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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー1ヶ月間の軌跡ー・ーアンデット編ー
150/1227

3-16 愛と憎しみの館の日。

リーファ(R)歴4075年8月3日、水の日。

「なぁ~人間のお・・・ロイク。私もやりたいのじゃぁ~。運の神ばかりずるいのじゃぁ~」


 騒がしい方のトゥーシェが、神授スキル【タブレット】の『ゲーム』を自分もやりたいと自身が朝食を済ませた後、皆がまだ食事中である事を見計らい騒ぎ出した。


 皆、余りの騒がしさに負けた。


「別に誰がやるとか決まってる訳でも無いし、トゥーシェどうぞ」


「おぉ~。任せるのじゃぁ~」


≪ピッ


 タブレットの画面に触れられるのは、神様か俺のみ。この音は、臨場感をトゥーシェに味わって貰い、『ゲーム』をやった感を高める効果を狙い意図的に鳴らしたものである。


「どうなのじゃぁ~?」



 これは、復旧復興と発展。趣味趣向を追求した約1ヶ月間の気楽な物語かもしれない・・・。と、いう事で、日と時間をほんの少しだけ遡り・・・日付は......


――― R4075年8月3日(水)


 神授スキル【タブレット】『ゲーム』

 R4075年8月3日※19回目の恩恵※

 【対象者】ロイク のみ

  ※神と精霊の手伝いは可※

  ①愛と憎しみの館、愛と美の修練の塔

   、憎と美の修練の塔を、

   スカーレットの愛憎の神殿に移築せよ

  ②2つの塔を再構築せよ

  ③日が変わるまでに完了しましょう



「これって・・・」


「ねぇロイク。これは指令とは何が違うのかしら?」


「さぁ~?」


「なんじゃ。ザラストロに命令すれば済む事ではないか」


 マルアスピーと俺の間から女王様な方のトゥーシェが顔を覗かせ、タブレットの画面を見ながら呟いた。


「おぉ~。ザラストロなのじゃぁ~」


「ザラストロ?」


 誰だったっけ?


「ロイク様。鼠の王様です」


「アリス。鼠の王ではなく溝鼠の王だったと思います」


「アリスさんもサラさんも間違ってます。魔界の魔鼠の王様ですよ」


 アルさんは、アリスさんとサラさんの微妙な間違いを訂正した。


 溝鼠の王と、魔鼠の王では、かなり違うか・・・。大分違うな!


デスアックス(死の舞戦斧)って何でしたっけ?」


「・・・・・・たぶん。苗字か何かじゃないですかぁ~・・・」


 パフさんは、半分寝惚けた状態で、テレーズさんの言葉に反応している。



「取り合えず創造神様からの指令に近い感じがするから、食休みしたら行ってみるかな」


「そう。気を付けて行ってらっしゃい」


「マルアスピーは一緒に来ないんですか?」


「私は、パフちゃんとメリアとカトリーヌとエルネスティーネと実験ね」


「実験ですか・・・」


「そう。忙しいの」


「サラさんはどうしますか?」


「出入国管理の件で、マクドナルド卿に同行し聖都モルングレーに行く事になっています。無関税で越境する商品の検査管理体制も重要案件ですし。今回の創造神様からの指令はパスでお願いします」


「ミスリルの件もそうでしたが、検査を強化したらかなりの不正が発覚すると思います。早急な対応が必要だと自覚したばかりです。また丸投げになってしまいますが宜しくお願いします」


「得意な分野で支え合う。家族として当然の事ですわ」



「私は、トゥージュー領の貴族領軍私兵隊とアシュランス王国王都南警備隊の合同軍事演習に参加する事になっています」


「テレーズさんも同行出来ないと・・・。アリスさんはどうしますか?」


「ロイク様。その合同軍事演習の総指揮官が私です」


「アリスさんとテレーズさんが参加って、かなり規模の大きな演習みたいですね」


「はい。今回の軍事演習は、ヴァルオリティア帝国がルーリン川を登り、ルーリン大橋を破壊。トゥージュー領側へ上陸しサーフィスへ侵攻した。という想定で行われます」


「アリスさんは、スカーレットの防衛と、第2大橋のシャレット大橋を渡りサーフィスへの援軍。私はアシュランス王国海軍を指揮し海と川担当です」


「確か、第1大橋のルーリン大橋(通称:王家の橋)が、ゼルフォーラ王国のルーリン川第1防衛ラインで、第2大橋のスカーレット大橋(通称:王都の橋)が第2防衛ライン。第3大橋のロイーナ大橋(通称:理外の橋)が第3防衛ライン。第4大橋のロイスピー大橋(通称:商家の橋)が第4防衛ライン。第5大橋のシャレット大橋(通称:国王の橋)が第5防衛ライン。第6大橋のサンロワ大橋(通称:聖王の橋)が第6防衛ラインでしたよね?」


 フォルティーナの指『パチン』は、この大橋の名前も勝手に変更していた。御丁寧な事に、橋名板に書かれた文字まで修正されていた。この手の作業だけは非常にまめな(・・)です。女神フォルティーナ様(・・・・・・・・・・)は・・・。


 因みに変更前の大橋の名称は、第1・第2大橋は変化無し。第3大橋がフォルティーナ大橋(通称:女神の橋)。第4大橋がアスピー大橋(通称:精霊の橋)。第5大橋はロワ大橋(通称:国王の橋)。第6大橋はゼルフォーラ大橋(通称:大陸の橋)と呼ばれていた。


 俺は、前のも今のも記憶に残っている。話を合わせる事がなかなかどうして結構大変な作業である。


「そうです。今回は第1防衛ラインが破られ、第2防衛ラインで食い止める事も演習の目的なんです。アリスの命令通りに警備隊が何処まで動けるか楽しみです」


「そうね。4つの隊が何処まで動けるか楽しみね」


 アリスさんもテレーズさんも指揮官として成長している様で何よりって感じかな。


「なるほど。」


「旦那様よ。ユマン()族の同行は無しなのか?」


「みたいです」


「なぁ~。人間のお・・・ロイク。私は暇なのじゃぁ~」


 でしょうね・・・。ゴロゴロしながら、絵ばかりの本を読み、御菓子を食べる毎日らしいですからね・・・。


「旦那様よ。(わらわ)もここ数日暇を持て余しておる。知っているか?」


 流石に知らないです・・・。


「それじゃぁ~。トゥーシェは2人共同行。バルサさんとアルさんとマリレナさんとフォルティーナと俺で行きましょう」


「ロイク様。申し訳ありません。バルサさんと私は副王都フィーラで会合がありますので、今回はパスでお願いします」


「バルサさんとマリレナさんもパスですね」


「すみません。どうしても抜けられないハイエルフ(高位樹人)族の会合なもので・・・」


「精霊様に成って、ヴァンのエルフ(風の樹人族一族)の大長老様から、恒久名誉顧問に就任したんですよね?」


「その就任式が今日なんです」


「あぁ~なるほど。・・・それで、次の大長老には誰がなるんですか?」


「当面は空席の予定です」


「へぇ~・・・」


 大長老の席って空席でも大丈夫なのか。意外だ。


「ロイク様。私は、アンデット対策で、フィーラとカトムーイのアドベンチャーギルド(冒険者探検家協会)ギルドマスター(協会長)のオジさん達と缶詰です・・・」


「あぁ~・・・何て言うか・・・頑張ってください」


「・・・はい。頑張ります・・・。」



「あたしは、忙しいね。暇じゃ無いね」



 俺は、神授スキル【フリーパス】で、愛と憎しみの館の永遠の愛の間へ移動した。同行者は、騒がしい方のトゥーシェと女王様な方のトゥーシェとアルさんの3人。


「ザラストロ」


 女王様な方のトゥーシェが、永遠の愛の間を掃除中の魔鼠の王ザラストロに後ろから声を掛けた。


 女王様な方のトゥーシェに名を呼ばれ、振り返った魔鼠の王ザラストロは、


「おえっ?夜の女王陛下が2人!?・・・えええぇぇぇ~~~!!」



 魔鼠の王ザラストロさんに、トゥーシェが2人に成った経緯を説明しました。



「どちらも、夜の女王様なのですね・・・」


「おう。そうなのじゃぁ~」


「妾が本来の人格のはずなのだが、分からぬか?」


「・・・こちらの女王様は、朕が良く知るトゥーシェ様ですが、ですが数万年も前の話です」


 騒がしい方のトゥーシェは、精神年齢が子供。もとい60万年位前の状態なんだろうか?


「何でも良いのじゃぁ~。折角来たのじゃぁ~。探検なのじゃぁ~」


「トゥーシェさん。探検も冒険もしません。今日はこの館と塔を愛憎の神殿に移築しに来たはずですよ」


「おぉ~。そうであったのじゃぁ~。アルのおかげで思い出したのじゃぁ~」


「愛と憎しみの館を移築ですか?」


「ザラストロ。知らなかったのか?」


「えぇ・・・初耳です」


「今朝。妾では無いトゥーシェが創造神から移築しろと啓示を受けた。驚いたか?」


「悪魔種の我等に創造神が啓示を与えるとは・・・はい。驚きました」


 正確には、俺にだろうけど、気にしない。



 俺達は、屋敷の外に移動した。


 そして、神授スキル【転位召喚・極】で、愛憎の神殿の裏庭に屋敷と塔を移築した。勿論、館と2つの塔に誰もいない事を確認してからである。


「俺達も愛憎の神殿に移動しましょう」


「はい」


「おうなのじゃぁ~」


「旦那様よ。妾は神殿の中は遠慮したい。屋敷の門の前に頼むが、良いか?」


「分かりました。門の前にします。ザラストロさんは、俺達が向こうに着いたら、強制召喚で呼び出します」


「婿殿よ。お頼み申す」


 婿では無いけど・・・。細かい事は気にしない。ハゲると言われるからじゃないですからね・・・。



 俺達は、アルさんとトゥーシェ2人を連れ、アシュランス王国王都スカーレットの愛憎の神殿の裏庭に移築した愛と憎しみの館の門の前に、俺の神授スキル【フリーパス】で移動した。


 そして、次にザラストロさんを俺の神授スキル【転位召喚・極】『強制召喚』で呼び出した。


 次にやらなくてはいけない事。それは、愛と美の修練の塔と、憎と美の修練の塔の改築である。


 まずは、愛と美の修練の塔からにした。


 俺達は、出入口のある永遠の愛の間へ移動した。



「アルさん。改築って何をやればいんですかね?」


「そうですねぇ~。2つの塔を地下迷宮や楼閣迷宮の様にするとかでしょうか」


「おや。面白そうではないか。妾も手伝ってやるぞ。嬉しいか?」


「嬉しいって言うか。手伝って貰えないなら連れて来た意味が無いです」


「おぉなのじゃぁ~。ピクニックシートを敷いて見ててやるのじゃぁ~」


「何言ってるんですか。フォルティーナに言い付けますよ」


「わ、私は・・・さぁ~頑張るのじゃぁ~。エイエイオーなのじゃぁ~」


「婿殿よ。愛憎の女神様より御預りした道具の中に、管理者セットなる物がある」


「ザラストロ見せるのじゃぁ~」


「畏まりました」



「これって、工具箱と工具です・・・よ・・・ね?」


「はい。私もロイク様と同じ意見です」


「ふむふむ。工具箱じゃな。そう思わないか?」


「箱にトンカチにレンチにいっぱいあるのじゃぁ~」


「これで、愛と憎しみの館を管理していました」


 なるほど。工具箱だし可能だと思う。


「全部だすのじゃ~」


 騒がしい方のトゥーシェは、工具箱をひっくり返した。


≪ガラガラガラガラガラ



「おぉ~紙が入ってるのじゃぁ~」


「トゥーシェこっちにください」


「分かったのじゃぁ~」


 俺はトゥーシェから紙を受け取り開く。


 紙には模様が描かれていた。


「おや。悪魔文字か。懐かしいと思わんか?」


 ・・・特に懐かしくも愛着も無いのですが。


「何て書いてあるんですか?」


「分からんのか?」


「はい。アルさんは分かりますか?」


「悪魔文字という事は分かるのですが・・・」


「私は読めるのじゃぁ~。褒めて良いのじゃぁ~」


 トゥーシェ。君は悪魔種だしそうだと思います。


「それで、トゥーシェ。これ何て書いてるんですか?」


「「塔の天辺の宝物庫に【管理者の鍵】【管理の核】【管理の心得】を保管してあります。この3つを手にした存在が資格を有する者であるならば塔を自由にするが良い。ザラストロへ、私が帰るまで館の手入れと掃除任せたわよ。確り管理するのよ。封印中の2つの塔は誰も出入りしないし適当で良いわ。もし新しい管理者が現れたらその者のお手伝い係りよ。分かったわね。・・・・・・返事わ!?」」


「は、はいっ!・・・おぉ~愛憎の女神よ。御安心くだされぇ~」


 同じ声だけど、騒がしく悪戯な声と妖艶で悪戯な声のステレオサウンド。意外に良いかもと思ったのは俺だけだろうか。しかし、手紙に返事する魔鼠の王様ねぇ~・・・。


「なぁ~ザラストロ。お前。この手紙いつから持っていたのじゃ~」


「愛憎の女神が旅立った日だと思います」


「気付けなかったのか?不思議ではないか?」


「そうです」


「ザラストロさん。手入れとかは、この工具を使ってたんですよね?」


「はい。それが何か?」


 ・・・これ以上の追求は止めておこう。



「思うにですが、塔を改築する為には、管理者に成る必要がありそうです」


「はい。塔の天辺にある宝物庫に行く必要がある様です」


「どっちの塔にあるのか。それとも両方にあるのか分からないし、まずは、目の前の愛と美の修練の塔を攻略するしかなさそうですね」


「そうですね」


「なぁ~ロイク」


「どうしました?」


「ちょっと屋上を見て来るのじゃぁ~」


「妾もあっちの塔の屋上を確認してやろう。嬉しいか?」


 2人のトゥーシェは蝙蝠の様な翼を広げ飛び立った。



 俺達の目の前には、宝物庫?小さな金庫が2つある。


「攻略してませんが、良いのでしょうか?」


「えっと・・・どうなんでしょう・・・」


「開けるのじゃぁ~」


「こうもあっさり塔を攻略してしまっては面白くないのぉ~そうは思わんか?」


 攻略って言うか。一っ飛びして、塔の天辺から持って来ただけですよね?


「夜の女王様方よ。これでは塔の意味が・・・」


「空を飛べぬ者の為に階段が存在する様に妾には翼がある。妾に塔の意味等始めから無い。そうは思わんか?」


「た、確かに・・・」


「おい。ロイク。創造神の厭らしいスキル【フリーパス】でお前は何処でも自由に出入り可能なのじゃぁ~。さっさと開けるのじゃぁ~」



 2つの宝物庫?小さな金庫の中には、【愛の管理者の鍵】【愛の管理の核】【愛の管理の心得】と、【憎の管理者の鍵】【憎の管理の核】【憎の管理の心得】が収納されていた。


 おかしな事に、愛と美の修練の塔の天辺にあった宝物庫の中に、憎と美の修練の塔の鍵と核と心得が収納されていた。これだと、どちらかの塔を攻略すれば・・・。置き間違えじゃない。きっと意図があるんだと思う。たぶん・・・。



 愛の管理の心得と憎の管理の心得は、神授スキルの一種の様だ。神授スキルが直径1.5cm程の透明なクリスタル(水晶)と漆黒色のクリスタル(水晶)の中に付与封印されていた。


 俺は、タブレットに収納した。触らない方が良い感じがしたからだ。


≪WELCOME ≪女の子の可愛い声≫


 タブレットが語り出した。


≪PROGRAMを更新しました。


≪souzoushin+2_ver.1.01_kaihou+3


≪新機能の説明を開始します。【迷宮管理】とは、該当する迷宮の鍵、該当する迷宮の核、該当する迷宮の心得を所持する管理者として資格を有する存在にのみ神授される神気スキルです。1部の下界では神授スキルとも呼ばれます。


「だそうです。皆さん聞こえましたよね?」


「はい。ロイク様」


「おぅなのじゃぁ~」


「・・・面白くない。つまらぬと思わぬか?」


「2つの塔の管理者に婿殿が成ったのか?」


「何が起こったのかいまいち良く分からないので確認してみます。『画面選択』:100インチ・『表示座標』:俺達の目の前・『表示方法』:1画面・『表示対象』:俺が管理している迷宮」


≪・・・表示しました。


「ロイク様。愛と美の修練の塔と、憎と美の修練の塔は分かるのですが、信仰の迷宮、地の迷宮、水の迷宮、火の迷宮、風の迷宮、湖底の迷宮、嘆きの迷宮、火口の迷宮は、どういう事でしょうか?」


「さぁ~・・・」


「旦那様よ。旦那様は、創造神に多くの管理を任されているのではなかったのか?」


「色々任されてますね」


「例えばの話だが聞きたいか?」


「えぇ。お願いします」


「創造神が旦那様に任せた迷宮の管理は出入りする存在を管理する物だとして、此度の管理は迷宮の内部を管理する物だとしたらどうなる。同じ管理者でも外部を管理する者と内部を管理する者では違うのではないのか?」


「なるほど。それなら、『表示対象』:内部の管理者が俺になってる迷宮」


≪・・・表示しました。


「ロイク様。愛と美の修練の塔と、憎と美の修練の塔は分かるのですが、風の迷宮はどういう事でしょうか?」


「アルさん。俺にもサッパリ分かりません。『表示対象』:3つの迷宮の詳細情報」


***********************


【愛と美の修練の塔】※試練クリア※

 管理者:ロイク・ルーリン・シャレット

 責任者:ロイク・ルーリン・シャレット

 前管理者:魔鼠の王ザラストロ

 前責任者:愛憎の女神

 ※仮登録中です※


【憎と美の修練の塔】※試練クリア※

 管理者:ロイク・ルーリン・シャレット

 責任者:ロイク・ルーリン・シャレット

 前管理者:魔鼠の王ザラストロ

 前責任者:愛憎の女神

 ※仮登録中です※


【風の迷宮】※譲渡(住居の礼)※

 管理者:ロイク・ルーリン・シャレット

 責任者:ロイク・ルーリン・シャレット

 前管理者:アランギー・フゥファニー

 前責任者:アランギー・フゥファニー


【信仰の迷宮】※実効支配者※

 管理者:創造神

 責任者:創造神

 ※24年間に渡り実効支配し続けた※


【嘆きの迷宮】※正統後継者※

 管理者:創造神

 責任者:創造神

 前管理者:邪の女神

 前責任者:邪の女神


***********************


「なるほど・・・」


 実効支配者とか、正統後継者っていったい何の事だ?


「なぁ~。それで、これから何をするのじゃぁ~?」


「妾にも分からぬ・・・旦那様よ何をする気か?」


「何って、再構築の予定です」


「それをどうやるのじゃぁ~?」


「ロイク様?」


「う~ん・・・」


「婿殿。朕は2つの塔を管理してました。何かお役に立てると思いますが・・・」


「おぉ~そうですよ。ザラストロさん。まず、何から始めたら良いんでしょうか?」


「愛憎の女神より管理を任された時は、核に管理者登録しました」


「なるほど。管理者登録ですね」


≪・・・管理者登録を開始します。


「え?」


≪・・・愛と美の修練の塔の管理者として正式に登録しますか?


「婿殿正式に登録してください」


「なるほど。正式に登録」


≪・・・認証中・・・管理者として正式に登録。認証されました。責任者として正式に登録しますか?


「えっと。はい」


≪・・・認証中・・・責任者として正式に登録。認証されました。憎と美の修練の塔の管理者として正式に......



 俺は、無事に2つの塔の管理者と責任者になった。


 タブレットの指示に従い作業を進める俺達。


「なぁ~。愛と美がテーマなのじゃぁ~。愛と美の修練の塔の1階は、天井も床も壁も全面鏡張りにしたいのじゃぁ~」


「なるほどのぉ~。それならば、妾は憎と美の修練の塔の1階を、光の届かぬ闇の世界にしたいと思うのだがどうだろうか?」


「この塔って何階まであるんだ?」


「婿殿。階も広さも管理者の自由です。愛の塔の見た目は28階で、憎の塔の見た目は35階になっているはずです」


「見た目って事は中は違うって事ですよね?」


「はい。愛の塔は108階で、憎の塔は66階です」


「憎の方が低いけど、見た目は高いのか」


「一度だけ憎の塔を体験した事があるのですが、朕は42階で挫折しました」


 魔鼠の王が挫折するレベルの塔や迷宮か。・・・はっきり言って存在する意味が無いな。この世界の底上げに成らない気がする。難易度を下げた方が良いか。・・・よし、それなら。


「愛も憎も天辺。屋上を60階にします。各フロアーの広さは5万㎡位にして、各フロアーにはBOSS部屋を1部屋、トイレを20部屋設置。BOSS部屋の手前の部屋は安全地帯にしましょう。トイレも安全地帯で良いですよね?」


「安全な場所が試練の地に?」


「ザラストロさん。トイレ位は落ち着いて済ませたいじゃないですか」


「確かに、そうかもしれませんが・・・試練ですよ!?」


「挑ませてそれなりに良い感じの人達を間引くのが目的じゃないし、頑張れば攻略出来る位にしておかないと」


「ロイク様。私は神鳥です。トイレはそんなに重要ですか?」


「そう言えば神様って摂取はするけど排泄はしないんでしたね」


「はい」


「妾も夢魔族故か尿意も便意も存在せぬ。知らぬのか?」


「へぇ~」


 ・・・悪魔種もそうなのか。


「トイレとは美味いのかぁ~なのじゃぁ~」


 ・・・。


「えっと、各階に最低1つは設置って事でお願いします」


「妾は、良い事を思い付いたと思わんか?」


「えっと何でしょう?」


「BOSS部屋の前の安全地帯にシャワー付きのバスを設置しよと思う。名案では無いか?」


「おぉ!ならばコミックコーナーとスナックコーナーも欲しいのじゃぁ~」


 ・・・もう、好きにしてください。



 29時40ラフン()。2つの塔の再構築を何とか終える事が出来ました。

ありがとうございました。

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