表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー1ヶ月間の軌跡ー・ーアンデット編ー
147/1227

3-13 爵位と階級と衝撃の日③~最高意思決定機関~

リーファ(R)歴4075年8月1日。無の日。

「サンドラ。君が49歳だった時は終わったね。君は2月24日生まれの24歳。それで良いね」


 ステータスを見たままですね・・・。


「わ、私は24歳なのですか?」


「何を言ってるね。2月24日生まれの24歳だね」


 妙に拘ってる様だけど・・・・・・。あぁ~、24日と24歳を無理矢理掛けて御満悦なのか。そのドヤ顔止めてください。お願いします。


「フォルティーナ様。娘が24歳に成ったと?」


「同じ事を何度も言うのは嫌いだね」


 嘘だ。


「こ、これは申し訳ございません」


 剣聖ボードワン天爵殿下は謝罪の言葉を口にした。


「まぁ~。そんなに気にしてはいないね。ハッハッハッハ」


 だったら、態々言わなくても良いだろうに・・・。


「そ、それは、ありがとうございます」


「気にする必要はないね。良い事を思い付いたね」


「どの様な事でしょうか?」


 俺は、一瞬背筋に冷たい物が走った気がした。



 まさかな・・・。


「ボードワン」


「はい」


「ドミニク」


「はい。女神様」


「イヴァン」


「はい」


「サンドラにも確認しておいた方が良いね。サンドラ」


「私もですか!?」


「良い事を思い付いたね」


 俺をチラ見しながら、ニヤニヤとほくそ笑むフォルティーナ様。駄目さ加減がかなり板に付いて来た感じだ。


「「「「お聞かせください」」」」


「これはだね。神授でも神託でも無いね。だがだね。あたしは神だね」


「「「「はい」」」」


「サンドラ。君は今はまだユマン()族だね」


「はい」


ユマン()族として、ロイクの子を生むね」


「はい。・・・はぁ~っ!?」


「はい↑?・・・フォ、フォルティーナ。またですか。いつもいつも突然何言い出してるんですかぁっ!」


 背筋の悪寒の正体はこれだったか・・・。


「言葉を間違えたね。サンドラ。君はロイクの嫁になるね。そして、子を生すね。結婚は先でも後でもどっちでも良いね。要するに子供が生まれればそれで良いね」


 言い直しても、意味同じだし・・・。子供が生まれれば良いって。それ全ての女性を敵に回しますよ。フォルティーナ・・・。



「お、お、おぉ~。めでたいではないか。サンドラ。良かったなぁ~。嫁ぎ先を、神様に決めていただく事等、なかなかどうしてそうそう無い事だぞ。剣の道に生きるお前も良いが・・・良かった。実に良かった。有難い話ではないか。ハッハッハッハ。フォルティーナ様。ありがとうございます」


 剣聖様!・・・悟ってたんじゃ・・・。


「叔父上。サンドラの貰い手がいないと嘆いていた事が嘘の様です。嬉し過ぎて涙を隠せません。あのやんちゃ娘に嫁ぐ日が来ようとは・・・おいおいおいおい」


 聖王イヴァン様は、心の底から喜びの涙を流している様だった。


「サンドラ。良かったわね。母親として貴方を誇り思える日が来るとは思いませんでした」


 自分の子供が剣聖って、とっても誇れる事だと思います。・・・ドミニク夫人。


「御母様。御父様。聖王様。私は剣の道に我が身を捧げJOB剣聖を神授していただくまでになったのです」


「剣の道は剣の道です。24歳まで若返ったのですよ。二度目の人生まであなたは棒に振る気ですか?創造神様の御力によって25歳も若返ったのですよ。これは創造神様による御導です。いえ、御意思です」


 これ、創造神様は関係無かったはずだけど・・・?


「そうだぞ。サンドラ。父の命令だ。ロイクの嫁に成れ」


 剣聖ボードワン天爵殿下様!?・・・そうだぞって、分かって無いですよね?


「聖王として降嫁を許す。サンドラ。ロイクの下へ嫁ぎ剣聖のその先を目指してみてはどうだ」


「イヴァン。じゃなかった聖王様っ!今、剣聖の先と仰いましたかぁっ!?」


「サンドラも知っていると思うが、来たる日に備えロイクの下には人智を超えた兵達が集っておる。お前もそこで腕を磨いてみてはどうかね」


 嫁?修行?・・・皆、話が噛み合って・・・。


「アシュランス王の下で修行ですか・・・ブツブツブツブツ......

 あの日(・・・)、屋上で見せていただいたサンシュヴァリエ(聖騎士)の剣技【尖突の剣風(せんとつのけんぷう)】は、本来大剣技。アシュランス王はそれを短剣で再現してみせた。あれはとても美しく見惚れてしまった。何よりもあの後、いとも簡単にサンシュヴァリエ(聖騎士)の剣技【剣衝の怒涛】を再び扱える様になっていた。・・・もし再び剣衝の怒涛を扱える様になった時には、御傍に御仕えすると誓った。やはり、あれは剣聖として騎士としての言葉になってしまうのだろうか。

......ブツブツブツブツブツ。ロイク様ぁっ!私は剣聖であり騎士です。騎士にとって誓いは精神その物です。自らの宣言通りロイク様の御傍に御仕え致します」


「うんうんだね。それが良いね。だが、先に子供だがね」


 ・・・それ、腕磨けないですよね?・・・それに、今の流れはどちらかと言うと弟子としてですよね?


「サンドラ。兄として心配していたがやっとお前にも春が来たのだな」


「サンドラ叔母様」


「サラ。私は・・・」


「何だかとっても若々しくなったと思っていたのですが、まさか24歳になっていただなんて驚きました。私は9月に誕生日を迎えると22歳です。2歳しか違わなくなってしまったのですね」


「良いのか?私がお前より先に・・・」


 剣聖サンドラ王女の言葉を遮る様に、フォルティーナが喋り出す。


「サラ。君は何を言ってるね。創造神公認の許嫁もバイルやメアリーと同じだね。誕生日は迎えても何も変わらないね。数えるだけ虚しくなるね」


「もしかして、テレーズもアリスもパフさんもバルサさんもメリアさんもカトリーヌさんもバジリアさんもエルネスティーネさんもですか?」


「何を聞いてたね。さっきロイクは公認の嫁や許嫁と言ったね」


「皆さん同時に喋り出し・・・そうなのですね。(わたくし)ロイーナ(理外の民)なのですね」


「サラさん。バジリアさんはテネブル(闇樹人)族ですし、カトリーヌさんはフェアリー(妖精)種ですし、私はエルフ(樹人)族なので、ロイーナ(理外の民)になる前から長命ですけどね」


「まぁ~何だね。後で話し合うと良いね。エルエルやバルバルやパフパフやテレテレやアリアリは20歳にもなっていないね。もう少しだけ成長した姿が希望ならあたしに言うね。創造神に頼んで何とかしてやるね。ロイクに頼んだ方が早いと思うがだね。ハッハッハッハ」


「おおぉぉ―――神乳(かみちち)。良い事いうじゃねぇーかぁっ!まぁー成長してぇーのはパフパフだけなんだがなぁっ!ガッハッハッハッハ」


「なるほどだね。ハッハッハッハッハ」


「な、わ、私を見ながら笑わないでください!」


 2人は、パフさんとパフさんの胸と俺を交互に見ては、ニタニタと薄ら笑いを浮かべていた。


「心配いらないね。美乳だね美乳」


「そうだぞぉー。パフパフ。美・・・あぁー微乳だ。良い方のなぁっ!」


「わ、私はこれからなんです!」


「おぉーそうかぁっ!だったら神様に頼まねぇーとなぁっ!」


「任せるね。大船に乗ったつもりで待つね」


 大船ねぇ~・・・。



「それで、サンドラ。君はどうするね」


≪ガヤガヤガヤガヤ


≪ルーリン王家の者ばかりが優遇されてないか?


 そう思う人がいてもおかしくないか。俺も不満だらけなんですけどね・・・。


「甘いね。来たる日に備える存在はルーリン家だけではないね。つまり、創造神の恩恵がルーリン家のみだけだと考えるのは間違いだね」


≪ガヤガヤガヤガヤ


「フォルティーナ様。お答えしても宜しいでしょうか?」


 皆、脱線し過ぎなんですよ。


「剣聖サンドラ王女様の話を聞きましょう。皆に言ってやってください。今のは、神授でも神託でも無いんですから。ハッキリお願いします」


「私は、創造神様の御意思に従うつもりです」


「創造神様のですか?」


 創造神様の意志?・・・神授か何かがあったのか?


「はい」


 はい。って、・・・え?


「うんうんだね。まぁ~何だね。創造神の意思を何処で汲んだのかはしらないがだね。良い感じだね」


「ただ、気がかりな事が1つだけあるのです」


「あたしが力になるね。さぁ~言うね」


「ありがとうございます。それは、養子にしたクレマンの今後の事にございます」


「クレマンか。衝撃のロイーナ発言で、弟の事をスッカリ忘れていた」


 誰だったっけ、この人。


「ジャマル御兄様」


 あぁ~。サラさんのお兄さんか。


「ジャマル御兄様。クレマン御兄様はもう24歳です。立派な大人です。一生1人でも生きて行けます」


「サンドラ叔母様と同じで剣と戦う事に長けてるからな。一生1人で生きて行く位訳ないか」


「サラ。それに兄上。さり気無く酷い事言ってませんか?分かってて言ってますよね?」


「そうね。クレマンなら一生1人でも平気よね。強い子ですもの」


「母上まで・・・」


「サンドラの下へ養子に出したとはいえ、お前が私達の子供である事に変わりは無い。1言だけ言わせてくれ。父上が良くサンドラに仰っておられた言葉だ」


剣祖父様(剣聖ボードワン)御師匠様(剣聖サンドラ)にですか?」


「そうだ」


「父上。是非、お聞かせください」


「良いだろう。クレマン。良く聞くのだぞ。剣の道を極めても子は生まれぬ」


「父上・・・」


「調度その頃だったかな。父上が、サンドラの結婚を諦めたのは・・・」


「剣の道と添い遂げたとして、精神的な孤独からは解放されるかもしれない。だが現実問題1人である事に変わりはない。私は30歳手前でその事に気付けたのだがサンドラは・・・」


「剣祖父様。御祖母様。父上母上。兄上。サラ。僕は剣が恋人だなんて1度も言った覚えはありません。一生1人で過ごす気もありません。分かりましたか?それと、もう1つ。兄上、僕の事忘れてたと言いましたが、さっきスイカの甘叩きゲームを一緒にやりましたよね?」


「・・・だったかな」



「サンドラ。クレマンだがね」


「はい」


「一生1人でも大丈夫だね。あたしが保障するね」


「あ、ありがとうございます。クレマン。貴方からもフォルティーナ様に感謝の言葉を」


「えっ?今の保障にでしょうか?」


「当然です」


「うんうんだね」



「あ、あ、ありがとうございます・・・」


 サラさんのお兄さん。ファイトです。これが神様なんです。



「クレマンか。サンドラの養子となり剣の道に励んでいたのであったな。スッカリ忘れていたぞ」


「聖王陛下まで・・・」


「悪気は無いのだ。許してくれ。ハッハッハッハ」


 剣の道を極めるって大変なんだなぁ~・・・。極める前に心が折れそうだ。


「うんうんだね。全て丸く治まったね」


「だなぁっ!」


「はぁ~?何をどうやって見たら、親父やフォルティーナには、そう見えるんですか?」



「良いかね。ロイク。創造神が公認する前にサンドラと子を生すね」


「そうだぞぉー。ロイクぅー」


「サンドラはルーリン家の女である前に剣聖だね」


「だなぁー。うん」


「それにだね。先祖を考えるね。そして、この先の事を考えるね」


「その通りだぁっ!。神乳良い事言うねぇーっ!」


「あたしにはだね。サラが公認される前にロイクと添い遂げる様に画策した。証拠も残さず隠した黒い過去があるね」


「おぉー。そうかぁっ!」


 ・・・会話に割って入る隙が無い。


「まぁ~なんだね。過ぎ去りし日々だね」


「だなぁー」


「何かこぉー。スカッと治まった感じだなぁっ!」


「あたしにかかれば、この程度熟睡中でも可能だね」


「すげぇーなぁっ!ハッハッハッハッハ」


「任せるね。ハッハッハッハッハ。さて、ロイク。話を続けるね」


「おぉーそうだ。まだ終わってねぇーよなぁっ!始めたからにはぁー。最後まで責任持って続けねぇ―となぁっ!(・・・)として恥だ恥ぃっ!」


「うんうんだね」


 恥って・・・邪魔してるの2人ですよね。・・・我慢我慢。って、俺何の話するつもりだったんだっけ・・・。忘れちゃったよ。えっと。


「フォルティーナ様。私が創造神様から公認をいただく前の時点で、ロイク様と私を結婚させようとしていたのは本当なのですか?」


「少し違うね。結婚はどうでも良かったね。あたしは子供が生まれればそれで良かったね。まぁ~。結局、創造神に先を越されてしまったがだね」


 フォルティーナ。貴方本当に女性の敵かも・・・。


「サンドラ叔母様も私もルーリン家の人間です。ルーリン家である必要があるのですか?」


「あれだね。(・・)が来れば分かる事だね。だがだね。あたしの画策は失敗に終わったね。まぁ~。あたしは前向きな方だね。別段気にしてないね。ハッハッハッハッハ」


「その通りだぁっ。人間後悔して凹む位なら、失敗したら笑って誤魔化しちまえだぁっ!あぁー何だぁっ。同じ失敗が続くと流石に凹むけどなぁっ!2時間位はぁっハッハッハッハッハ」


「未来の方が大切だね」


「だなぁっ」


「終わった事だね。サラも気にする必要はないね。生まれないものは生まれない。それだけの事だね」


 ・・・この2人、失敗から何も学べないタイプだ。1人は俺の父親。1人は創造神様から強制的に公認の嫁だと押し付けられた女神。


「も。・・・もしかして、私は子供が出来ない身体なのですか?」


「そうでは無いね。過ぎ去ってしまった時間の何処かで改めて子を生すのは神にも不可能だね。それにだね。サラ、君の子供は創造神やあたしや幾多の加護を与えられたロイクの子供でもあるね。ヒューム(人間)属を超越した存在として最初から存在する事になってしまうね。ロイーナ(理外の民)以上の超越した存在だね」


「そうなのですか、良かったです。子供は出来るのですね」


 ・・・サラさん。ちゃんと聞いてください。ヒューム(・・・・)じゃ無い超越した存在が生まれるって言われてるんですよぉ~。


「サンドラ。君は急ぐね。後々、創造神の奴は絶対に追認で公認されてしまうね。その前に、子を生すね。分かったかね」


「えっと、どう返事をしたら良いのか・・・」


「・・・決めたね」


「何をでしょうか?」


 剣聖サンドラ王女様。真面目い対応するだけ無駄ですよ。・・・もう少し会話していれば気付くと思います。


≪ガヤガヤガヤガヤ


「めでたい大樹の月に2人の結婚式を行うね。この際、出来ちゃった婚でも何でも良いね。時間との勝負だね。負ける訳にはいかないね。あぁ~、序でだね。精霊のミューとあたし達(嫁’s)も一緒に結婚式で花嫁をやるね」


「ねぇロイク」


「はい、なんでしょう」


「結婚式は、料理を食べてケーキを食べるお祭りよね?」


「食べたり飲んだりするのは披露宴で、結婚式は創造神様や神々様に誓いを立てたり、夫婦になる2人が互いにけじめを付ける為の儀式って感じかな」


「そうなのね。私は披露宴の方が良いわ」


「ロイク様。私は両方やってみたいです」


「アル。両方まとめてやる事をだね。結婚披露宴と言うね。アスピー。これなら、両方楽しめるね」


「・・・フォルティーナ。結婚式では創造神様や神々様に何を誓うのかしら?」


「そんな重い物はいらないね。誓われる身にもなるね。それにだね。あたし達に誓ってどうするね。嫌味かね?誰が誰と結婚しようが神は気に等しないね。好きにするね」


 こいつ・・・神々様の価値を下げる為に存在する女神様だったんだな。


「私は、披露宴。食事会で良いわ」


「マルアスピー。それって、結構な頻度でやってる気がしませんか?」


「それもそうね」


「私はマルアスピー様と同じで食事会だけで・・・」


「マリレナは神を軽視する訳かね」


「そう言う訳では・・・」


「誓われたり報告されるのは嫌味なんですよね?要らないんですよね?」


「その通りだね。・・・・・・気付いてしまったね」


 どうせくだらない事だろうけど。


「何にですか?」


「結婚式を挙げない事。これ即ち創造神や神への最大限の敬意だね」


「はぁ~?」


「言った通りだね。誰が誰と結婚しようが幸せになろうが神はそんなのはどうでも良いね。気にしてないね。いちいち報告されても困るね。そうだね。分かったね。運の女神信仰では、夫婦は結婚式では無く披露宴とギャンブルで未来を占うね。運も夫婦には必要だね」


「が、頑張ってください・・・」


 余談だが、結婚式イコール教会や大聖堂で挙式するという伝統は、世界創造神創生教(旧教邪教)によるイメージダウンもあって過去の物となり、それに代わる様に、数年後のコルト下界では、結婚式イコール幸運の神殿でギャンブルを楽しみながら飲食を楽しむ披露宴のみ形式が主流になる。


 フォルティーナが新郎新婦の【LUK】を裏で操作し、適度に勝たせる不正を行い信者を増やす行為は、神の世界ではポピュラーな営業の1つで神界の理や神の理として認められているらしい。



「おんや。幸運の神殿で披露宴とは名案ですなぁ~。はい。ですが、名案は少し先の話。今は10月と3月。パトロンロイク殿の結婚披露宴(パーティー)は盛大に1年位騒ぎましょうぞ。はい」


 1年って・・・。


「全て妖精のお仕事(・・・・・・)にお任せあれ。最高のパァーティー――っと、究極至極の料理で盛大に祝いましょうぞ。いやぁ~腕がなりますなぁ~。はい」


「「「「「ウィーchefアランギー」」」」」


「私のデザートもね」


「おんや。パトロンロイク殿の奥方よ。貴女がパーティーのヒロインの時だけはデザートも私達にお譲りください。はい」


「「「「「お願いします」」」」」


「そうね」


「2柱様や精霊様に祝福していただけるとは、娘に代わりお礼を申し上げます。フォルティーナ様。アランギー様。マルアスピー様」


「ボードワン。気にする事は無いね」


「そうね」


「さてさて、パトロン殿の奥方になられるサンドラ殿の養子クレマン殿をどうするかですなぁ~。はい」


「簡単だね。ロイクの義理の息子として、サンドラと一緒にアシュランス王国に来れば良いね。修行し放題は魅力的だね。ロイクの眷属になって来たる日に備えるのもありだね」


「ファルティーナ様。それでは、サラの兄が、サラの義理の息子になってしまいますが・・・」


「ボードワン。何を言ってるね。それは当然の話だね。ロイクの義理の息子になる事はだね。つまり、ロイクの嫁つまりあたし達(嫁’s)の義理の息子に成る事だね。おっ。つまりあたしの義理の息子でもあるね。・・・クレマン」


「は、はい。フォルティーナ様」


「あたしは、今日から君の母だね。御母様とお呼びだね。まぁ~何だね。母としては厳しい方かもしれないね。だがだね。それは優しさ故の厳しさだね」


 今日からって・・・。放任全力全開は年齢によって厳しいかもな。


「は、はい・・・」


「うんうんだね」


「何がうんうん何ですか。皆、呆れてますよ」


「何を言ってるね。アシュランス王国のルーリン・シャレット王家の世継ぎ問題に、ゼルフォーラ王国のルーリン王家の苦悩と、剣聖と弟子の未来を解決したね。ロイク、君はまた1人美しい女性を手に入れたね。あたしは最高の嫁であり母だね。ハッハッハッハッハ。だね。しかもだね。今回は世継ぎを急がなくてはいけないね。バイルの言葉を借りるとだね。ウハウハだね。うんうんだね」


「うん。その通りだぁっ!」


 父バイルは、爽やかな表情でサムズアップする。


 ・・・創造神様に相談する訳にもいかないしなぁ~。創造神様。フォルティーナが創造神様の事を奴って言ってました。聞こえていますよね?



「ねぇロイク」


「はい、なんでしょう」


「BBQが終わったら、嫁許嫁会議を開きます」


「そうなると思ってました」


「サンドラ。あなたに参加資格はまだ(・・)ないのだけれど、あなたも参加よ。皆良いわよね」


 家族会議。この家族会議の正式名称は【嫁許嫁(仮)家族平等会議】。代表はマルアスピー。議長は輪番制。議員は創造神様公認の嫁と許嫁。決議は全会一致のみ。今回の様に招致が頻繁に行わているにも関わらず俺の出席は禁止。


 ルーリン・シャレット家の最高意思決定機関だ。


≪はい (嫁’s)


≪仕方ありません (許嫁’s)


『ねぇロイク。これはチャンスよ』


 これの何処がチャンスなんですか?


『人間・・・属の子供が生まれるチャンスよ』


 必要ですか?


『・・・はい』


 マルアスピーが言うからにはチャンスなんだとは思う。だがしかしどうなんだろうぉ~。



 フォルティーナが腕組みしながら再び語り出す。


「それとだね」


「まだ何かあるんですか?」


「当然だね。神茶だがね。創造神や神々やロイクに感謝しながら心穏やかに楽しみながら飲む事で若返るね」


 ここで、お茶の話に戻る訳ですねっ!・・・流石はフォルティーナです。まぁ~。折角の情報だ。聞き出せる時に聞き出せるだけ聞いておこう。


 俺は、さも興味ある体で言葉を返した。


「そうだったんですか。それで、剣聖サンドラ王女様は若返ったんですね」


「あぁ~・・・それもあるね」


 何か隠してる顔だ。


「他にも理由があるんですか?」


「まぁ~あれだね」


≪是非、教えてください(男性陣)


≪フォルティーナ様。若さの秘訣をお聞かせください。お願い致します(女性陣)


「創造神の神授の通りだね。ロイクに協力していれば、もう1つの神授が解放されるね。其々に与えれらた神授の意味が分かるね。来たる日に備えるね」


≪ははぁ~(ほぼ全員)


 教える気が無いのか?・・・いや、知らない可能性が高いなっ!


 結局、何も聞き出せなかった。



「代表殿よ。この竜王。今の話に不満がある訳では無い。だが、ゼルフォーラ王国の者達ばかりが、優遇されている様に感じてならない」


「おんや。不公平は良くありませんなぁ~。はい。連合国家フィリーは創造神様や他の神々の名の下、一枚岩でなくてはいけません。はい。・・・ですが、そうですねぇ~。時間の理に干渉する事は、神であって難しいのですぞぉ~。はい」


 結構、意外に、なかなか簡単だって以前言ってませんでしたっけ?


「うんうんだね」


「その代わりと言ってはなんですが、ドラゴラルシム王国の王都ドルガと、ララコバイア王国の王都ラワルトンクと副王都トミーランに、幸運の神殿をプレゼントしましょう。建立費用はパトロン殿が負担しましょうぞ。はい。パトロン殿というのはですなぁ~。連合国家フィリー代表アシュランス王国国王ロイク・ルーリン・シャレット陛下の事ですぞぉ~。はい」


「おぉ~。スカーレットの幸運の神殿の噂は効いておる」


「私の国には無償で神殿を2つもいただけるのですか?」


「おんや。その通りですぞ。はい。それと税金に関してですがぁ~・・・。12%以上30%以下の範囲内。違反した際は、撤退する可能性がるとだけ言っておきましょう。はい」


「安心するね。聖人教会は残るね」


 だから、フォルティーナ。貴方の安心って言葉の使い方おかしい時ばかりです。学んでください。


「スカーレットでは幸運の神殿への税金はどの様になっているのですかな?」


「クロージャ。そんな事、あたしが知ってると思っているのかね?まったく」


「・・・我はただ税収を」


 フォルティーナ。そこ怒るところじゃないです。


「アランギー。教えてやるね」


「畏まりました」


「竜王クロージャ・ルードラゴ・ルーバーン。国王ヴィルヘルム・カトラ。聖王イヴァン・ルーリン。そしてその家族達よ。良く聞くのですぞ。はい」


≪はい。アランギー様(該当者)


「幸運の神殿は慈善事業の団体ではありません」


「うんうんだね」


「まず。アシュランス王国では、王国へ8%。王都へ4%。幸運の神殿へ御布施が11%。純利益から正創生教会、他の神々の神殿へ寄付が7%。孤児院や治療施設へ寄付が5%。難民移民待機施設へ寄付が3%です。はい」


「寄付金分を税金として納めさせるか、寄付金分を納税と認め税率を抑えるか、状況に合わせた対応が可能という事ですか」


「おんや。その通りですぞ。国王ともなると博識ですなぁ~。はい。それとお得な事に、工房ロイスピーの販売店も同時に幸運の神殿内に出店する事になりますぞ。はい」


「それとだね。ロイクが、ドラゴラルシム王国とララコバイア王国の港湾整備と転移魔力陣網の整備も喜んでやるね」


 また、勝手な事を・・・。


「代表殿よ。竜宮に設置した魔力陣の他にも設置して貰えるのだなぁっ!」


 ・・・フォルティーナ。何、勝手に約束してるんですか!


『ドラゴラルシム王国内だけのネットワーク。ララコバイア王国内だけのネットワーク。2つの国はだね。海洋国家だね。国内の移動が便利になるだけで感謝するね』


 それで?


『国民からの支持を得るのは、竜王や国王で良いね。ロイクが支持される必要は無いね』


 それで?


『ここからが味噌だね』


 味噌ですか・・・。一応、聞いておきます。続けてください。


『ドラゴラルシム王国とララコバイア王国の聖人教会の転位陣は、王都スカーレットの各聖人教会と大聖堂と各神殿とだけ繋ぐね』


 それ位は簡単に設定できますがぁ~・・・。またどうして?


『本当はだね。あたしの神殿だけが理想だね、ウハウハだね。だがだね。露骨過ぎるのは良く無いと思ったね。苦渋の決断をしたね』


 ・・・やっぱり、この人。あれ(・・)な人だ。


 そうなんですね。頑張りましたね。


『全くだね』


 転移先かぁ~。どうせ増えるならぁっ!


 転移先ですが、ちょっと色を付けても良いですか?。


『自由にするね』


「竜王陛下。国王陛下。転移用の魔力陣・魔法陣は、大聖堂と、先日建立したばかりの聖人教会に設置したいと思います」


「ゼルフォーラ王国やアシュランス王国と同じという訳か」


 微妙に違うけど別に説明する必要はないかな。


「我がララコバイア王国は海洋国家。聖人教会間での移動が可能になれば、物流に大きな革命が起きますぞ」


 仕事を失う人も出ると思いますが、それ以上にメリットがあるんで頑張ってください。さてと、説明を開始するかな。


「転移先の説明をします。まず、ドラゴラルシム王国に新たに設置する転移用の魔力陣・魔法陣からです」


「うむ」


「王都ドルガの【ドルガ大聖堂】【ドラゴラルシム中央聖人教会】【ドルガ聖人教会】。ガイア市の【ガイア聖人教会】。セウス島の王都ドルガに面した集落の【臨時の聖人教会】。この5箇所に設置します。この5箇所間は相互移動設定にします」


「竜宮へは移動出来ないのか?」


「宮殿に誰もが自由に出入りしても良いのであれば可能です」


「そ、それは困る。だが、竜宮から新たに設置する5箇所へ移動出来る様にして欲しい」


「分かりました」


「頼んだぞ」


「そして、新設する5カ所からは、連合国家フィリーの本部があるアシュランス王国の王都スカーレットの聖人教会、大聖堂、神殿、俺が管理する各地の迷宮の受付へ、移動出来る様にします。それと、竜王家にルーリン・シャレット家から転移用の魔力陣・魔法陣で物を移動させる為に必要な箱を1つプレゼントします」


「箱?」


「そうです。2tまで収納出来る。ファルダガパオです」


「それは有難い。礼を言うぞ」


「お待たせしました。カトラ国王。ララコバイア王国に新たに設置する転移用の魔力陣・魔法陣ですが、王都ラワルトンクの【中央聖人教会】【王宮内王族聖人教会】【東部聖人教会】【西部聖人教会】。副王都トミーランの【トミーラン大聖堂】【旧王国中央聖人教会→トミーラン中央聖人教会】【旧奴隷専用教会→トミーサス歴史資料聖人教会】【トミーラン聖人教会】。ララコバイア王国のサーフィス市の【海岸聖人教会】【R・サーフィス聖人教会】。ジェリス市の【ジェリス聖人教会】。カトラ市の【カトラ聖人教会】。この12箇所に設置します。相互移動と別途移動出来る場所はドラゴラルシム王国と同じです。それと、王家にルーリン・シャレット家から同じ機能の箱を1つプレゼントします」


「感謝します」


「言い忘れてましたが、転移用の魔力陣・魔法陣と港湾整備は、家が負担しますが、道や河川や城壁や外壁の整備は有料になります。価格は従来の10分の1以下。交渉には応じます」


「うむ」


「国に持ち帰り検討してからの返答になってしまうが良いか?」


「勿論です」


「おんや。交渉成立ですな。はい。時に、2人はアシュランスカードという物を御存じですかなっ?・・・はい」

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ