8-135 来る日まであと二日 ④
来る日の当日それも真っ只中に創造神様が御越しになる。
最早、来る日などどうでも良い話だ。ぶっちゃけフォルティーナが居れば問題ない。神気を上げるまでが俺達の仕事だったと思うことにした。
珍しいことに朝っぱらからマルアスピーと楽しそうに話をしているフォルティーナへと視線を移す。
本人曰く「誓約という名の鎖に縛られた美しき女神が願うは自由」って、基本的には自由過ぎる存在なんですから誓約くらい守って今まで通りの自由を取り戻してください。・・・任せてしまって大丈夫だろうか不安しかないんだが。
「フォルティーナ」
「何だね?」
「来る日に起こると思われる何らかの事象に対応するのがフォルティーナだけって、俺としては不安しかないんですが、未来を委ねて本当に大丈」
「当然だね。今更何を言っているね。良いかねロイク、君は黙って指を咥えたまま創造神の相手でもしていればそれで良いね。アタシは何を隠そう来る日が待ってはくれず、忙しくなってしまう予定でいるね。これは抗いようのない運命、必然に運が入り込める隙間などないね、つまりだね、来る日のことはこのアタシに任せて、ロイクはマルマル達皆と協力して創造神に一泡吹かせる、それくらいの覚悟が必要ということだね。分かったかね」
薄々感じてはいた、つうか分かってはいたけど、フォルティーナ、貴女神様は創造神様が苦手ですよね。
・・・あっ分かっちゃったかも。創造神様が当日御越しになるのって間接的な干渉は禁止じゃないからだ。
創造神様が動くってことは、フォルティーナは嫌々だろうが全力で動かざるを得ないってことだ。
創造神様のおかげで今回はフォルティーナを信用できそうだ。
フォルティーナの顔を見つめたまま。
「ですね。創造神様のおもてなしは俺達に任せてください。その代わり来る日の方はコルトの未来をフォルティーナに委ねます。当日はっ!! 一切口出ししないんで好きなようにやっちゃってくれちゃって構いません、ただ、被害は最小で変化も出来るだけ抑え目で不測の事態の時は報連相を徹底する。何事も出し惜しみは禁止で迅速解決経費を掛けるなら先ずは人件費にを徹底する。あとは命を大事にでお願いします」
これって究極の神頼み・・・イヤイヤイヤイヤ、誓約に縛られているのは俺もだから、これって完全なる丸投げとは違う。言うだけ祈るだけで何もしない有象無象に滅茶苦茶近い気もするけど近いだけだし気にする必要はないと思う。うん。
貴重な時間をありがとうございました。




