8-147 来る日もそうだけど、それよりも御光臨まであと二日 ③
一部、お喋りに花が咲いてしまった神々様方。
一部、創神殿の離宮本殿だろうがお構いなしで酒盛りを始める神々様方。
一部、俺に話があるらしく、急ぎじゃないらしく、終わるまで待ってるらしく、気にせず進めて構わない神々様方。
本殿には結構それなりに多くの神々様方が残っているが気にせずスルーして離宮の管理責任者室の隣の部屋へと移動した。
・
「主殿、ここは広めの物置だったはず」
は? 何を言ってるんだか。
「いったい何処で勘違いしたのか知りませんが、エリウス、この部屋はずっと前からそれこそ初めから多機能な設備がこれでもかって息苦しさを覚えてしまう程に完備された中規模の多目的ルームです。あっ、でしたって言うべきですね。さっき改装して魔道具とか精霊具とか半神具とか神具とかそれこそ食料とかを渡す専用の部屋にしちゃいましたからね」
「所狭しと乱雑に物が置かれていましたので、てっきり好意的に言って物置だとばかり思っていました・・・・・・中央に大きな台があるだけの無駄に広い部屋にしか見えませんが、多機能な設備とやらは何処に?」
エリウスは台に右手を乗せながら、広さ百㎡弱程の部屋内をゆっくり丹念に隅々まで見回している。
「邪魔だったんで片付けたに決まってるじゃないですか。まっ、いつも通りタブレットの収納の中にですけどね。そうそう見たこともない聞いたこともない当然触ったことなんて絶対にない、ないないない尽くしのタブン面白い物ばかりだったんでこれから楽し過ぎて眠れない日々が続くかもしれませんが一緒にどうですか?」
「・・・私は盾です。御所望とあれば盾として何時如何なる時であろうとも・・・・・・ところで主殿、先行して私達だけ入室しましたが」
「おっとそうでしたそうでした。今からここで、高位クラスに進化した理外の民組と付与で神様になっちゃった組と昇華しちゃった組皆で家では意外に恒例になりつつあるビンゴをやります。名付けてサプライズビンゴ大会です」
「恒例のビンゴ・・・ですか。そんなにやった覚えがないのですがまぁーはぁー何と言いますか大いに喜んでいただけるかと・・・」
「何ですかその冷たい目は・・・ですが今日はメデタイ日なんで気にしないことにします。実はですね、フォルティーナの神気を開放する為に長々と苦行を続けていた訳なんですが、見かねたんでしょうね、使ったお金の分だけ参加賞と言うか景品みたいな物を貰ったんですよ」
「なるほど、その景品をビンゴゲームで捌きたいと・・・」
「それは言わない約束ですよ、エリウス。とまっ実際そうなところなんで言われたところでだから何ですって話なんですけどね。それにちゃんと貰った物を横流しする許可も創造神様からいただいているんでぶっちゃけ問題は一つもありませんってね」
「神授されし尊くも誉れ高き御下賜品をたかが眷属風情に又下賜するおつもりなのですかっ!!!?」
「眷属風情って眷属一号が何言っちゃってるんですか、それに又貸しみたいに言うのは止めて貰いたいところです。創造神様からアレはダメ、コレはダメ、ココにはココまで、アッチにはココまでって滅茶苦茶細かい御指示があって面倒臭くなったんでダメな奴は次があるか分からないけど全部次に回しちゃったんで、正直、そこまで尊くもなければ誉も高くないかなって。なんで貰える物は気にしないで貰っておくと良いと思いますよ」
「主殿が神授されし御品を、眷属でしかない我々が気軽にいただいて持って帰る訳ですか・・・・・・何ともまぁ―――恐ろしいことを思い付いてしまったもので、因みにですが我々に又下賜しても良いと許可をいただいた御下賜品にはどのような恐ろしい物があるのでしょうか?」
何だよ確り気になってるんじゃん。ホント素直じゃないんだからエリウス君はっ!! ふっふっふ知りたそうな顔をしておられるよ。
「そうですねぇ~、神クラス以上の眷属になら渡しても良いって創神具を筆頭に、最低は理外の民には残念ですが創造神様が創庭園で自ら育てて収穫した果物とか野菜って感じですね」
「あぁー主殿。アランギー様の御耳に入ってしまった時のことはいったいどのようにお考えで・・・」
は? 今はchefアランギー様関係ないでしょうが、まったくもぉー。
「エリウス、舞い上がってしまう気持ちも分からなくはありませんが今日はビンゴだけで残念ですが料理は出ません。・・・さてと、ウダウダ言ってないでサッサと始めましょう。第一眷属として存分に働いて貰いますからねエリウスには。このビンゴカードを責任を持って皆に配ってください。・・・ボソボソボソ、当たらないカードを渡したらタブン少しばかり恨まれたりするかもしれませんけどねボソボソボソ・・・」
貴重な時間をありがとうございました。




