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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーガルネス編ー(傍観)
314/1227

5-6 擦り合わせ②、GMJ歴とAMJ歴。

5-5と5-6は不要だなと思いつつUPしてしまいました。不要な部分が多いのは初めからなのですが……申し訳ありません。


 居直り役に立たなくなった天使を一人(・・・)、俺の神授スキル【転位召喚・極】の転位でエルドラドブランシュ(【俺の家】)宮殿の地下一階に急設した第二取調室へとそっと移動させた。


 そして、俺達は何事も無かったかの様に作業を続けた。



・・・・・・・


・・・・



 睡眠中に無呼吸の状態に陥った天使は増える。

 分裂や分身に近い状態で増える。

 増えてしまった天使は、ある一定の条件を満たすと消える。

 放散や飛散に近い状態で消える。


 起きていても、あれ(・・)だ。……何て言うか実は天使って今俺が思っている以上に迷惑な存在なんじゃ。あっ、天使アラキバ様がいるか。……まぁ、あれに限り、あれだけかもしれないし、この件はまた今度考えよう。



「chefアランギー様。先程の動く絵なのですが、A(エー)M(エム)J(ジェー)九九九九(9999)年とありましたが……この世界の事なのですよね?」

「その通りですぞぉ~。パトロン殿の許嫁の一人サラ殿よ。正しくは、アドヴェント・メークリヒカイト・ヤール歴九千九百九十九年九月九日午前九時三十九ラフンから現在と言いますかリーファ歴四千七十五年九月二十二日午後九時まで。あぁ~午後九時とはコルト時間で言うところの光が支配する時から闇が支配する時に切り替わる時、モントルアプレの二十四時の事ですぞぉ~。はい」


 アド、アド何? またまた初めて耳にする言葉が聞こえてきたぞ。


「アドヴェントメークリットヤール歴、ですか……」

「サラ殿よ。アドヴェント・メークリヒカイト・ヤール歴ですぞぉ~。アヴォン・ハイ・リーファ歴の一つ前グリュック・メークリヒカイト・ヤール歴より更に一つ前の歴です。因みにですがグリュックの頭文字はG(ジー)です。AMJ歴は比較的穏やかな時代だった様なのですが次のGMJ歴は正に激動滅亡の時代だった様で時と場の座標を、まぁ~これについてはまた次の機会にしましょう。要するにハスデアを座標とし時を遡りハスデアがドリーマー(夢堕ち)した正確なタイミングを私は調べていたという訳ですぞぉ~。そして、それが、AMJ歴九千九百九十九年九月九日午前九時三十九ラフンだったという訳です」


・・・

・・


 皆の代わりに質問を繰り返すサラさん。サラさんの質問に答えるchefアランギー様。

 質疑応答は、一〇(10)ラフン間程続き、そして終わった。


 chefアランギー様は過去に行って来た訳だよな。だとしたら、……天使ハスデアの記憶とか場の記憶を回収する必要ってあったのか? 要らなくないか?

「おんやパトロン殿よ。その顔は、記憶の回収は不要だったのではと思っている時の顔ですなっ!分かりますですぞぉ~」

 分かる。って、て言うかその顔って、俺ってそんなに分かり易い顔して……。

「ですが断言しましょう。記憶の回収は必要不可欠。確実に行う必要があったのです。何故ならば」

「うんうんだね」

 フォルティーナ、貴女はちょっと黙ってて貰えませんかね。お願いします。

「一つでは不十分だからですぞぉ~。証拠は二つないし三つ、欲張って九つは確保しておきたいと常々考えているのですがなかなかどうしてそうそう上手くいかないものですなぁ~。ハァ~……生きるとは、幸せであって然るべきだと理想と言いますか持論と言いますか私は考えているのですが、実際は世知が無いと言いますか山あり谷あり易々と思い通りにはならない。だからこそ面白い。だからこそ価値がある。前向きな言葉で着飾れる存在は確実に今が幸せで、飛ぶ鳥を変幻自在自由自在に落とせているからなのでしょうなぁ~。うんうん」

 chefアランギー様は力強く頷きながら視線だけを俺へと流した。


 ん? これって俺に意見を求めてるのか? ……一見、良い事を言って綺麗に纏まってる、イヤ纏まってないだろう。これはいつもの只の脱線。脱線してるだけじゃないか。ここは、俺が頑張らねば。

「えっと、つまり証拠を複数個確保しておきたいって事ですよね?」

 ちょっと無理矢理感は否めないが……。

「その通りですぞぉ~。はい」

 よしゃ、通った。


「それで、A(エー)M(エム)J(ジェー)九九九九(9999)年九月九日二二(22)日の九時過ぎに天使ハスデアがドリーマーしたのは分かりました。となると、擦り合わせ作業で分かった事は、ドリーマーしたタイミングと、ドリーマーに睡眠妨害(外部干渉)したタイミングと、睡眠妨害(外部干渉)して来た存在。それと……」

 えっとぉ―――。

「ハスデアが役に立たなかったタイミング。つまり誤認したタイミングね」

「そうです。それです。マルアスピー、ありがとうございます」

「フフフ。ねぇロイク。この件に一つだけ疑問を覚えてしまったのだけれど、良いかしら?」

 ナイスアシストでした。って、疑問?

「は、はい、何でしょう」


「守秘義務があるのですぞぉ~。神格未所持の管理者に知る権利はありません。ロイクは、そうchefに言われたはずよね」

「えぇ、言われました」

「守秘義務はいったい何についてだったのかしら?」

「そりゃぁ~天使ハスデアのドリーマー中の行あっ」

「気付いたようね。ずっと疑問だったの。chefはハスデアの記憶を回収しタブレットに保存したわ。知る権利の無いアナタのスキルに」

「ですね」

「そして、知る権利の無いアナタは現場の記憶を回収して来たわ」

「……ですね」

「何故かしら?」

 何故かしら。って、言われても……。えっとぉ~。

「何故? でしょう?」

「ハァ~、ねぇロイク。質問したのは私、アナタではないわ。質問に質問で返されてしまった私の身にもなって貰えないかしら」

 これ、俺、怒られてる?

「うんうんだね」

 ・・・。


「どうやらここは私の出番のようですなっ!はい」

 出番。出番ねぇ~……。さっきからずっと出番だったと思いますよ。chefアランギー様の。


 議長席から立ち上がり、力強い視線でマルアスピーと俺を捉えるchefアランギー様。

 マルアスピーは、そんなchefアランギー様に、

「そうね。何故からしら?」

 と、いつもの調子で言葉を続けた。


 この(・・)、ホント、ブレないや。

「何かしら?」

 ん!?お、おっと。マルアスピーの顔を無意識のうちに凝視していた様だ。

「あ、えっと、最初に会った頃と全く変わらないなっと思っただけです」

「いったい何を言ってるのかしら?」

「……な、何でも無いです。い、今は会議に集中しましょう。集中」

「うんうんだね」

 こ、こいつっ!!!


 名誉議長席で偉そうにふんぞり返りニヤニヤとほくそ笑み残念な雰囲気を醸し出しているフォルティーナの顔をつい間違えて見てしまった。



 俺達コルト下界の存在と神々様方と理には、守秘義務や秘密の認識に微妙なズレがある。らしい。


「まぁ~これについてもまた次の機会にしましょう。はい」

 いつになるのか。果たして機会は来るのだろうか。俺、積りに積もった聞きた事が山ほどあるんですが……。



・・・・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・



 そして、擦り合わせ作業は無事終了した。

ありがとうございました。

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