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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーガルネス編ー(傍観)
313/1227

5-5 擦り合わせ①、そして天使の秘密。

―――アシュランス王国王都スカーレット

  グランディール城・会議検証対策室

R4075年9月24日(火)19:30―――


 会議の運営は、議長chefアランギー様、名誉議長フォルティーナ、副議長ロザリークロード様、同じく副議長アルさん、書記パフさん、書記補佐バルサさん。


 普通に参加するのは、マルアスピー、マリレナさん、トゥーシェ、リュシル、バジリアさん、メリアさん、カトリーヌさん、エルネスティーネさん、サンドラさん、俺。


 そして、エリウス、オスカーさん、ルードヴィーグ侯爵、マクドナルド公爵、アストリス伯爵、ヨランダ伯爵、スヴェレ伯爵。天使ハスデア、他。


 勝手にオブザーバーの、ユーコ様とミイール様。


 常設の小規模会議室では狭過ぎる。中規模会議室では微妙に狭い。大規模会議室だと広過ぎる。

 仕方がないので臨時の会議検証対策室を設置した。



・・・・・・・


・・・・



―――四時間後。


 回収したばかりの場所の記憶を十六倍で再生。

 天使ハスデアの記憶と一致しない部分があった時だけ通常再生。

 怪しい部分は納得するまで何度も再生。


 その予定で作業を進めていたのだが……。


「これってつまり全て天使ハスデア様だったという事ですよね?」

「その様ですなぁ~。はい」

 chefアランギー様こと議長は、サラさんの独り言にまで反応している。


「うんうんだね」

 こいつは無視でいいだろう。


「のう、さすがにこれは旦那様の新しい秘書(【天使ハスデア】)一人(・・・)では無理ではないか?」

「そうね」

「おうなのじゃぁ~」

「そうですよね。異なる二つの場所に同時に存在する何て不可能です……ですよね?…………」

 サラさんは、リュシルの言葉にマルアスピーとトゥーシェが賛成すると、常識を口にした。

 だが、常識を口にしているはずの彼女は自信なげに会議運営側の席に座るアルさんこと副議長へと視線を動かし、まるで真偽を確かめるかの様にじっと見つめている。


「え、えっとですね。天使はですね。……わ、私天使には余りと言いますかほとんど詳しくありませんので、で、ですからこ、こ、ここは議長のアランギー様に、はい。お願いします」

「うんうんだね」

「なるほどなるほどなぁ~るほど。同じ世界同じ時間異なる場所に同一なる存在は存在し得ない。そうですなぁ~。通常であればその認識で強ち間違いではありませんですぞぉ~。ですが、本件の容疑者はハスデア。天使ともなると例外的に通常ではいられないのが必定。端的に言いますと非常と言う事になります。非常であるならばその認識では間違いと言う事になる訳ですぞぉ~。はい」

「天使様には可能ということでしょうか?」

「睡眠時に無呼吸になってしまう。その様なヒュームが世の中には如何せん多いそうなのですが」

 寝てる時に無呼吸になる人が多い? そうなのか? って、は? これって何の話?

「うんうんだね」

 フォルティーナは無視で良いとして、話の意味が分からない。皆はどうなんだろうか?

 皆の様子を確認する。


 ですよねぇ~。

「おんやまぁ~。……そうですなぁ~。これについては余り気にする必要はありませんですぞ。あくまでもただの一般論。パトロン殿の奥方殿方や眷属隷属、私然り神なる存在には無い生理現象ですからなっ!おっと話を戻しましょう。天使もまた然り無呼吸になってしまうのです。無呼吸の天使は無呼吸の間分裂と言いますか分身と言いますか増えます」

「「「「「は?…………」」」」」

「うんうんだね」

 フォルティーナ以外、俺を含む参加者全員が仲良く頭上に疑問符を浮かべていると、

「おかしいですなぁ~。パトロン殿の奥方アル殿、パトロン殿の奥方ロザリークロード殿、ユーコ殿は神界の存在。幼等教育課程で学んだはずですぞぉ~!?!?!?!?!?」

「私は神獣ですので……」

「我は神竜、邪なる竜を統べる存在である我に学ぶものなど存在せぬわ」

「狐もいと賢いからな」


・・・・・・・


・・・・



 このままだと、神談義が終わりそうにないや。ここは仕方が無い。

「天使ハスデア様。天使って分裂するんですか?」

「ロイク様。私は神命によりロイク様の秘書となった身です。秘書とし仕える身となってしまった私に様など嫌味でしかありません。どうか天使ハスデア或いはハスデアもしくはハスデアは天使とお呼びくださいませ」

 ……こいつちっとも反省してないだろう。まぁ~今はいい、おいおい分からせてやればそれでいい。

「分かった。それで、ハスデアは分裂したり分身したり増えたりするんですか?」

「さぁ~?」

「さぁ~って何ですか? 自分の事ですよ」

「自分の事って言いますけど、じゃぁ~聞きますけど、ロイク様は自分が寝てる時に何やったとか何喋ったとか覚えてるんですかね?」

「……寝てる時の事は流石に」

「ホラ、ホラッ、ホッラッ。ですよねっ!!!確かに私は下界の存在皆が憧れるアイドルそれ以上の存在、天使です…が。ですが、天使だからと言って万能? 何言ってるんですかね。良いですか。天使なんて所詮()下界の存在より()遥かに優れているだけ()天界じゃ、あっ!天界って天使用語で、神界と神域両方を指す隠語みたいなぁ~感じっす。でですね。天界じゃただの優秀な小間使い使い走りっすよ。分かる訳無いじゃないですか。だって所詮天使っすよぉ~」

「うんうんだね」

ありがとうございました。

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