8-177 来る日と奇跡の日と執行の日の前夜 -就寝前- ②
「でよ...... ~ ......ディアナなんたら」
ディアナ。・・・何処かで聞いたような気が・・・。
「ケルーナ家の三女らしいのだけれど、ケルーナ家なんて聞いたこともないし。それでもしかしたら入れ替わりの激しいベリンノック大陸からと思ってモルングレーの王立図書館に問い合わせてみたのよ」
ケルーナ家の三女・・・三女って情報の出所は不明だけど、親父と母さんの話からこれは確定だな。親父が森で保護した女の子って間違いなく。
「親父母さん、そのディアナさんなんだけど、ほぼ確定でマルアスピーが探してる人だわ、マルアスピーって言うか正確にはクラ―ラ様とモデル嬢が探してるんだけど・・・ぶっちゃけると四十億年以上も前に冥の深淵の第三層スィートゥロゥータスルートゥの管理を放棄してこっちに来ちゃってたって感じかな」
「そうね。ディアナ嬢正しくは、下界冥裏界冥の深淵第三層スィートゥロゥータスルートゥ管理思念個体ディアナ・ブルンシェルフ・ケルーナ。存在し得ない樹木のゴーレムで間違いなさそうね。・・・探索していた森の中で意識を失っていたところを見つけたのよね、精霊に憧れを抱くくらいなのだから服を着ていないくらいのことは当然としても、不思議よね・・・その中でも樹精霊に憧れ、自身は有り得ないのだけれど樹木のゴーレムなのよ、ホームとも呼べる森の中で保護されなくてはいけない程に弱るだなんて考えられないわ」
ふむ。・・・これは親父の話と母さんの話とマルアスピーの話の間を取って、間でもないか・・・まっいっか。
「取り合えずクラ―ラ様とモデル嬢を誘って確認序に今からディアナ嬢に会いに行きませんか。直接話しちゃった方が早いだろうから。にしてもどうしてディアナ嬢は子供の父親が親父だって言ってるんだろうな、親父」
「俺が知る訳ねぇーでしょうがまったくよっ」
・・・
・・
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クラ―ラ様とモデル嬢と合流して親父と母さんが暮らす居住エリアへと移動した。
トントントン。
「ディアナさんちょっといいかしら」
「あっメアリー様ですね、どうぞどうぞぉー」
何かノリが随分と軽い。
「やっと・・・やっと、見つけたわ」
ガチャッ!!
ディアナ嬢と母さんのやり取りを聞き確信したのだろう。モデル嬢は勢い良くドアを開け放つと笑顔で、もとい凍えるような笑顔で何かちょっと近付き難い優しくも恐ろしい不気味なオーラを纏いながら部屋の中へとゆっくり足を踏み入れた。
「メアリーさゲッ・・・も、もモデル・・・」
「ゲッ? ・・・ふぅーんまぁよかよか。・・・元気そうね。・・・ここで何ばしよーとかしら?」
貴重な時間をありがとうございました。