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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ー来る日編ー(本編開始ちょっと前=真の序章)
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8-136 来る日まであと二日 ⑤

 来る日に来たり起こったりする何かの対応はフォルティーナに一任し、来る日の真っ只中に御光臨なされる創造神様のおもてなしはフォルティーナ以外の皆で協力し合うことになった。


 創造神様の御意思御意向御行幸は唯一であり絶対だ。


 幸いないことに、工房ロイスピー完全傘下の地域密着複合型商業遊園観光施設あぁフォルティーナポートは【家族】【繁栄】【平和】の三つにあとできたらこれもの【根気】を加えた四つを謳い文句に、御要望には敬意をもって誠実に応え最高のサービスを提供し最善を尽くすを徹底している。


 こじ付けで、根気は地属性、平和は水属性、繁栄は火属性、家族は風属性。四大属性の安定を何となく仄めかすことで、『これこそThe()コルト』と表現している、つもりだ。


 創造神様に御満足していただける下地は整っていると声を小さく囁いても過言ではない。



「...... ~ ......というわ訳なのですぞぉー、はい」

「ぅへぇ―――・・・なるほどねぇ~、勉強になりました」

 なるほど創造神様は果物の林檎(アップル)が大好物っと、メモメモ。うんでもってその中でも若干酸味を感じさせる爽やかな香りの柔らかで芳醇な甘さを蓄えた品種に目がないっと・・・うん? 林檎ってこんなんだったっけ?


 それに。

「chefアランギー様、神界の食べ物や飲み物は香りだけを楽しむ味抜きのスタイルでしたよね。林檎(アップル)には味があるんですか?」

「それなのですがぁー、短絡路にも似た何か・・・そうですなぁー言うなれば物事には何事にも密かに抜け道なる名を与えられし裏が存在のですぞぉー、今回のケースで言いますと神界の理を時の流れに合わせ書き換え林檎専用のゾーンを常設し広く開放した、と、言った感じでしょうか、はい」

 うわぁ~林檎の為だけに理を・・・。


「つまりだね...... ~ ......分かったかね」

「あぁー・・・・・・そういうこともあるときもあるかもしれませんよね、たぶんですけど」

 急な出費が予告もなく急に発生したら困るのは自分自身、困っているだけでは何も始まらない、それこそ野生の動物と何も変わらない。だから必要最低限の貯蓄は絶対の絶対にしておくべきだ。って、長年神界長者番付で末尾を彷徨っていた貴女神(アナタ)が言うととっても深いなとは思うんですよ、思うんですが・・・俺知ってるんですよね貴女神(アナタ)今二位だってこと。必要最低限? 説得力が・・・。


「...... ~ ......なのだけれど」

 だったらどっちが美味しいか試食するしかないかな。

「来る日が終わって落ち着いたら食べ比べしましょう」

「そうね、だったらパフちゃんとトゥーシェちゃんとカトリーヌも参加させるべきだと思うのだけれど」


「わ、私もですか?」

「バリッボリッジュージューうん? アスピーその提案には大事なことが抜けているのじゃぁー」

「そうねパフちゃん。それとトゥーシェちゃん大事なことっていったい何かしら?」


「甘々で旨々か、大事なことといったらこれくらいバカでも分かるのじゃぁ~♪ バキッバリボリボリバリ」

「そうね、予想では今トゥーシェちゃんが噛み砕いている黍よりは甘くて上品なはずよ、それにとても食べやすくはあるわね」

「ジュージューゴクッ行くのじゃ」


「あ、あのもしかしなくてもですが、新商品のスィーツのアイデアは」

「冬季は果物も野菜も種類が少なくてどれもこれも似たような物ばかりになってしまうのよね。安心なさい、今回はアランギーにKANBEから閃きの素を幾つか持って来て紹介してと頼んであるの、アイデアを出し合うのはそれを確認してからのつもりよ」


「良かったですぅ~♪・・・うん、あれえぇ? マルアスピー様、chefアランギー様は・・・神様なのですが」

「そうね」


「まるで子供のお使いのように使われるの如何なものかと」

「カトリーヌ、貴女(アナタ)まだ自覚が足らないようね。風と樹二属の中精霊として学ばなければいけないことが多いことは間違いないのだけれど、これは基礎よ。良いかしら、緑の大地は一匹のミミズから始まるの、たかが土されど土、使えるものはミミズでもダンゴムシでも使えと言」

「えっとマルアスピー様今はいったい何のお話をされているのでしょうか?」


「アランギーの話をしているのだけれど・・・まぁ良いわ。日と場所と時間が決まったらパフちゃんに連絡して貰うから宜しくね」

「・・・か、畏まりました」


 chefアランギー様とフォルティーナとマルアスピーとカトリーヌさんとトゥーシェとたまにパフさんと個別の話題を途切れ途切れで挟みながら、慌ただしくも優雅に珈琲を楽しんでいるとフレアリース様が申し訳なさそうに話に入って来た。


「世界創造神様をおもてなしするからには、能力相応の働きを可能とする存在が不可欠だとは思うのですが・・・これは、ナナンフェルテリーナ様が仰っていたことなのですが、おもてなしの精神にはもてなす側ともてなされる側双方に功徳が存在するそうなのです。それは、利他といって利益を顧みず尽くす行為の積み重ねなのですが、非常に申し上げ難いのですが、・・・其々大いなる個であれ大なり小なり悩みや問題を抱えているのは勿論のことなのですが、世界創造神様に限っては有り得ません、克服と超越を体現」

「フレアリース、君はいったい何が言いたいね、言いたいことがあるならハッキリ言うね、イライラするね」


 おいフォルティーナ、その言葉そのまま貴女神(アナタ)様にお返し致しましょうか、寧ろ是非返させてくださいませんかね。せっかくフレアリース様が、タブンだけど為になることを話してくれているというのに・・・ホントにもう。


「利他とは端的に申しますと他者に対しての思い遣りのことなのですが、特に、現状困っている者へ、苦しんでいる者に心を寄り添わせることを良しとします。世界創造神様をおもてなしする名誉は誰もが欲するところではありますが」

「アタシは要らないね」


「誰も欲するところだとは思うのですが、世界創造神様は始まりから全てを克服し超越した唯一です。困っても苦しんでもいない唯一を思い遣りの究極形態おもてなしの神髄利他でお迎えするのは何かが違うような違わないような・・・うーん着地が難しくなってしまいましたのでロイク様、この話は忘れてくださいませ」

貴重な時間をありがとうございました。

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