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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーガルネス編ー(傍観)
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5-2 納品、そして現場検証。

 ガルネス神王国の解体と旧教の撲滅を宣言したその日の午後はただただただひたすらに忙しかった。


 デジュネ(昼食)を堪能し食後のティータイムで寛ぎ、まぁ~正直寛げる状況ではなかった訳だがそうだったら良いなと幸せを実感したい時が男にもある。


 そして、俺の家ことエルドラドブランシュ宮殿の屋上にある俺の秘密基地俺の実験部屋へと移動した。

 正直秘密でも何でもない訳だが気分的に秘密基地だと思い込みたい時が男にはある。



 chefアランギー様から依頼されたネックレスタイプのIDタグ(認識票)に必要な機能を整理する。


***********************


 1.死亡回避

 2.邪魔にならない

 3.目立たない

 4.睡眠の耐性

 5.過労の耐性

 6.空腹の耐性

 7.呪詛の対策


***********************


 死亡の回避ねぇ~。これって不死って事だよな?不死の軍隊は流石にまずいよな。


・・・

・・


 よし、決めた。死亡回避は、【即死無効】の効果と即死無効が発動した際に【完全治癒】と【完全回復】が発動する様にしよう。


 邪魔にならないねぇ~。戦闘とか行動の妨げにならない様にすれば良いんだよな。


 ん?あれ、これって簡単じゃん。あるけどない感じで気にならない様にすれば良い訳だから。要するに気分とか精神だよな。

 よし、決めた。【精神強化】【沈着冷静】【確乎不動】の良い所取りスキルを作って常時発動してる状態にしよう。新しいスキルの名前は適当に【クール】で。


 目立たないかぁ~。邪魔にならないは新スキル【クール】でクリアしたけど、目立たないって、相手にって意味だよな?

 あっ!何だこれも簡単じゃん。【認識阻害】で良いじゃん。


 睡眠の耐性ねぇ~。眠りに落とす魔術や状態異常系の道具からの干渉を無効化すれば良いのかな?本当に寝ないで働け戦えって意味じゃないよな。


・・・

・・


 よし、決めた。【状態異常・眠無効】を新スキル【クール】に付けたそう。あっ、念の為に【覚醒】も付けとこ。


 過労は、過労死する前に完全回復すれば問題ない訳だから。即死の解釈を少し緩めて過労死しそうになった場合は即死扱いって事にしよう。


 ・・・空腹かぁ~。


・・・

・・


 これって無理だろう。人間食べなきゃ死んじゃうし。食べなきゃ力なんか出ないし発揮出来ない。

 必要最低限の栄養を一瞬で摂取する方法・・・・・・工房ロイスピーの商品で良いや。


 呪詛の対策か。無効化に、あっ、でも無効化するだけだと相手は何度も呪いをかけて来る事になるのか。他の国の兵士が呪われる可能性もある。ここは、【状態異常・呪い無効】と【呪詛返し】にするか。

 まてよ。呪いをそのまま返して大惨事って可能性も考慮した方が良く無いか?


・・・

・・


 よし、決めた。ただ返すんじゃなくて、呪詛者を拘束する【リエ】が呪詛者に発動する様にしよう。


 あとは、【リュニックファタリテ】で所有者を俺にした状態で兵士一人一人に貸し出す。っと。

 あれれ?

 ちょっと待てよぉ~。これだと、兵士がIDタグを外したら俺の所に、あっ、オートで戻って来ない様にすればいいだけか。念の為貸し出した人と俺以外触れない様にしておこう。



・・・・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・



「おぉ~完成しましたか。それでは早速配るとしましょう。はい」

「お願いします」


 徹夜し創造し続け、プティデジュネ(朝食)の前に無事納品を済ませた俺は気持ち少しハイテンションだったと思う。

 食事中、食後のティータイム中、公務中、何だかとっても気分が良かった様な気がする。


 創造神様の意向で俺や俺の眷属隷属達は下界の戦争に干渉してはいけない。国の主だった面子が戦争に参加出来ない中、国を慕い集った者達が主だった面子の分も戦わなくてはいけない。

 自分達の分も戦ってくれる彼等彼女達に言葉だけじゃない形ある心のこもった手作りの認識票を渡せる。

 どうせ渡すなら微妙な認識票ではなくもっと喜ばれる物の方が良いと思わない訳でもないが、俺の中は達成感に満ち溢れていた。



 午前中の公務を終え、デジュネとティータイムを終え、遂に現場検証まで漕ぎ着けた。


 最初の現場は、ララコバイア(海洋)王国王都ラワルトンクの市街地の中心にある旧王都中央創生教会こと現在の聖コンラート王都中央教会だ。

 天使ハスデアとオスカーとエリウスを伴い移動した。


 関係者各位に連絡鳩や念話で事前に話を通していたにも関わらず集まりが悪い。


「陛下。今は戦時です。皆忙しいのでしょう」

「陛下。私はこの国の魔務大臣と老師を務めておりました。幸いな事に後任は私の教え子。当時の部下達の中には未だ現役の者もおります。ここは我々四人(・・・)だけで」

「やっぱりだよぉ~。巨大な魔力を感じて居ても立っても居られず飛び出して来て正解だったよぉ~。お兄ちゃん。エリウス様。御師匠様。・・・あぁ~」


 老師ナディアは、天使ハスデアを凝視している。


「戦争が始まるって時にどうしてこんな所にいるのさ」

 こんなところって、ここ貴女の国の王都のド真ん中。って、言うか天使ハスデア様の事は諦めた様だな。知らなくて当然だしね。


「老師。魔剣隊は戦争に参加しないんですか?」

「するぞ。当然じゃないかぁ~」

「こんなところで何してるんですか?」

「寧ろ私がそれを聞きたいよ。どうしてこんな所に居るのですか?」

 老師ナディアは歩を進め俺達の前まで来ると丁寧な礼をした。

 挨拶には挨拶を礼には礼を。俺達もお辞儀し話を再開しようとした時だ。

「へぇ~。下界の存在にしては自然魔素(まりょく)が高いみたいだね。君凄いね」

 天使ハスデアにコルトの常識は存在しない。

「えっ?だって私、老師だよぉ~。この国で一番凄いから老師なんだよぉ~」

「ほうぉ~、老師とは一番優れている存在ですか。なるほどねぇ~」

 天使ハスデアにララコバイア王国の常識は存在しない。

 ドリーマーしていた時の記憶は残っていない。

ありがとうございました。

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