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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー来る日編ー(本編開始ちょっと前=真の序章)
1195/1227

8-152 来る日もそうだけど、それよりも御光臨まであと一日 ⑤

・・・

・・


―――時刻は、10:28。


 スゥ―――。

 噴水の正面(南側)に設置された白亜の二人掛け用ベンチの前の宙が裂けそこから生暖かいようなヒンヤリと冷たいような何とも表現し難い不快な風と共にフレアリース様が姿を現した。


 冥と直接繋いで良いのは循環に影響を与えない場所のみ聖域とか結界内だけにしてくださいってあれ程言ったのに、まさか昨日の今日でいきなり破っちゃいますかフレアリース様っ!!


 ってここって公共の娯楽施設だけど聖域じゃん、あれ・・・どっちになるんだ。


「あらっ、まだ二(フン)えっとこちらでは二ラフンでしたね。二ラフンも前ですのにもう皆さん揃っていらっしゃるのですね。・・・お待たせしてしまい申し訳ございません。数億年ぶりに裁定を全ての門で執行できるようになったのは嬉しいのですが数億年もの間閉ざされておりましたので係りの鬼達天使達柱までもがてんやわんやで事後処理に少々・・・」


 よしっ、ここは一応言っておこう。

「フレアリース様約束は守って貰わないと・・・今はまだ解放してませんが、ここって今後一般にも開放することになってる娯楽施設だって説明しましたよね? 予告も無しに死後の世界と繋いじゃダメな場所だって分かり・・・あ、えっと・・・うん?」


 反省とは違うような。怒ってるのはこっちのはず・・・何か地味に怒ってるようなないような、機嫌悪い感じですか? ・・・沈黙は純金(ピュアゴールド)魔銀(ミスリル)ってそっち系では・・・ないか流石に。


 黒く澄んだ瞳で俺をジッと見つめるフレアリース様。


 フォルティーナと言うか女神様達って皆妙に瞳が澄んでて見透かされてるよう錯覚をバンバン与えて来る癖に殆ど感情が伝わって来ないから何を考えてるのかサッパリ分かんないんだよなぁ~。それこそ喜んでる時か怒ってる時くらいなもので・・・ってことはこれってやっぱり怒っていらっしゃる感じだな・・・。


「フォルティーナ様が仰っていたのですが、ロイク様はオフィスワークをあっと言う間に処理し終わらせてしまうタブレットとなるスキルをお持ちだとか」


 あれ? 俺の話は無視・・・ですよねぇー俺の話なんて無視したところで全く問題じゃないですもんねぇー。あとでコッソリ今回だけですからってくらいは言っておこう、うん。


「えぇオフィスワーク専用ってことはないんですが結構何でも高水準で出来ちゃう有難いスキルなら持ってます」

「アランギーから聞いたのですが、ロイク様は日頃の政務をそのタブレットなるスキルで行っているのだとか」


 目を通したところでフゥーンって感じで理解が追い付かないし、chefアランギー様やパフさんが先に目を通してる訳だし、ぶっちゃけタブレットの方が正確なんですよね・・・ホントに・・・。


「そうなんですよ。ホント有難い限りと言いますか、実に重宝してますと言いますかホントアハハハ」

「ロイク様のみが神授されし唯一、この創造世界(セカイ)で最も希少なスキルだと噂されるだけのことはあるようですね」


 ホォー神授スキル【タブレット】って俺しか持ってないスキルだったんだ、へぇ~。


「...... ~ ......つまり世界創造神様の御意思御意向御心そのものなのです。タブレットなるスキルが処理し下した裁定は私が下す裁定より的確だということになります。それは覆しようのない事実なのです」


 沈着冷静涼やかで品のある美神(ビジン)ってイメージのあのフレアリース様の別の一面はとってもレアだとは思う。思うんだが・・・熱弁する内容がこれじゃーなぁ~。

「ようは、最後の審判をタブレットでってことですよね?」

「はい」


 う~ん。生の循環をタブレットの裁定に委ねるとかありなのか? 納得してくれないだろうなぁ~機械的に処理されちゃっ・・・。


「あぁー落ち着いたら創造神様に相談し」

 シュッ。

「はいはい注目するね」

 ゲッ、今日はというか基本いつも呼んでませんよね。なのに何故ここに・・・。


 呼んでもいないフォルティーナが堂々と現れ、フレアリース様との話をぶった切り語り始めた。

「イヨイヨ明日です嫌でも明日で全てが決まってしまいます。そこでアタシは考えましたそして気付いてしまったのです。そうだこれから皆にこの言葉を贈ってみてはどうだろうかと・・・そして態々ロイク達が集まるこのような場所に姿を見せた。と言う訳だね。因みにだがだね、今日皆に贈る言葉は、来る日とか小さな話はもうこの際どうでも良いね。何故ならばこのアタシがここにいるからだね。このアタシを前に全ては些細なことだからだね。だがしかしだね、明日はあいつが来るね、招待してもいない連中まで来るとか聞いてしまったね。そっちも来る日と同じ感じでアタシが処理してしまっても構わないかどうかだけが気掛かりでしょうがなかったね。と言う訳でロイク」


 案の定。本気でどうでもよい話を。


「で、今日は何をしに?」

「それで良いのかね?」

「何がです?」


 ホントいつもいつも貴女神(アナタ)様の話は何が何だか全くもって・・・。

貴重な時間をありがとうございました。

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