4-34 国王のお仕事①~聖剣ローラン~
―――アシュランス王国・王都スカーレット
グランディール城・国王執務室
R4075年09月14日(火)17:00―――
就寝前に交わした約束を全て果たした俺は、王城ことグランディール城の国王執務室で遅い昼食を摂りながら各種報告を聞いていた。
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「......ですぞぉ~。つきましては今週中にはフィリー中央銀行なる銀行を設立し新たな通貨を発券します」
「それってつまりどう言う事ですか?」
chefアランギー様はまた何かを始めた様だ。
「アシュランスカードの勝利です。はい」
「・・・chefアランギー様。アシュランスカードが勝つと新しい銀行とお金が必要なんですか?」
「おんやおんやその通りですぞぉ~...... ......要するにですなぁ~......
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≪フィリー中央銀行≫
【本部】
・アシュランス王国・王都スカーレット本店
【支部】
・アシュランス王国・王都スカーレット支店
・ゼルフォーラ王国・聖都モルングレー支店
・ドラゴラルシム王国・王都ドルガ支店
・ララコバイア王国・王都ラワルトンク支店
※参加希望国※
・フィンベーラ王国
※【Gald】を廃止し予定※
・ジャスパット王国
※【Gald】を廃止し予定※
・ターンビット王国
※【C&M】の世界通貨廃止と
新【NL】の世界通貨採用を検討※
≪貨幣制度≫
旧【NL】
・全通貨廃止
新【NL】
・1NL貨幣=小青銅貨(SB)
表面:輓獣車
・スカーレット支店発行貨幣=ロバ
・モルングレー支店発行貨幣=ウマ
・ドラゴ支店発行貨幣=大トカゲ
・ラワルトンク支店発行貨幣=カメ
裏面:1と連合国家フィーラ年号
・10NL貨幣=青銅貨(NB)
表面:花
・スカーレット支店発行貨幣=バラ
・モルングレー支店発行貨幣=ユリ
・ドラゴ支店発行貨幣=ヒマワリ
・ラワルトンク支店発行貨幣=ハイビスカス
裏面:10と連合国家フィーラ年号
・100NL貨幣=大青銅貨(LB)
表面:空飛ぶ絨毯と100
裏面:王城
・スカーレット支店発行貨幣
=グランディール城
・モルングレー支店発行貨幣
=モルングレー城
・ドラゴ支店発行貨幣
=ルフトリテート竜王城
・ラワルトンク支店発行貨幣
=アウフマーレライ城
※貨幣の発行は各国の王都の支店が担当※
・500NL紙幣=五百ネール札
表面:四大属性・裏面:非四大属性
・1000NL紙幣=千ネール札
表面:武と知の神様・裏面:邪の女神様
・5000NL紙幣=五千ネール札
表面:愛憎の女神様・裏面:旧愛憎の館
・10000NL紙幣=一万ネール札
表面:息吹の女神様・裏面:息吹の神殿
※上記紙幣の発行は本店が担当※
※下記紙幣の発行は各国の政府が担当※
・100000NL紙幣=ほぼ国際通貨
表面:運の女神様と幸運の神殿
裏面:金額と発行国名と発行年号
・1000000NL紙幣=ほぼ国際通貨
表面:創神殿と金額
裏面:発行国名と発行年号
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......とまぁ~発行元を三つに分けます。はい」
・・・相変わらず良く分からない。だが、しかし、これは理解出来る。
「前に言っていた金や銀を止めて紙をお金にするって話ですよね?」
「その通りですぞぉ~。金銀銅白金貨は潰して再利用します。旧貨幣は各王国が責任を持って新貨幣で買い取る手はずです」
「それって、家が大量に買う事になりませんか?」
「なるでしょうな。ですのでアシュランス王国ではアシュランスカードにチャージする事で買い取りを完了した事にします」
「衛星集落とかはどうするんですか?」
「おんや。それはですなぁ~。アシュランス王国民はアシュランスカードを必ず所持しておりますし、集落には必ず教会がありますので転移ネットワークを活用します。中央銀行と正創生教会で調整する様に申し付けてあります」
ふ~ん・・・・・・。
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「珍しい取り合わせですね」
「そうかしら?そうかもしれないわね」
「ふむ。いつもの面子にしか見えないが・・・」
「私達三人が陛下の執務室に同じ案件で集まるのは、これが初めてになります」
マルアスピー、マクドナルド・ガリバー、スヴェレ・サヴィニア。三名からの報告は本当に珍しい。
「ですよねぇ~」
「はい。陛下」
相変わらずビシッとしてると言うかお堅い。
「サヴィニアさん。謁見の間じゃないんですからもっと気楽にいきましょうよ。気楽に」
「は、はぁ~・・・」
スヴェレ・サヴィニアさんは、この国の文化大臣で伯爵で、賢者マクドナルド・ガリバーは、この国のスカーレット大学と大学院の学長で、マルアスピーは、この国の魔術魔導具研究所の所長。
この三人は......
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≪全額無償義務通常教育制度≫
【初等科】7歳から10歳(4年制)
【中等科】【専門科】11歳から13歳(3年制)
※転移ネットワークを利用し通う※
※非全寮制※
≪全額無償権利通常教育制度≫
【幼等科】3歳から6歳(4年制)
※入学試験に合格した者※
【高等科】【高等専門科】14歳から(3年生)
※入学試験に合格した者※
※飛び級制度あり※
※全寮制※
【大学】17歳から(3年生)
※入学試験に合格した者※
※飛び級制度あり※
≪従来のアカデミー≫
【大学院】20歳から(3年制)
※入学試験に合格した者※
※大学の卒業資格or王国の入学許可※
【研究所】
※採用試験に合格した者※
≪全額無償任意戦闘訓練教育制度≫
【魔術科】7歳から
【非魔術科】7歳から
【混成科】7歳から
【魔導具科】11歳から
※誰でも入学可能※
※卒業は卒業試験に合格する事※
※通常教育と並行※
※非全寮制※
≪全額無償権利戦闘訓練教育制度≫
【高等魔術科】14歳から
【高等非魔術科】14歳から
【高等混成科】14歳から
【高等魔導具科】14歳から
※入学試験に合格した者※
※飛び級制度あり※
※卒業は卒業試験に合格する事※
※通常教育と並行※
※全寮制※
※入寮の優越
戦闘訓練教育制度該当校を優先する※
※制服の支給
全額無償義務通常教育制度下に於ける優遇※
※食育の推進
非全寮制の者は昼食一食を無償提供
全寮制の者は朝食昼食夕食三食を無償提供
一部例外あり※
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......教育改革を目指している様だ。
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子供は国の財産。国民は国の財産。知識知恵経験は人と国の財産。王国の財産への投資を決定した。
財産に投資すると言う言葉は可笑しな使い方かもしれないが、戦争や官吏や廷臣に無条件で潤いを与える位なら、未来の財産に投資するべきだと判断に至ったからだ。
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他には、
アルさんは、...... ......医療関連施設や孤児院の改革や改善であったり...... ......等々と言った感じで、
首相でAIRA局長のルードヴィーグ・ダダとカトリーヌさんは、...... ......王立劇場と役者の状況であったり...... ......ヴァンエルフ一族以外のエルフ一族の動向と言った感じで、
国防大臣のヨランダ・ヒース伯爵や、ギルド監察庁長官のバルサさんや、エルドラドブランシュ近衛防衛隊隊長のサラさんや、エルドラドブランシュ近衛騎士隊隊長のアリスさんや、エルドラドブランシュ近衛魔術師隊隊長のパフさんの五人からは、王国軍を再編する事の重要性を淡々と語られた。其々時間をずらし一人ずつたっぷり時間を使って説明してくれました。
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最後に報告にやってきたのは、王国警備隊隊長と迷宮庁長官を兼任するバジリアさんと、チュテレール騎士団団長に就任したばかりのサンドラさんと、娯楽温泉資源開発庁長官のトゥーシェと、女王様な方のトゥーシェ改めリュシルの四人だった。
「何か今日は珍しい取り合わせが多い一日です」
「ふん感謝するのじゃぁ~」
何に感謝すれば良いのやら。・・・トゥーシェもまたブレ無い人だ。
「旦那様よ。バジリアとサンドラと妾は以前よりバイルの闇の迷宮の調査をサポートしておるのだが知っていたか」
闇の迷宮の調査・・・闇の迷宮の・・・・・・あぁ~フォルティーナが、親父とサラさんアリスさんパフさんに依頼してた件かっ!・・・あれって、
「まだ続けてたんですね」
「はい。陛下」
「サンドラさん。家族しかいないんですから、ロイクでお願いします」
「公務中ですので陛下でお願い致します。陛下」
・・・まぁ~良いか。長くなりそうだし。
「それで、バジリアさんとサンドラさんとリュシルは親父の件で何か報告があるからここに来たんですよね。良い予感がしないんで余り聞きたくはないんですが、・・・親父の奴また何かやらかしたんですか?」
「バイル様は邪属性特化型の弓使いですよね」
「あぁ~確かイーヴァルスナイパーとかって変わったジョブでしたね。それがどうかしたんですか?」
バジリアさんに質問で返してしまった。
「自前の【MP】を使って【HP】を回復させたいからと、サンドラ様の聖剣を」
「まさかですが、いつもの如くくれとか譲れとか場所や時間も御構い無しに煩く言い寄ってんじゃ」
「「いえ」」
サンドラさんとバジリアさんの声が綺麗にハモる。
「ち、違うんですか。少しは成長してるみたいで安心しました」
「いえ、それが、私の聖剣ローランを」
「勝手に持ち出し闇の迷宮の調査に向かい」
「戦闘中に弓の邪魔だからと壁に立て掛けたまま帰還し紛失したと言っておったが何も聞いてはいないのか?」
「・・・か、か、かなり前から気付いてはいたんですが」
「えっ?私の聖剣ローランが無くなったのは昨日の夜なのですが」
「あっ、違いますよサンドラさん。聖剣の事じゃなくて親父の奴が馬鹿野郎だって事にです」
「「「ああぁぁ」」」
「おぉ~そうなのじゃぁ~バイルは馬鹿野郎なのじゃぁ~良い奴なのじゃぁ~ギャッハッハッハッハッハ」
闇の迷宮で紛失した物って回収出来るのか?聖剣ローランってどんな剣なんだ?
「ノワッハッハッハッハ。・・・なぁ~にんげ・・・ロイク。飽きのたじゃ~暇なのじゃ~もう帰ってコミックを読みたいのじゃ~」
「・・・トゥーシェの好きにして良いと思いますよ」
こいつ、いったい何しに来たんだ?
「さらばなのじゃ~~~」
トゥーシェは執務室を勢い良く飛び出して行った。
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「親父に関しては後にしましょう。まずは聖剣ローランです」
バジリア、サンドラ、リュシルの三人は俺と視線を合わせると小さく頷いた。
「リュシル。闇の迷宮って発生や内容はランダム何ですよね?」
「妾が知っておるのは幾つかの闇の迷宮がこの世界と妾の生まれた世界を繋いでいるくらい故聞かれても役には立てぬと思わぬか」
「そうなると、フォルティーナかchefアランギー様か創造神様に頼るしかないのかな・・・」
・・・後でchefアランギー様と合流する事になってるしその時にでも聞いてみよう。
ありがとうございました。