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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー1ヶ月間の軌跡ー・ーアンデット編ー
168/1227

3-34 スタンピード・アンデットの日⑦~眷属隷属の主~

リーファ(R)歴4075年8月15日、風の日。

 大樹の森旧ワワイ大森林域南林地域でのアンデット殲滅戦2日目を終え、アシュランス王国の王都スカーレットにあるグランディール城の大会議室へと移動した。



 俺は、皆が席に座ったのを確認し、切り出した。


 皆とは、神授スキル【連携の歓喜】の為に同行してくれた。1女神1神獣3精霊2悪魔の7人?たぶん7人で良いだろうを除いた、アンデット殲滅戦に参加した俺の眷属隷属達の事である。


「アンデット殲滅戦2日目の反省会を始めます。まずは、アシュランスカードで各々自分自身のステータとスキルを確認してください」


 俺の指示に従い、アシュランスカードを取り出し宙に画面を表示させ確認を開始する眷属隷属達。



「始めに断っておきます。俺は、皆さんのステータスやスキルを正確に把握しています。居場所も直ぐに知る事が出来ます」


「神授スキル【タブレット】の警戒索敵探索の能力だね」


「クロシェット侯爵。タブレットとは別のスキルなんです」


「ロイク君。ゼルフォーラ王国では、父パマリ侯爵と混同し勘違いしないようにと、クロシェットの家名で呼ばれる機会が増えた。だが、今この場はアシュランス王国であり家族眷属が集う、言うなれば身内だけの席。今迄通り名前で呼んでは貰えないだろうか」


 中央騎士団総括団長兼中央騎士団第3師団の団長で、パマリ・クロシェット領の領主で、ゼルフォーラ王国の侯爵で、俺の義理の父親で、俺の親父と昔パーティーを組んでいた事もありそれなりに親しい間柄の人格者。


 ぶっちぇけ、呼ぶのは名前でも苗字でもどっちでも良いんです。問題は敬称なんですよ・・・。今は、・・・殿にしておくか。


「分かりました」


「俺の事はアドベンチャーボーイで頼むわぁっ!」


 ・・・こいつは無視で構わないだろう。


「称号に【眷属・なんたら】って、増えてませんか?」


「眷属・23って何だ?」


「私は眷属・71と書いてあります」


「私の称号は眷属・52みたいよ」


「それはですね。サー(騎士)リックは眷属レベルが23で、パロスさんは眷属レベルが71で、デイム(騎士)ロレスは眷属レベルが52って意味です」


「「「レベルですか?」」」


「はい。レベルです」


「うん?待ってくれ。私の称号には数字が無い。アシュランス王よ。眷属としての私のレベルはいったい幾つなのだろうか?」


「ロイク君。私の称号にもレベルの表記が無いみたいなのだが、眷属・家族とはいったい・・・」


「ロイクさん。私の称号も眷属・家族とだけ表記されています」


「おいなんだよこれぇっ!・・・眷属・愚父(ぐふ)って、俺の個人情報だぞぉっ!基本俺しか見ねぇーのに、愚父はねぇーだろうがぁっ!!!」


「バルタザール王子。公式の場以外ではロイクと呼んでください」


「一国の王を呼び捨てには・・・」


「義理の父でもある訳ですし、せめてクロシェット侯爵の様」


「ロイク君!」


 クロシェット侯爵は、優しい口調で俺の名を呼んだ。優しい口調にも関わらず何かが怖い・・・。


「ゴホン。ジェルマン殿の様にロイク君とでも呼んでいただければ」


「義理の息子かぁっ!・・・息子に王子と呼ばれるのも気になる。ふ~んむ・・・そうだぁっ!私の事はバルタザールでも義父(ちち)でも良い好きに呼んで欲しい」


 好きに呼んで良い。って、体の良い丸投げじゃないですか・・・。


「わ、分かりました・・・。バルタザール殿にジェルマン殿にマリアさんは、眷属の中でも家族に分類」


「で、ロイクぅー。俺の話は終わってねぇーからなぁっ!」


 親父ぃ~。俺、今、眷属について説明してたんですけど・・・。それに、親父と話してた覚えがないんですけどぉっ!毎度毎度いったい、


「何だよ。親父ぃっ!」


「聞いて無かったのかぁー。愚父っておかしいだろうがぁっ!」


 おかしい?・・・何処が?


「え?」


「これぇっ!俺の個人情報なぁっ!基本俺しか見ねぇ―ステータスな訳よぉー。俺しか見ねぇ―のに愚父って何でよぉー。おかしいだろうがぁー」


 おかしい?・・・何処が?


「親父、言ってる意味がちょっと?」


「何でだよぉー。・・・わぁーった。一応聞いておくがメアリーの称号はぁっ!?」


「母さんの称号か。ちょっと待ってくれ。確認するから」



「眷属・賢母だって」


「何でだよぉっ!」


 そのままだと思うが。


「逆に聞くけど、何でだ?」


「納得いかねんだけどぉっ!」


「俺じゃなくて、創造神様に言ってくれ」


「どうやってだよぉっ!」


「・・・祈るとか」


「アホかぁっ!そんな無駄な事出来るっかつぅーのぉっ!俺は究極のリアリスト(現実主義者)何だよぉっ!」


 はいはい・・・。アドベンチャーボーイ(冒険野郎)でしたよね。・・・はぁ~、疲れる。親父との話は後回しにして、眷属の説明を終わらせてしまおう。


「脱線して申し訳ありません。サクッと眷属の称号について説明します。まず、眷属と数字が称号の人は、数字が眷属としてのレベルで、レベルは1から108まで、レベルに応じステータス値が上昇します。上昇するステータス値はJOBやスキルの補正が加わる前の基礎値で、レベル1なら1%上昇、108なら108%上昇するみたいです」


「私は71%もUPしてるのですか!?」


「パロスさんの称号は、眷属・71なので71%UPって事で間違いありません」


「ロイク殿。私は23です。いったい何が足りないのでしょうか?」


サー(騎士)リック。俺にも良く分かりません。方法は分かりませんが頑張って上げてください」


「そ、そうですよね。ロイク殿の眷属として、レベル108を目指します」


 JOB上級魔獣使いのサー(騎士)リック・マケインは、何故か俺に最上位の忠誠を示す臣下の礼をとっていた。



「そして、称号眷属・レベルの上位称号が......


***********************


 ≪眷属隷属の称号と【眷属隷属の主】の効果≫


【眷属・嫁】

 ※ステータス値の最大値が20倍※

――ー――

 ※【タブレット】の一部の機能を共有※

 ※【Baiser(ベーゼ)】の効果が2倍※

 (【タブレット】と【Baiser】に

   ついては、夫婦の事である為、割愛)

――ー――


【眷属・許嫁】

 ※ステータス値の最大値が14倍※

――――ー

 ※【タブレット】の常時認識が可能※

 (ただし、ロイクがOPENにした状態のみ)

 (【タブレット】と【Baiser】に

   ついては、夫婦の事である為、割愛)

――ー――


【眷属・家族】

 ①【眷属・実父】関連(尊父等)

  ※ステータス値10倍+108%UP※

  ※主の統制支配を受けない※

  ※亜神と同位の存在※

 ②【眷属・実母】関連(賢母等)

  ※ステータス値10倍+108%UP※

  ※主の統制支配を受けない※

  ※亜神と同位の存在※

 ③【眷属・実妹】

  ※ステータス値10倍+108%UP※

  ※主の統制支配を受けない※

 ④【眷属・家族】

  ※表記はされないが段階が存在※

  1【ファタリテ】信頼度・極

    ※ステータス値8倍+108%UP※

  2【コンフィアンス】信頼度・高

    ※ステータス値6倍+108%UP※

  3【エマーブル】信頼度・普通

    ※ステータス値4倍+108%UP※


【眷属】

 ①【眷属・名誉】

  ※ステータス値10倍+108%UP※

  ※眷属・功臣以下の眷属の指揮統率が可能※

  ※ロイクの眷属と【念話】が可能※

 ②【眷属・功臣】

  ※ステータス値4倍+108%UP※

  ※眷属・忠臣以下の眷属の指揮統率が可能※

  ※ロイクの眷属と【念話】が可能※

 ③【眷属・忠臣】

  ※ステータス値2倍+108%UP※

  ※眷属・重臣以下の眷属の指揮統率が可能※

  ※眷属・重臣以下と【念話】が可能※

  ※上位の眷属からの【念話】時は相互※

 ④【眷属・重臣】

  ※ステータス値1.5倍+108%UP※

  ※眷属・レベルの眷属の指揮統率が可能※

  ※眷属・レベル以下と【念話】が可能※

  ※上位の眷属からの【念話】時は相互※

 ⑤【眷属・1~108】

  ※ステータス値○○○(レベル)%UP※

  ※眷属レベル同士の【念話】が可能※

  ※上位の眷属からの【念話】時は相互※


 ※その他、各々のスキルによる※


 ≪特殊な眷属隷属の称号≫


【眷属・神】

 ※詳細は、ルージュとドルの時に※


【眷属・亜神】

 ※詳細は、ルージュとドルの時に※


【眷属・精霊】

 ※詳細は、後日※


【眷属・聖邪獣】

 ※詳細は、後日※


【眷属・異界の妖精】等、異界の存在

 ※詳細は、後日※


【眷属・魔獣】

 ※詳細は。眷属・聖邪獣の時に※


【盟友の神】

 ※眷属・神ではないが、近い存在※

 ※詳細は、ルージュとドルの時に※


***********************


......といった感じです」


「な、何と、に、200%も上昇となぁっ!・・・通りで」


 マクドナルド卿は、頷いていた。


「マクドナルド卿と、ここには居ませんがルードヴィーグ首相は、眷属・忠臣なので、200%UPですね。それと、俺が権限を与える事で、俺の眷属隷属達を指揮したり統率出来るみたいです」


「なぁーロイクぅー。だったらよぉー。眷属・愚父(ちち)って何なのよぉー」


 眷属父?・・・あぁ~。


「【眷属・愚父(ぐふ)】は眷属・実父の事だろうが。母さんは、眷属・実母だけど表記は【眷属・賢母】って事になるな」


「じゃぁーなにかぁっ!俺って、神様チックな胡散臭せぇー・・・A・ZI・N?つぅー何かな訳かぁっ!?嫌だよそれぇー」


 俺に言われても・・・。


「そこは諦めてくれ。半分神様みたいな存在になる代わり、眷属扱いにも関わらず、俺の統制支配を受けず自由なんだから」


「おっ!自由かぁっ!良いじゃんそれぇー。何か胡散臭せぇーけど、それで良いぞぉっ!任せたぁっ!」


 任されても困るんだが。・・・それに、ほかにも補足が書いてあるけど、まぁ~良いかぁっ!そのうち、母さんには話ておくとしよう。



「眷属としてのステータス値の補正は理解したと思います。次は、各JOBや各JOB固有のスキルによる補正値について説明します。JOBの常識が変わったのは知ってますよね?」


「だなぁっ!」


 えっと?・・・。即答してくれたのは嬉しいんだけど・・・親父。それ、返答としてはどうなんだろうな・・・。


「ロイク君。確か停止状態のJOBを稼働状態に切り替えるには、スカーレット大神殿の創造神様の祭壇に祈りを捧げるか、ギャン・・・幸運の神殿の女神様の祭壇に祈りを捧げる必要があったはず」


 ジェルマン殿。今、ギャンブルって言い掛けませんでしたか?


「ロイク君。此度の殲滅戦に参加した者は、昨晩神授によりJOBやスキルをいただいたばかりで、礼拝を済ませた者はいないはず」


「だなぁっ!」


 バルタザール王子の発言に適当な相槌を打つ親父・・・。


「親父。今、大事な話をしてるところだから、頼むほんの少しだけで良い。黙っててくれないかぁっ!」


「お・・・おぅよ。任せとけぇっ!」


 任せとけぇって・・・。・・・まぁ~、黙っててくれるなら良いか。


「創造神様や神様や精霊様の眷属。そして、俺の眷属に限りって事らしんだけど、眷属になった時点で所持するJOBと各JOB固有のスキルの停止状態が解除されるみたいです」


≪おぉ~~~


 創造神様の眷属や、創造神様の眷属の眷属は、創造神様の気まぐれを祝福として神授されているそうだ。創造神様から祝福を与えられた存在は常に礼拝している状態にあり、祭壇に祈りを捧げる必要はないらしい。


「なので、皆さんのステータス値には、所持する全てのJOBと固有スキルの補正効果が反映しています」


「なるほどのぉ~」


 マクドナルド卿は、頷いていた。


「ロイクさん。私は、神授により弓聖になりました。先程の殲滅戦の際には気付きませんでしたが、どうやら所持するJOBの中から戦闘型(BT)JOBアーチャー(射手)が消えてしまった様なのです」


「あぁ~、それはですね。マリアさん、消えてないからです。現にアーチャーのスキルを発動出来ましたよね?」


「はい」


「私も神授によりサクレシュヴァリエ(神聖騎士)に転職した際に、サンシュヴァリエ(聖騎士)シュヴァリエ(騎士)が所持するJOBから消え失せていた。だが、先の殲滅戦ではスキルが発動していた」


「上位JOBを所持しているのだ。下位のJOBのスキルを扱えたからと言って疑問に思う必要は無いと思うがのぅ~」


「大賢者殿。どういう意味でしょうか?」


「バルタザール王子よ。シュヴァリエから神授JOBサンシュヴァリエに転職した時の事を覚えているかね?」


「勿論です。我が人生の中で、100選に入る感動の瞬間でした」


 100選ですか。・・・凄いや。


「転職し、JOBシュヴァリエはどうなったのかのぉ~」


「停止状態になりました」


「当時のルールではそうなるのぉ~。じゃが、サンシュヴァリエとなりシュヴァリエの際に磨き上げたスキルや、積み重ねてきた経験を失ったかね?」


「・・・ですが、それは上位JOBサンシュヴァリエに、下位JOBシュヴァリエと同じ剣技やスキルが存在していたからで」


「その理屈であれば、シュヴァリエの時に修練を積みレベル10であったAというスキルは、サンシュヴァリエになった時にはレベル1という事になるが」


「た、確かに・・・。ですが、そこは上位JOBとしての補正がスキルにも」


「その考え方には無理があると思うがのぉ~。・・・そうじゃ、良い例があったわ。魔術系のJOBの話になってしまうのじゃが、マジシャン(魔術師)からエリートマージ(上級魔術師)に転職するとな、マジシャンの固有スキルで【MP】が0になってしまった際の気絶時間を短縮するスキルが無くなってしまうのじゃが、実際はエリートマージに転職した後も、停止状態のはずのマジシャンの固有スキルが機能し続けている事が分かっておってな。スキルとしては存在しないが効果としては存在する魔術系JOBのあるある話の1つじゃ」


「他にも似た様な話があるのですか?」


「あるぞぉ~。エリートマージの上位JOBパレスマージ(宮廷魔術師)。先日の神授によってグランマージ(魔導士)になってしまったがのぉ~、この下位上位にも同じように、スキルとしては存在しないが効果としては存在する魔術系JOBの不思議があってのぉ~」


「転職の際に、目には見えないが下位JOBから継承している何かが存在していると」


「その通りじゃ。下位のJOBを上位のJOBは兼ねておるのじゃよ。だからこそ転職直後に弱体化しない。そうは思わんかね」


 おっ!マクドナルド卿はやっぱり凄いや。


「仮にそうだとしてもです。所持していたはずのJOBが消えたのは何故ですか?」


「それはですね。俺から説明します。JOBの上位下位の関係についてはマクドナルド卿の推察の通りです」


「ふむふむ。それは良かったのぉ~」


「ですが、それは前までの転職のルールです。新しい転職のルールは、礼拝する事で停止状態が解除されます」


「その件は既に理解しているつもりだが」


「バルタザール殿。確認しますが、礼拝をし所持するJOBを稼働させた人には会いましたか?」


「まだ会った事はないが・・・」


「そうでしたか。では、バルタザール殿とジェルマン殿に1つ質問します。深く考えずに答えてください」


「分かった」


「ロイク君。私にもかね」


「えぇ。ジェルマン殿もお願いします」


「あぁ。お手柔らかに頼むよ」


「2人は昨晩の神授により転職しました。転職のルールが変わった8月8日の時点では、バルタザール殿はサンシュヴァリエ。ジェルマン殿はシュヴァリエでしたよね」


「「ふむ」」


「所持するJOBの停止を解除しに行こうと考えましたか?」


「いや」


「私もバルタザール王子と同じかな」


「それはどうしてですか?」


「それは、サンシュヴァリエとして、シュヴァリエのスキルを全て扱えるからで・・・」


「本当ですか?サンシュヴァリエになると、シュヴァリエのスキル【ソリダリテ】はスキルとしては存在しないのでは?」


「・・・無いな・・・」



 長々と説明し、創造神様や神様が関わる事には、そうだと思い込むしか解決出来ない事が多いと理解して貰えた。

ありがとうございました。

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