3-2 エグルサーラ調査の日①~大型魔獣の楽園~
リーファ歴4075年7月28日、光の日。
アシュランス王国の人口は、3200万人以上。内訳は次の通りである。
スカーレット州王都スカーレットは、州の全域を王都内にする王都スカーレットのみの自治体で人間種8種族が共存する。人口は800万人以上。世界第1位の規模を誇る大都市である。
フィーラ州は、大樹の森へと復帰した旧ワワイ大森林とワワイ湾に囲まれた州都フィーラのみの自治体で樹人族が多く居住する。人口は400万人以上。アシュランス王国の副王都である。
カトムーイ州は、獣人族が多く居住する州都カトムーイを中心に、人口は600万人以上。ヴァルオリティア帝国の帝都ガルガンダが消滅した事で、世界第2位の都市に繰り上げされた州都カトムーイの他に規模の大きな衛星集落【副都】が3つ。大樹の森と【カライ川】に面した内陸部の都市【ソフィリス】。州都カトムーイの北東約20Km海に面した都市【マナエンヌ】。マナエンヌの北約25Kmゼルフォーラ砂漠と海に面した都市【レジナット】。レジナットは【ゼルフォーラ砂漠東の玄関口】でもある。衛星集落は【カトムーイ平野】内に多数存在する。
ダカイラ州は、小人族が多く居住する州都ダカイラを中心に、人口は200万人以上。【ゼルフォーラ砂漠西の玄関口】【採掘の玄関口】【都市国家始まりの地】【鍛冶師の桃源郷】と他にも多くの通り名を持つ。衛星集落は、建設されたばかりの副都【ビヤンピール】と規模の小さな集落が多数存在する。
ククイム州は、妖精族や魔人族が多く居住する州都ククイムを中心に、人口300万人以上。ワワイ湾とゼルフォーラ湖を繋ぐ巨大運河が州都の中央を横断している。その気になれば、下流に存在するヴァルオリティア帝国のヴァルク、ミック、アンガーレムに船を使い移動する事も出来る。規模の小さな衛星集落が多数存在する。
ゼンスタード州は、小型化の魔導具の力を借り人間族化した巨人族や魔人族が多く居住する州都ゼンスタードを中心に、人口500万人以上。地上の市街地よりも遥かに広大な市街地が州都の地下に広がっている。絶賛調査中である。また、大小様々な衛星集落が多数存在し、ヴァルオリティア帝国と国境を面している事から警備防衛面で早急の対策が必要な地域の1つでもある。
ラクール州は、ゼルフォーラ湖の西の畔に位置し旧帝国民が多く居住する州都ラクールを中心に、人口400万人以上。ゼンスタード州同様、大小様々な衛星集落が多数存在し、帝国と国境を面している事から警備防衛面で早急の対策が必要な地域の1つである。
アシュランス王国は全ての州において、急激な人口増加の問題を抱えている。また、ゼルフォーラ王国と同様で山や森や海や湖や川の管理は王国が行っている。中空の離宮は例外である。
そして、エグルサール州は、運を司りし遊びの女神フォルティーナが王国に無理矢理併合した島である。【竜の爪痕】と呼ばれ人間種が近付く事の無い島その名は【嘆きの島】。【旧大陸エグルサーラ】の山脈の一部が海に突き出し現在の島の形になったと語り継がれている。
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ラグーンか・・・
これは、復旧復興と発展。趣味趣向を追求した約1ヶ月間の気楽な物語かもしれない・・・。と、いう事で、日と時間をほんの少しだけ遡り・・・日付は......
――― R4075年7月28日(光)
俺は、家族皆でエグルサーラ州にやって来た。神授スキル【フリーパス】で一緒に移動出来るのは、神授スキル【FORMカード】に登録し、家族カードを発行した者だけだ。フリーパスにおける家族とは、FORMカードに登録し家族カードを発行している者の事をさしている。そして、当然の事の様に、創造神様公認の嫁や許嫁の皆は所持している。
海・森・山。嘆きの島にはそれしか存在していなかった。海水浴を楽しみに、それだけを目的に付いて来たとしか思えないアリス、テレーズ、バルサ、トゥーシェ騒がしい方と、フォルティーナは、美しく綺麗なプライベートビーチを想像していた様だ。だが、残念な事にこの島に砂浜は砂の1粒も存在していなかった。しかも陸から1歩海へ生み出すと180m~200mもの水深へ誘われる。そんな状況だった。
入り江の景色は良い。内陸部を見上げる景色もそれなりで申し分ない。緑溢れる火山島・・・自己主張の激しい自然豊かな州だった。
「木と海と山だけなのじゃぁ~」
「そうですね!」
「いつもの場所でも見られるのじゃぁ~」
「そうですね!」
「それに、寒いのじゃぁ~」
「そうですね!」
「つまらないのじゃぁ~」
「そうですか?」
「帰るのじゃぁ~」
「あたしも帰るね。暇じゃ無いね」
「ゼルフォーラ王国軍と家の軍の合同演習の前に家の軍だけでの最終確認があるらしいのよ。気になるから私も帰ります」
「母の書籍店が転移用の魔法陣・魔力陣を利用した運送会社と提携して書籍の販売を開始するそうなので、仕入れと在庫整理を手伝うと約束してしまいましたので、ロイク様。マルアスピー様。私もスカーレットにお先します」
「えっと。結局戻る人は誰と誰?」
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パフさんは母親の店の手伝い。アリスさんは共同演習の打ち合わせ。バジリアさんは新規編成された警備隊の指導。トゥーシェ騒がしい方は詰らないから早退。マルアスピーとメリアさんとカトリーヌさんは商品開発。サラさんはゼルフォーラ王国大使館に用事。エルネスティーネさんは欠席。トゥーシェ女王様は欠席。アルさんは欠席。7人を連れてフォルティーナは帰って行った。
俺は、テレーズさん、バルサさん、マリレナさんと、島を調査する事にした。
「地下0階より危険な場所は、この世界に存在しないと思いますが気を抜かず行きましょう」
「「はい。ロイク様」」
テレーズさんとバルさんは何故かとっても楽しそうだ。
「私は下界干渉制限がマルアスピー様より厳重らしいですよ」
「マリレナ様は、創造神様からの神授で精霊様になられたのですよね?」
「はい。突然なっちゃいました」
「精霊様や神様に成られた人を始めて見ました」
「はい。私も初めて精霊に成りました」
精霊様に成る人を見るのも、精霊様に成ってしまう人もそんなに多くないと思う。
「バルサさん。マリレナ様。お喋りは歩きながらでお願いします。サクッと調査を済ませてサッサと帰りましょう」
「「「はい」」」
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大樹の森よりは深く無く。大樹の森に戻りつつあるトミーサス大森林よりは確実に深い森。森と呼ぶべきか山と呼ぶべきか深くは無いが険しい道無き道を南に見える山の頂上を目指し歩いている。
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「テレーズさん。私は獣人族でも獅子族なので森や山岳地帯は苦手な方です」
「そうなのですか?苦手なのですよね・・・それにしては、随分足取りは軽いですし、楽しそうですが・・・」
「それはですねっ!私、コルト出身じゃないですか。コルトって大樹の森が比較的近くにありますが、素人が許可無く森に入るのを厳しく禁止してるんですよ。なので、森や山を歩くのって憧れだったんです」
皆が敬遠する場所が憧れって凄いなぁ~・・・
「そうなのですね。私は、騎士団の森林演習に参加し、東モルングレーの森へ2度程行った事があります。・・・この森は・・・何十倍も険しい様な気がします」
「森とか山ってみんなこんな感じじゃないんですか?」
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楽しそうなバルサさんと、そうでは無いテレーズさんの会話を聞きながら、森の中を1時間程進んだ頃だ。マリレナさんが2人の会話に興味を持った様で会話に加わった。
「そうですねぇ~。大樹の森や旧ワワイ大森林と比べると穏やかで環境の良い過ごし易そうな森の様ですよね。空気も美味しいし、生命力に溢れている感じも良いですね。ですが、ゼルフォーラ王国にあるあの有名な名を持たざる森や旧トミーサス大森林と比べると少し険しい感じでしょうか。急斜面の森は居住するには不便ですが、戦うのにはとっても適しているんですよ」
「森での戦いは、樹人族や獣人族の十八番ですよね?」
「森や山が得意な獣人族の猿や猫ならそうだと思いますが、私は草原や平野の方が得意です」
「猩々族や小猫族なら、私達風の樹人族よりも森に特化していると思いますよ。でも、この森は標高が一気に高くなる様ですし、どの種族にも厳しい環境かもしれませんね」
「精霊様で、高位樹人族でもあるマリレナ様でも厳しい森なのですか?」
「高位樹人族だったが正解なのですが・・・そうですねぇ~。おそらくですが、前の私でもここは厳しい森ですね。でも、この森が語り掛けに応じてくれる森なのでしたら、案外平気かもしれないですよ」
「語り掛け!?」
「マリレナ様は森とお話が出来るのですか?」
「はい。語り掛けですバルサさん。あくまでも高位樹人族だった頃の話で、今は風の精霊になってしまったので、森の声が聞こえ無いみたいです」
「進化されて失った力もあるのですね」
「テレーズさん。森の声は聞こえ無く成ってしまったようなのですが、1つの声だった以前と比べ、今は個々の小精霊達や子供精霊達の姿が見え声が聞こえる様に成りましたので、力としては強化された感じなのですよ」
「精霊様は自然の力の属性の象徴・・・山や森の中の沢山の声が聞こえるのですね。羨ましいです」
「マルアスピー様のレベルになると、その場に居ながらにして遠く離れた地の精霊と話を楽しんだり、状況を把握する事も出来ると思います。ですが、私は新米なのでその場に自分自身が存在している必要があるみたいです。げんに近付いて初めて子供精霊達の存在に気付けました」
「それでも凄いです」
「はい。凄いです。マリレナ様。私の周りに精霊様はいますか?」
「バルサさんの周りにはいませんね」
「そうですか・・・残念です」
「この森に精霊様は沢山おられるのですか?」
「・・・そうですねぇ~・・・ロイク様の周囲にとても沢山群がってますね」
そう、この森に1歩踏み込んだ瞬間、俺の周りには化現出来ない精霊様の子供達や成り立て達が集まり出していた。強い神気に惹かれ本能的に集まって来た様だ。
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更に1時間程進むと前方に大きな違和感を覚えた。
「うん?・・・テレーズさん、バルサさん、マリレナさん。今迄感じた事の無い大きな何かが4つ前方から近付いて来てるみたいです」
「大きな何かですか?」
「そうです。バルサさん。戦闘の準備をしてください。たぶんですが魔獣です!」
「はい」
「マリレナさんは、俺の傍に!テレーズさんは矢をっ!」
「「はい」」
「あっ・・・いや、抱き着かれると身動きが・・・」
「お傍に居ろと」
「ロイク様。正体不明な何かが接近しつつある時に、何をされているのですかぁ~!」
弓に矢をセットしながらテレーズさんは、マリレナさんと俺を非難する様な冷たい視線で見つめた。イヤ、俺だけかも・・・
今は状況把握を最優先しないとっ!
「話は後です。このメンバーだと前衛はバルサさん。側衛はテレーズさん。俺は中衛と後衛です。マリレナさんは干渉規制の解除がまだ進んでいないので戦えません。俺が護りながら、2人に支援します」
「分かりました」
「はい。ロイク様は攻撃には参加しないのですか?」
「ありがとうございます」
「まずは、正体を見極めたいので、攻撃はテレーズさんとバルサさんにお任せします」
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≪ボッヨォ―――ン ボヨォン
≪プルンプルン ブルルルン
≪ポヨンポヨン
≪プルン
「ロイク様。これはいったい何でしょうか?」
「えっと・・・ですねぇ~・・・」
目の前に現れた4匹の大型魔獣を俺は視認する。
「ジュルム・・・みたいです・・・」
「はぁ~?これがジュルム・・・で・す・か・・・!?」
「そうみたいです」
「冒険者ギルドで働いていましたが、ジュルムに巨大な種が存在する何て聞いた事が無いです」
「でも、4匹ともノーマルジュルムみたいですよ・・・しかもですね。レベルが1003らしいです」
「「絶対に無理です!」」
テレーズさんとバルサさんの声がとっても綺麗にハモる。
≪プルンプルン ブルルルン ×4
一番近い個体からの距離30m。
「バルサさん。レベル3だと思って攻撃してみてはどうでしょうか?」
「マリレナ様・・・1000分無視ですか?・・・・・・・・・ダメです無視出来そうにありません」
「テレーズさん。ちょっと大きなジュルムだと思って矢を!」
「えっと・・・ロイク様。マリレナ様。私思うのですが・・・素手や矢があれに効くと思えません」
「ロイク様。マリレナ様。冒険者ギルドの受付嬢をしていた私の勘が不可能だと告げています」
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だよなぁ~・・・ここはぁっ!
「俺が出ます」
≪ザッ
俺は3人の前に浮遊し飛び出した。
「結界を張ります。3人はその中でじっとしていてください」
「「「はい」」」
「マリレナさんは、俺には干渉出来るはずなので、万が一の時には回復の支援をお願いします」
「分かりました」
神授スキル【マテリアル・クリエイト】『創造・小』神気→聖属性・清澄魔力:聖属性上級魔法【サンミュール】:『対象』座標固定・☆8☆1☆1 発動 ≫ 個人に張る結界を座標位置固定で展開するインチキ。これなら時間が来れば勝手に消滅する。単体に展開するより非常に効率が良い。
「聖属性なのは結界として展開している外周だけで中は聖属性ではありません」
属性攻撃による援護が可能だという事だ。
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俺は、巨大ジュルム4匹のターゲットを取ると4匹の頭上へと移動した。
しっかしぃ~大きいなぁ~・・・1体20~30mはあるか・・・
≪ブチュッ ブチュッブチュッブチュッ
巨大ジュルムは勢い良く粘液を吹き付ける。
俺は4方向から同時に飛来する粘液を回避し、火属性下級魔法【アグニ】☆3☆1☆1を発動させ1体を攻撃する。
下級魔法【アグニ】とはいえ俺の下級魔法は、大賢者マクドナルド・ガリバー様の上級魔法【ポルケーノ】や古代魔術よりも強力だ。だが、そんなアグニを巨大ジュルムはゲル状の身体で受け止めると吸収してしまった。
まじか・・・
水属性下級魔法【アクア】☆3☆1☆1 ≫ 風属性下級魔法【ブロウ】☆3☆1☆1 ≫ 地属性下級魔法【ラピス】☆3☆1☆1 ≫
飛来する粘液を回避しながら立て続けに3つの属性を巨大ジュルムに撃ち込む。結果はアグニ同様吸収されてしまった。
・・・何なんだこいつらはぁっ!神眼でステータスを殆ど認識出来無い魔獣。仕方ない環境破壊になっちゃうけど。
≪≪≪ テレーズさん、バルサさん、マリレナさん。今から加減抜きで4匹に攻撃を行います。結界の中は安全だと思いますが、念の為に姿勢を低くして風に備えてください。
『『『はい』』』
神授スキル【マテリアル・クリエイト】『創造・小』自然魔素・風属性・清澄魔力【MP】10万消費:『形状形態』竜巻・内部真空:『効果時間』30カウン:『範囲』俺を中心半径40m 発動 ≫
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森を大規模破壊し戦いは終わった。真空の中で4匹は湯気を上げながら沸騰を始め飛び散った。4人なので経験値は4倍。マリレナさんと個体レベルが上限に達した俺は、個体レベル用の経験値を取得しない。
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「ロイク様。レベル1003の魔獣を仕留めたのに、経験値はたったの1だけなのですか?」
「1匹1って通常の大きさのノーマルジュルムと同じ・・・。いや、4倍になってるはずだから、1匹1以下かぁっ!」
「1以下の経験値?こんなに強いのにですか?」
「そうみたいです。それに、分からないのは【MP】を10万消費して風属性で攻撃したら、何故か沸騰して蒸発して消えたんです」
「火属性ではないのですよね?」
「はい・・・」
テレーズさんと俺が話し込んでいると、マリレナさんが1言。
「真空状態がジュルムに何らかの作用を与えたのではないでしょうか?」
「あのぉ~・・・」
バルサさんが何かを言いたそうだ。
「真空だと蒸発するんですか?」
「かもしれません」
「あのぉ~・・・それよりも、あの大きさはいったい・・・?」
大きさかぁ~。
「確かに・・・」
「そうですよねぇ~・・・あの大きさは問題ですよねぇ~・・・」
「マリレナさんは何か分かりますか?」
「いえ、今迄見た事がありません」
「新種かもしれません。戻ったらギルドに確認してみます」
「あんな巨大な魔獣がこの世界にいたなんて・・・問題よね!」
「テレーズさん。先程の魔獣はそんなに大きく無い方です」
「そうなのですか!?」
「はい。その昔は魔獣もそれなりに大きかったそうでして、巨人族や竜人族の皆さんも今と比べると大きかったですし・・・」
「魔獣だけじゃなく、巨人族や竜人族もですか?」
「はい。ロイク様。私も両親から聞いただけですので実際に見た事がある訳ではありません。巨人族が今の様に人間種と同じ大きさで生活出来る様になったのは小型化の魔導具の普及があったからなだけで」
「魔導具を解除すると成人男性で確か8m位でしたよね?」
「それは、ここ最近の話だと思います。その昔は、直立すると35mはあったそうですから・・・」
「はえ?・・・小型化の魔導具を解除すると8m位ですよね?」
「はい。最近だとそうですよね。・・・今は気持ち小さくなったと思います」
気、気持ちねぇ~。35mが8mですよ。気持ちって・・・
「マリレナ様。因みにですが・・・竜人族は?」
「私も気になります」
まさか、竜人族もドラゴンばりに、最大だと50m以上あったとか・・・?
「竜人族は屈強な戦士ともなると5mはあったそうですよ。9万年とか10万年位前の話なので、随分人間サイズになりましたよね」
何だ5mかって・・・それでもでかいよ・・・
「・・・巨人族や竜人族はどうして小さくなってしまったのでしょうか?」
「さぁ~どうしてでしょうね。本人達に聞いてみた方が早いと思いますよ」
「そ、そうですよね」
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「それで、マリレナ様。魔獣はどの位大きかったのですか?」
「そうでした。バルサさんの言う通りです。魔獣のサイズはどんな感じだったんですか?」
「海の魔獣も空の魔獣は大きい傾向にあったそうですよ。例えばですけど、空だとドラゴンやワイバン―で、海ならクラーケンやテラロドンとかでしょうか」
「ドラゴンって今も大きいですよね」
「バルサさん。見かけなくなりましたが、ドラゴン種には黄竜・驪竜・白竜・紅竜・蒼竜と呼ばれる最上位種が存在します。最上位種の黄竜は150mもあったそうです。海のテラロドンという魔獣はサメ種の1つなのですが、体長は200mとか300mあったとか言われています」
「宮殿やお城ばりですね」
「はい。ロイク様」
「ロイク様。マリレナ様。古代種等はどうなのでしょうか?非常に大きいと記録に残されていますよね!」
「あっ!そうですよ。テレーズさん。俺、少し前に古代種の亀を仕留めたんですが、あれは大きかったですよ」
「あのジュルムは古代種って事ですか?」
「バルサさんそれは無いと思います」
「そうよバルサさん。だってあれはジュルムでしたし・・・たぶん、ジュルムですから・・・」
「そ、そうですよねぇ~・・・でも、大き過ぎますよね・・・」
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「うん?・・・・・・また大きな何かが1つ近付いて来ます。次は動きが速いです」
「「「またですか!?」」」
「はい。またです・・・」
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ありがとうございました。