8-175 来る日と奇跡の日と執行の日の前夜 -chefアランギー・公認の嫁・公認の許嫁・他多数- ⑧
「手持ちの神格位と交換してるだけなんで、剥奪とは違うと思うんですけど」
「新制度下における高神位、上級神位、神位、下級神位、低神位の授与権。ロイクさんは寸時の間に世界創造神様のみが行使して来た新制度下における高神位旧制度下における上級神位の授与権まで神授されています。況してや自由神規裁量(コルト下界の理では法規裁量に近い)でです。・・・アル・R、ロザリークロード・R、フラン・R、理媛、フレアリース・R、菊、蘭、竹、梅、クロコダイアン、ベルドール、デュベールラムーサ、イエレミーヤ、アランギー、華南姫、そして私。ロイクさんお分かりになりますか?」
・・・ん? 名前を呼ばれていない神様は、悪狼神様マリレナさんバジリアさんに、家の新規神様組に、エリウス、クーランデール、遊狐様、クラヴィーア様、クラーラ様、あっフォルティーナも呼ばれてないのか。・・・・・・ダメだ大天姫神様が何を言いたいのかサッパリ分からん。
「ずっと前から神様のセーラ様遊狐様フォルティーナが呼ばれていない時点で想像が付かなくなりました」
「ちょっと待つねオオアマヒメ、今のアタシは過去のアタシとは違うね。いいかね、大仰な啖呵を切ってしまえる程偉そうに言える話ではないがだね、そこに居る狐、今のアタシにはそれが眷属として存在するね」
「き、狐言うなっ!! い嫌狐であることに間違いはないから狐と呼ばれ・・・ちっ違ぁ~うっ!! 待て待て待てぇーいそこの運、お前が勝手に眷属にしただけで了承した覚えは一mmもないぞ」
「煩いね。ユーコは少し黙ってるね」
・・・
・・
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遊狐様とフォルティーナが少しばかり騒がしく揉めているようだが、触らぬ神に祟りなしって言葉もあるし華麗にスルーして大天姫神様との話を進めていく。
「...... ~ ......眷属・神、ですか・・・そう言えばフォルティーナって竜種族とか珍獣の類なら物凄い数の眷属が居ますが、神様の眷属は遊狐様くらいしかいないような・・・」
「その通りです。それでは先程の話に戻しましょう。私達には多かれ少なかれ眷属に神が存在します。空席の神格位を複数個所持する柱もそれなりに存在します。ですが自由神規裁量による授与権は認められていません。私達が眷属に神格位を授与する場合は事前に申請し承認をいただかなくてはなりません」
「それって創造神様のってことですよね?」
「はい。しかもです。承認をいただいたからといって好きな時に好きなように授与するといったことは許されていません。と言いますか、ステータスに反映させる為には神格位管理局で手続きを履む必要があるのです」
「ステータスにですか」
「下界における信仰、神界における天使族達の公務の処理速度。これらは神格位が高ければ高い程良い結果に繋がると言われていますからね」
あぁなるほど。家はかなりましな方みたいだけど、基本的に御役所って時間に余裕がある人じゃないと・・・。
「...... ~ ......付与権と授与権を自由神規裁量で行使することができるロイクさんは、もう注目の的なのです。私達は既に親密な関係にありそれなりに恩恵も受けております。ですので、神界暮らしのパット出の輩達とは思う所が大いに異なります。ですが、パット出の輩達はどうでしょう。今後の動きが気にはなりませんか?」
・・・うーん。
「付与したり授与したりできるのは眷属だけで来られても困るだけなんですが・・・」
「やっと本題に入ることが出来ました」
「え?」
あれれ、今まで話してたことは本題ではない?
「やはり勘違いしていましたね。付与権授与権の行使。その対象はロイクさんの眷属とロイクさんが管理する下界とその異空域界の循環内にある全てです。そして私が最も危惧していることは授与権を行使し神格位の降格を可能としているところです」
「あ」
貴重な時間をありがとうございました。