4-100 世界は勝手にまわるもの②~空挺騎士団~
フォルティーナとchefアランギー様によって勝手に新設されていた空駆ける騎士団。
正式名称【アシュランス王国空挺騎士団】あくまでも本人達が勝手にそう呼称しているだけなのだが・・・。
まぁ~何と言うか今更何も言うまい。
このアシュランス王国空挺騎士団の編成はと言うと......
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≪アシュランス王国空挺騎士団≫
第零空挺騎士団・通称【無敵艦隊】
※現在は旗艦のみ※
旗艦名:ユウギ(YUGI)(固定)
終日提督:フォルティーナ
chef:アランギー
医務官:アル
副提督:マリレナ
参謀長:マルアスピー
参謀:ミュー
興味本位:リュシル
食べる係:トゥーシェ
第一空挺騎士団・通称【大地艦隊】
※現在は旗艦のみ※
旗艦名:まだない
臨時提督:バルサ
第二空挺騎士団・通称【水煙艦隊】
※現在は旗艦のみ※
旗艦名:まだない
臨時提督:サンドラ
第三空挺騎士団・通称【火焔艦隊】
※現在は旗艦のみ※
旗艦名:まだない
臨時提督:アリス
第四空挺騎士団・通称【風穴艦隊】
※現在は旗艦のみ※
旗艦名:まだない
臨時提督:メリア
第五空挺騎士団・通称【高速機動艦隊】
※八隻の空飛ぶ超高速船※
旗艦名:セツナ(SETSUNA)(今だけ)
臨時提督:サラ
臨時副提督:テレーズ
副旗艦名:ウスハ(USUHA)
一番艦:ユメハ(YUMEHA)
二番艦:ヨツハ(YOTSUHA)
三番艦:ウツツナ(UTSUTSUNA)
四番艦:シュンジ(SHUNJI)
五番艦:ナギナ(NAGINA)
六番艦:ザンジ(ZANJI)
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......こんな感じで、突っ込みどころ満載だ。
まぁ~何と言うか今更だ。
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chefアランギー様から魔導具【空飛ぶ船】の運用と活用と改良の報告を奇跡の様な短さで受けた。
確実に色々と抜けてるんだろうなと思いつつもどう言う訳か何故だかとっても感動してる自分が居た。
「朝食の時、サンドラさんとバルサさんがいなかったのって、そう言う事だったんですね」
てっきりサンドラさんは修行、バルサさんはアドベンチャーギルドの仕事。
二人共、朝もはよから頑張るなぁ~。って、そう思ってました。
「言っては何ですが、艦の性能に差が有り過ぎますですぞぉ~。断言しましょう。バルサ殿とサンドラ殿が未だに任務遂行中なのはそのせいです」
「差って言われてもなぁ~。あれまだ途中だったんですよ。超特化型にするかとか基礎能力を一緒にした上で個性を持たせるかとか悩んでたら夕食の時間になっちゃったんで、取り合えず天球の前に放置してたはずなんですけど」
「ふぅ~む。取り合えず生のノリで属性特化の付与に属性結界の展開ですか。・・・パトロン殿はおっと陛下は確かに非神ですが流石にやり過ぎですぞぉ~。その存在の定義上理に触れてはいませんが今をトキメク管理者様なのですから少しは自重する事を覚えた方が良いでしょうなぁ~。はい」
・・・それ、俺にじゃなくてですねぇ~・・・あぁぁ―――だがしかしここはぁっ!
「気を付けます」
脱線回避。ただその為だけに大人な対応を。
「覆水盆に返らず。過ぎ去りし時よりも今ですぞぉ~未来ですぞぉ~。はい、と、言う訳でして、それではこちらをご覧くだされ」
≪パン パァ~ン
chefアランギー様のパルマセコの音が響く。
「これ、空飛ぶ船の......
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無敵艦隊旗艦ユウギ 高速機動艦隊旗艦セツナ
☆固有オートスキル ☆固有オートスキル
・不明 ・カムフラージュ
・オートパイロット
・メンテナンスフリー
☆固有スキル ☆固有スキル
・不明 ・高速航行
・超高速航行
・極高速航行
・音速航行
・超音速航行
・極音速航行
☆ステータス ☆ステータス
・砲撃威力【S】 ・砲撃威力【B】
・射撃距離【S】 ・射撃距離【B】
・装填速度【S】 ・装填速度【S5】
・攻撃威力【S】 ・攻撃威力【B】
・攻撃範囲【S】 ・攻撃範囲【B】
・物攻防御力【S】 ・物攻防御力【B】
・魔攻防御力【S】 ・魔攻防御力【B】
・耐久力【S】 ・耐久力【B】
・積載量【∞】 ・積載量【∞】
・移動速度【S】 ・移動速度【S5】
・乗組員数【五千】 ・乗組員数【八百】
―――
大地艦隊旗艦――― 水煙艦隊旗艦―――
☆固有オートスキル ☆固有オートスキル
・物攻無効絶対反射 ・物攻無効完全吸収
・魔攻無効完全吸収 ・魔攻無効絶対反射
・カムフラージュ ・カムフラージュ
・オートパイロット ・オートパイロット
・メンテナンスフリー ・メンテナンスフリー
☆固有スキル ☆固有スキル
・岩石の雨 ・水蒸気爆発
・巨岩石の雨 ・水素爆発
・大地震 ・大津波
☆ステータス ☆ステータス
・砲撃威力【A】 ・砲撃威力【A】
・射撃距離【S3】 ・射撃距離【S5】
・装填速度【E】 ・装填速度【B】
・攻撃威力【A】 ・攻撃威力【A2】
・攻撃範囲【S】 ・攻撃範囲【S2】
・物攻防御力【S5】 ・物攻防御力【S】
・魔攻防御力【S5】 ・魔攻防御力【S】
・耐久力【S5】 ・耐久力【S】
・積載量【∞】 ・積載量【∞】
・移動速度【F】 ・移動速度【C】
・乗組員数【三千】 ・乗組員数【三千】
―――
火焔艦隊旗艦――― 風穴艦隊旗艦―――
☆固有オートスキル ☆固有オートスキル
・物攻無効 ・物攻無効
・魔攻無効 ・魔攻無効
・カムフラージュ ・カムフラージュ
・オートパイロット ・オートパイロット
・メンテナンスフリー ・メンテナンスフリー
☆固有スキル ☆固有スキル
・不可視の火焔 ・真空空間
・不可視の爆撃 ・空間圧縮
・赤の火焔 ・空間膨張
・青の火焔 ・涅槃吹
・白の火焔 ・薫風
・焔槍の稲妻 ・黍嵐
・焔槍の雨 ・神立風
☆ステータス ☆ステータス
・砲撃威力【S5】 ・砲撃威力【S4】
・射撃距離【A3】 ・射撃距離【S】
・装填速度【S2】 ・装填速度【S4】
・攻撃威力【S5】 ・攻撃威力【S4】
・攻撃範囲【S】 ・攻撃範囲【S3】
・物攻防御力【A3】 ・物攻防御力【A3】
・魔攻防御力【A3】 ・魔攻防御力【A3】
・耐久力【A3】 ・耐久力【S】
・積載量【∞】 ・積載量【∞】
・移動速度【S2】 ・移動速度【S4】
・乗組員数【三千】 ・乗組員数【三千】
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......絵ですよ・・・あっ!詳細情報ですか?」
視界に空挺騎士団の各艦隊の旗艦の絵が浮かび上がると次いでスキルの詳細やステータス化された性能が浮かび上がる。
「一目瞭然とはまさにこの事でしょうなぁ~」
「一つだけ良いでしょうか?」
「おんや何を今更改まっておるのやら、やれやれやれですぞぉ~。パト陛下と私の仲ではありませぬか、親しき仲にも礼儀ありとは言いますが少しばかりの御目零しであれば余裕ですぞぉ~。はい」
続けて良いんだよな。
「分かり易いとは思うんですが、FとかCとかBとかAからA3、SからS5ってどう判断したら良いのかなと思いまして・・・」
「そうですなぁ~。端的に言いますと、Fは十。Sは限りなく神だと認識して貰えれば間違いありませんですぞぉ~」
え?
「は、はぁ~・・・」
何を基準に一〇?限りなく神っていったいどれくらいなんだ?
・・・・・・・
・・・・
・
改良すべき点を事細かくレクチャーしていただく事三十ラフン。
基準については分からないままだった。
「満足していただけましたかなぁ~?はい、それではサンドラ殿と合流するとしましょう」
・・・。
≪パン パァ~ン
・
・
・
俺達が甲板に姿を現すと、
「「「陛下!!!神アランギー様!!!!」」」
俺達の姿に気が付いた乗組員こと騎士団の団員達は、任務中にも関わらず慌てて駆け寄り右膝を甲板に付け最敬礼敬禮の姿勢で頭を下げた。
何となくこうなるだろうなと予想はしていたが、何故に敬禮!?
「おんや、敬禮は必要ありませんですぞぉ~。さぁ~さぁ~任務を遂行してくだされ」
「そうですよ。敬禮は神様に対しあっ」
横に居るの・・・
「「「はっ!!!」」」
・・・神様だった。
乗組員達がキビキビと持ち場へと戻る姿を見つめながら、
「chefアランギー様。今って戦時になりますか?」
「この下はフールズマーチ真っ只中ですからなぁ~。ですので、ここは、戦時中でも宜しいかと」
戦時に於いては、略式の臣従儀礼騎士敬礼が望ましい。
・
・
・
数ラフン後、提督室で指揮を執っていたサンドラさんと甲板で合流し状況の確認を開始した。
・・・・・・・
・・・・
・
「旧教側は何処からともなく現れる獣や魔獣で断続的に攻撃を繰り返してる訳ですね」
「はい。陛下」
「陛下って、chefアランギー様とサンドラさんと俺しか居ないんですから、ロイクで良いですよ」
任務中のサンドラさんは、何度言っても俺の事を陛下と呼ぶ。
「はっ、陛下」
「・・・直す気無いですよね」
「はっ、陛下」
そこ、返事しちゃうんだ・・・。ま、良いや。話を進めよう。
「chefアランギー様。何処からともなくって事は、やっぱり」
「でしょうな」
アイコンタクトで頷き合い。そして、神眼Ⅲを意識し艦の真下、市街地へ視線を移す。
「思ってたよりも優秀みたいですね」
「も、申し訳ございません。就任と同時に出陣でしたので」
「ん?」
どうして、謝る、
「あっ!ここの話じゃないです。家の騎士団が優秀なのは分かってます。下です。ここの下の話です」
「ポヴォウェワンですか。ラバーズスクレート上空に到着した時には、既にこの状況にありました。両軍共に決定打を欠き消耗戦の様相を呈しています。とても優秀とは思えません」
市街地に国境がある町だし公僕もそれなりに役に立ってる?いや待てよ。ここは家じゃない訳だし、ギルドに所属する優秀な人が多いって方が自然か。
戦闘が再開すれば分かる。まずは、断続的な理由を。
「サンドラさん」
「はっ、陛下」
「帝国旗に似た印が付けらえた獣と魔獣なんですが供給源って言うか出所は旧教の教会とか関連施設です」
「帝国旗に似た印で」
「陛下それでは説明が足りておりませんですぞぉ~。サンドラ殿。正確には邪闇の魔法陣が正解ですぞぉ~。はい」
「か!神アランギー様。邪闇の魔法陣とはいったいどの様な物なのでしょうか?」
「かつて妖魔種族が好んで使っていた邪と闇が交わる刻にのみ稼働する転位移動の為の魔法陣ですぞぉ~。何らかの手が加えられている可能性が極めて高いとだけ補足しておきましょう。それで、印はどんな感じでしたかなっ!」
「印ですか。誠に申し訳ございません。この高さですので、私達の眼では流石にそこまで細かく確認する事が難しく」
「なるほどなるほどなぁ~るほど。確かにヒュームの眼では難しいですな。私とした事がうっかりしておりましたですぞぉ~」
五〇〇〇メートル上空から町を見下ろして獣や魔獣の帝国旗の印が視認出来るって、何らかのスキルがあるか或いは普通じゃないかくらいだろう。
乗組員達は見えなくて普通だ。
「ですが、私もうっかりさんでしたが、サンドラ殿もなかなかのうっかりさんですな。はい。五〇〇〇メートルも離れた場所からスムーズに偵察等いったい何処の誰に出来ますからなぁ~。可能になるまで近付かなくては何も始まりませんですぞぉ~」
「接近ですか。ですが、カトムーイ・ダカイラ・ククイム・ゼンスタード東方解放の際に騒ぎになったと聞いていましたので・・・」
「あぁ~。サンドラさん。あの騒ぎは船が空を飛んでたからじゃないんですよ。住民の意識を船に集中させる為にククイム全域を光の時間の様に照らし出す発光の魔法魔術を使ったからです。長い間奴隷にされてたエルフ達の失いかけていた信仰心がついでに少しでも高まってくれればめっけもんって感じでちょっとだけ派手に事象に干渉したら騒ぎになちゃったんです」
「闇が支配するはずの時間を光が支配したともなれば騒ぎになって当然だと考えます。ですが、それだけでは無いとも考えます。船は本来水に浮かぶ物であって空に浮く物ではありません」
「サンドラ殿。この艦は確かに船の形をしておりますが、船の形をしているだけで船ではありません。あくまでもこの艦は船の形をした魔導具【空飛ぶ船】魔導具なのです」
「この艦は大型魔導船」
「違いますですぞぉ~。魔導具【空飛ぶ船】このぉ~名称が無いと些か不便ですな。この件が片付きましたら全艦に名前を付けましょう。はい。あぁ、それでですが、この艦は一一万飛んで八四四四トン程度しかありませんので私からすれば少しばかり大きな中型のクルーズ船でしかありません。因みに、フォルティーナ様が終身で終日提督の無敵艦隊の旗艦ユウギは、ジャスト三三万トン。ここまで巨大になりますと陛下が施したオートカムフラージュの効果に感謝する気持ちも生まれるという物。少しばかり大きなこの中型の艦に施すには少しばかり勿体ない気もしますが、大は小を兼ねて然るべきですから感謝するべきだとは思いますですぞぉ~。はい」
何が言いたいんだ?
「はっ、神アランギー様。心からの感謝を創造神様神々様に捧げたく思います」
「その意気ですぞぉ~。うんうん」
うん?
「はっ、ありがとうございます」
「五メートルなら余裕でしょうか」
「五メートル?」
「接近しても気付かれずに済むギリギリの距離ですぞぉ~」
「そ、そんなに近付いても平気なのですかっ!!!?」
「余裕でしょうなぁ~。こちらが停船した状態で向こうから近付いて来る分には接触でもされない限りまず気付かれないレベルですぞぉ~。実に手の込んだ偽装です。はい。ところでサンドラ殿、飛行時間はいか程でしたかな」
「ジャスト五時間と四四ラフンでした」
二人とも切替早過ぎない?
「なるほど。スカーレット、ポヴォウェワン間は直線距離で凡そ四二五キロメートルですからぁ~。毎時約四〇ノットといったところですなっ!」
計算早っ!・・・四〇ノットって事は、時速約七四キロメートルって事だよな。これって普通の船で考えたら結構早い方じゃん。
「飛行中は景色だけが流れ風を感じる事がありませんでしたので速さの実感が伴っておりませんでした。なるほどこの艦は、ゼルフォーラ王国が所有するどの船よりも速かったのですね」
「グルザンシュに派遣した第一空挺騎士団の出航の様子を気持ち長めに眺めて視たところ。約一〇ノット強でしたので、第二空挺騎士団はざっと四倍の速さで移動可能と言う事になりますなっ!」
輓獣車の常歩よりは速いか。
「船として考えると遅くありませんか?」
「ですな。コルトに存在する船舶の中でも一、二の遅さですぞぉ~。何せ、出航から二二時間四〇ラフン経ちましたが未だに航行中なのですからなっ!ベリンノック大陸のセボネやアバラを越えられない第一空挺騎士団の旗艦に山脈を迂回し尚且つ最短距離で移動するプログラムを施したのですが、概ね四八五キロメートルを移動する為に必要な時間は約二六時間十二ラフン。つまり到着は約三時間三〇ラフン後ということになります。実にのろまな空飛ぶ船です」
ありがとうございました。