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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー来る日編ー(本編開始ちょっと前=真の序章)
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8-156 来る日と奇跡の日と執行の日の前夜 -フォルティーナ- ②

 何度も何度も脱線を繰り返し残念なドヤ顔を向けられ挫折しそうになりながらも聞き出すことに成功した。


 精神に直接語り掛け心を響き合わせる【共鳴(レソンネ)】はフォルティーナと相性が頗る悪いようだ。滅茶苦茶疲れる。やっとの思いで聞き出すことに成功したは良いがこの疲労感は精神的にも肉体的にも褒められた物じゃないと思う。



≪「それって、フォルティーナの経験から来る直感なんですよね?」

≪「その通りだね。百まではいかない八十ないし七十越え億年くらい前の・・・ようするにだね少し前の話だね。アレは本当にいただけなかったね良い感じの波長を巡り乍ら地面を刳り貫いたり邪魔な水を干上がらせたりして放置のし過ぎで忘れ去られてしまった哀れな遺産をサルベージする、そんな夢を追いかけてみるのもたまには悪くないかもと形から入ってしまったのが運の尽きだったね。あらゆる運を司るアタシらしいと言ってしまえばそれまでの話でしかなく、本当にこの巻き込まれ体質にも困ったものだと気が良過ぎるこの性格をどうにかしたいものだと悩む切欠にはなったね」


 悩む・・・フォルティーナが?

≪「当時はまだ賭け事で巻き上げたりはしてなかったんですね」

≪「今のその方法に気付けたのもどうにかしたいものだとそれなりに悩むことになってしまったからだね」


 ・・・誰かの遺産を掘り起こして一攫千金って考えていたんだろうな。百億年近く前からこんな感じだったんですね。


 ニヤ付くのを止めてくれただけでも本気で嬉しい。少し前から一応真顔でプーなんたら茶を楽しみながら語り続けるフォルティーナの顔色を伺う。


≪「流石のアタシも懲りたね。運命とは何か永遠にも等しいテーマは作為的で美学に反していたにも関わらず危うく時の海の波に引き摺り込まれてしうところだったね。事実、降りた先から四回も立て続けに大災害に巻き込まれてしまい。一時期下界恐怖症になりかけていたね」


 女神様だし下界に降りるであってはいるんだろうけど・・・。


≪「アタシが知り得る限り、立て続けに巻き込まれたアレは今回で言うところの来る日だね、四つの下界がその後どうなったのかロイク、流石の君でも気になるのではないかね?」


 ムカつく言い回しではあるが今回も我慢することにしよう、話が先に進まなくなってしまっては、余計にムカつくだけだからな。

≪「えぇとっても気になります。フォルティーナは来る日を迎えた四つの下界のその後を目の当たりにしたからこそ、明日の来る日の話をしてくれてたんですね」

≪「須らくアタシの物を奪うは罪、不道徳とは最も赦されぬ存在だと思い知るべきだね」


 賭け事で儲けてる貴女神(アナタ)様がそれを・・・。


≪「何にせよだね。四つの下界は原型を維持することも叶わずその価値を失ってしまっていたね。哀れな物だね、諸行無常とは何か大いなる躍動をまざまざと見せつけられた瞬間だったね。その後四つの下界だった何かは災害認定されて再出発することになったね。一つは八億年掛けて、一つは二十億年掛けて、一つは回収され大ブームになっていた天庭(ホビー)の建材として、一つは幾つか存在する冥の深淵ロイク、君が知る物とは別の冥の深淵の番人を構成する素材となったね」

≪「不安になってきたんですが、明日って大丈夫なんですよね? マジで任せてしまって良いんですよね? 本当に本当に・・・ホントに」

≪「何を言ってるね。前々から言ってるはずだね。アタシの物はアタシの物、須らくアタシから奪うは赦されず、あの世界創造神ですら忘れた頃合いを見計らって返してくれたね」



≪「それで、真っ只中じゃないと動かせないって何を動かそうとお考えで?」

≪「馬鹿かね。動かそうと思えば動かせなくはないね。ただ余り良い方法ではないからアタシは聞いてるね」


 ・・・だからっ!! いったい何の話をお前はっ!! っておっといかんいかん落ち着け落ち着くんだ、心穏やかに穏やかにぃー・・・フゥー・・・フゥ―――。


 最近、ヤル気を起こすのに苦労するわ。喜怒哀楽の起伏が乏しくなってるような気がするわ。これって、貴女神様(コイツ)のせいってことはないよな。・・・フゥーちょっと落ち着いて来たか。さてと。

≪「なるほど、フォルティーナとしてはどの辺りに一番大きい奴を置いたら良いと考えてるんですか?」

≪「一番大きい奴かね・・・フ~ムムムムム難しいところから攻めて来るとは・・・ロイク、君は本当にいやらしい男だね」

貴重な時間をありがとうございました。

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