3-38 スタンピード・アンデットの日⑪~ヘリフムス・フォン・センペル~
リーファ歴4075年8月16日、聖の日。
「噛まれたぁっ!?」
「はい」
「結界はぁっ!?」
どういう事だ?
俺は慌てて親父の画面を確認する。
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あれ?・・・親父の視点じゃ噛まれたかどうかは、分からないのでは?
「って、親父の周りに、何でこんなにヴァンパイアが群がってるんだぁっ!?」
「魔界の存在は下級であればある程に近い存在同士群がる。知らなかったのか」
そうなのか・・・。親父、流石だな。
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≪「わぁっ!何だこいつらぁっ!そこいらのアンデットとちげぇーみてぇーだがぁっ!おめぇーら人かぁっ!って、おいっ!!!止めろこらぁっ!俺はぁー男に首Kissされる趣味ねぇーつぅーのぉっ!」
≪「うがぁ・・・。何だこいつ、噛み付けないぞ」
≪「何だこいつ。微妙だが聖属性に覆われてないか?」
≪「歯が、俺様の歯が折れたぁ~。な、何なんだよこいつ。こっちの世界には、こんな硬い奴がいるのかよぉっ!!??」
≪「相変わらず馬鹿だねぇ~。意地汚く強欲に噛み付くからだ。少しは勉強しろよぉ~」
≪「おい、兄に向って何だその見下した態度は、殺すぞ」
≪「はいはい。すみませんでした。僕がわるぅーございました。許してください。O・NI・I・SA・MAぁっ!」
≪「おい。サンプ兄弟っ!その男から離れろ、何か変だ」
≪「怪し過ぎる」
≪「おい、こらぁっ!いいかげんに離れろぉっ!」
≪「兄貴、あいつらの言う通りだ。こいつは怪し過ぎる」
≪「怪しいだぁっ!?おめぇー達の方が怪しいだろうがぁっ!この変態がぁっ!!」
≪「お前らぁっ!いったん距離を取るぞぉ」
≪「「「「諒解!」」」」
俺は、親父の視点を映し出す61インチの画面をもう1つ宙に表示させた。
「似た様なのが4体と別に5体・・・これヴァンパイア何ですよね?」
「間違いないのじゃぁ~」
≪「おい。お前達。何をふざけている。契約1つ守れぬとは、これだから下等な存在は・・・。吸血するだけの能無し共がぁっ!」
マリレナさんが、黒のローブだと言う。そのローブを纏った男は、親父の前方20mから、9人に罵声を浴びせた。
≪「ふざけてるだとぉ~!?・・・話が違うのはそっちだろうがぁっ!」
≪「兄貴。兄貴は能無しだって不能だって言われたんだぞ」
吸血するだけの能無しって9人の事なんじゃないのか?
≪「何ぃっ!?お、俺が能無しだとぉ~ふざけるなぁっ!」
姿形がそっくりな4人の長男と思われる男は、黒のローブを纏った男に殴り掛かった。
≪「契約に従え。【グラァヴァリング】」
≪「「「「「「「「「ぐわぁ」」」」」」」」」
しかし、殴りかかった男だけではなく、9人のヴァンパイア全員が地面に平伏した。平伏したというより、地面に押し付けられた感じだ。
≪「おい。おめぇー達はいってぇー何だぁっ!?喧嘩すんならあっちでやってくんねぇーかぁっ!今取り込んでんだよぉー」
親父・・・。
≪「おい。お前は普通の人間では無いなぁっ!」
≪「何言ってくれてんのぉー。てめぇーこそ普通じゃねぇーじゃねぇーかよぉっ!男に抱き着いて首にKissしようとする気色わりぃー変態連れやがってぇっ!俺はなぁっ、生き方を否定する気はねぇー。だがなぁっ!言っておくが俺はぁっ!ノーマルだぁっ!そっちはそっちで楽しんでろっつぅーのぉっ!分かったかぁっ!」
お、親父・・・今、それ重要か?
「フォルティーナ。今のは?」
「あれはだねぇ~・・・」
「ロイク様。今のは、古代魔術の1つで、契約の魔力陣の強制です」
「マリレナさん。知ってるんですか?」
「はい。あれは、ベリンノック大陸の古代魔術。地の魔力陣による召喚魔術とその強制を執行した結果だと思われます」
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黒のローブを纏った男が、ヴァンパイア達に使った【グラァヴァリング】とは、地属性の魔力陣を用いて召喚し契約した存在を服従させる際の古代魔術らしい。
この古代魔術【グラァヴァリング】は、召喚用の地属性の魔力陣と対になっていて、自由を奪い服従を強制出来るのは、対の魔力陣で召喚された存在のみらしい。
ヴァンエルフ族に伝承し現代に残っている魔力陣は、風属性の古代魔術による魔力陣で、転送移動専用。
ソルエルフ族に伝承し現代に残っている魔力陣は、地属性の古代魔術による魔力陣で、召喚契約専用。
フーエルフ族に伝承し現代に残っている魔力陣は、火属性の古代魔術による魔力陣で、個体強化専用。
オーエルフ族に伝承し現代に残っている魔力陣は、水属性の古代魔術による魔力陣で、個体強化専用。
いずれも、魔力陣の原理等知識は伝承しておらず、偶然稼働していた物を利用しているに過ぎないのが現状らしい。そして、地の魔力陣に関しては稼働している物は無いとされていたそうだ。
因みに、風の魔力陣・魔法陣を正しく理解し運用している俺が存在している以上、地の魔力陣を理解し運用を可能にした存在がいてもおかしくはない。マリレナさんは、そう考えている様だった。
「人間が人間の力だけで古代魔術をかね・・・。難しいと思うね」
フォルティーナは、真っ先に否定した。
「どうしてです?」
「良いかね。古代魔術はだね。ここコルト下界で精霊界の精霊魔法を扱う為に、精霊達が苦労の末に編み出したね。今のコルト下界の魔術の基礎になった物だね」
「はい」
「だがだね。精霊達が生み出した古代魔術は、自然魔素を自然の循環から集め運用する精霊魔法に近い物だったね」
「それだと。普通の人間には扱え無かった事になりませんか?」
「うんうんだね。精霊から加護を与えられた存在、精霊と人間との間に生まれた存在、精霊の血を受け継ぐ存在は扱えたね」
「なるほど」
「ある日、現代の魔術が生まれたね」
「いきなりですね」
「古代魔術を扱えた存在達は、自然魔素が極めて少ない場所でも魔術を扱う事が出来ないか考えたね。その結果生まれたのが魔力陣と現代の魔術だね。魔力陣は、術式を予め準備しておいてだね。発動に必要な自然魔素を魔晶石や血によって補ったね。魔術は体内に蓄積する微少な魔力量を消費する方法だね」
「現代の魔術については今は良いです。それよりも、あれはベリンノック大陸の古代魔術で、地の魔力陣から召喚されたヴァンパイア達って事で間違いありませんか?」
「マリレナが古代魔術の【グラァヴァリング】を、地の魔力陣とセットだと言うならたぶんそうだね」
「フォルティーナ様。ロイク様。あれは間違い無く地の魔力陣による服従の強制です」
地属性の自然魔素を感じるし、地属性の何かである事に間違いは無さそうだ。
「ミュー。質問があるね」
「はい。フォルティーナ様」
「地の魔力陣に付いて何か知ってるかね」
「僕も僕の前任もその前も知らないと思うぞ」
「中精霊ですら知らないね。となると・・・。またあいつの仕業かもしれないね」
「また?・・・あいつって誰の事ですか?」
「ロイク。君が気にする必要は無いね。君は来る日に備えるね」
「その為にも、あの黒のローブを纏った男と、親父に群がってる下級ヴァンパイアの隷属9体と、他の5体と、アンデットを何とかしないと」
「う~んだね。・・・・・・・・・・・・分かったね。ロイク。ここは、君に任せるね。あたしは、ミトに会って確認したい事があるね。行って来るね」
「え?・・・任せるって、バルタザール殿の件はどうするんですか?」
≪パチン
「あっ!・・・行っちゃったし」
「ロイク君。私はいったいどうしたら・・・」
「えっと、あと2日と半日ある訳でして・・・」
「そうね。まだ、大丈夫よ。バルタザール。サラは強い子よ安心なさい」
「マルアスピー。・・・それ違いますからね」
「そう。分かったわ。違うのね」
「黒は俺が正体を確かめて来ます。画面で常に皆の状況を確認しながら動くつもりですが、見落とす可能性もあるので何かあったら直ぐに【レソンネ】で伝えてください」
「分かったわ」
「分かりました。ロイク様。お気を付けて」
「マルアスピーは、徹夜だったんです。無理はしないでくださいね」
「えぇ、ありがとう」
「アルさん、バルタザール殿をお願いします」
「はい」
「ロイク様。黒は【黒の同士】【黒の結社】の暴力や破壊を担当した者達です。もし本物なら非道で残忍で姑息です。お気を付けください」
「ありがとうございます」
「おい。お前が残したチョコ食べておいてやるのじゃぁ~」
「・・・ど、どうぞ」
「妾は付いて行くが良いか」
「付いて来る?」
「あれは、魔界の存在故妾がおった方が良いとは思わんか」
居た方が良いのか?・・・考えてる時間は無いや。
「行きましょう」
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女王様な方のトゥーシェと俺は、親父と男の間、地面に平伏す下級ヴァンパイアの隷属と思われる9体の目の前に、神授スキル【フリーパス】で移動した。
「なっ!・・・どうやっていきなり現れたのかは知りませんが、そこの男と同様、貴方達も普通の人間ではありませんね」
「妾は、魔界の王サザーランドが孫娘夜の女王トゥーシェ夢魔の姫よ。知らぬのか」
「魔界の王の孫だと・・・。おいっ、ヴァンパイアの成り損ない。下等なお前等でも魔界の王は知ってるよな」
「魔王陛下は魔界全土を統べる雲の上の存在。我等13等級民に御姿を拝する資格など無い」
「聞いた事にだけ答えろ。この愚か者が【グラァヴァリング】」
「「「「「「「「「ぐわぁ~」」」」」」」」」
「知っているのか?」
「な、名前だけは・・・」
「名は?」
「ま、魔王・・・サザーランド様で、・・・あっているぅっ・・・こ、服従を解いてくれ・・・た、頼む」
「ふん・・・・・・良いだろう」
「お前達は、ジョンペーターに連なる者の隷属か」
下級ヴァンパイアの隷属達は、トゥーシェの質問に対し、下を向いたまま答えようとしない。
「妾の声が聞こえぬのか」
「・・・姫様、女王様。我等はあの男に召喚され契約した身」
「なるほどのぉ~阿漕な契約ではないか。そこのローブの男。妾の質問に答えよ。魔界の者を召喚し服従させたはお前か」
「小娘が上から偉そな口をきくでないわ」
俺は、神眼を意識し、ローブの男を視認する。
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「あれ?・・・」
ステータスもスキルも見えない。
「今、私に何かしましたね。・・・無駄ですよ。このローブは創造神の加護を受けた世界創生教の聖衣。纏う者を信仰を持たぬ愚者より守る聖衣」
あれが、創造神様が神授を与えた聖衣だって?禍々しい闇属性に覆われた怪しい外套にしか見えない。
周りを覆う闇属性が結界の役割を果たしてるのか!
「旦那様よ。妾はあの男が許せぬ故屠っても良いか」
「駄目に決まってます。生きたまま捕まえます」
「何故か」
「聞き出したい事が山ほどあるからですよ」
「私を生け捕りにするだとぉっ!?戯言を。おいお前達、こいつらを殺せ。血が飲みたければ少しでも役に立て、このゴミ共が」
下級ヴァンパイアの隷属達は立ち上がると、親父とトゥーシェと俺と対峙した。
「1つ質問しても良いですか?」
「な、何だ」
「アンデット達がここに来ないのはどうしてですか?」
「この聖衣の力よ」
あぁ~。なるほどね。闇属性が充満してるせいで、空間が仲間で埋まってるって錯覚して近付いて来ないのか。
「その強力な闇属性を、どうやって付与したんですか?」
「闇・・・。お前は異端の存在だったか。尚の事生かしておく訳にはいかんな。やれぇっ!」
「穏便にって思ってたんですが残念です」
神気スキル【時空牢獄】 ≫
俺は、ローブの男と下級アンデットの隷属9体を拘束した。
「何だこれはぁっ!?」
「貴方達は4人兄弟ですか?」
「「「「・・・」」」」
「質問に答える為には、召喚した存在の許可が必要でしたね」
「「「「・・・」」」」
「世界創造神創生教会の黒さん」
「ど、何処でその名を・・・」
「そんな事はどうでも良いんですよ。ここに居る9体の他に5体居るみたいなんですが、貴方の連れですよね?」
「何の話だぁっ!」
関係無くても同じ事をするだけだし別に良いのか。名前は分からないけど、顔も座標も分かってるし召喚出来るよな。
神授スキル【転位召喚・極】 ≫
俺達の目の前に、新たに5体の下級ヴァンパイアの隷属達が現れた。
「ど、どうして・・・お前達、私の命令はどうしたぁっ!」
「え?・・・」
「何だ、急に」
「今のは召喚された感じだったぞ」
「主よ。召喚したのはお前の方ではないか」
「呼んだのは俺です。で、お呼びたてしておいて恐縮ですが、この10人と同じ様に身柄を預からせていただきます。痛くないので暴れないでください」
神気スキル【時空牢獄】 ≫
「「「「なっ・・・」」」」
「トゥーシェ。地面に倒れたままの1体ですが、もう死んでる様ですが、魔界に戻ると生き返るとかありますか?」
「それは無理な話だとは思わぬのか」
「やっぱり、魔界でも無理でしたか・・・」
「無傷に見えるのは妾の気のせいか」
「サンドラ王女の聖剣技で、精神だけを吹き飛ばされて絶命した様なので、気のせいでは無いです」
「お、お、お前達はいったい何者だ。世界創造神創生教会を敵に回してただ済むと・・・」
「どうしたんです」
ローブの男の様子がおかしい。
「おい。ロイクに、夜の女王様よぉー」
「何だよ親父」
「旦那様の父親か。妾に話があるのか」
「話つぅーかぁっ!・・・あいつ変じゃねぇーかぁっ!」
「確かにあいつも変だな」
「がはぁっ!・・・ぐがぁ、がはぁっ」
ローブの男は、地面に手と膝を付き、口から涎をダラダラと垂れ流しながら、痛々しい声を上げている。
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≪ミシミシミシバキバキバキゴキュゴキュ
ローブの男は、骨の軋む様な音を身体中から響かせる。
これは、かなりやばそうな気がする。
「何かやばそうです。トゥーシェ!下級ヴァンパイアの隷属達13体と遺体をエルドラドブランシュの南地区の地下2階へ時空牢獄ごと移動させます。念の為、監視してて貰えますか?」
「経験値が更に減るが良いのか」
「今はもう経験値どころじゃありません。なので、任せても良いですか?」
「旦那様の頼み故断る訳が無かろう妾に任せるがよい。1人で大丈夫か」
「おいっ!」
「父親殿か。妾に何か用か」
「俺もいんだぁっ!大船に乗ったつもりで安心しなぁっ!」
トゥーシェは俺の瞳を見つめ。不思議そうな顔で小首を傾げた。
気持ちは分かります。あの船は間違いなく沈没します。
「悪いな親父。こいつは俺に任せて、親父はてアンデット殲滅戦に戻ってくれ」
「何でだよ。俺はなぁっ!そこの変態達に首Kissされたんだぞぉっ!」
「良かったな」
「何でだよぉっ!」
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1から説明しないとダメなのか?・・・だから、
「こいつらは、魔界のヴァンパイア種の下級ヴァンパイアの隷属らしいんだ。だから、噛まれなくて良かったなって」
「良くねぇーよぉっ!首Kissだぞ首Kissっ!マジありえねぇー」
親父は、首にKissする行為について持論を展開する。
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長くなりそうだ。
「親父。時間があったら後で聞くから。気が向いたら聞くからさ。アンデットの浄化を頼む」
「何でだよぉっ!」
「もともとその為に、ここにいるからだよ」
「・・・だなぁっ!・・・うん。わぁーたよぉっ!おい、そこの変態達。男の恨みは一生もんだぁっ!忘れんなよぉーっ!」
親父は、周囲を徘徊するアンデットの元へと駆け出した。
やっと、行ってくれたか。
「さてと、下級ヴァンパイアの隷属さん達。ここから飛ばします。俺も直ぐそっちに行きますので、静かに待っててください。それでは」
神授スキル【転位召喚・極】 ≫
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≪ミシミシミシバキバキバキゴキュゴキュ
「グガァ~ ガガァハァッ ハァ― ハァ――ー」
こいつ、いったい何なんだ?・・・何が起きてるんだ?
「黒さん。大丈夫ですかぁ~」
「お前・・・これは、いったい・・・魔術でも精霊魔法でも無い・・・これはいったい何だ」
口調が変わった。
「突然目の前に現れ、何かに拘束された」
あの時と同じだ。独り言ではなさそうだが・・・
「独り言ではなさそうですね。いったい何者なんですか?」
「予は、【ヘリフムス】。思念だけとはいえ、予を留めるとはな。褒めて遣わすぞ。して、お前の名は?」
「ヘリフムス様。異端者に名を名乗っては」
「予は予の思うがままに話す。邪魔するでないわ」
「お、お許しください」
さっきの男が下手に出てるって事は、ヘリフムスと名乗った何かは偉いって事だよな。・・・それに、やっぱり、あの時と同じだ。間違いない。
「して、お前の名は?」
「先程、弓使いの男が、ロイクと呼んでいました」
「ロイクか」
親父めぇ~、怪しい奴等の前で、名前呼ぶなよなぁ~。
「貴方達は、ここで何をしてたんですか?地属性の魔力陣で召喚したのは、さっきの14体だけですか?」
「ほぉぅ~、召喚の魔力陣を知っておるとはな。人に見えるが、ソルエルフ族の血統であったか」
「すると、この拘束は、古代魔術の1種でしょうか?」
「五月蠅い黙れ」
「も、申し訳ありません。お許しください」
「ソルエルフ族にこれ程の者がおったとはな」
どうやって見ても、俺はエルフ族に見えないと思うけど。
「姓を名乗れ」
かばね?・・・あぁ~、前にルードヴィーグ卿が話してた。苗字の事だったかな。
「どうした?ソルエルフ族に伝わる家名を名乗るのが良い」
参ったなぁ~。ソルエルフ族の苗字何て知らないし・・・。あっ、待てよ。ルードヴィーグ卿はソルエルフ族。それなら、
「俺の名は、ロイク・ダダ」
「ダダ家の者であったか。・・・ダダ家はノーマルエルフだったはず。ハイエルフと交わったか。・・・・・・まぁ~良いわ。これも時代の流れという物であろう」
「ヘリフムス様。騙されてはいけません。その男は、エルフ族ではありません」
「だが、この力、ユマンに非ず」
「ですが・・・」
ダダを名乗ったのは良いが、ここからどうすれば・・・。
「貴方はヘリフムスなのですか?」
「左様。予は、ソルエルフ族の祖ヘリフムス・フォン・センペル」
宜しくお願いします。