4-26 井戸の底の大都市①~無人の大都市と天井絵~
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島の地下に広がる無人の大都市は、島の地上にある東西ドュン村より遥かに規模が大きく、ララコバイ王国の王都ラワルトンクよりは小さい。
地下の空間は、縦約8Km横約7Km。
岩壁に接した大都市の端は、東西南北例外無く綺麗に切断されておりその先はここには存在していない。
大都市の中央に見える神殿とも宮殿ともとれる巨大な建造物を囲む正十六角形の壁。壁は確認出来る限り3層。
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俺達は調査の為、適当に地下都市をエリア分けし、外周2エリアと位置付けた2層目と3層目の壁に挟まれたエリアへと、外周3エリアと位置付けた3層目の壁の外側、南側から中央へ向かって歩を進めた。
エリア分けはこんな感じである。
3層で存在する壁を中央から外周へ向かって1層目2層目3層目とし、1層目の壁の内側のエリアを中央エリア。1層目と2層目の壁に挟まれたエリアを外周1エリア。2層目と3層目の壁に挟まれたエリアを外周2エリア。3層目の壁より外側のエリアを外周3エリア。
神眼とタブレットによると、中央エリアは縦約2Km横約2Km。1層目の壁は高さ約16m厚さ約3.8m。外周1エリアの壁間の距離は約2Km。2層目の壁は高さ約14m厚さ約3.6m。外周2エリアの壁間の距離は約2Km。3層目の壁の高さは約12m厚さ約3.4m。
ゼルフォーラ王国の外壁を基準にした場合の話になってしまうが、基本的な外壁の高さは約8m厚さは3m。
う~ん。俺の知識だと、ここって城壁を5層以上も有していた巨大な都市だったって事になってしまう。それだとラワルトンクよりも規模が大きいって事に・・・。
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「オスカー殿は少しばかり長い眠りから覚めたばかりでしたな」
エリウスは、オスカーさんの隣を歩きながら、オスカーさんを質問攻めにしていた。
「はい。5年程眠っていた様です」
「まだ本調子ではない様ですな」
「魔剣隊の老師を任されていた現役の頃より調子は良いですぞ」
「そうなのですか?」
「エリウス様?・・・何か気になる事でも・・・」
「現役の頃よりも調子が良いのですよね?」
「自らの足で歩けていますし、それに【MP】もあり得ない程に増えています。あぁ~・・・、ですが何か勘違いされている様ですので説明させていただきます。確かに目覚めた時と、いえ、現役の頃と比べ心身共に強化されてはいますが、調子が良いからと言って浮遊や飛行の類の魔術は私には扱えません。ユマン族は通常宙に舞い上がり宙に浮き宙を移動出来ません」
「オスカー殿はヒューム、ユマンではなく亜神のはずですが・・・」
エリウスは、やれやれといった表情で肩をすくめる。
「確かに先日より亜神として存在する事と成りました。ですが、成って数日の私はどちらかと言うと亜神ではなく、まだヒューム属のユマンなのです」
オスカーさんは、エリウスの質問攻めに飄々と対応していた。超越した様な達観した姿は、神、神獣として先輩のエリウスよりも、神、亜神になったばかりのオスカーさんの方が、神様っぽく見える。
だが今は神様だろうが神獣様だろうが亜神様だろうが関係ない。2人にお喋りするなとは言わない。だが、
「少し位調査に協力して欲しいんですけどぉ~・・・」
と、だけは一応言ってみる。
呪いの調査からの井戸の底に広がる大都市の中央に見える神殿とも宮殿ともとれる建造物の調査。その為の移動。その為に調査しながら中央へ向かって歩を進めている訳なのだから。
「おっと。申し訳ございません主殿」
エリウスは、俺に向かって頭を下げ謝罪の言葉を口にすると、
「オスカー殿がおかしな話をするものですから、話に引き込まれてしまい目的を忘れておりました」
と、オスカーさんへと向き直る。
「ロイク様。我が領島の地下の事。率先して私が調査すべき時に誠に申し訳ございません」
オスカーさんは、エリウスの視線を気にも留めず、俺に向かって頭を下げながら謝罪の言葉を口にすると、
「それともう1つ。この様な状況で道化を演じられる程私は豪快でも酔狂でもありません。先程から申し上げておりますが、私は亜神と成りましたがまだ能力的にはヒューム属のユマンなのです」
「ハッハッハッハッハ。またそれですかっ!オスカー殿まで主殿の様な冗談をワッハッハッハッハ。神格を持つ身でありながらヒュームだなどとハッハッハッハッハ。傑作だ愉快愉快ハッハッハッハッハ」
「ですから私は面白い話などしておりません」
エリウスの大きな笑い声が地下の空間に響き渡る。
・・・もういいや。何か手伝う気無さそうだし、この2人は放っておこう。
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しかし、何て異様な光景だ。
無人の街は、まるでついさっきまで人が生活していたみたいに整備され綺麗なままだ。掃除が行き届いた石畳の道。磨き上げられた漆喰の建物。庭や家の前には色鮮やかな草花。そして深緑の葉を纏った街路樹。窓にはレースのカーテン・・・。
道や建物。カーテンにまでメンテナンスフリーに良く似た付与が施された大都市。
ここは井戸の底だ。陽の光が届かない地下空間だ。それなのに花や草や木が生き生きと根をおろしている。
松明や発光の魔導具や光属性の魔術がなければ何も見えない。こんな場所に植物がどうして・・・。
俺は神眼を更に意識し裕福そうな民家の玄関前に植えられた花を視認する。
「あぁ~あれですか?ヒュームのふりをしヒュームの中に紛れ込みヒュームを陰ながら支えてあげよう的なあれですねっ!ハッハッハッハッハ。オスカー殿は亜神になったばかりだと言うのに勤勉ですなっ!」
「ですからエリウス様。先程から何度も申し上げております通り、私は宙に浮かぶ事が出来ません。ですので井戸の内側の調査を」
「ハッハッハッハッハ。御冗談を、ハッハッハッハッハ」
エリウスはオスカーさんの言葉を遮り、地下の空間に再び大きな笑い声を響かせていた。
笑い声の中で集中するって難しい。
意識したままの神眼で、エリウスとオスカーさんを視界に捉え。少しだけで良いほんの少しだけで良いから、もう少しだけ静かにして欲しいと神眼で訴える。
「ロイク様・・・」
オスカーさんと視線が合った。
あれは、助けを求める眼だ。何て事だ。オスカーさんの眼は、確実に正確に俺へと助けを求めている。それなのに、俺の眼は誰にも何も訴えを届けてはいない。はぁ~・・・。
心の中で深い溜息を漏らす。
あれ?・・・オスカーさんの眼、神眼じゃない。・・・・・・あぁ”―――っ!!!
俺は、オスカーさんのステータス、スキルを確認する。
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≪ステータス≫
【名前】オスカー・フォン・フォルヘルル
【性別】男
【種族】亜神(元ヒューム属ユマン種ユマン族)
【神気】暫定1
【精霊気】なし
【個体レベル】unknown
【生年月日】R3983年2月20日・樹の日
【年齢】92
【血液型】B
【虹彩】透明感のあるラセットブラウン
【髪色】グレー&シルバー
【髪型】ロング(後ろで束ねている)
【身長】184cm
【体重】68Kg
【利腕】右
【職業1】ユルティムマージ レベル1/50
※ソメポールマージ レベル10/10※
※下位系統全てレベル10/10※
※サージュ レベル10/10※
※下位系統全てレベル10/10※
【職業2】為政者 レベル10/50
【職業3】錬金術師 レベル10/50
【職業4】~Lock~【職業5】~Lock~
【職業6】~Lock~【職業7】~Lock~
【職業8】~Lock~【職業9】~Lock~
【職業10】~Lock~【職業11】~Lock~
【職業12】~Lock~【職業13】~Lock~
【眷属隷属先】ロイク・ルーリン・シャレット
―――
【装備武器】なし
【装備防具】なし
―――
≪STATUS値≫
【HP】41000 【MP】50000
【物理攻撃力】unknown
【魔術攻撃力】unknown
【魔法攻撃力】unknown
【神気攻撃力】unknown
【物理防御力】unknown
【魔術防御力】unknown
【魔法防御力】unknown
【神気防御力】unknown
【知識・智恵・記憶】unknown
【器用さ・応用力】unknown
【素早さ・敏捷性】unknown
【運】unknown
―――
≪SENSE・SKILL≫
【杖の心得】レベル10/50
【衣の心得】レベル 6/50
【法衣の心得】レベル10/50
【魔宝玉の心得・指輪】レベル10/50
【地属性の心得】レベル6/50
【地属性魔術耐性特化】レベル6/50
【地属性魔法】レベル1/50
【水属性の心得】レベル1/50
【水属性魔法魔術耐性特化】レベル1/50
【火属性の心得】レベル10/50
【火属性魔術耐性特化】レベル9/50
【火属性魔法】レベル1/50
【神気火属性天罰】レベル1/50
【風属性の心得】レベル2/50
【風属性魔法魔術耐性特化】レベル1/50
【光属性の心得】レベル1/50
【光属性魔法魔術耐性特化】レベル1/50
【闇属性の心得】レベル1/50
【闇属性魔法魔術耐性特化】レベル1/50
【無属性の心得】レベル1/50
【無属性魔法魔術耐性特化】レベル1/50
≪BIRTHDAY・SKILL≫
【消費MP自然回復補助・中】
※1カウン=回復11※
~補足~
(消費MP自然回復補助無しの場合)
※30時間の睡眠或いは休憩
=回復1200(平均)※
(消費MP自然回復補助・微の場合)
※1カウン=回復2※
(消費MP自然回復補助・小の場合)
※1カウン=回復5※
(消費MP自然回復補助・大の場合)
※1カウン=回復20※
【無機物貫通・火属性魔術限定】
※火属性魔術限定で無機物を貫通する※
※優劣位属性相関関係をある程度無視※
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見事なまでにマージ特化タイプだな。それに、俺の眷属隷属なのにステータス値はunknownだらけ。俺の眼って万物限定、万物って全部って意味だとマリレナさんは言ってたけど、全部って意味の万物に限定された眼。うーん・・・ダメだ。まったく意味が分かんないや。
「ワッハッハッハッハ。オスカー殿も冗談がお上手ですなぁ~。ハッハッハッハ」
「ロイク様。・・・ロイク様?・・・・・・如何なされましたかな?」
「あっ!・・・いえ」
名前を呼んでも反応しない俺を心配し、オスカーさんは俺の隣へと移動し、俺の肩に触れた。
おっと、いけないいけない。オスカーさんのステータスを確認しながら脱線する所だった。・・・しかしぃ~。
「うっかりしてました。神格を得ても直ぐに力を使える訳じゃないって忘れてました」
「ハッハッハッハッハ。おっ!・・・私の話ですか」
「エリウスが神格を得た時も、神獣眼とか神様の力を使い熟せる様になるのに時間がかかりましたよね?」
「はい。その通りです。まぁ~未だに完全には使い熟せてはいないので要修行中です。・・・ところで主殿。それが何か?」
「エリウスは、もともと聖獣ですよね」
「はい」
「オスカーさんは、もともとユマンです」
俺の断定に、
「はい」
と、エリウスが肯定の返事をする。と、
「その通りです。ですから宙には浮けません」
オスカーさんは被せる様に激しく肯定の言葉を口にした。
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歩を進めながらの無人の街の調査を保留にし、目的地までスキルやステータスの話をする事になった。
「オスカーさんは典型的な魔導士タイプですね」
「私がですか。私は火組上がりのアインスヘクセです。運良く老師の地位に漂着しただけのアインスです。引退時のJOBはパレスマージのレベル10。いっかいの魔術師に過ぎません」
「アインスヘクセ?」
聞いた事が無い言葉だ。
「オスカー殿、ウィザード族の言葉の様に聞こえるのですが」
「ウィザード族の言葉ですか・・・」
「はい。主殿」
「ロイク様。エリウス様。アインスヘクセとはララコバイア王国の者なら誰もが知っている言葉で、意味は1属性の魔術師」
「ウィザード族の言葉に似ていると思ったのですが、そうですかララコバイア王国独自の言葉でしたか」
エリウスは、オスカーさんの言葉に納得したみたいだ。
「1属性ですか」
変だな。ステータスのスキルでは、
「地属性、水属性、火属性、風属性、光属性、闇属性、無属性。四大属性全てと、非四大属性の2つ、そして無属性。オスカーさんは7つの属性を所持してますが・・・」
「地属性は中級、水属性や無属性は下級、下級と言っても本当に下の下です。扱えるだけで何の役にも立たないレベルです。風属性に光属性に闇属性ですか。亜神に成った際に所持した様なのですがまだ実感がありません」
オスカーさんは、身振り手振り落ち着きなく説明してくれた。
説明してくれてるところで悪いんだけど、
「魔術師タイプって言ったのは属性の話をしたかったからじゃないんです」
「と、言いますと?」
「エリウスとオスカーさんが2人で話をしてる時に気が付いて、神眼で確認したので、神気スキルについてはまだ所持していないと理解したつもりです。ですが、気になったのはバースデイスキルの【消費MP自然回復補助・中】と【無機物貫通・火属性魔術限定】。それとセンススキルの【魔宝玉の心得・指輪】です」
神授スキル【消費MP自然回復補助・中】は、亜神様になったオスカーさんが所持していても意味が無い。魔法(精霊魔法)は【MP】を消費しない。あっ、でもオスカーさんは魔術を使うから【MP】を消費するのか?・・・今は良いや後で考える事にしよう。
神授スキル【無機物貫通・火属性魔術限定】。これって、風の中や水の中。金属製の防具や門の扉を何の抵抗も無く通り抜けられるって事だ。属性の優劣位を何処まで無視出来るのかが気になる。
そしてセンススキルの【魔宝玉の心得・指輪】だ。これって何?・・・スキル説明によると、触媒を用いる事で各属性の自然魔素を増幅する。触媒となる宝石を装飾した指輪を装備する事で対象となる属性を増幅する。・・・これって杖の魔晶石とどう違うんだ?
まぁ~取り合えず、
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オスカーさんの説明によると、
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≪魔宝玉と宝石の相性≫
地属性の触媒には、茶系の宝石
水属性の触媒には、青系の宝石
火属性の触媒には、赤系の宝石
風属性の触媒には、黄系の宝石
無属性の触媒には、非活性魔晶石
他は試した事が無い
優劣位属性を無視した宝石を触媒にすると、
自然魔素の運用効率が落ち
魔術の威力や効果が落ちる
魔術が発動しない場合もあり注意が必要
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と、言う事らしい。
「水属性が下級で地属性が中級、火属性が上級の私は、火属性の魔術を効率良く強化する為、ベーシックにルビーの指輪を装備しております」
って、どの指にも指輪は無いけど・・・。
「今は、扱える属性が増えた為、意図的に装備しておりません」
オスカーさんは、左右の指を確認する俺に気付いたのか、左右の掌と甲を何度か返した。
「寝ている時であっても右手の中指に嵌めておりましたので、実は少しばかり右手の中指に寂しさと言いますか違和感を覚えております。ハッハッハッハッハ」
オスカーさんも冗談を言うんだ。
何となく関心していると、
「オスカー殿。ルビーの指輪1つで火属性の魔法や魔術の威力はどの位上がるのですか?自然魔素の増幅はどの位なのですか?」
エリウスは、オスカーさんの冗談を綺麗にスルーし、話を進めてくれた。
オスカーさんは、複雑そうな顔をしながら、
「ハッハッハ・・・ハ・・・・・・そ、そうですなぁ~」
と、少しだけ考え込み、そして、
「口では上手く説明出来ませんので、見比べていただいた方が良いでしょう。まずは魔宝玉が1つも無いケースです。〈ウニヴェルズ マイン ナーメ イスト オスカー 火の理よ 我が求めに応じ 炎の玉となりて その姿を現し 勝利へと導く灯となれ 下級魔術【アグニ】〉」
オスカーさんは、右手の掌に7cm程の大きさの赤い火の玉を作った。
「次は指輪を嵌めてみましょう」
オスカーさんは、火の玉を消すと、腰の鞄からルビーの指輪を取り出し右手の中指に嵌めた。そして、
「では、〈ウニヴェルズ マイン ナーメ イスト オスカー 火の理よ 我が求めに応じ 炎の玉となりて その姿を現し 勝利へと導く灯となれ 下級魔術【アグニ】〉」
オスカーさんの右手の掌に、9cm程の大きさの赤い火の玉が現れた。
「こんな感じです」
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う~ん。良く分からなかった。が、たぶんあのルビーの指輪は1つで、火属性の自然魔素を約3割程増幅した・・・と思う?未だに魔術は苦手だ。
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―――ララコバイア王国・フォルヘルル領
井戸の底の都市・神殿とも宮殿ともとれる建物
R4075年09月13日(水)19:50―――
廃墟の井戸の底に広がる無人の都市の神殿とも宮殿ともとれる建物の中の調査を開始した。
「主殿。中も道や外観と同様綺麗なままです」
「のようですね」
エリウスは見たままの感想を口にした。
「こ、これはまた・・・・・・・・・」
オスカーさんは、天井を見上げながら感嘆のあまり息を呑み。天井絵に心奪われていた。そして、暫くすると、
「見事な天上絵ですなぁ~」
と、腹の底から大きく息を漏らしながら呟いた。
オスカーさんから伝わって来る感動の念につられ、エリウスも俺も天井を見上げ天井一面に描かれた絵を眺める。
「エリウス。あれって、何を表現してるか分かりますか?」
「角の生えた獅子。羽の生えた象。沢山眼を持った亀。・・・四大属性と非四大属性の自然魔素が集まる精霊樹。荒唐無稽で変梃な絵です」
「あの黄龍はまるで生きてるみたいじゃないですか。迫力がありますねぇ~」
「6本腕のドラゴン種ですか。・・・確かに迫力はありますが、私には変梃な絵にしか見えません」
エリウスと俺がノー知識丸出しの恥ずかしい会話を繰り広げていると、
「ロイク様。エリウス様。この天井絵は旧世界創生記を描いた物です」
オスカーさんは、天井を見上げたまま天井絵について教えてくれた。
「旧世界創生記って何ですか。エリウスは知ってますか?」
「いえ」
「旧世界創生記とは、一角の獅子に、二首の猩猩、三足の孔雀、四羽の象、五尾の鳳凰、六宝玉の黄竜、七眼の老亀、八属性の大樹、九行の神授、十悪の存在を中心とした旧世界遥か昔古の時代の創生初期頃の話をまとめた物だとされております」
「へぇ~」
「そしてこの天井絵は旧世界創生記の最後の章を描いた物です」
ありがとうございました。