価値)

     ②深紫貨(1枚=1000万NL相当)

   | ③深藍貨(1枚=100万NL相当)

   | ④深紅貨(1枚=10万NL相当)

   | ⑤深碧貨(1枚=1万NL相当)

   | ⑥若紫貨(1枚=1000NL相当)

   | ⑦白藍貨(1枚=100NL相当)

     ⑧(淡)紅貨(1枚=10NL相当)

   小 ⑨(淡)碧貨(1枚=1NL相当)

     ・下賜される機会が多い

     ・価値としてはゴミに等しい


11.偽通貨

     ・2億年程前に巧妙な偽通貨が蔓延


12.取引(物品の入手方法)

   ①物々交換

     ・素材、食料、飲料、労働、他

   ②窃盗、詐欺、強奪

     ・実力行使

   ③接収

     ・権力行使

     ・DBによる支払い

―――――――――――――――――――――――



―――メア王国一二諸侯区バフォメランド王国

 区都ファフル・ヴィレーゼ男爵邸

メア亜下界の歴で

  創生1316655375年66月66日

コルト下界の歴で

  AR歴11985年息吹の春4月6日(邪)

―――――――――――――――――――――――


 妹が王家に嫁いだのは、今月の二九日。

 父に令旨が届いたのは、妹が嫁ぐ三日前。


 絶対的強者王弟殿下から届いた令旨の内容は、ヴィレーゼ男爵家当主ウィリッツに娘を寄与する機会を与える。名誉に感謝せよ。というものだった。



 王家に抗うことなど許されない。


 絶望。婚約者との別れ、夢見た未来を諦め、妹は王弟殿下の九九番目の妃候補として献上された。




 そして今日、妹が帰って来る。王家の慣例に従い帰って来る。


 絶対的強者王弟殿下から届いた手紙の内容は、妹が三つ子の男児を懐妊した。慣例に則り産前の静養と出産は第九九王弟妃の実家にて行う。漆黒貨九枚、深紫貨九枚、深藍貨一〇枚を下賜する。医務官三人、女官九人、騎士一三人を貸与する。というものだった。


 父は上機嫌で執事に一族の招集とパーティーの準備を命じた。


 集まった一族達と一緒になって歓喜する父と、手放しでは喜べず複雑な感情を抱え表情を曇らせる私。妹を良く知る者達は皆私と同じ気持ちだったに違いない。



 父ウィリッツには息子がいない。


 伯爵家より嫁がれた第一夫人のアレッサ様には子供がいない。

 長女の私、実妹で次女のスージー、第二夫人で平民出の母ズザンネ。

 まだ未成年の異母妹七四人、異母妹の母親二一人。


 父ウィリッツには二三人の妻と七六人の娘しかいない。




 我が家の、一族の悩みはヴィレーゼ男爵家の、存続。

 一二諸侯区バフォメランド王国では、直系の成人男性のみに爵位の世襲が認められている。直系に女性しかいない家は上申することで特例として長子にのみ一つ下の爵位が叙位され条件付きの世襲が認められることがある。


 一族に言われるがまま子作りに励んだ父、一族一丸となって上申し続けた一〇〇年。


 父に勅令が届いたのは、今月の二二日。


 勅使によって齎された勅令の内容は、父が持つ爵位の世襲を私に認めない。ただし、一代限りの男爵位を叙位し家督の相続を認める。父が持つ爵位の世襲と家督の相続を私の長男に認める。ただし、爵位の世襲と家督の相続は父の長男が優先される。


 前触れもなく突然、一族の悲願が叶ってしまった。




 そして四日後。『娘を寄与せよ』と令旨が届く。

 今がその時なのだと感じ、名乗りを上げた私。生まれてこの方、恋人と呼べる男性など一人もいない私。恋愛に興味もなく、事務的に義務を果たせるだろう私。


 私しかいない。




 えっ!? ダメ? どうして?


・・・

・・


 ええ? 法典って法律ではないはず……だよ。


 爵位の継承は認められなかったが、男爵位を叙位され家督の相続を認められ、ヴィレーゼ男爵家の次期当主となった私は、羊魔法典(一二諸侯区バフォメランド王国の法律に相当する)によって定められた『王族男性と有爵女性の婚姻禁止』に触れてしまう立場にある、らしい。

 そしてまだ未成年の異母妹達もまた、羊魔法典によって定められた『未成年者の婚姻及び売買の禁止』に触れてしまう立場にある。


 スージーしかいなかった。

 王弟殿下は初めから婚約者のいるスージーを狙っていたのだと邪推してしまう。

 異母妹達に関しては偶然だと思うが、このタイミングには作為が見え透いていた。




 私の中には、何もできなかった劣等感。

 それは、決して口にしてはいけない言葉。




 喪失感。







 見つけられない声にならない言葉は、届かない。



 自室の窓から見える正門をカーテン越しに眺めてはソファーへと戻りため息を零す。


 何て言葉を掛けたら良いのか……分からない。


 おめでとう?



 それとも、ごめんなさい。……ありがとう?



 あああぁぁぁ…………祝福の言葉も謝罪の言葉も感謝の言葉も全部違う気がする。


 トントントン

≪「お嬢様。奥様がお見えです」

ありがとうございました。

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