5-19 浜辺の傍観者①
―――ガルネス神王国王都ガルネス
ガルネスト海に臨む浜辺
R4075年10月7日(無)13:20―――
渚に設置した壇上から、連合国家フィリーの勇敢な兵士達へ贈られ続ける叱咤激励。
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ゼルフォーラ王国(聖王国)軍
総司令官(代表)
オーレリー・ルーリン王子(45)
※軍務大臣(大樹の月のみ王族から)※
※王位継承権第三位の王子※
参謀総長(副代表)
アルフォンス・フェトロング辺境伯爵(33)
※次期軍務大臣※
副司令官
ディディエ・ヘルネー名誉男爵
※中央騎士団第九師団団長※
※一代貴族※
※兄はヘルネー伯爵※
総司令官補佐
クレーリー・ルーリン王子(25)
※王位継承権第四位の王子※
主力艦隊旗艦艦長
ポール・ゴーティエ名誉男爵
※中央騎士団第七師団団長※
※一代貴族※
警護艦隊(補給艦含む)旗艦長
セザール・トゥージュー次期公爵(26)
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魔導戦艦 一隻
乗組員 1400人 ×1
魔導巡洋戦艦 二隻
乗組員 300人 ×2
※主力・警護艦隊それぞれの旗艦※
魔導巡洋艦 三隻
乗組員 500人 ×3
魔導駆逐艦 六隻
乗組員 400人 ×6
魔導輸送艦 三隻
乗組員 4000人 ×3
魔導高速巡洋艦(警護艦) 二隻
乗組員 300人 ×2
魔導高速駆逐艦(警護艦) 四隻
乗組員 200人 ×4
魔導曳船 二〇隻
乗組員 11人 ×20
※ロイクが創造した船(貸出)※
※帆船の牽引※
※一隻で帆船を二隻から三隻牽引※
大型帆船 四隻
乗組員 400人 ×4
中型帆船 三七隻
乗組員 250人 ×37
小型帆船 三隻
乗組員 60人 ×3
総乗組員 30550人
騎馬 3000頭
※軍医&軍属を含む※
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便乗
アシュランス王国軍臨時遠征旅団
※予備役兵で構成された臨時の旅団※
遠征旅団団長(代表)
リア・シルキューレ大尉(28)♀
※アシュランス王国軍大尉※
※王都スカーレット防衛隊所属※
※軍属大尉=名爵と同等※
※アシュランス王国騎士爵※
副官(副代表と参謀を兼任)
アヤ少尉(40)♂
※アシュランス王国軍少尉※
※王都スカーレット防衛隊所属※
※軍属少尉=士爵と同等※
※爵位なし※
総勢 4902人
※13万人分のタグを納品したのに、
出兵したのは4902人。
……おかしいよね※
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最初に演説したのは、ゼルフォーラ王国(聖王国)の代表オーレリー王子。演説時間は約八分。
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ララコバイア王国(海洋王国)軍
総司令官(代表) 近衛船団提督
ルーヘン・カトラ王弟君(31)
※前編では設定のみ※
参謀総長(相談役) 軍務大臣
マイン・フォン・サーフィス(64)
副司令官(副代表) 老師
ナディア・フォン
・クレーフェルト・カトラ(15)
※9月1日に誕生日を迎えた※
副指令官副官(副代表の副官) 副老師
ユルキリル・フォン
・クレーフェルト・カトラ次期公爵(51)
※ナディアの父※
艦隊旗艦長 アドベンチャーギルド
ラワルトンク支部ギルドマスター
イエルク・オリヴァー名誉子爵(34)
※一代貴族※
―――――
魔導高速戦艦 一隻
乗組員 600人 ×1
魔導巡洋艦 二隻
乗組員 500人 ×2
魔導軽巡洋艦 一隻
乗組員 300人 ×1
魔導駆逐艦 八隻
乗組員 400人 ×8
魔導輸送艦 二隻
乗組員 3200人 ×2
魔導高速船 七隻 ☆斥候・伝令☆
乗組員 6人 ×7
魔導曳船 二隻
乗組員 11人 ×2
※ロイクが創造した船(貸出)※
大型帆船 二隻 ☆傭兵・志願兵☆
乗組員 600人 ×2
中型帆船 三隻 ☆冒険者・退役軍人☆
乗組員 400人 ×3
小型高速帆船 一隻
乗組員 3人 ×1
総乗組員 13967人
騎馬 700頭
※軍医&軍属を含む※
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次に演説したのは、ララコバイア王国(海洋王国)の代表ルーヘン・カトラ王弟君。
「海は漢のロマンである。ロマンは常に海にある。以上である」
「「「「「…………」」」」」
演説時間は数秒。
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ターンビット王国軍
代表
ガウリック・ロジッドベリー侯爵
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魔導船団
旗艦 装填式高速巡洋艦 一隻
魔導軽戦艦 一隻
魔導巡洋艦 二隻
装填式高速駆逐艦 五隻
装填式高速輸送艦 一二隻
総乗組員 11008人
~~内訳~~~~~~~~~~
魔術騎馬隊 2000人
魔術歩兵隊 5000人
魔術支援隊 500人
殲滅突撃隊 2500人
他 1008人
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三番目に演説したのは、ターンビット王国のガウリック・ロジッドベリー侯爵。演説時間は約五ラフン。
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ジャスパット王国(東西朝王国)軍
東朝帝代表 兵部大臣
カーシュー・ギョ―・エルダカ公爵(55)
西朝帝代表 摂政兼兵部大臣
ジョナサン・ウーリン
・ギョー・ホーキン公爵(49)
東西朝合同軍総司令官 名誉元帥
ムーコン・ギョー・トルアリ親王(71)
※東西朝両皇家の一族に連なる※
輸送船団司令長官 海軍少将
イゴナイ・グ・ポンザモーン男爵(32)
※合同軍副官を兼任する※
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高速走行軌道装填式装甲艦 二隻
嚮導高速魔導駆逐艦 一隻
高速魔導駆逐艦 八隻
高速走行軌道魔導帆船 三〇隻
総乗組員 34000人
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四番目に演説したのは、ジャスパット王国(東西朝王国)の名誉元帥ムーコン・ギョー・トルアリ親王。
「東帝陛下よりの開戦勅語を宣べ伝える。...... ~ ......朕は、汝...... ~ ......期す。西帝陛下よりの開戦勅語を宣べ伝える。...... ~ ......以て世界の...... ~ ......期せよ。兵士諸君、長きトンネル...... ~ ......我々はガルーダの大地に光を平和を秩序を...... ~ ......志ならむや」
演説時間は約一〇ラフン。
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ドラゴラルシム王国(竜王国)軍
先遣隊
総司令官(代表)
竜王クロージャ・ルードラゴ・ルーバーン
副官(副代表) 竜騎士隊隊長
ゴットフリート・ルーダン・ローリング
総勢 302人
ドラゴン 2匹
フライングドラゴン 300匹
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演説の大トリを務めているのは、ドラゴラルシム王国(竜王国)の代表竜王クロージャ・ルードラゴ・ルーバーン。
演説は彼是六〇ラフン以上も続いている。
「良いか皆の者良く聞くのだ。巨悪の根源...... ~ ......即ち此度の戦いは聖戦である。...... ~ ......即ち悪教を断つ我々は正義の使徒である。...... ~ ......ドラゴラルシム竜王国竜王クロージャ・ルードラゴ・ルーバーンの名の下ここに宣言しよう。...... ~ ......鉄槌の時だ」
お! そろそろ終わるかも? ……終わるよね?
「いざ行かん正義の使徒よ、いざ行かん勇敢なる使徒よ、腐敗し切ったガルネスに今こそ鉄槌を正義の鉄槌をくだすのだぁ―――っ!!!」
「「「おおおぉぉぉ」」」
竜王が力強く握った右拳を頭上へ勢い良く掲げると、兵士達は一斉に雄叫びを上げた。
凄く嬉しそうだ。……理由は分からなくもない。
右側、壇の中央に立つ竜王の表情は実に晴れやかだ。
「どうかしたのか?」
長い挨拶でしたね。とは言えないはな。
浜辺に整然と並ぶ兵士達へと視線を移す。
一呼吸置いてから、小さく一言。
「凄く嬉しそうだなと」
「うむ。我の叱咤激励が心に響いてくれたようで何よりぞ」
……そういうことにしておこう。
・・・
・・
・
自国の陣営へと兵士達が移動を開始した。
予定通り見ていたというか見られていたというか兵士達の視線は俺の周りにあった訳だが、予定通りな訳だしこれで良かったんだよな。うん。
テントに移動する前に済ませてしまおう。
「クロージャ殿。竜騎士隊(先遣隊)は一度も戦闘を行ってませんよね」
「我等に臆したのであろう。港も砦もどれもこれも皆無人であったわ。王都は主力部隊と合流し包囲降伏勧告を行い日没までの猶予をもって殲滅すると約束した手前暇で暇でしょうがなかったぞ。この戦、我がドラゴラルシム竜王国の竜騎士隊三〇〇騎で事足りたであろうな。グワッハッハッハッハッハ」
ホント、彼等が乗り気で良かったよ。こっちの世界のヒュームがどんなに頑張ったところで、メア下界の悪魔種族に敵う訳が無い。
もし彼等が手を引いていなかったら、竜騎士隊も簡単に……恐ろしい事になってただろう。
彼等が身を引いた後、活発化した貴族や軍部や旧教などの有力者達を王家(神王家)一族は抑え切れなかった。謀殺がスパイラルしまともで有益な人材が不足したところに、俺達。
彼等がこの地を去り、希少な人材がこの世を去り、ボロボロになったところに、竜騎士隊。
竜騎士隊は二つの意味で運が良かったのかもしれない。
指揮系統と人材がボロボロなだけで、何をしでかすか分からない旧教が無くなった訳じゃない。騙り集り言掛りはったりあいつらは頭のおかしな連中だ。警戒し過ぎるくらいがちょうど良い。
「実はですね。おかしなことになってる...... ~ ......みたいなんです」
王家の威光が弱まり権力争いが勃発していること。暗殺や殺人などの凶悪犯罪が国中に蔓延していること。等々、開示しても問題無さそうなことを一頻り伝えた。
「我もこのような戦は初めてだ。喧嘩を売られ買ったは良いが相手の姿が無いのだからな。旧教の狂信者共がここまで本気で狂っていたとは…………盾を自らの手で屠るか。二千年近く生きて来たが、流石の我も開い」
「二千年っ!?」
「た。うん? 何を驚いておる」
「クロージャ殿は、二千歳なんですか?」
「万を生き創造神様、神々様に匹敵する力を有したと伝え聞く属性竜を祖に持つ我等ドラゴはエルフと同じかそれ以上の時間を生きる」
ドラゴンが先祖とかは別にしても二千年は凄いな。
・・・
・・
・
「王都の話に戻すが、外壁に見張りの姿すら無かったが、どう考える」
「そうですねぇ~。主力部隊がいない理由には心当たりがあるんですが。見張りの兵士が一人も見当たらない理由には心当たりはないです」
「そうであるか。……ふ~む」
ありがとうございました。