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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー1ヶ月の軌跡ー・-強化合宿編ー
181/1227

3-47 温泉宿で強化合宿の日⑦~報連相~

リーファ(R)歴4075年8月23日、水の日。

リーファ(R)歴4075年8月24日、火の日。

リーファ(R)歴4075年8月25日、風の日。

 強化合宿3日目。


***********************


 ≪強化合宿3日目の朝食の献立≫


 1.十六穀米の御飯

 2.葱と若布の御味噌汁(白)

 3.白菜と人参の御漬物

 4.納豆(発酵した大豆)

 5.海苔(味が付いてた)

 6.釜揚げしらす

 7.生卵

 8.苺3粒

 9.牛乳200cc


***********************


 聖獣の楼閣迷宮攻略組は22/53階まで攻略。タブレットで仕留めた魔獣の素材や取得経験値を確認し気付いた事がある。


 23階は、これまでの様には進めない。何故なら、ジュルムやラビットウルフ(兎耳狼)が中心だった1階から22階と違い、23階はゼルフォーラ王国が討伐令対象S級魔獣危険度4に指定するルチェムノクター(痺魔闇土蜘蛛)が主だからだ。


 聖獣の楼閣迷宮組は、23階でルチェムノクター(痺魔闇土蜘蛛)を4匹倒したところで、修練修行訓練の限界時間に達し強制的に召喚され帰還。


「ルチェムノクター1匹を倒すのに、1時間30ラフン()以上ですか・・・」


「陛下。魔術を封じられた魔術専門のチームが、武具を片手にS級魔獣を4匹も討伐しているのです。本来であれば叙勲ものです」


 これって、S級魔獣の討伐に成功した事になるのか。・・・でも、俺が狂暴化したアースドラゴン(大地竜)の番いを討伐した時より、パフさんもサラさんもメリアさんもエルネスティーネさんもマクドナルド卿も個体レベルは高い。


 来る日の為にも、ルチェムノクター位は余裕で倒して欲しいものだ。


「何を言ってるね。良いかねマクド。お前は最終的にロイクの眷属神となる身だね。最低でも神格位を持った竜位は屠れる様になって貰わなくては困るね。雑魚4匹がなんだね」


「神竜様を倒すですか・・・」


「そうだね」


 神竜様をねぇ~・・・。人間に屠れるとは思えない。


「あたしなら、これで屠れるね。ロイクのは(・・)普通はこれ位だね」


 フォルティーナは、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら、左手の小指を立てていた。



 邪獣の地下迷宮攻略組は地下19/地下108階まで攻略。


「地下20階に下りて直ぐの場所に、ヴレミスリルゴーレム(神銀石人形)ですか・・・」


「はい」


 バジリアさんからの報告によると、地水火風の魔術は全て弾き返されてしまったそうだ。


 魔術が苦手な組が魔術を弾き返す魔獣を魔術で攻略。・・・邪獣の地下迷宮攻略組も大変みたいだ。


「良く考えるね。目的を見誤ってはいけないね」


「目的ですか」


「そうだね」


 フォルティーナとバジリアさんは、目的について少し言葉を交わした様だった。



 俺達、古代竜の巣窟攻略組は、新たなメンバーを加え、順調に攻略を進めていた。


 【#光下】の扉の先でプリエドラゴン(光輝竜)を、【#光中】でエタンセルドラゴン(光煌竜)を、【#光上】でリュミエールドラゴン(光竜)を倒し、古代種の竜の肉と素材を大量にGETした。


 光属性に対し優位な属性は、聖属性と邪属性である。


 光の下中上では、聖獣から神獣神馬へと高位進化した俺の眷属神のエリウスに頑張って貰った。


 新たに加わった喋る(・・)とカトリーヌさんと俺は、後方支援を担当した。エリウスの後方300mに結界を張り、結界の中からたまに声援(エール)を送った。


 そして、【#闇下】でオンブルドラゴンで(黒影竜)を、【#闇中】でテネーブルドラゴン(暗黒竜)を、【#闇上】でアンフェールドラゴン(冥界竜)を倒し、古代種の竜と肉と素材を大量にGETした。


 闇属性に対し優位な属性は、聖属性と邪属性と光属性である。


 闇の下中上は、エリウスに頑張って貰った。


 喋る鞭とカトリーヌさんと俺は、結界の中からたまに声援を送った。


 この日は、古代種のドラゴンを6匹も倒し強制召喚され帰還した。



 無作為迷宮組は順調だそうだ。



 強化合宿4日目。


***********************


 ≪強化合宿4日目の朝食の献立≫


 1.クロワッサン&バターロール

 2.ビシソワーズ

 3.胡瓜とセロリのピクルス(酢漬け)

 4.減塩発酵バター

 5.スクランブルエッグ

 6.厚切りベーコン

 7.レタスと玉葱とトマトのサラダ

 8.バナナ1本

 9.無糖珈琲牛乳200cc


***********************


 聖獣の楼閣迷宮攻略組は、ルチェムノクターを6匹倒したところで時間切れとなり強制召喚され帰還。22/53階のまま。


 邪獣の地下迷宮攻略組は、ヴレミスリルゴーレムに苦戦し時間切れとなり強制召喚され帰還。地下19/地下108階のまま。



 俺達、古代竜の巣窟攻略組は順調に攻略を進めていた。


 【#水下】の扉の先でトランドラゴン(奔流竜)を、【#水中】でカタラクトドラゴン(瀑布竜)を、【#水上】でネイトドラゴン(水竜)を倒し、古代種の竜の肉と素材を大量にGETした。


 水の下中上は、エリウスとカトリーヌさんが2(・・)で協力して倒した。


 喋る鞭と俺は、エリウスとカトリーヌさんの邪魔にならい様に、ドラゴンの部屋から退室し通路で待機した。


 そして、【#聖下】でイポクリジードラゴン(偽善竜)を倒し、【#聖中】でミゼリコルドドラゴン(慈悲竜)の眷属デシュドラゴン(堕竜)を、【#聖上】でヴィエルジュドラゴン(聖母竜)の眷属クリムドラゴン(罪竜)を倒し、古代種の竜の肉と素材を大量にGETした。


 聖の下中上は、鞭の練習を兼ね、俺が担当した。


 エリウスとカトリーヌさんには、結界を張り後方で待機して貰った。



 無作為迷宮攻略組は頗る順調だそうだ。



 強化合宿5日目。


***********************


 ≪強化合宿5日目の朝食の献立≫


 1.蕎麦のカーシャ

 2.無糖珈琲

 3.1口サイズのチョコレート2個


***********************


 だけでした。


 聖獣の楼閣迷宮攻略組と邪獣の地下迷宮攻略組は進展なし。 



 俺達、古代竜の巣窟組は、攻略を達成した。


 【#風下】でトゥールビヨン(旋風)ドラゴン()を、【#風中】でミストラル(暴風)ドラゴン()を、【#風上】でヴァンドラゴン(風竜)を倒し、古代種の竜の肉と素材を大量にGETした。


 風の下中上は、エリウスとカトリーヌさんが2(・・)で協力して倒した。


 そして、最後に残った【#無】の扉の先でリヤンドラゴン(無竜)を倒した。


 無のドラゴンは、俺が担当した。



「ロイク様。魔術が効いてません」


「主殿。どうやら、こいつは無属性の攻撃でしか【HP】を削れない様です」


 そうなると、無属性の心得未所持、神気の統制行使が未だに出来ないエリウスでは倒せないし、四大属性地水火風の心得しか所持していないカトリーヌさんも当然倒せない。俺がやるしかないか。


「俺がやります。2(・・)は下がっていてください」


「はい」


「畏まりました」


 エリウスとカトリーヌさんは、俺の後方へと移動した。


 さて、どうやって倒すかな。・・・何もしなければ風属性と雷属性を帯びた状態のクーランデール・アルクバーン様も、リヤンドラゴンとは相性が悪い。今日は鞭というか槍というか弓の修練修行訓練は無しだな。


 俺は、神気スキル【時空牢獄】で試してみたい事があった。


 と、いうことで、神気スキル【時空牢獄】≫


「ロイク様!?拘束ですか?」


「主殿!?何を?」


「ちょっと、実験をば」


 俺は、振り返ることなく後方の2人に答えた。


「こいつを相手に実験ですか?」


「そういう事です」


「ドラゴンでやる様な実験なのですか?」


 ぶっちゃけドラゴンじゃなくても良いんだけど、この洞窟にはドラゴン種しかいないから・・・ドラゴンでやるしかない。


「それなりに硬ければ何でもって感じですかね」


 風属性下級魔術【ブロウ】☆1(レベル)☆1(威力)☆1(範囲)


***********************


 ≪魔術を使う時のロイクのイメージ≫


【各属性魔術のレベル】: 既存


【各属性魔術の威力】: ロイクオリジナル

 ☆1=20%   ※消費【MP】80%DOWN※

 ☆2=40%   ※消費【MP】60%DOWN※

 ☆3=60%   ※消費【MP】40%DOWN※

 ☆4=80%   ※消費【MP】20%DOWN※

 ☆5=100%  ※レベル相応の威力※

 ☆6=120%  ※消費【MP】 20%UP※

 ☆7=140%  ※消費【MP】 40%UP※

 ☆8=160%  ※消費【MP】 60%UP※

 ☆9=180%  ※消費【MP】 80%UP※

 ☆10=200% ※消費【MP】100%UP※


【各属性魔術の範囲】: ロイクオリジナル

 ☆1 ※既存※

 ☆2 ※半径20m※

 ☆3 ※半径40m※

 ☆4 ※半径60m※

 ☆5 ※半径80m※

 ☆6 ※半径100m※

 ☆7 ※半径120mのつもり※

 実際は※半径100m、効果消費2倍※

 ☆8 ※半径140mのつもり※

 実際は※半径100m、効果消費5倍※

 ☆9 ※半径160mのつもり※

 実際は※半径100m、効果消費10倍※

 ☆10※半径180mのつもり※

 実際は※半径100m、効果消費20倍※


 注意:ロイクは勝手にイメージしているだけ

    威力範囲効果は異なる。


**********************   


 俺は、リヤンドラゴンの頭上に、ブロウを発生させリヤンドラゴンを地面へと押し潰す実験を開始した。



 うん。ダメだと思った。・・・全く動じてないや。風属性の干渉その物を無効化してるみたいだ。


 それなら、地属性下級魔術【ラピス】☆1☆1☆1≫


 リヤンドラゴンの左右に巨大な岩山が隆起し左右から押し潰す。


 う~ん。ラピスとはちょっと・・・違うかな。



 予想通りだ。2つの岩山が粉々になるだけで、リヤンドラゴンは平気そうにしてる。地属性の干渉も無効化するみたいだ。下級魔術のラピスではこんなものだろう。


 そうっ!これはあくまで実験。これからが本番である。


 神気スキル【マテリアル・クリエイト】神気1・地面が存在を引っ張る力1万倍:神気1・宙が存在を押し潰す力1万倍≫


 刹那だった。


「えっ!?」


「主殿。い・・・今のは」


 2つの事象が始まると同時にそれは終わった。


 リヤンドラゴンは初めから時空牢獄の中に存在していなかったかの様に事象開始刹那消滅してしまった。


 一瞬の出来事に驚き息を呑む2(・・)。かく言う俺も流石にこの結果には驚いている。


「ロイク様。リヤンドラゴンは何処に?」


 俺はタブレットの画面を確認する。情報によると経験値は取得済。つまり、


「消滅・・・倒したみたいです」


「宙より風、地より地。2つの属性が作用した様に見えました。ですが、自然の力の循環そのものでありながら自然魔素(まりょく)を一切感じませんでした」


 エリウスは、神気スキルマテリアルクリエイトで【GMP】(神気)【SMP】(精霊気)を使って事象を創造し干渉してるところを見た事が無かったんだっけ?


「神授スキルマテリアルクリエイトで事象を創造して、リヤンドラゴンの周囲に神気で風の循環に似て非なる風。足元に地の循環に似て非なる地。属性を帯びていない風と地に似た力を行使し再現してみました」


「あのぉ~1つ宜しいでしょうか。魔術は自然の事象その物です。事象を再現出来るのでしたら、既存の魔術を神授スキルで再現してみては?」


「魔術をですか・・・」


「はい。体内の【MP】を無理やり消費しさえしなければ、ロイク様の魔術も凶悪な物にはならないと思うのです」


 凶悪って・・・。


「主殿。時空牢獄に拘束する方法の他に大惨事を回避する方法があるのでしたら試してみるべきです。拘束した存在を魔術で攻撃するのは見ていて気持ち良い物ではありません」


 それは・・・これが修練修行訓練だからであって、外では絶対にやりませんから。というかやれませんから。


 それに、凶悪とか大惨事とか言われても困ります。魔術レベル1の下級魔術を【MP】の消費をほぼ0で発動させてるんです。今より抑える方法があるなら是非教えてください。


 って、マテリアルクリエイトかぁ~。確かに、マルアスピーと出逢ったばかりの頃は、精霊魔法(魔法)を神授スキル【マテリアル・クリエイト】で行使してた。今なら、事象を魔法ではなく魔術として創造出来るかもしれない。


 試してみる価値はありそうだ。うん。



「主殿。もしかしてですが、酸素や大気の重さや大気圧、引力や重力に干渉されるおつもりだったのですか?」


「・・・さんそ?・・・たいき?」


 聞いた事が無い言葉が沢山出て来たぞ。


「ロイク様。大気圧、引力、重力とはいったい?」


 えっと・・・ですねぇ~、・・・・・・う~ん、分からないです。


「おっと、魔術の発展と共に栄えた文明には不要な知識です。お忘れください」


 エリウスは、一方的に話を終わらせた。


 こんなに一方的な展開では、好奇心が刺激され忘れるなんて出来ない。強化合宿が終わったら、マルアスピーかアルさんに聞く事にしよう。



 う~ん。これは、俺の初歩的なミスだ。


 とっても希少で貴重な素材や肉の回収が出来ない。


 ロックドラゴンですら、砂粒の様に粉々になった素材を一応回収したというのに何て事だ。実に勿体ない。


 リヤンドラゴンも同じ様に何とかならないものだろうか。俺はタブレットの画面で自動回収機能を確認する。


 ・・・・・・存在しない物を回収する機能。・・・・・・・・・は、流石に無いか。・・・そりゃそうだよなぁ~。



「確認しますが、先程の実験は、消滅実験ではなかったのですね?」


「えぇ。上下左右前後。全面から対象を押し潰すつもりだったんですが・・・」


「四方八方から押し潰す実験ですか・・・・・・。クラッシュが実験の目的だったとすると、実験は根本的に間違っている事になります」


「え?」


「引力や重力」


 さっきの言葉だぁっ!!


「・・・あぁ~そうですねぇ~、大地へと存在を引っ張る力と、・・・そうですねぇ~。存在を存在の外側から内側へ押し潰す力を、神気で再現したのですよね?」


「時空牢獄の中だけですが、はい・・・」


「力の加減はどの程度だったのでしょうか?」


「引っ張る力と押し潰す力をそれぞれ1万倍位に・・・」


「重力を1万倍にし、更に大気圧も1万倍ですか。体重80t級のドラゴンがああなったのにも頷けます」


 エリウスは、呆れた様な表情を浮かべ、1(・・)で頷いていた。



「そうですねぇ~。主殿よ、大気圧を1万倍にするだけで先程と同じ事象が生じると思われます」


「たいきあつ?」


 またさっきの言葉だ。


「宙の重さの事です」


 ふむふむ。たいきあつは宙の重さの事なのかぁっ!


「あのぉ~宜しいでしょうかエリウスさん。宙が重くなれば、地が引っ張る力と相乗すると思うのですが」


 な、何ぃ~~~。カトリーヌさん!?エリウスの話をもう理解して・・・。


「カテリーナ様。主殿は、対象を四方八方から押し潰す実験を試みたのです。大地が存在を地面へと引っ張る力は、存在を押し潰す実験には不要となります」


 そうそうそう。対象を押し潰す、あっ!!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・これは、良い訳では無い。実験とは失敗を繰り返す事である。



 無作為迷宮組は今日も問題無く攻略したそうだ。



 今日も勿論、御箸とは色々あった。・・・・・・だが、人間は生きる為になら何だって出来る。例えその相手が御箸であっても。


 色々あったが、夕食専用の大地の間で神茶を飲みながら報連相を終えた。

ありがとうございました。

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