4-38 創造神様からのメール③~何故か指令⑧~
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パーティーの招待状を預かっています。
さて、誰からのでしょう。
とっても意外なところからです。
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・・・誰からのでしょう。って、件名にヘリフムスからの招待って。意外も何もヘリフムスですよね。ヘリフムスって言ったらあの時の精霊様の事ですよね?
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な、
なっ、
なんと!
あの、精霊界の地の公王
長老精霊
ヘリフムス・フォン・センペルからの
招待状です。
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でしょうね。それしか考えられませんでした。
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あっ、
でも、招待状を預かったのは、
皆のアイドル私ではありません。
そうなのです。
お察しの通り。息吹の女神です。
まぁ―――。最終的に預かったのは、
私なんですけど。
ここで、
ロイク。貴方にとって
とっても残念な事を伝えます。
残念な事からが良いですか?
それとも
ちょっと良い事からが良いですか?
それとも、良い事からが良いですか?
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俺にとって残念な事を伝えてくれるんじゃないのか?
残念な事とちょっと良い事と良い事って・・・良い事の方がちょっとだけですが多いですよね?
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そうですよね。
己にとって都合の悪い事
厳しい事
認めたく無い現実。
人の世は、現実とはいつの世も無常ばかり
辛いですよね。世知が無いですよね。
ですが、
人は受け入れる事
認める事で強くなるのです。
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は、はぁ~・・・。で?
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良い事から伝える事にします。
(ロイク心の声:何でも良いんでサクッとお願いします。もうそろそろ寝たいんで)
神授を知っていますね?
(ロイク心の声:そりゃぁ~)
その通り。神授とは皆のアイドル私が与える
とってもとってもとっても有難い事です。
当然の事ながら、神授にも種類があります。
あっ、でも、神託や啓示なんかと、
混同しないでね。
(ロイク心の声:それで神授が何なんだ?)
もう。生き急いでいけませんよ。
(ロイク心の声:早く寝たいだけですね。分かっては貰えないでしょうけど・・・)
多くの場合。現物の神授には、
とってもとってもとっても便利でお得な!
そう
機能が付与されていますよね。
さて、ちょっと良い事を伝えます。
(ロイク心の声:良い事って、これで終わり?)
ヘリフムス・フォン・センペルからの
招待状ですが
残念ながら、ロイク。
貴方に渡す事が出来ません。
(ロイク心の声:えぇ―――。ちょっと良い事なって・・・・・・)
この招待状。
コルト下界には存在しない
素材が使われています。
(ロイク心の声:なるほどぉ~。干渉規制とかってやつですか)
紙切れの1つや2つ
そんなに気にする事でも
無いのですが、
(ロイク心の声:気にしてください。・・・気にしてくれてありがとうございます)
はっきり言って、小さな些細な
どうでも良い事って
ホント、どうでも良いんですよね。
(ロイク心の声:・・・こ、これの何処がちょっと良い事なんだ?嫌がらせに付き合わされてる。強要されてる様にしか思えないんですけど)
ホント、これって嫌がらせです。
(ロイク心の声:あ、やば。心を読まれた!)
なので、ヘリフムス・フォン・センペルに
もう一度招待状を
書かせるつもりでいました。
いたのですが、
手紙には、届けずとも伝える方法がある。
科学メールや魔法メールが発展した昨今
綺麗サッパリ気持ち良く忘れていました。
(ロイク心の声:・・・)
一度しか読みませんので、
確り聞く様に。
分かりましたね
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一度しか読みません。って、・・・これ昨今発展したって言うメールってやつですよね?あってますよね?
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予は、ヘリフムス。
精霊界の地の公王
ヘリフムス・フォン・センペルである。
予を謀るとは小癪な真似をしてくれたな。
予は、其方に興味を持った。
名誉である。誇りにするが良い。
来たるコルト下界時間9月20日正午。
予の屋敷にてパーティーを催す。
招待する。
予の愚弟ロロノクック・フォン・センペルと
その妻ドゥーミナ・フル・アピロレイと、
予の姪ミト・フル・アピロレイとその夫と、
予の姪孫マルアスピー・フル・アピロレイも
連れて来るが良い。
好きなだけ泊まって良い。
予は、予の姪孫の夫
其方に大いに興味を持った。
案ずるな
精霊界に居を構える
聖光の母精霊
ドゥーミナ・フル・アピロレイには
予から伝えておく。
待っておるぞ。
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・・・あと六日。実質五日しかないじゃないか。
大地の聖域の大精霊ロロノクック様とミト様とミト様の夫を連れて来いだと!・・・無理があるだろう。相手は不貞寝中なんだぞ。
それに、ミト様の夫。・・・って、いったい誰の事だよ。マルアスピーの父親の方で良いとは思うけど、で、誰?
ふむふむ。・・・考えても無駄だな。
ミト様とマルアスピーに相談しよ。
精霊界の地の公王ヘリフムス・フォン・センペルか。興味持ち過ぎだろう。
で、これの何処が、ちょっと良い事なんだ?良い事の方もそうだったけど何がどうなってるんだ?
創造神様って良い事と悪い事の基準が違うって事ないよな。
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楽しそうで羨ましいのぉ~。
まるで世に言う一家団欒ではないか。
(ロイク心の声:違うな)
許す。
2・3日楽しんで来るが良い。
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俺は酷い思い違いをしていた様だ。そうだよ。神様と人間が同じな訳ないじゃなか。
フォルティーナを見れば分かる事だ。
そうだよ。横暴で強欲で協調性何て一欠片も持ち合わせていないのが家に居るじゃないか。
そうだった。御節介で面倒見が良くて気が向けば何にでも首を突っ込み滅茶苦茶にしてくれるのが俺の傍に居るじゃないか。
思い出した。優しくて過保護でやたらと付き纏って来ては傍らで仁王立ちしながらまるで嫌がらせの様にニヤニヤとドヤ顔でほくそ笑む。そんな創造神様公認の嫁が俺には居るじゃないか。
・・・・・・神様は多かれ少なかれだいたいこんな感じなんだろう。本人曰くでしかないが、二番目に偉い訳だ。
二番目があれだ。
・・・人間、神頼みは止めた方が身の為だな。何事もバランスが大切なのかもしれない。
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ところで、
新迷宮「名を持たざる森」について
そろそろ
知りたくはないかね?
クリックしてみてはどうだろうか?
確かに残念な事です。
だがしかし、
どうだろう。
良く考えよう。
クヨクヨウジウジしたところで
何も始まらない。始まる事は無い。
すべは終わった事。
過ぎ去りし時。
嫌な事も全部、思い出にしてしまえ。
さぁ~!!!
新迷宮への扉を開きたまえ。
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何も考えず行こう。
タブレットの画面を戻し、クリックした。
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名を持たざる森。
歪みの森とも呼ばれる森。
この程、遂に迷宮へと進化しました。
森が迷宮化したのは初めてです。
さて、この迷宮。
良く見ると面白そうな特徴を備えています。
そうです。
朝と夜で属性が変わります。
名を持たざる森の時間は、光属性
歪みの森の時間は、闇属性
一日を通し、大樹属性な
この迷宮には、
この名を贈る事にしました。
名を持たざる歪みの森の迷宮
と。
この名を持たざる歪みの森の迷宮は、
ロイクが今一番欲している何かを叶える。
そんな素晴らしい可能性を秘めています。
全ての光は光に通じ、
全ての闇は闇に通じる。
気付きましたか?
そうなのです。歪みの森の時間の森は、
全ての闇の迷宮と繋がっているのです。
指令⑧ ロイク&サンドラで、
神授神具聖剣ローランを取り戻せ!
成功報酬:聖剣ローランの進化
名を持たざる歪みの森の迷宮の
所有権
指令⑧ サブクエスト
モーヴェドラゴンの討伐
他
制限時間:9月20日15:00
神授武具神具聖剣ローランを取り戻せ
健闘を祈る。
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やっと終わった。
一先ず寝てから考えよう。
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―――アシュランス王国・王都スカーレット
エルドラドブランシュ宮殿・朝食の間
R4075年9月15日(風)07:50―――
朝食の真っ最中だ。
朝食の間には、俺の他に、
創造神様公認の嫁マルアスピー、アルさん、フォルティーナ、トゥーシェ、リュシル、マリレナさん、ミューさん。
創造神様公認の嫁の様な許嫁の様なバジリアさん。
創造神様公認の許嫁パフさん、アリスさん、サラさん、テレーズさん、バルサさん、メリアさん、カトリーヌさん、エルネスティーネさん。
運を司りし遊びと良妻の女神と料理を司りし神2柱様公認の許嫁サンドラさん。
親父と母さん。
もう面倒だし使用人って事で良いや。マーツさん、ターケさん、ウーメさん、キークさん。
そして、chefアランギー様と妖精のおしごとの五人。
が、居る。
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「......と言う訳でマルアスピーはミト様に連絡をお願いします」
「と言う訳でって随分強引ね」
「時間が無いんで適材適所人材フル活用で行きます」
「仕方が無いわね。分かったわ。精霊関係は私が何とかしてあげるから、ロイクも確りやるのよ。分かったわね」
「でもって、トゥーシェは俺と共同で管理しても差し支えの無いそれなりに価値のある物を選んでおくように」
「私の物は私の物なのじゃぁ~。誰にもやらんのじゃぁ~」
「いつでもどこでもどこからでも収納取出が出来る様になるんですよ。不要ですか?」
「欲しいのじゃぁ~。だが私の物は私の物なのじゃぁ~」
・・・急ぎでは無い案件だ。今日はここまでにしておこう。
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「......と言う訳でサンドラさんは俺と一緒に歪みの森の迷宮の調査です。ドラゴンは遭遇したら討伐。聖剣を探す方に出来るだけ時間を割きましょう」
「......貴重な時間を割いていただきありがとうございます」
「俺への指令でもあるし気にしないでください」
「あぁ―・・・・・・何つぅ―かさぁっ!頑張れよ」
父バイルは、何処か他人事の様に言葉を掛けて来た。
「親父。サンドラさんに言わなきゃいけない事があるよな」
「剣。見つかると良いなぁっ!」
こいつ本当に本物の・・・。
「そうじゃないだろう」
「そうだね。バイル。あたしは思ったね」
「おっ何だよ神乳ぃ―。朝っぱらから眠くなる話は無しだぜぇ―」
何故フォルティーナはこの罰当たりな男をのさばらせておくのだろうか。トゥーシェなら一瞬でパチンの刑になってるはずだ。
「バイル」
「おうよぉ―」
「お前も行くね」
「行くって何処にだよぉっ!」
「何を言ってるね。名を持たざる歪みの森の迷宮に決まってるね」
「何でだよぉっ!!!」
親父の奴、本気で言ってるのか?・・・言ってるな。
「親父。大丈夫・・・か?」
「おっ、たりめぇ―よぉ―。何つったって俺はよぉ―天下の健康優良児だぜぇっ!この人ありつったらぁ―俺の事だってなぁっ!皆知ってんだぜぇ―」
皆ねぇ~。・・・親父知ってるか。優良児って児って子供の事だって・・・。
「うんうんだね。決まったね。ロイク、君はだね。サンドラとバイルとサラを連れ聖剣探しの旅に出るね」
「ゴホッ!わ、私もですか?」
「だから何で俺も何だよぉっ!おかしいだろうぉ―」
「良いかね。そもそも聖剣ローランはサンドラが創造神から神授された神具だね」
「だな」
「その様ですね」
「神授していただいた聖剣を、も、申し訳ございません」
「おめぇよぉ―。あの剣が、んなすげぇ―剣だっつぅ―のに部屋ん中に普通に置いとくって、いったいどう言う事だぁっ!あぁ―」
サンドラさんの部屋に無断で入ったって事だな。
「ここが何処よりも安全だという油断から、盗難防止スタンドでは無く見栄えの良い壁掛しスタンドにしたのが間違いでした」
「おぉそっかぁっ!・・・まぁ―過ぎちまったことだぁっ!次からは気を付けんだぞぉっ!」
親父・・・。
「神具を紛失したのはサンドラだがだね。紛失させたのはバイルだね」
「まぁ―角度によっちゃ―そう見えなくもねぇ―かぁ―」
どうやって見ても親父お前が犯人だよ。
「あのぉ~。フォルティーナ様。私は対ゼルフォーラ外交と王国軍の脱ロイク様依存促進で手が・・・叔母様の聖剣ローラン探索に協力したい気持ちはありますが」
「良かったね。と言う訳だね。ロイク。サブクエストもあるね。朝食を済ませたら早速旅に出ると良いね」
「私の剣の為にありがとうございます」
サンドラさんは、深々と頭を下げた。
軍人の所作には気持ち良さすら覚える。サンドラさんはカッコいい王女様だな。
「チッ、めんどくせぇなぁ―。今回だけだからなぁっ!」
もともと原因はお前だったよな親父。
「おいっ!神乳おめぇ―覚えとけよぉっ!」
「これって、強制参加の様ですね。・・・分かりました。叔母様。ロイク様。今日中に見つけ出しましょう」
「ありがとう。サラ」
サンドラさんと二人で探しに行った方が絶対に早いだろうなぁ~。サラさんは兎も角として、親父を連れて行かなきゃダメなのかぁ~。ハァ~・・・。
「さぁ~ロイク。今だね。サッサと行くね」
「これ食べ終わったら準備して行きますよ」
「仕方がないね。食べ終わってからで良いね。許すね。サッサと食べてサッサと旅に出るね。・・・分かったのかね?・・・・・・返事はどうしたね?」
こいつは静かにするって事を知らないのか?静かに出来ない仕様になってるのか?
・・・それにさっきから旅、旅って、
「フォルティーナ」
「何だね」
「一つ訂正しておきます」
「何だね」
「夕食までには帰る予定でいます」
「うんうんだね」
通じないか・・・。
「食べたら行って来ます」
ありがとうございました。