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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー1ヶ月の軌跡ー・-強化合宿編ー
184/1227

3-50 温泉宿で強化合宿の日⑨のⅡ~2人のトゥーシェ~

リーファ(R)歴4075年8月26日、聖の日。

≪パチン


≪パチン パチン パチン パチン パチン・・・


 洞窟の中に響き渡る。パチン。


 フォルティーナのパチンで戦いは終わった。


 ミューさんの索敵はかなり正確な物だった。


***********************


 ≪倒した魔獣≫


【フライングリーチ】(吸血飛魔蛭)

 レア度:★★★★★☆☆☆☆☆

 ※トフォレルチェ(大樹髭大陸亀)と同じ古代種※

 合計  723匹

 生捕    2匹


―――


 トゥーシェ(騒がしい方)が仕留めた数

 合計  304匹

 ※羽翼を毟り取った数130匹※

 ※共吸血により

  最後の1匹となった存在に

  トゥーシェは止めを刺した※


 トゥーシェ(女王様な方)が仕留めた数

 合計  419匹

 ※闇を切り裂き屠った数419匹※


 マリレナが捕獲した数

 合計    2匹

 ※その用途目的は不明※


―――――


【アーミーグランドローカ(軍隊地魔蝗)スト】

 ※昆虫型魔獣※

 合計 1437匹


―――


 ≪フォルティーナ(痴女女神様)が仕留めた数≫

 前方  656匹

 後方  781匹

 ※指パチンで屠った数1437匹※


―――――


 ≪取得素材他≫ 超激レア素材以外換金済


 換金

 ①ハーフゴッドマネー(創造神銀貨):10275枚


 超激レア素材

 ①魔蛭の極上前翅  1440枚

 ②魔蛭の極上後翅  1446枚

 ③古代種の皮     712枚


 頂レア素材

 ①有頂天の前翅      6枚

 ②古代種の堅硬な皮   11枚


 魔晶石 無し

 核   無し


***********************


「フォルティーナ。ここからは大きな声も音も禁止です」


「何であたしに言うね」


「念の為です」


 貴女が一番問題だからに決まってるじゃないですか・・・。


「納得いかないね。良いかね。そもそもだね」


 長くなりそうだ。勝手に喋らせておくことにしよう。うん。


「それで、トゥーシェ。さっきの闇を裂いたスキルは何て言うんですか?」


「何じゃっ、旦那様は悪気(あっき)スキル【深淵の悪切】(しんえんのあくぎり)を知らぬのか?」


 俺が悪魔種の悪気スキルを知ってる訳が無い。


「悪気スキルは焔立つ悪寒(ほむらたつおかん)しか見た事が無いんで流石に知らないです」


(わらわ)より旦那様は上手に扱えると思うがぁ~・・・そうは思わぬか?」


「俺がですか?」


「焔立つ悪寒を悪気無しで再現出来るのであろうぉ~。故に旦那様は妾より上手に扱う事が出来る。分かるか?」


「ロイク。簡単に考えるね」


 ん?あぁ~長い独り言が終わったのか。


「悪気を使わずに悪気スキルを再現したとして、それがどうして上手に扱えるって事になるんですか?」


「だから言ったね。簡単に考えるね。悪気スキルは邪の女神が自身の神気スキルを元に創造したスキルだね」


 ・・・だとすると、・・・・・・つまりどういう事なんだ?


「コルト下界の闇属性や邪属性に近いと思わなかったね?うんうんだね。思って当然だね。魔界。つまり、メア下界の【六大属性】は【邪闇】【汚穢】【邪炎】【闇炎】【邪】【闇】だね。確か【非六大属性】がぁ~・・・あぁ~忘れたね」


 ・・・司ってる物が物だけに仕方無いか。


「旦那様よ。急にどうしたのか?魔界の悪魔域の理なら妾に聞くが良いと思うわぬか?」


 フォルティーナが邪魔してるだけで、俺は最初からトゥーシェと話をしていたはずなんだが・・・。よし、ここは軌道修正をば1つ。


「トゥーシェ。フォルティーナが忘れてしまったらしいので、非六大属性について教えて貰えませんか?」


「非六大属性はな。【聖水】(どくみず)【聖火】(どくび)【聖風】(どくかぜ)【聖】(どく)【聖光】(どくびかり)【月】(つき)(どく)と名を持つが(どく)属性は【聖】(どく)のみで、水火風光の4属性は(どく)の混合属性では無い。何故か分かるか?」


 へぇ~。毒属性が存在するのか。悪魔種達が存在する世界だけあって、なかなか過酷な世界みたいだ。過酷そうなのは容易に想像が付くけど、毒水、毒火、毒風、毒光が何故毒属性じゃないのか。


 ・・・・・・サッパリ、


「分からないです」


「少しは考えてみても良いと思うが。そうは思わぬか?」


 と、言われても・・・。


「う~ん・・・・・・う~ん・・・分からないです」


 考えたフリです。ゴメンなさい。


「コルト下界には治癒の特性を持った属性が存在するであ」


「悪魔域や魍魎域も同じなのじゃぁ~」


 騒がしい方のトゥーシェが女王様な方のトゥーシェの言葉を遮った。


「つまる話、妾の故郷悪魔域と並行域の魍魎域は同じメア下界(魔界)に存在している故、悪気の属性の理は同じという事になる。ここまでは分かるか?」


「はい。それで、コルト下界の属性と何か関係があるんですか?」


「メア下界の理の中に存在する弱者にとって、コルト下界の理の中に存在する治癒の特性は(どく)その物。身体や精神、時には存在すらも蝕む恐怖の対象。分かるか?」


「もしかして、普通の水ですら、毒とか?」


「そうなのじゃぁ~。だから【聖水】(どくみず)なのじゃぁ~」


 なるほどな。コルト下界で言う【水】は、メア下界では【毒水】。【火】は【毒炎】、【風】は【毒風】、【光】は【毒光】。そうなると気になるのはやっぱり、


「【毒】と【月】はどんな属性何ですか?」


「あ”ぁぁ~ん・・・何を言ってるのじゃぁ~。(どく)はコルト下界と同じ聖属性(どくぞくせい)の事なのじゃぁ~」


 同じ?


「旦那様もデビルカンジョークを言うのだな。ユーモアがあって良いぞ良いぞ。日頃より多様して貰えると楽しいと思うのだが、そうは思わぬか」


 デビルカンジョーク?って、何?


「もっと面白いデビルカンジョークを言うのじゃぁ~。今のは笑えないのじゃぁ~」


 面白い・・・笑えない・・・。あぁ~冗談とか洒落の事かぁっ!


「次に期待しておる故、そんなに気にするでない。・・・そうそう月属性はコルト下界でいうところの地属性に近い無属性の事じゃ。分かるか?」


 メア下界の月属性は、地属性に近い無属性・・・それって、


「えっと、地属性なんですか?それとも無属性?」


「そうなのじゃぁ~」


 そうなのじゃぁ~。って・・・、騒がしい方のトゥーシェは放置決定だな。


「トゥー」


「思い出したね」


 女王様な方のトゥーシェに話掛けようとした時だった。フォルティーナが大きな声で割って入って来た。


「シェ」


≪オモイダシタネ オモイダシタネ オモイダシタネ・・・・・・......


 洞窟内に、フォルティーナの声が再び響き始める。


 クッ!!!


 1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・・・・・。


 俺は、数字を1から10までゆっくり数えた。


 だが、全てを飲み込むにはまだだ。


≪......・・・オモイダシタネ



「大きな声を出すなって言いましたよね」


「だからなんだね」


 こ、こいつはぁっ!・・・我慢。我慢。我慢だ。面倒臭い事になるだけだ。


「な、・・・何でもないです」


「うんうんだね。それでだね。思い出した事はだね......


***********************


 ≪メア下界(魔界)の六大属性≫


 【闇属性】(やみぞくせい)

 ※コルト下界の非四大属性【闇属性】と同じ※

 【邪属性】(じゃぞくせい)

 ※コルト下界の非四大属性【邪属性】と同じ※

 【邪闇属性】(じゃあんぞくせい)

 ※聖邪獣【邪獣】の(よこしま)に近い※

 【闇炎属性】(あんえんぞくせい)

 ※闇の炎※

 ※闇属性に限りなく近いが闇属性では無い※

 ※コルト下界の四大属性【火属性】とは別物※

 【邪炎属性】(じゃえんぞくせい)

 ※邪の炎※

 ※邪属性に限りなく近いが邪属性では無い※

 ※コルト下界の四大属性【火属性】とは別物※

 【汚穢属性】(おえぞくせい)

 ※回復、治癒治療、補助の属性※

 ※コルト下界の存在にとっては死を除いた

  全ての状態異常を一まとめにした属性※


 ≪メア下界(魔界)の非六大属性≫


 【聖水属性】(どくみずぞくせい)

 ※コルト下界の四大属性【水属性】と同じ※

 ※聖属性とは全く関係ない※

 【聖火属性】(どくびぞくせい)

 ※コルト下界の四大属性【火属性】と同じ※

 ※聖属性とは全く関係ない※

 【聖風属性】(どくかぜぞくせい)

 ※コルト下界の四大属性【風属性】と同じ※

 ※聖属性とは全く関係ない※

 【聖属性】(どくぞくせい)

 ※コルト下界の非四大属性【聖属性】と同じ※

 【聖光属性】(どくびかりぞくせい)

 ※コルト下界の非四大属性【光属性】と同じ※

 ※聖属性とは全く関係ない※

 【月属性】(つきぞくせい)

 ※コルト下界の【無属性】に類似※

 ※コルト下界の四大属性【地属性】に類似※


 ≪メア下界《魔界》の月属性≫


 【朔属性】(さくぞくせい)

 ※コルト下界の【無属性】と同じ※


 【盈属性】(えいぞくせい)

 ※コルト下界の四大属性【地属性】と同じ※


 補足:2億年~10億年程前、ちょっとした

    手違いで、月属性として一括りとなり

    別段問題無かった為、放置された。

    メア下界は、

    邪の女神様によって創造されし世界。

    月は、メア下界にのみ存在する。

    故に、月の神、月の女神は存在しない。


 結果:メア下界は、

    大地の女神レイア様の慈愛(恩恵)

    無の神様の天恵(恩恵)を失った。


 ≪属性の優劣≫


【邪闇】は【聖】(どく)に弱くて

     【聖水】(どくみず)【聖火】(どくび)【聖風】(どくかぜ)【聖光】(どくびかり)

     【盈】【闇】【邪】

     【闇炎】【邪炎】【汚穢】に強い。


【汚穢】は【聖】(どく)【邪闇】

     【聖光】(どくびかり)に弱くて

     【聖水】(どくみず)【聖火】(どくび)【聖風】(どくかぜ)

     【盈】【闇】【邪】

     【闇炎】【邪炎】に強い。


【邪炎】は【聖】(どく)【邪闇】

     【汚穢】に弱くて

     【聖水】(どくみず)【聖火】(どくび)【聖風】(どくかぜ)【聖光】(どくびかり)

     【盈】【闇】【邪】

     【邪炎】に強い。


【闇炎】は【聖】(どく)【邪闇】【汚穢】

     【邪炎】【聖光】(どくびかり)に弱くて

     【聖水】(どくみず)【聖火】(どくび)【聖風】(どくかぜ)

     【盈】【闇】【邪】に強い。


【邪】 は【聖】(どく)【邪闇】【汚穢】

     【闇炎】【邪炎】に弱くて

     【聖水】(どくみず)【聖火】(どくび)【聖風】(どくかぜ)【聖光】(どくびかり)

     【盈】【闇】に強い。


【闇】 は【聖】(どく)【邪闇】【汚穢】

     【闇炎】【邪炎】【邪】

     【聖光】(どくびかり)に弱くて

     【聖水】(どくみず)【聖火】(どくび)【聖風】(どくかぜ)

     【盈】に強い。


【聖水】(どくみず)【聖】(どく)【邪闇】【汚穢】

     【闇炎】【邪炎】【邪】【闇】

     【盈】に弱くて

     【聖火】(どくび)に強い。


【聖炎】(どくえい)【聖】(どく)【邪闇】【汚穢】

     【闇炎】【邪炎】【邪】【闇】

     【聖水】(どくみず)に弱くて

     【聖風】(どくかぜ)に強い。


【聖風】(どくかぜ)【聖】(どく)【邪闇】【汚穢】

     【闇炎】【邪炎】【邪】【闇】

     【聖火】(どくび)に弱くて

     【盈】に強い。     


【聖光】(どくびかり)【聖】(どく)【邪闇】【邪炎】

     【邪】に弱くて

     【闇】【闇炎】【汚穢】に強い。


【聖】(どく)は【邪闇】【汚穢】【邪炎】【闇炎】

     【邪】【闇】【聖水】(どくみず)【聖火】(どくび)

     【聖風】(どくかぜ)【聖光】(どくびかり)

     【月】に強い。


【月】 は【聖】(どく)【朔】()に弱くて

     【朔】()に強い。


 ※補足※


 月属性の悪気スキルの中に

 聖風属性(どくかぜぞくせい)に劣位で

 聖水属性(どくみずぞくせい)に優位なスキルが

 存在するのは、盈属性が影響。


 同じメア下界に存在する魍魎域では、

【盈属性】(えいぞくせい)【氷輪属性】(ひょうりんぞくせい)

【朔属性】(さくぞくせい)【始属性】(しぞくせい)と、

 呼称していたらしい。

 現在は、悪魔域と同じく【月属性】である。


***********************


......まぁ~端的に言うとこんな感じだね」


 ・・・・・・なげぇ~。しかも、知りたい事が綺麗に何も分からない。


「それで、フォルティーナの有り難い(・・・・)説明だと、どうして悪気スキルを俺が上手に扱えるのか謎なままなんですが、そこ(・・)だけ教えて貰えませんか?」


【DMP】(悪気)ではなく本来の姿【GMP】(神気)で発動してるからに決まってるね」


 神気で発動してるからか。なるほど。・・・長い説明は何だったんだ。


「それとだね。他にも理由が無いとも言い切れ無い何とも複雑な状況にある訳だがだね。気にする事は無いね」


 長々と雄弁に語ってくれる時間があるなら、複雑な状況とやらを語って欲しいところなんだが、我慢しよう。これ以上、無駄な時間を痴女女神様に費やしたくはない。


「僕達に向かって次が来るぞ」


 ミューさんは、遠慮がちに小さく叫んだ。


「ミューさん。現状だと馬鹿(・・)みたいに大きな声を出そうが、馬鹿みたい(・・・)に耳障りな音を出そうが、こっちの場所はとっくにバレてるんで、そんなに気にする必要はないですよ」


「何を言ってるね。この不快な残響音を何だと思ってるね」


 ・・・不快ねぇ~。


≪オモイダシタネ ブンブンガサガサ オモイダシタネ ブンブンガサガサ オモイダシタネ・・・・・・......


「今、響いてるのって、まんまフォルティーナの声ですよねぇ~」


「うん?何だねロイク、君はあたしの声を忘れたのかね」


 ・・・落ち着け俺。


 視線を少しだけ落とす。ただジッと、フォルティーナの愛と希望に意識を・・・。


≪......・・・オモイダシタネ ブンブンガサガサ オモイダシタネ



「聞いてるのかね?」


 凝視・・・凝視・・・。



「えぇ」



 長い長い御話の8割9割それ以上が、いつも基本、ほぼ間違い無く。無駄話。


 イライラ対策に画期的な方法を見つけてしまった。


 ほんの数ラフン()前。数字を数えていた時だ。


「良いかね」



「はい」


ありがとうございました。

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