5-17 ランドリート④ ~芝居~(間違ってUPしました)
間違ってUPしました。
次の話の「ランドリート④ ~芝居&騎士の紹介~」を
UPする予定でした。
重複してしまい。
申し訳ございませんでした。
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リュシルと俺は、偶然立ち寄ったランドリートで、野良作業に精を出す騎士三人と知り合った。
野良作業には目が無いリュシルと俺は、偶然余っていた二本の鍬を借り、野良作業に精を出す騎士三人を手伝った。
高級な紅茶くらいしか無いが、予定よりも早く終わった野良作業のお礼がしたい。と言われたリュシルと俺は、騎士三人がお仕えする主が偶然滞在していた王族の離宮の近くを歩いていた。
突然大きな音が鳴り響き騎士三人と共にこの部屋へとやって来たリュシルと俺は、夜の為にロープで練習中だった王族が偶然仕事机の上で気絶し転がっているところを救出した。
救出しているまさにその瞬間この部屋へとやって来た姫様と付き人の女性は入室するなり偶然気絶しボロボロになりながら転倒し頭を何度も強打した。だが、偶然この部屋にいたリュシルと俺は、偶然工房ロイスピーが開発しようとしていた精霊薬を二本持っていた。脈が弱り危険な状態に突然陥った姫様と付き人の女性の命を、偶然この部屋にいたリュシルと俺は偶然持っていたとってもとっても貴重な精霊薬を使い救った。
「それじゃぁ~そう言う事なんで、騎士チュイチョイ、騎士ムンペトンペ、騎士ミチュマチュ。予定通りお願いします」
「「「畏まりました!!!!」」」
騎士Aことチュイチョイ、騎士Bことムンペトンペ、騎士Cことミチュマチュ。
騎士三人は、素直に口留めに応じ従ってくれた。
時空牢獄、解除 ≫
傷、治癒 ≫
体力、回復 ≫
精神、微弱の混乱 ≫
最後に口が利ける様に、意識、気付け ≫
「第一皇女殿下。気が付かれた様で何よりです。申し訳ございませんがお答えください。この指ですが何本に見えますか?」
「え……えっと、え?」
「何本に見えますか?」
「三本。です……え?」
騎士ミチュマチュは、姫様の意識を確認すると、
「良かった。ロイク殿リュシル殿、ありがとうございます」
わざとらしく大げさにお礼の言葉を口にした。
「いえいえ」
「ふむ」
棒読み? ふむだけなのに棒読み?
リュシルの三文芝居に驚き、リュシルの顔を凝視してしまった。
「!? 旦那様よ。そんなにも熱い視線で見つめられては、妾はトロけてしまう。良いのか?」
視線を姫様へと流し、リュシルを無視することにした。
姫様は、微弱の混乱状態にありながらも、周囲の状況を確認し把握しようとしているようだった。
「第一皇女殿下。お倒れになられたのです。お部屋でお休みになられた方が良いのではないでしょうか?」
「え、そう。私は……そうですか。疲れが溜まっていたのでしょうね」
「お休みになられるのでしたら、お部屋までお送りいたします」
騎士チュイチョイは、計画通り姫様に退室を促した。
「いえ。まだやることがあります。この部屋のソファーで少し休んだら公務に……あちらのお二人は? 客人を待たせて叔父上はどちらに行かれたのですか?」
計画一は失敗だ。
姫様と目が合った。
「第一皇女殿下。あちらのお二人は偶然この町を訪れた旅人です。貴重な精霊薬を二本も提供していただきました。お二人がこの町を訪れていなかったらと考えるだけでぞっとします」
「精霊薬。……あ、あの精霊薬ですか!?」
「はい。あの精霊薬を二本もです」
「……こ、このお礼は、か、必ずしましょう。精霊薬を二本…………陛下に……爵位? 足りないわよねブツブツブツブツ」
「やはり、お部屋で休まれた方が宜しいのではないでしょうか?」
騎士ムンペトンペは、計画通り姫様に退室を促した。
「そもそもお金で買える物じゃないわ。いったい。えっ? あぁ、大丈夫です。きっと精霊薬のおかげね。倒れる前より楽になってるわ」
「そ……ですか。大事な御身体です無理だけはなさりませぬよう御自愛ください」
計画二も失敗だ。
いつも通りにやったつもりだったのだが、治癒と回復の加減を間違えしまったようだ。
次だ次。
騎士ミチュマチュに視線を送る。
「第一皇女殿下。侍女殿にも精霊薬を飲ませましたが、未だに意識を失ったままです。部屋で休ませた方が」
「それには及びません」
姫様は、胸元から猫の顔型のロケットを取り出すとボタンを押し、付き人の女性の鼻に近付けた。
自宅にいるのに、気付け薬を持ち歩いてるのか?
付き人の女性の鼻がピクピクと動く。
「起きなさい」
姫様は、ロケットを胸元にしまうと、付き人の女性に優しく声を掛けた。
ゆっくりと目を開ける付き人の女性。
あのロケット面白いな。リボン部分がボタンになってて、押すと左右の目が見開くのか。金色の瞼が開くと黒目。人形の目に応用出来そうだ。
「ん? はっ!?」
一気に覚醒状態に入ったのか、付き人の女性は慌てて立ち上がると、リュシルに向かって拳を構えた。
あっ、計画三どころか全部失敗だ。
「何をしているのですか。命の恩人に対し失礼ですよ」
「姫様は何を言っておられるのですか。帝国は私達を裏切っていたのです。あの男は帝国の工作員です」
「「え?」」
姫様と俺の素っ頓狂な声が重なった。
「先程は不覚を取りましたが、あのリリスと私はどうやら互角のようです」
「「「えええぇぇぇ?」」」
騎士三人は、青褪めながら一斉に声を上げた。
「侍女殿、冷静になりましょう」
「勘違いです。それは絶対に勘違いです」
「第一皇女殿下。侍女殿は混乱しておられる御様子。申し訳ございませんが拘束させていただきます」
「そうですね。そ、そうしてください」
「なっ!? 何をする。放せ。触るな。姫様? 放せ。私は姫様のぉー放せ、敵はあっちのぉーおいこらっ誰だ今どさくさに紛れて胸を触ったぁん。私に触るな。放せっ!!」
必死の形相で付き人の女性を取り押さえる騎士三人と騎士三人に抵抗する付き人の女性。
「抵抗しないでください」
「侍女殿。第一皇女殿下のご命令です。従ってください」
「侍女殿。ここは殿下のお部屋です。落ち着いてください。お願いします」
「くぅー、放せっ、こら触るな。誰だまた触っただろう。やめろ」
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騎士三人は、興奮し抵抗する付き人の女性を落ち着かせようと、何度も何度も声を掛け続けていた。
R4075年9月25日(水)12:20―――
時間は戻って、現在。
「貴方方の目的はいったい何なのですか?」
「さっきから何度も言ってますが、話です」
「今直ぐ叔父上を解放し悔い改めなさい。さすれば安らかなる死をお約束致しましょう」
ダメだここの人達。話が通じない。
リュシルと俺は、応接用のソファーに腰掛け、漆塗りの高そうな応接用のテーブルを挟み、上座に設置された応接用のソファーに腰掛ける姫様と対峙している。
姫様の後ろには、騎士チュイチョイ、騎士ムンペトンペ、騎士ミチュマチュが控え。
漆塗りの高そうな応接用のテーブルの上には、仕事机の上から移動させた家主の王族と姫様の付き人の女性がロープで縛られ転がっている。
ありがとうございました。