4-97 異文化交流④~果物と寝室とつまらない物の定義~
いつの日か必ず加筆します。
削り過ぎて3分の1以下に・・・。
「スイーツもデザートも無いの」
「えっと・・・」
「だから、スイーツもデザートも無いのよ」
「いっぱい食べてたじゃないですか」
「あれは、果物。フルーツよ」
「あのぉ~言ってる意味が良く分からないんですが、フルーツってデザートだったりスイーツだったりし」
「ないわ」
「しないんですか?」
「えぇ」
そうだったかのか。食後のフルーツってデザートじゃなかったんだ。全然知らなかった。
「それで、深刻な事態とは、いったい」
「ハァ~・・・御父様。耳も腐ってたのね。何だか心配になってきたわ?」
「ミ、ミト!お、お前」
ミト様・・・。
「あっ!そうよ。手遅れみたいだけど、もしかしたら少しは良くなるかもしれなし、今度、頭の序に診て貰ったらどう?どうかしらロイクさん。治るかしらぁ~♪」
ミト様お願いです。俺を巻き込まないでください。ホント、勘弁してください。
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「するとなんだ。深刻な事態とはデザートコーナーに並んだ果物の事だと?」
「そうね」
「ミ、ミト。マルアスピーはいったい?・・・果物が並ぶ事の何が深刻だと言うのだ?」
「そうねぇ~。深刻と言えば深刻だしぃ~そうじゃ無いって言えばそうじゃ無いって感じかなぁ~。ねぇ~ロイクさん♪」
「管理者殿よ。私にはこの二人が何を言っているのか理解出来ません。孫がいったい何を言っているのか御享受願いたいのですが」
お、俺っ?
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『スイーツデザート革命♩エクレアも私に食べさせて♬』をスローガンに掲げた工房ロイスピーミッテタルグルント支店の精霊界での奮闘劇が今ここに幕を・・・。
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寝室を移動して始めての就寝時間。
ベッドに横になりながら、精霊界で交換したつまらない物を確認する。
な、ふえ?こ、これがつまらない物・・・。
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・『つまらない物』 贈主:アピロレイ王
①ミッテタルグルントちりめん 99反
効果:地水火風属性耐性 ランク7
※ダメージ7割カット※
※反射確率2割※
※反射威力7割※
光闇属性耐性 ランク4
※ダメージ4割カット※
邪属性耐性 ランク2
※ダメージ2割カット※
聖属性耐性 ランク1
※ダメージ1割カット※
※回復効率上昇1割※
無属性耐性 ランク5
※ダメージ5割カット※
②プリフェストのヤッケ
③プリフェストのホーゼ
④プリフェストのマンテル
⑤プリフェストのシュー
⑥精霊の土杖
効果:地属性魔法威力上昇・大
※パワー3割アップ※
⑦精霊の水杖
効果:水属性魔法威力上昇・大
※パワー3割アップ※
⑧精霊の火杖
効果:火属性魔法威力上昇・大
※パワー3割アップ※
⑨精霊の風杖
効果:風属性魔法威力上昇・大
※パワー3割アップ※
⑩精霊の土の短剣
効果:地属性特化威力上昇・大
※パワー3割アップ※
⑪精霊の水の短剣
効果:水属性特化威力上昇・大
※パワー3割アップ※
⑫精霊の火の短剣
効果:火属性特化威力上昇・大
※パワー3割アップ※
⑬精霊の風の短剣
効果:風属性特化威力上昇・大
※パワー3割アップ※
⑭ボンボーンの鞭
効果:生命力体力回復
※威力に比例※
外傷治癒
※威力に比例※
⑮フォルターの筆
効果:精神力集中力低下
※時間に比例※
情報収集
※時間に比例※
・『つまらない物』 贈主:センペル地公王家
①ウムフェルングルントちりめん 30反
効果:地属性性耐性 ランク9
※ダメージ9割カット※
※反射確率5割※
※反射威力9割※
邪属性耐性 ランク1
※ダメージ1割カット※
無属性耐性 ランク3
※ダメージ3割カット※
地属性呪詛耐性 ランク10
※呪詛10割カット※
②エールデハイマート合金 50屯
効果:非腐食
※錆びない※
非浸食
※自然魔素の影響を受けない※
③エールデハイマート
ツィーゲル1のレシピ
※カラー:白系※
④エールデハイマート
ツィーゲル2のレシピ
※カラー:黒系※
⑤エールデハイマート
ツィーゲル3のレシピ
※カラー:灰系※
⑥エールデハイマート
ツィーゲル4のレシピ
※カラー:赤系※
⑦エールデハイマート
ツィーゲル5のレシピ
※カラー:無系※
⑧ウムフェルングルント
シュタールのレシピ
効果:異常浮力
※液体に浮く※
※液体に沈まない※
⑨プリフェスト
ミネラール・アイゼン 1屯
※精霊界の鉄鉱石※
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ミッテタルグルントちりめんとウムフェルングルントちりめんは、つまらなくないじゃん。・・・これ使えるじゃん。
検証してみないことには何とも言えない物が多いな。特にこの鞭と筆って何だよ。威力?時間?
うん。面白くなって来たぞぉ~。・・・あああぁぁぁ―――どうしよ。つまらない物を交換するって言われたから、本当につまらない物を渡しちゃったよ。
マルアスピー。ちゃんと教えてくださいよぉ~・・・。
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「精霊王陛下っ!!!」
「僕の時はそんなに驚かないよね。今度からはそのくらい驚いて貰えると嬉しよ。それで、どうかしたのかな」
「こっ、こっ、これ、これを、これを!見てくださいっ!!!」
「これって。あぁ~、コルト下界の管理神様からいただいたつまらない物だね。凄いよね。純度一〇〇%のミスリルの装飾箱なんて初めて見たよ。しかもそれ、時間にまで干渉してるし」
「精霊王陛下」
「何だい」
「ミスリルは自然魔素を通すには最も適した素材です」
「そうだね」
「で、ですが定着には最も」
「適していないね。それどころか定着は不可能だと言われているね」
「はい」
「でも、それには、ファルダガパオ・・・あれ?それおかしくない?」
「はい。おかしな事が起きております」
「そうじゃなくてさ。それ。ファルダガパオとかそういう次元じゃ」
精霊王は翼を広げ、ミスリルの装飾箱の前へと慌てて移動し、ミスリルの装飾箱を手にする。
「信じられない・・・けど、信じるしかないよね。この手に持ってる訳だし」
「信じる。と、言いますと?」
「そうだね。箱の中身を出してみたら分かると思うよ。制限の無い箱の中身だし宝物殿に移動しようか」
「制限が無い?・・・移動、はっ!畏まりました」
「そうだ!折角だから...... ......だから皆で...... ......の方が早く終わるだろうから」
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「よし。皆集まったね。ん?いったいどうしたんだい?そんなに警戒する必要は無いよ。今日は閉じ込めたりしないからさ。今日は悪戯は無しだ。分かったら皆でこのミスリルの装飾箱の中身を絨毯の上に並べるんだ。僕の眼が確かなら凄い事になるよ」
「精霊王陛下。希少なミスリルで作られた国宝級の装飾箱を宝物殿に納めるだけの為に態々城の者を全員集めたのですか?」
「政府主。君聞いてたのかな?もう一度言うよ。さぁ~皆で箱の中身を並べましょう」
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「アハハハハハ。お宝がいっぱいだぁ~。これもあれもそれもあっちのもあーっちのも全ぇ―――部」
「せ、精霊王陛下。わ、わ、私はもう死ぬのでしょうか?」
「大蔵主。死なないから。僕達精霊は死なないから・・・たぶん」
「「「精霊王陛下。はっきり仰ってください」」」
「うわぁっ!!!ちょっ、ちょっと君達さ、いきなり皆で大きな声とかホント止めて。ビックリするだろう」
「精霊王陛下!!!」
「うわぁっ!ってな何だよ。政府主今僕言ったよね。大きな声出すなって」
「でですが、ですが。これは麒麟や霊亀。神々様の世界の・・・。こ、コルト管理神様への神供にはいったい何を?」
「いつもと同じに決まって」
「馬鹿ですかっ!!!!!」
「ば、馬鹿?僕に精霊王に向かって馬鹿とはなんだ馬鹿とは」
「神格素材ですよ。分かってますかっ!!!神格素材がこんなにも沢山あるのですよ。にも関わらず、神供にちりめんと精霊グッズ?いったい何を考えておられたのですか!!!」
「何って、異下界管理者親善交流の時は小さな葛籠って、決めたの君だよ。君だったよね!わ、忘れたとか言ったら笑顔で殴り掛かるけどかわさないでよ」
「はい。決めたのは私にございます」
「ホラッホラッ、ホラッ!」
「しかしながらまことに申し上げ難いのですが、私が決めたのは、異下界管理者親善交流の際の葛籠でございます。異下界管理神管理者友誼親善交流の際の葛籠ではございません」
「え?」
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精霊王アピロレイ・フル・ルーゴリア自らがコルト下界を電撃訪問したのは七二時間後の事だった。
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「おはよう、皆」
「「「おはようございます」」」
「マルアスピーもおはようございます」
「・・・そうね。清々しい朝なのだからおはようね」
「何か怒ってます?」
「・・・何か怒られる様な事に心当たりでもあるのかしら?」
「う~ん。特にないですね」
「そう」
「あっ!」
「あら、今回は気付くのが早いのね。嬉しいわ。成長しているようで」
「任せてください。昨日は遅かったんで今日にしようって。ずっと気になってたんですね」
「え?いったい何の話をしているのかしら」
「何のって、つまらない物の話に決まってるじゃないですか。ビックリですよ。つまらない物って言うからてっきり中身はつまらない物なんだって。あっ、まだ開けてないんで安心してください。タブレットで中身を確認しただけで、開けるのは皆がいるところでって」
「ねぇ・・・ロイク」
「はい、何でしょう?」
「つまらない物くらいで怒ったりしないわ」
「そう―――ですよね。言われてみればそうですね。マルアスピーがお土産の一つや二つで一々怒ったりしないですよね」
興味の無い事には基本反応しないし。朝だし表情が硬いだけって感じかな。
「気のせいで良かったです」
「えっ?」
「皆。昨日精霊界で貰って来たつまらない物をテーブルの上に出すんで集まってください」
「「「つまらない物???」」」
「つまらない物くらいで呼ぶとは良い度胸なのじゃぁ~」
「ほう精霊界とは精霊様の世界ではないのか?つまらない物を態々土産に渡すとはのぉ~。旦那様よ早く出してくれぬか」
「精霊界のお土産・・・僕は一回しか行った事が無いから凄く楽しみだぞ」
「それじゃぁ~出しますね」
ありがとうございました。