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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーアシュランス王国建国編ー
129/1227

2-47 空飛ぶ大型帆船と、フィーラ王国改めアシュランス王国。

――― R4075年7月25日(風)9:00


 ゼルフォーラ王国ルーリン・シャレット天爵副王領聖都スカーレットのスカーレット大神殿の一画。連合国家フィリー本部代表執務室に、加盟各国の元首を集め、魔獣、獣、人間だった存在を狂暴狂人強靭化させる研究(長いので狂靭化(きょうじんか)の研究と今後は話そうと思っている)の根絶と、種族の解放保護をするように個人的に神授していただいた事を説明した。


 昨晩。家族会議を開き決定した解放保護の計画を報告。森林都市国家フィーラ王国は該当地域を国土に併合し国名を【アシュランス王国】に改名。現在解放保護作戦は遂行中であり併合はまだ完了していない。


 計画は次の通りだ。


***********************


 全行程同時進行


 ①ヴァルオリティア帝国

  カトムーイ総督領の解放保護併合。

 指揮官:メリア

  副官:バルサ & カトリーヌ

 補佐官:アランギー・フゥファニー(神様)

     エルネスティーネ・ワーロン


 ②ヴァルオリティア帝国

  ダカイラ総督領の解放保護併合。

 指揮官:マリレナ

  副官:バジリア & メリア

 補佐官:剣聖ボードワン・ルーリン天爵


 ③ヴァルオリティア帝国

  ゲルケルンテン上級伯爵領

  ククイムの攻略解放保護併合。

 指揮官:ルードヴィーグ・ダダ

  副官:ヨランダ・ヒース

 ③攻略部隊を全行程の本隊として、

 総司令官:俺

   参謀:マルアスピー

      アル

      トゥーシェ

      フォルティーナ


 ④ヴァルオリティア帝国

  ジーゲンツヴァイル侯爵領

  ゼンスタードの攻略解放保護併合。

 指揮官:サラ

  副官:アリス & テレーズ

 補佐官:ジェルマン・パマリ伯爵


 ⑤ゼルフォーラ砂漠の確保


 ⑥ゼルフォーラ湖の確保


 ⑦ゼルフォーラ湖の北に広がる森の確保


***********************


――― R4075年7月25日(風)24:00


 コルト下界の夜。月は無く星明かりだけが頼りの闇属性によって支配される時間。作戦は終盤を迎える。


 神授スキル【マテリアル・クリエイト】『合成加工』濃霧(威力)10(範囲)5 発動 ≫


 闇属性下級魔法【サルアノルマル(状態異常ランダム)(レベル)10(威力)(範囲)5(の3兆2500億15万5844分の1)『気絶』 発動≫


 総司令官として赴くククイム以外の全ての都市に濃霧と気絶の魔法を広範囲で施した。



 今回は、俺が解かない限り絶対に目覚める事の無い、気絶の魔法を都市と都市周辺の全ての存在に施しました。計画通り転位陣を使い都市を解放してください。言っておきますが略奪暴行等は一切許しません。帝国民や貴族達や帝国兵達の財産は隔離管理されている人達の為に活用します。


 俺は、家族と本作戦の主要メンバー全員の頭に直接話掛けた。


「ねぇロイク。カトムーイは元々獣人族獅子族が治める王国だったのよ。トミーサスで編成した獅子連隊を送り込んで大丈夫かしらね」


「何がですか?」


「人間族を帝国民や帝国兵を恨んでいるのではないかしら」


「恨んでると思いますよ。ゼルフォーラ王国の人間族を見る瞳にはまだ殺意を感じますからね」


「指示に従うかしらね」


「新王国。連合国家フィリーの決定に従わ無い兵士達は、今後の人間種8種族が平和に暮らす世界には邪魔な存在なので、極刑に処すか南の大陸の某国へ移住させる事になってます」


「ロイク様。移住ですか?」


「家に沢山移住希望の移民が流れて来ましたよね」


「はい」


「内戦中の王国にとっては兵士として即戦力になる者なら人種問わず大歓迎何だそうです。多少倫理や道徳に欠けた荒くれ者の方が都合が良いそうです」


「諸事情あるのですね」


「みたいですね」


「国王陛下。ククイム市街地上空に到着しました」


 参謀として従軍している。風の樹人族(ヴァンのエルフ)の武の最高責任者ヨランダ・ヒース元伯爵は、俺、マルアスピー、アル、騒がしいトゥーシェ、女王様なトゥーシェ、フォルティーナが紅茶を楽しみながら寛ぐ、戦闘用大型帆船の王族専用室に設置してある伝声管を通し、報告してきた。


「ルードヴィーグさんにそのまま待機する様に伝えてください」


「はっ」



 俺は、自然の力の風の属性の流れを動かし、戦闘用の大型帆船を海面から20m浮上させると、そのままククイムの中央まで船を進めさせていた。


 夜の空を星明かりと窓から漏れる街灯りに挟まれ進む大型帆船。思っていた以上に暗いだけで余り良く見えない。俺達は紅茶を飲みながら到着を待つ事にしたのだった。



「さぁ~。甲板に移動しましょう。来ますか?」


「ここで紅茶を飲んでるわ」


「ロイク様。私も大人のトゥーシェさんとお話していたいと思います」


(わらわ)は夜風が肌に合わ無い故か・・・夜は一肌が恋しい故か・・・ここでアル殿達と談笑し報告を待つ事にするか」


「あたしは面倒な事が一番生に合わないね。神茶でも飲んでまったりしているね。さぁ~行って来るね。今だね」


「おい人間の男。ここは詰らぬのじゃぁ~。連れて行けなのじゃぁ~。お前がおれば何処に行っても良いと憎き創造神も言っていたのじゃぁ!」


 一番面倒なのが付いて来るのかぁ~・・・しゃぁ~ないかっ!


「分かりました。トゥーシェ行きましょう」


「おぅなのじゃぁ~」


「坊やよ。妾は行かぬ。聞かなかったのか」


「小さい方のトゥーシェですよ」


「紛らわしいのじゃぁ~」

「紛らわしいのか・・・?」


 とっても紛らわしいです。はい。って、アランギー様じゃ無いけど・・・『フォルティーナ!』


『何だね。あたしと一緒に居たいかね』


 トゥーシェのこの状況何とかしておいてくださいよ。


『他力本願は良く無いね。それにだね・・・』


 またその顔をする。その顔良く無いって前に言いましたよね。


『失礼だね。生まれた時からこの顔だね』


 ・・・まぁ~・・・それで、それに何ですか?


『騒がしい美少女巨乳と、女王様な美女爆乳だね。お得だね』


 お得?・・・騒がしいだけじゃないですかぁっ!


『まぁ~良いね。今日は忙しくなるね。頑張るね。うんうんだね』


 何か良い様にペースに巻き込まれた感じしかし無いが、まず帝国の東側を来たる日に備えて回収だな。



――― R4075年7月25日(風)25:02


 ヴァルオリティア帝国ゲルケルンテン上級伯爵領ククイム市街地の上空20mの戦闘用大型帆船の甲板に、俺と騒がしいトゥーシェの2人は移動した。


「陛下。総員配置に付きました」


「それじゃぁ~始めますか! 光属性下級魔術【ルークス】≫」


 本当は、光属性下級魔法【ルークス】】(レベル)(威力)(範囲)5(の3兆2500億15万5844分の1)発動 ≫


 ククイムとその周辺が昼間の様に明るく照らし出される。


 普段と何が違うのかと言えば、今は夜になって1時間程経過したばかりであり、空に見える白く光輝く発光体が1つだという点だろう。外が昼間の様に明るくなり驚いたククイムの住民達は一斉に外を空を確認していた。


「陽を魔術で発動させたのですか?」


「そこの樹人族(エルフ)は何を言っておるのじゃぁ~。これは魔術では無くウゴウゴグオグゴ」


 トゥーシェ~。少し静かにしてて貰えませんかぁっ!


「ウゴウゴウゴウゴウゴ・・・」


『何をするのじゃぁ~』


 この世界の人達は魔法の存在を古代魔術、古代魔法の分野で何と無くしか知りません。騒ぎになったら困るんですよ。魔法の事は家族だけの時に話す様にしてください。分かりますよね?


『わ、分ったのじゃぁ~・・・手を放すのじゃぁ~』


「ウゴウゴウ」


 分かりました。放しますが暴れないでくださいよ。


『おうなのじゃぁ~』



「い、今のはいったい何だったのでしょうか?」


 言訳無用。話を進めてしまえ。


「ヨランダさん。これは陽を作ったのだではありません。ただの光。発光の魔術を発動しただけです」


「・・・洞窟探検や夜間任務の際にルークスや松明や発光の魔晶石は必須道具ですが・・・数十Km先まで照らし出す発光魔術ですか・・・・・・これが、守護聖人管理者様の御力なのですね!」


 ヨランダさんに限らず、乗船した樹人族のみで編成された中隊2部隊の隊員達は、船が宙に浮き走行した時短で絶句していた。そこへ、夜が昼に様変わりする光である。隔離管理され創造神様への信仰を失いかけていた樹人族達も、人間離れた事象の数々を目の当たりにし神の存在を再認識するようになっていた。


「陛下。ククイムの住民達の意識がこちらに集中している様ですがどうなさいますか?」


「それが狙いです。夜の空が明るくなり船が浮いている。インパクトありますよね」


 ククイムの人達の視線が十分に船に集まったのを確認し、再び自然の力の風の循環を利用しククイム全体に俺の声を響かせた。 


≪「 私の名は、ロイク・ルーリン・シャレット。創造神様より神授をいただき既に知っている人達もいると思います。啓示の通りククイムを解放しに来ました。長い挨拶は苦手なので端的に言います。カトムーイ総督領、ダカイラ総督領、帝国領ゼンスタードは、新国家森林都市フィーラ王国がヴァルオリティア帝国より解放し保護します。ククイムに住む皆さん。この空の明かりが消える前に降伏してください。抵抗する場合は命と身分証と下着だけを財産と認め帝都へ強制送還します。・・・管理隔離されている皆さん。もう少し待ってください。今直ぐ解放します。えっと、それと市民の皆さんへ連絡します。海面と湖面を歩ける様にしました。臨時非難地域に指定しました。ゼルフォーラ湖かワワイ湾に避難する人達を我々は一次的に保護します。身分を確認し今後を確定したいと思います。神授による啓示を果すべく行動しています。もう1度言います。降伏してください。あっ、水ですが歩けるようにしてあるので船では脱出出来ません。以上です 」≫


 光が消えるのは、約28ラフン()後である。



「ロイク様。帝国の奴等が降伏すると思いますか?」


「ルードヴィーグさん。降伏はすると思います。ただ、状況が理解出来ず抵抗する愚かな人は必ずいると思います。魔術でしか攻撃は届かないので自然魔素(まりょく)障壁を船の周りに展開してあります。今の内に兵士達に小休止を」


「畏まりました」


「普段通りの言葉遣いで良いですよ」


「はぁ~・・・ロイク様とお呼びするだけでも気合いが必要なのです」


「ルードヴィーグさんは、フィーラ建国の立役者何です胸を張ってください」


「陛下を名前で呼ぶ事と、友人の様に会話するのと、それは話が別です」


「ルードヴィーグ宰相閣下」


「ヨランダさん。私は宰相では無く首相です」


「そうでした。どうも首相という言葉が定着していない為か間違えてしまいます。ルードヴィーグ首相閣下。前方。ゼルフォーラ湖の方角より飛行物体が飛来中です」


「飛行物体が飛来中?」


「降伏しろって言っただけなのに、火属性の下級魔術を放って来たみたいですね」


「陛下どうされますか?」


「ルードヴィーグさんにも言いましたが、障壁があるので問題ありません。兵士達に小休止を」


「はっ」


「ヨランダさん。樹人族の警備隊員達にも休憩を取る様に伝えてください」


「はっ!ありがとうございます」


 ヨランダさんは、甲板から船の中へと移動した。


「ルードヴィーグさんは、風の樹人族(ヴァンのエルフ)じゃないんですよね」


「はい。私はベリンノック大陸の大地の樹人族(ソルのエルフ)の一族です。地と言っても、大樹の森の聖域の精霊樹。大樹の属性。四大属性がバランス良く影響し特化した属性を持た無い取り得の無い一族です」


「マリレナさんに聞いたのですが、人間族の地水火風の祠に関わる民と、樹人族の地水火風に関わる一族は共通点が意外な程に多いそうですが、大地の樹人族(ソルのエルフ)とロイの大地の民には何か共通点はありますか?」


「無いと思います。大地の樹人族は、大樹属性です。それに対して、大地の民の人間族は地属性の影響を受け一部の者のみですが人間族とは思えない【MP】を秘めています」


「なるほど」


「済みません。御力に成れず・・・」


「あの地属性が狂った森にはもう行きたく無いのじゃぁ~」


「地属性が狂った森ですか?」


「人間の男。お前に捕らえられた森なのじゃぁ~」


「あぁ~。モルングレーとロイの間にある名を持たざる森の事ですね・・・あれって、地属性が狂ってあぁ~なってたんですか?」


「地脈が大きく乱れておったのじゃぁ~」


「ロイク様。昔から地属性は安定と不安定を繰り返す属性と言われています。一枚大岩や大地の祠やカイライ山の影響が何らかの形で出ているのかもしれません」


「単に、マジックスポット(魔力活性地)化してるって訳じゃ無いって事ですか・・・」


 世の中には不明な事が多いな。


≪巨大な岩が飛んで来ます。


 降伏勧告に対して攻撃して来たか!



≪市街地に着弾します。


「いや、それまずいでしょう・・・」


 神気【風属性】≫



≪岩が宙に浮いています。


≪船に近付いて来ます!


≪「 兵士諸君。岩を市街地に落とさない様にしたの俺何で、慌てないでください 」


≪おぉ~~~。流石、御領主様! ロイク様! 国王陛下!



「呼称が滅茶苦茶ですね」


「もう慣れました。ハハハッ」



 その後、ククイムの領主ゲルケルンテン上級伯爵の宮殿から3発火属性の下級魔術が船に向け放たれ、投石が4回あった。投石された巨石が市街地を破壊するのは好まない。全ての巨石を風で受け止め船の周りに浮かばせた。


「降伏の勧告はしたけど、待つとは言ったけど・・・攻撃されら反撃して問題無いですよね?」


「宮殿に向け脅し程度であれば問題無いかと」


「それなら」


 これは約束を破る行為では無い。火属性下級魔法【アグニ】☆1☆1☆1(の3兆2500億15万5844分の1)発動 ≫


「あれ?」


「どうしたのじゃぁ~」


「ロイク様。どうしました」


 下級魔法を発動したはずなんですが・・・パーンヴェルミオンでは無いみたいですが・・・インフェルノレベルの火焔が宮殿に飛んで行ってしまったかなと・・・


『ふ~んなのじゃぁ~。あの悪趣味な屋根の上ね魔魚が乗った宮殿なぞ燃えて尽きてしまっても誰も困らんのじゃぁ~』



≪宮殿に炎の塊が着弾します!


≪ドォッゴォ―――――――ン


≪メラメラ メラメラ


「燃えてるだけみたいだし。良かったぁ~・・・燃え尽きるレベルでは無かったみたいです」


「腑抜けばかりなのじゃぁ~」


「うん?」


「良く見るのじゃぁ~。宮殿のあちらこちらで降参の証が揺れているのじゃぁ~」


「良く見えますねぇ~」


「視力、聴覚、嗅覚は凄いのじゃぁ~」


 前に言ってたな。しかし明るいとはいえ良く見えるよなぁ~2Kmはあるだろう・・・



 ククイムは降伏勧告後に軽い抵抗が数回起きた程度で降伏した。


「地上への強制転送陣へ移動しろ」


≪はっ


「ルードヴィーグさん。後は任せます」


「お任せください」


「そうだ。抵抗があると面倒じゃないですか」


「はい・・・」


「ククイムと周辺20Km地点に気絶の魔術を施し、俺が解くまで目覚め無い様にしてあります」


「魔獣達が襲って来た際、市街地から遠く離れた地の対応が困難だと思うのですが」


「それは大丈夫です。20Km圏内に侵入した時点で気絶します。アンデット系の魔獣でもです」


「アンデットまで気絶ですか」


「じゃ無いと危険ですからね」


「・・・危険・・・そうですね」


「兵士達に今だけ状態異常回避の補助魔術を施してあります。兵士達は大丈夫なので安心してください」


「はっ」


「それと・・・」


≪「 兵士諸君。分かってると思うけど、略奪、暴行、強姦は死刑だからね。帝国から押収する物品や金銭は隔離管理された人達の為に使うつもりだから、宜しくお願いします。さぁ~仕事の時間です 」≫


≪オォ~~~(複数)


「と、いう事で、宜しくお願いします。俺は、ゼンスタードの様子を見に行きます」


「畏まりました」


「トゥーシェ行きましょう」


「おうなのじゃぁ~」


ありがとうございます。

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