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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー来る日編ー(本編開始ちょっと前=真の序章)
1212/1227

8-168 来る日と奇跡の日と執行の日の前夜 -chefアランギー・公認の嫁・公認の許嫁・他多数- ①

 シュー。


 クラ―ラ様とドゥーミナ様と精霊王様との話が一区切りついたタイミングを見計らったかのようにchefアランギー様が姿を現した。


「お待たせしましたですぞぉ~、はい。それでは誓約あぁ―――、ここでは何ですので場所を国王執務室にでも移すとしましょう。あっそうそう対象者なのですがっ、パトロン殿と奥方のマルアスピー殿のみでも良いと考えていたのですが、どうやらそれでは書類が成立しないと然るべき筋から指摘を受けてしまいましたので。ここは素直にパトロン殿の奥方全員、ようするに世界創造神様より公認された嫁と許嫁全員と、まぁーそう言う訳ですので既に誓約済のフォルティーナ様はさておき移動しますですぞぉ~、はい。プリフェストの王よ、暫しの拝借良しなに」


 パッンパパッンッ。


 chefアランギー様の軽快なパルマセコの音が響くと同時に俺達は国王執務室に立っていた。


 国王執務室の俺専用の席と隣のマルアスピー専用の席最近は主にパフさんが座っていることが多い執務席の正面は四十㎡程の何もない空間になっている。


 いつもなら動物か植物か判断の難しい抽象的な模様が悪目立ちする緑色を基調とした毛足の長い絨毯が視界に飛び込んで来る。だが今回は真っ白な大理石の円卓が視界に飛び込んで来た。


 急に変更になったって言ってたのに、流石は用意周到なchefアランギー様だな。


 手狭になった執務室を関心しながら眺めているとchefアランギー様の雑学披露(ウンチク)交じりの案内が始まった。

「円卓の素晴らしいところは上座が存在しないことなのですが、残念なことに方位間取りによって上座が存在してしまう、何ともまぁー小憎たらしい仕様ですなっ、はい。因みにですが今回に限り私の席はパトロン殿の執務席となっております。皆さんは首を捻らずとも私の姿が見える席であれば円卓のお好きな席に座ってくれて結構ですぞぉー、尚、応接用のソファー、補佐官兼秘書官(エイドセクレテリ)のパフ殿の執務席もご自由にどうぞ」



 マルアスピーは当然のように自身の執務席に腰掛け。

 パフさんはマルアスピーの左隣サイドテーブルの前に何処からか持って来た椅子を置きその椅子に腰掛け。


 セーラ様、フラン様、フレアリース様は応接セットの三人掛け用のソファーに腰掛け。

 ロザリークロード様は応接セットのガラスのテーブルを挟みchefアランギー様に背を向ける側にある三人掛け用のソファーに腰掛け。


 大理石の大きな円卓にはchefアランギー様から向かって右側の一番近い席に俺が腰掛け。

 順にアルさん、マリレナさん、バジリアさん、アリスさん、サラさん、テレーズさん、バルサさん、メリアさん、カトリーヌさん、エルネスティーネさん、サンドラさん、トゥーシェ、リシュル、ミューさん、タルヒーネ様、ウェンディーネ様が腰掛け。


 何故か、俺の正面chefアランギー様から向かって左側の一番近い席には母メアリーが腰掛け。

 順に父バイル、クーランデール、遊狐(ユーコ)様、エリウス、クロコダイアン様、ミト様、クラーラ様、イエレミーヤ様、ベルドール様、デュベールラムーサ様、クラヴィーア様、理媛神(リヒメノカミ)様、キーク様、ラーン様、ターケ様、ウーメ様、華南姫神(ハーナンヒメガミ)様、大天姫神(オオアマヒメガミ)様が腰掛け。


 何故か何故かchefアランギー様が腰掛けている俺専用の席の机に腰掛けているフォルティーナ。


 頼んだ時は嫌がる癖にこういう時だけは首を突っ込みたがるんだよなこの女神様(ヒト)は・・・。

「で、何で居るんですか?」

「久々に顔を合わせたアタシにいきなり哲学かね、倫理と哲学を語らせたら並ぶ者がいないとまで言われたことのあるアタシにするにはもってこいの実に良い質問だとは思うね。だがしかしだね、今ではないとアタシは考えてしまうね。何故ならば、このアタシが受けた屈辱を、同じ屈辱をここに居る全員が、今から、今ここで結ぶことになるからだね。フッ、さぁアランギー懲らしめておやりなさい、泣こうが喚こうが決して手を緩めてはいけませんよ」


 キャラが増えてるし。つうか誰だよそのモデルになった人は・・・。


 パンパンッ。

 chefアランギー様のパルマセコの音が響くと目の前に紙の束が現れた。


 紙の束を手に取り表紙を確認する。


「運を司りし女神フォルティーナと委任状兼誓約書を締結するまでの大まかな流れ・・・ですか」

 パフさんが皆を代表し声を上げた。


「読んで字の如くそのまま捉えて貰っても構いませんですぞぉ~、読み聞かせ確認を取るようにと指示されておりますので...... ~ ......」


・・・

・・


「...... ~ ......と、まぁー、ざっとこんな感じな訳ですが、不明な点はありましたかなっ、はい・・・・・・ふむふむふむそれではイヨイヨ」


 パンパンッ。

 chefアランギー様のパルマセコの音が響くと一枚の紙と高そうに見えなくもない万年筆が紙の束の上に現れた。


「締結と参りましょう。三ヶ所程名前を書く」

「ちょ、ちょっと待つね。おかしいね。何だねこれは」

「フォルティーナ様、読んで字の如くフォルティーナ様とここに居る皆が結ぶ委任状と誓約書が一体となった委任契約書にしか見えませぬがっ、おかしいとはいったいどのあたりでしょうかっ、はい」


「ハァ~これだから料理専門の神に専門外の契約を任せるのは宜しくないね。良いかね、五つおかしな点があるね」

貴重な時間をありがとうございました。

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