3-23 亜神化の日①~ゲームDXとゲームGOD~
リーファ歴4075年8月6日、聖の日。
―――R4075年8月6日(聖)06:10
神授スキル【タブレット】『ゲームDX』
R4075年8月6日※22回目の恩恵※
【対象者】ロイク のみ
①愛と憎しみの館、愛と美の修練の塔
、憎と美の修練の塔を、
スカーレットの愛憎の神殿に移築せよ
≪達成の報酬≫
1.神授スキル【マテリアル・クリエイト】の
『創造・小』を『創造・中』へ
※神気の効率が大幅に改善されます※
※出来る事が増えます※
②2つの塔を再構築せよ
≪達成の報酬≫
1.神授スキル【神眼・万物限定】の
制限解除『精霊界・全域』
制限解除『魔界・全域』
制限解除『神・コルト下界限定』
③日が変わるまでに完了しましょう
≪達成の報酬≫
1.大樹の加護【Kiss】の強化+一部修正
2.神授スキル【Baiser】の強化
3.大樹の加護【レソンネ】を
神授スキル【レソンネ】へ
④神気スキル
1.核【運】【料理】【大樹】
【鳥】【鰐】【馬】
2.神気スキル【比翼連理・大樹】
※マルアスピーとの連理の枝※
3.神気スキル【比翼連理・神鳥】
※アルとの連理の枝※
4.神気スキル【比翼連理・幸運】
※フォルティーナとの道理の枝※
5.神気スキル【比翼連理・風樹】
※マリレナとの道理の枝※
※神格後は風樹から神風※
・
・
・
これって、いったい何・・・?
・
・
・
これは、復旧復興と発展。趣味趣向を追求した約1ヶ月間の気楽な物語かもしれない・・・。と、いう事で、時間をほんの少しだけ遡り・・・時間は......
―――R4075年8月6日(聖)06:01
朝日が2つ昇ると同時に目が覚めた。
俺の隣では、いつもと同じ、生まれたままの姿のマルアスピーが、気持ち良さそうに小さな寝息をたて眠っていた。
≪You've Got Mail
創造神様からメールが届いたみたいだ。
俺は、タブレットを確認する。
***********************
差出人:Mina-no-KAMIsama
宛先 :Roiku Rulin Charrette
件名 :空飛ぶ絨毯
***********************
もしかしてぇっ!
俺は、慌ててメールを開いた。
***********************
暑中お見舞い申し上げます。
猛暑が続いてるよねぇ~。
元気でやってるみたいだし、
心配何かしてないんだけどぉ~。
精神と身体を大切にしてねぇ~。
このメールは当選メールですぅ~。
受け取られる場合は【―YES―】を、
受け取りを拒否される場合は【―NO―】を、
タップしてねぇ~。
〇×〇×〇××〇〇×〇〇〇〇×〇×年 盛夏
************************
何、これ・・・?
本当に創造神様からのメールなのか?・・・滅茶苦茶怪しいんですけどぉ~。それに、空飛ぶ絨毯の事には一切触れられていないし・・・。
≪You've Got Mail
また?
************************
差出人:Mina-no-KAMIsama
宛先 :Roiku Rulin Charrette
件名 :空飛ぶ絨毯・改
************************
読むしかないよな・・・。
************************
空飛ぶ絨毯。面白そうです。楽しそうです。
羨ましいです。欲しいです。
神界で工房ロイスピー商品として販売しても
良いかなぁ~。良いともぉ~。
販売開始の代わりと言っては何ですが、
コルト下界のJOBに【タピショフール】を、
新しく加える事にします。
ロイクとロイクの子孫だけに、
JOB【タピショフール】の付与権を与えます。
このJOBは、サポートJOBです。
※メインJOBとの二足の草鞋を認めます※
JOBの詳細は下記の通りです。
①スキル【タピジャンティー】
※移動時に消費する【MP】が減少します※
レベル1:10% レベル2:15%
レベル3:20% レベル4:25%
レベル5:30% レベル6:35%
レベル7:40% レベル8:45%
レベル9:50% レベル10:60%
②スキル【タピファヴール】
※【MP】の最大値が上昇します※
レベル1: 3% レベル2: 7%
レベル3:12% レベル4:18%
レベル5:25% レベル6:33%
レベル7:42% レベル8:52%
レベル9:63% レベル10:75%
このメールは当選メールですぅ~。
受け取られる場合は【―YES―】を、
受け取りを拒否される場合は【―NO―】を、
タップしてねぇ~。
***********************
【―YES―】を押すまで、最後の4行が送られて来る予感がする。
俺は、【―YES―】をタップした。
***********************
大当たりぃ~
神授スキル【タブレット】の『ゲーム』機能が
グレードアップし『ゲームDX』になりました。
おめでとうございます。
P.S.
忘れてるのかなぁ~。
タブレットのゲームは午前と午後の2回
遊べる仕様になってるんだよぉ~。
21回分を1回にまとめて大放出しちゃいます。
今日の午前分を遊んだ後は、
本日限りの『ゲームGOD』で遊んじゃおぅ~。
***********************
ようするに、グレードアップしたゲームDXをやれば良いんだよな。
・
・
・
・
・
・
―――R4075年8月6日(聖)06:13
神気スキルが増えたみたいだけど、核に【運】【料理】【大樹】【鳥】【鰐】【馬】って・・・。
「うぅ~ん」
おっと・・・ビックリした。マルアスピーか。
・・・凝視。・・・凝視。
ちょっと、触ってみようかな・・・・・・・・・。
・
・
・
「ねぇロイク。何してるのかしら」
・・・。えっと・・・。
マルアスピーの顔へと視線を動かすと、マルアスピーと目が遭った。
「あ、朝の挨拶がまだでしたね。お、おはようございます。今日も良い朝です」
こら俺の手ぇっ!
「・・・・・・そ、そうね。おはようございます。それで、まだ揉み足り無いのかしら?」
「こ、これには・・・訳が・・・」
「そう。・・・そうね。フフフ」
「ごめんなさい」
「別に構わないわ。私達は夫婦なのだから」
「あ、ありがとうございます・・・」
・
・
・
・
・
・
「タブレットで何か実験でもしていたのかしら?」
「これは実験じゃないです。創造神様からメールが届いたので確認したら、暑中見舞いの挨拶と空飛ぶ絨毯に関する内容だったんですが、タブレットのゲームがゲームDXにグレードアップしました」
「何が変わったの?」
「前の報酬も込みになってて、何が変わったのかまだ良く分かっていません」
「ふ~ん・・・」
「今日は、神気スキルが一気に増えました。マルアスピーと俺の道理の枝に関係するスキルで【比翼連理・大樹】とか、大樹の加護の【レソンネ】が神授スキル【レソンネ】になったとか、大樹の加護の【Kiss】と神授スキル【Baiser】が強化されたとか、あと創造・小が創造・中になって、【神眼・万物限定】が精霊界と魔界の全域になって、この世界限定ですが神様の認識に掛けられていた制限が解除されたみたいです」
「・・・朝から凄い事になっていたのね。神様の検索が可能になったという事かしら?」
「試してませんが、たぶん」
「フフフ。今日はいつもとは違う意味で忙しくなりそうね」
「そうですね。それで何ですがぁ~・・・。起きたばかりのマルアスピーに早速1つ試して貰いたい事があります」
「どんな事かしら?」
「タブレットのゲームGODをやりませんか?」
「ゲームGOD?」
「21回分を1回で遊べる本日限りの凄いゲームらしんです」
「1回だけなのね。私がやってしまって良いのかしら?」
「夢と希望の御礼と言いますか。いつもの御詫びと言いますか・・・。色々と俺の気持ちです」
「そう。色々ね。分かったわ。ありがとう。ロイク」
≪チュッ
マスアスピーの唇が、俺の唇にちょっとだけ触れた。
何だろう。昨日から挨拶みたいにKissされてる気が・・・。
≪神授スキル【レソンネ】を確認。更新します。
≪神授スキル【比翼連理・大樹】を確認。更新します。
≪神授スキル【神眼・万物限定】『精霊界』を確認。更新します。
≪・・・・・・・・・・・・共有機能を更新します。
何だ何だ!?
「えっと。これって、どういう事だと思いますか?」
「あぁあぁん」
マルアスピーは、身体を震わせながら俺にしがみ付く。
「えっ!?何っ?・・・大丈夫ですか?」
「えぇ。問題無いわ。ねぇロイク。何が起きているのか説明して貰えるかしら・・・」
俺も説明して欲しいんですが・・・。
「タブレットが何かを更新してるみたいですがぁ~・・・。それ位しか何が起こってるのか分からない」
「あっん!・・・。私の中に温かい何かが入って来る感じがするの・・・」
「俺、どうしたらいいしょう?」
・
・
・
マルアスピーは、何かに耐えながら1~2ラフン程身悶えていた。
「ハァ~、ハァ~、ハァ~、ハァ~」
マルアスピーは、肩で息をしながら、俺の腕の中で苦しそうに呼吸をする。
「大丈夫ですよね?」
「えぇェ~。問題無いわ。ハァ~、支えてくれてありがとうォ~」
・
・
・
「中に入って来る感じって、自然魔素の【MP】とか精霊気と神気みたいな物が、身体の内側に流れ込んで来る感じだったんですか?」
「ち、違うわ。何て言えば良いのかしらァ~・・・生命力。そうね【HP】みたいな感じのものね」
生命力や体力って湧き上がるものじゃなかったっけ?あれ?
≪マルアスピー・R・ルーリン・シャレットのタブレット共有機能への干渉制限を解除しました。
≪夫婦共有財産の収納管理取出機能。優待券機能。レシピ機能。ゲーム機能。娯楽機能。地図検索機能。音声認識機能。各種詳細機能。取扱説明書。新機能、系譜認証検索機能。
≪マスターロイクの権限により制限を更新します。
「ん?俺の権限って俺何もして無いんだけど・・・」
「何が起きてるのかしら?」
「さぁ~。それよりも身体は平気ですか?痛い所はありませんか?」
「大丈夫よ。ありがとう。フフフ」
マルアスピーは、優しく微笑みながら、俺から離れた。
≪マルアスピー・R・ルーリン・シャレットの万能水への干渉制限を解除しました。
「あぁ~なるほど。昨日、自由に使って良いって言いましたね」
「そうね」
「これ1つずつ解除するの面倒だと思いませんか?」
「思うわ」
「だったらいっその事。タブレットに収納してある素材類は全部共有にしちゃいましょう。タブレット更新して」
≪マスターロイクの権限により制限を更新します。
「ねぇロイク」
「はい。なんでしょう」
「タブレットに保管されている共有財産や素材を収納したり取出したり出来るのは嬉しいのだけれど、収納のし方や取出し方が分からないわ」
「なるほど。えっとぉ~・・・・・・」
「どうかしたのかしら?」
「あっいえ、・・・俺も良く分からないで使ってたみたいです」
≪マルアスピー・R・ルーリン・シャレットの素材への干渉制限を解除しました。
「万能水を取り出して貰えるかしら」
「そうですね。やって見せた方が早いですね」
俺の手に万能水の小瓶が1本出現する。
「ねぇロイク。今、何をやったのかしら」
「・・・えっとですねぇ~。タブレットの中から取り出そうと思考したというか」
「思うだけで取り出せるのかしら?」
俺は、万能水をタブレットに収納した。
「消えたわ。収納したのね」
「はい」
・
・
・
マルアスピーとの練習は30ラフン程続いた。
・
・
・
「神授スキル【タブレット】にはこんな機能もあったのね」
「知りませんでした。というか機能が多過ぎて使い熟せる自信がないです」
「詳細や取扱説明書をきちんと読まないからよ」
「それは分かってるんですが。何となく面倒で・・・」
「私も手伝うわ。時間がある時に少しずつ機能を覚えましょう」
「そうですね。ありがとうございます」
この1時間で始めて知った機能は全部で6つ。
***********************
≪始めて知ったタブレットの機能≫
① 武具は装備状態で取出す事が出来る。
② 自分を中心に半径5m圏内なら
箱や鞄や服の中、宙に浮いた状態で
取出す事が出来る。
③ 第三者が装備中の武具であっても
所有権が自分にある武具は、
収納する事が出来る。
道具雑貨等も同様に収納する事が出来る。
④ 植物や卵等は生きた状態であっても
収納する事が出来る。
発酵食品等も同様に収納する事が出来る。
⑤ マルアスピーは半径1m以内でしか
取出す事が出来ない。
⑤ マルアスピーは対象が身体に触れている
状態でしか収納する事が出来ない。
⑥ マルアスピーは俺から10m以上離れると
タブレットに干渉する事が出来ない。
***********************
・
・
・
「脱線しましたが、いよいよお待ちかねのゲームGODの時間です。でも、その前にタブレットの画面に触れる様にしましょう。タブレット更新して」
≪マスターロイクの権限により制限を更新します。
≪マルアスピー・R・ルーリン・シャレットの画面への干渉制限を一部解除しました。
≪夫婦共有財産の収納管理取出機能。素材収納管理取出機能。優待券機能。レシピ機能。ゲーム機能。娯楽機能。地図検索機能。音声認識機能。各種詳細機能。取扱説明書。系譜認証検索機能。
「更新が完了したみたいですね。マルアスピー。自分で画面を操作してゲームGODをタップしてみてください」
「分かったわ」
「嬉しそうですね」
マルアスピーの瞳がキラキラと輝いている。
「えぇ。始めて見た時から、宙に浮く板に触れてみたいと思っていたの。触るわよ」
「はい」
音声や思考で操作出来る画面を、マルアスピーはタップやスライドで操作する。
「あら、文字が大きくなったり小さくなったりするのね」
・・・知らなかった。画面のサイズをかえずに拡大縮小が出来たのか。
・
・
・
「ゲームGOD。タップするわね」
「はい」
≪ピッ
「おぉ~」
「まるで生きてるみたい。私達にそっくりだわ」
「はい」
マルアスピーがゲームGODのスタートをタップすると、タブレットの画面に俺の立姿、マルアスピーのいつもの姿の立姿、フォルティーナのビキニ姿での立姿、アルさんのナース姿での立姿、マリレナさんのワンピース姿での立姿。俺の顔、マルアスピーの顔、フォルティーナの顔、アルさんの顔、マリレナさんの顔が順番に映し出される。
「文字になったわね」
「長いですね・・・」
「そうね」
神と星と虹の文字が高速でスクロール?している。
≪ピィッ ピィッ ピィ―――
星・・・虹・・・神
「神で止まったわ」
≪第1回『ゲームGOD』の獲得商品はぁっ!
画面に長文が映し出された。
≪これです
神授スキル【タブレット】『ゲームGOD』
R4075年8月6日(聖)限定
【対象者】ロイク のみ 任意代行可
①『ゲームDX』を10回分溜める事で、
『ゲームGOD』を1回遊ぶ事が出来る。
②神気が10万を越えた際に神授します。
【神格】1.特級中級神(1つ)
2.一級中級神(1つ)
3.二級中級神(1つ)
4.三級中級神(1つ)
5.一級神(1つ)
6.二級神(1つ)
7.三級神(2つ)
8.四級神(4つ)
9.五級神(5つ)
10.一級~九級下級神(各5つ)
11.下級神見習い(10柱分)
③神気スキル【創造神・眷属神化】
※1時間だけ神格を持った存在になる※
※神格位は特級上級神と同列位※
④神気スキル【運の女神・眷属神化】
※1時間だけ神格を持った存在になる※
※神格位は三級上級神と同列位※
⑤神気スキル【邪の女神・眷属神化】
※3時間だけ神格を持った存在になる※
※神格位は一級神と同列位※
⑥神気スキル【眷属亜神化・弱】
※ロイクの眷属を1時間だけ
神格を持った亜神にする※
※神格位は八級下級神※
⑦本日はゲームGODを後2回遊んでも良いよ
・
・
・
・
・
・
「えっ?」
「ま、ま、マルアスピーこ、これぇっ!凄過ぎませんか?」
「ゲームGOD侮れ無いわね」
「ゲームでも凄いって思ってたのに、さっき初めてやったゲームDXも凄い様な気がしてたのに・・・」
「ロイクは、邪の女神様の眷属だったのね」
「俺がですか?」
「えぇ」
「そんな覚えはありませんが・・・」
「でもホラァ!ここに」
マルアスピーは、タブレットの画面を指差す。
「あらま本当だ。俺って邪の女神様の眷属だったんですね。知りませんでした。って、言うか会った事も無いのに・・・いつなったんだろう?」
「帰って来なかった49日間が怪しいわね」
「でも、あれって、この世界では1秒とか2秒の話だったはずです」
「それもそうね」
「取り合えず、邪の女神様の眷属の件は後回しにしましょう。あと2回遊んでいいみたいです。今の調子でマルアスピー先生お願いします」
「せ、先生?・・・・・・まぁ~良いわ。でもその前に、これって、私も1時間だけ神様に成れるって解釈で良いのかしら?」
「あぁ~・・・どうなんだろう。創造神様公認のお嫁さんが眷属扱いなら可能だと思いますが・・・」
「眷属は、親族や一族とか従者の事よね」
「だと思います」
「私はロイクの家族よね」
「マルアスピーが家族じゃ無かったら大変ですよ」
「そうね。フフフ。家族って、大きく見て親族や一族に入る物なのかしら?」
「後2回タップする前に、折角です。神気スキル【眷属亜神化・弱】で神様になってからタップしてみませんか?神様に成れるのか分かりませんが試してみましょう」
「・・・フフフ。お願いするわ」
「・・・えっと。やり方が分からないのでちょいとお待ちを・・・タブレットでどうやるのか調べます」
・
・
・
ありがとうございます。