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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
―ララコバイア編ー
281/1227

4-84 整理整頓のつもりが・・・

―――アシュランス王国・王都スカーレット

   王城グランディール・国王政務室

R4075年09月18日(光)19:00―――


 四日前、九月十四日火の日の昼下がり、タブレットに届いた創造神様からのメール。


 要件は六件。


 タブレットのヴァージョンが勝手に更新され、おNewのOS『煌き』になった件。


 タブレットの機能がどの様に変わったのか実はサッパリ分かっていない。と言うか、結構な頻度で行われる更新に初回から着いて行けていない俺です・・・。


 神界印の創神丸(そうしんがん)『ローヤルゼリーのカプセル』を飲み忘れ続けていたら毎日の提供が停止に、その代わりに世界創造神印の創造神薬(そうぞうしんやく)『ロイヤルプラチナマックスドリンク』五百ミリリットルを一本迷わず一気に飲み干す様にと神授していただき、ワンビリオンプレーヤーの仲間入りを果たした件。


 創神具ヴァリアーブルの短剣を帯剣した状態とは言え、【GMP】(神気力)が四十七億九百八十一万一千三百六十八なのはどう考えてもおかしい。三万八千百六十一。帯剣時には二倍の七万六千三百二十二だったはずなのだがいまいち理解が追い付いていない俺です・・・。


 各種『ゲーム』シリーズをやり忘れ続けていたら景品のグレードが上がり、一ヶ月に一回毎月十日大樹の日に『ゲーム Oh My God』をやってみないかと神授していただいた件。


 今迄よりも限りなく面倒になってしまった『ゲーム』。何が始まるのかやってみないと分からないその仕様は最早嫌がらせの域だ。

 ただ、嫌がらせは仕様だけで、景品のグレードは間違いなく上がっていた。

 結果はともあれ、第一回目は参加の記念として、神授スキル【マテリアル・クリエイト】に統合されている各種スキルが極レベルで完全統合され、神授スキル【神眼・万物限定】は上位互換【神眼Ⅲ】になった。

 意味不明に高い【GMP】(神気力)と極レベルで統合された最新の【マテリアル・クリエイト】で天球に色々やってみたいと思うのは自然の摂理だと俺は言いたい。

 七万と四十九億ではやれる次元が絶対に間違い無く違うはずだ。この世界に迷惑を掛ける訳にはいかないけど・・・大丈夫。サビィ―様、さまさまの異空間異次元。本当に有難うございます♪


 本当ならこれから天球であれやこれやとやる予定だったんだけどなぁ~・・・。


 精霊界の件。


 大地の大精霊ロロノクック様に関しては、マルアスピーとミト様に任せてある。行くのは明後日。

 精霊域を経由しいざ精霊界へって考えていたら、ゲートで下界間を移動する事になるとは・・・コルト下界に存在するセンススキルとライフスキルを全て所持する俺だけど、神授スキルや神託スキル神気スキルは、やっぱり凄い。想像や理解の範囲を余裕で超えて来る。

 そう言えば、俺の神授スキル神気スキルってどうなってるんだ?

 神眼Ⅲとタブレットの検索実験を行う時に序だから確認する事にしよう。所持してるけど用途不明とかありえないし。


 新迷宮の件。


 聖剣ローランは取り返した。・・・今はそれだけだ。コルト側の無作為な迷宮からよりも、メア側のダンジョンからの方が効率的だし、調査の管理がし易い。

 時間が・・・気が向いたらメア下界の悪魔界?悪魔域?のダンジョンに挑戦するのも吝かではないかな。

 二月二十三日の来たる悪を無事に乗り切ったら、気が向いた時に時間があったら考える事にしよう。


 と言う訳で、神授スキル【神眼Ⅲ】を意識しつつ神授スキル【タブレット】を起動させてみる。


 自作の魔導具【MRリュネット】とタブレットのリンクはこの上なく良好だ。視界を遮らない様に半透明なのが実に粋だなと自分自身を褒めてみる。


・・・

・・


 音声入力や文字入力でも悪くは無いが、今日の実験では思考入力が適切かな。言葉では表現し難い曖昧なニュアンスを心象を検索する可能性があるし・・・。


 まずは、俺が所持する神眼Ⅲの詳細を表示っと。


・・・・

・・・

・・


 なるほどね。


 コルト下界の理の概ね。メア下界の理の概ね。プリフェスト下界の理の概ね。例外措置神域神獣カフェドームココドリーロの理の概ね。例外措置神聖域中空の離宮全域の理の概ね。例外措置コルト下界創造の為の実験域地下0階(レイカイ)とその下層全域の理の概ね。例外措置KANBE(カンベ)下界の食材調味料の理の概ねか。


 該当する理の概ねに該当しない理外は、神様とその眷属神様や隷属神様。他には、異界異域異空異次元からの該当する理の外壁への干渉と存在。その他。


 その他って・・・出来ればその他が知りたいかな・・・。


 検索≫ 俺が所持する神眼Ⅲの該当する理の概ねに該当しない理外。神様、眷属神様、隷属神様、異界異域異空異次元からの干渉。これら以外で該当する理外は?


・・・・

・・・

・・


 あああぁぁぁぁぁぁあああ―――――~・・・・・・。


 コルト下界の理の外の理。メア下界の理の外の理。プリフェスト下界の理の外の理。各理の干渉規制干渉制限干渉禁止事項。


 って、・・・・・・この際、その都度ダメ出しされる感じで良いや。

 

 タブレット。表示。プリフェスト下界精霊界ミッテタルグルント。


・・・・

・・・

・・


 想像してたよりも大きいみたいだ。どれどれ、キロメートルでサイズを表示。


・・


 ブッ!!!ゥフェ?・・・マジ・・・です・・・か!?コルト下界の大陸全てを足したより大きいって。・・・な、何これ、メア下界もプリフェスト下界も大きな下界だって知ってはいたけど、これって、こ、コルト小さ過ぎだろう。

 ・・・おっとっと、今は大きさについて悩む時じゃなかった。今は、


 工房ロイスピーの支店とブランルーゴリア宮殿を赤色で印。


・・


 本当に隣なんだ。


 地図表示を景色表示に切り替え。


・・


 おぉ~。隣。隣ねぇ~・・・まぁ~一応隣ちゃぁ~隣か。正門の正面に宮殿よりちょっとだけ小さな店舗。良く許可が出たなぁ~。

 直接見てみないと良く分からないし、早速実験してみますか。


 神授スキル【フリーパス】タブレット表示工房ロイスピーの支店の前≫ いざっ!!!



 ヒュームだぁ~~~!!!と騒がれては大変だ。行って直ぐに戻って来た。うん。フリーパスで行ける。タブレットで検索も出来る。MRリュネットとのリンクも良好。

 後は、神授スキル【転位召喚・極】だな。タブレットが表示出来る場所へは転位移動も召喚も送還も出来るはずだけど下界間はやった事ないし何か不安だ。



 よしっ!実験しよう。 するしかないでしょう。


 神授スキル【転位召喚・極】召喚フォルティーナ場所俺の目の前≫


 フォルティーナが俺の前に現れた。


「・・・ロイク。あたしを召喚するとは良い度胸だね。あたしは忙しいね」


 何か非常に機嫌が悪そうだ。だが問題ない。この実験に機嫌等影響しない。結果に機嫌は関係ない。


 神授スキル【転位召喚・極】転位フォルティーナ場所タブレット表示工房ロイスピーの支店の前≫


 フォルティーナの姿が俺の前から消えた。


 フォルティーナを青色で印。


 おっ、居る。あっ!消えた


≪フワッ


「ロイク。これはいったい何のマネだね。あたしに何の恨みがあるね」


 俺の目の前に姿を現したフォルティーナは怒っている様だ。まずは高尚な実験の結果にあっ・・・説明してなかった。


「ちょっとした実験です。説明するのを忘れていましたが実験は無事成功しました」


「・・・あ、あ、あたしに断りも無くあたしを実験の神柱(ひとばしら)にしたのかね。し、信じられないね」


「まぁ~それはそうと成功した訳だし先にお礼を言わせてください」


「えっと・・・どういう事だね」


「下界間を移動した事が無かったんでもしも万が一がって・・・それでフォルティーナに手伝って貰う事にしたんです。実験に付き合ってくれてありがとうございました」


「万が一かね・・・」


「えぇ、フォルティーナって神様じゃないですか」


「そうだがだね・・・」


「万が一があっても何とかなりますよね?」


「確かに創造神に何かされない限りは何でも自由だね。だがしかしだね」


「マリレナさんやエリウスやルージュやドルは神様に成り立てだし、亜神様は神様だけど神様と比べると自由度が低いじゃないですか」


「確かにそうだがだね・・・神はあたしだけでは無いね。邪神竜、遊狐、アランギー他にもいるね」


「chefアランギー様は食事の準備とか政務で忙しいみたいだったし。ロザリークロード様は幼女だし。ユーコ様は何処かの日溜まりの中でまったり微睡んでるだろうし。暇そうなのってフォルティーナしか思いつかなかったんですよ」


・・・・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・



 いつも以上に自由なフォルティーナがいつも以上に騒がしい。


 転位移動の実験が成功に終わった今次の実験に移りたいのだが、こう騒がしくては実験どころではない。と言うか、精霊界に居る存在を目の前に召喚出来るか実験したかったのに勝手に帰って来ちゃうとか実験の趣旨を理解していないとしか思えない。毎回毎度思う事だがフォルティーナは他人の話をちゃんと聞いていない。・・・う~ん。まっ神様だからしょうがいないのか。


「良いかね。そもそもロイク、君はだね。あたしに対する尊敬の念が足りていないね。これは由々しき事態だね。あってはならない不敬だね」


「フォルティーナ」


「な、なんだね。今、あたしが有難い」


「俺が精霊界に行って、あっちからフォルティーナを召喚するんで次は勝手に移動しないでくだいよ」


 神授スキル【フリーパス】タブレット表示工房ロイスピー三階のオーナーズエリアのリビングルーム・・・なら


「ではっ!!!」


 騒がれないよね?



 実験結果。


 下界間の転位移動召喚送還は出来る。


 ゲート。便利だとは思うけど俺には必要なさそうな気がしてならない。


 フォルティーナを召喚送還出来る。


 試しに神宮殿に送還してみたところ抵抗無く成功した。


「ちょっと待つね。どうして君があたしに干渉出来るね。おかしいね・・・おかしいね」


「ちゃんと聞こえてますって」


「おかしいね」


「だから」


「大切な事だから何度でも言うね。おかしいね・・・た、た、たたたたた大切な事を忘れていたね。今のあたしは創造神の嫌がらせで弱り果て生まれたばかりの小鹿も同じそれはもうプルプルだね。それに引き換えロイク、君はどうだね。第二神のあたしの()から()ても異常なまでに高い神気は異常だね」


 異常異常って・・・。


「君が好きな実験を一つしてみるね」


「実験ですか。何をする気ですか?」


「簡単だね。あたしの周囲に時空牢獄を展開するね」


「構いませんよ。それじゃ行きますね」


 神気スキル【時空牢獄】≫


≪・・・・・・・・・


 通常の肉眼では決して視認出来ない時空牢獄の壁。フォルティーナや俺の眼、神眼でも何となく壁がある様な感じがする程度の認識しか出来ない壁。


 その壁を殴り蹴り体当たりしている女神がいる。音は当然のことながら響かない。


「あたしの思った通りだったね」


「何の実験かは分かりませんが仮説が正しいと証明された訳ですね。手伝えて良かったです」


≪スゥ―


「パトロン殿よ」


「うわぁっ!!!って、chefアランギー様・・・」


 俺の後方、直ぐ後ろにchefアランギー様が現れ、物凄い至近距離で話掛けられた。


「如何なされましたかな。はい」


「いきなりだったんで、ビックリしたんですよ」


「なるほどなるほどなぁ~るほど。時にパトロン殿よ。フォルティーナ様の神気が突然遮断され・・・()りますね」


「えぇ、そこに」


「どかしたのかね。アランギー」


「これはこれは何ともまぁ~。フォルティーナ様が時空牢獄にですか・・・」


 chefアランギー様は、フォルティーナに近付くと、時空牢獄の壁らしいその辺りに触れる。


「おほっ!・・・内側にはフォルティーナ様の神気。外側には無し。完全遮断ですか。実に興味深い」


「創造神様から罰を受けてる真っ最中じゃないですか。どうやらそれが原因らしいです」


・・・・・・・


・・・・



「謎が謎では無くなってしまった瞬間から興味は微塵もありませんですぞぉ~。本日のディネはゲート開通祝い妖精のおしごとの輝かしい未来を祝うパーティー。いつもとは少しばかり趣向を凝らし遊び心に気合を入れました。ただメーンはパトロン殿と私からのサプライズにしたいと考えスタッフ達にはメニューを教えていません。メーンの食材選びをパトロン殿にも手伝って貰う予定なのですが今からでも宜しいですかな。はい」


「妖精のおしごとの為の料理って事ですよね」


 何かとっても面白そうだ。


「俺からお願いしたいくらいです。是非選ばせてください。さっさっ善は急げって言うし行きましょう」


「KANBE下界の食材を考えているのですがぁ~」


「良いですねぇ~♪」


「それでは」


≪パンパ~ン

ありがとうございました。

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